経済統制(規制)にろくなものなどない。交換は自由だから行われる。機会費用を学べ!
読売 2017.8.22
ベネズエラ 餓える民衆
>1999年に反米左派のチャベス大統領が就任すると、原油マネーをばらまいて貧困対策に力を入れた。企業の国有化や物価統制を強行し、石油以外の国内産業の衰退を招いた。
2013年副大統領だったマドゥロ氏が後任となった。チャベス氏の路線を継承。ベネズエラでは医薬品や食料の不足が深刻化している。
国内最大の国立小児科病院。医薬品が輸入できなくなった。抗がん剤や抗生物質、ワクチン我慢鋭的に不足。勤務医は相次いで国外に脱出。10人いた外科医は3人に。麻酔医も減って手術もままならず。16年に死亡した乳児は前年比30%増。妊婦の死亡も66%増。
食糧事情も悪化。栄養失調に陥る人が相次いでいる。国営スーパーに肉類や魚類は見当たらない。16年には国民の1/3にあたる960万人が1日2回以下しか食事ができない。
通貨も暴落。13年4月1ドル=約24ボリバルだったが、今月中盤には約1万3000ボリバルに、物価が急上昇し、今年のインフレ率は、720%と世界最悪の水準。
<自由が何よりも大切>
経済は、「いかに少ない費用・労力・カネで、いかに最大の効率を生むか」という話です。そうすると、時給自足ではなく、「交換」が一番効率が良いことが分かります。そして、「交換」こそが、経済活動の始まりです。
交換=トレードとも貿易とも言いますが、これは「自由」意志の下で行われます。自由だから、トクになるから交換が成立します。機会費用の原理です。交換は、自由意志の下でしか成立しません。
このメカニズムは、
拙著「中高の教科書でわかる経済学 ミクロ編 P94-111」を参照してください。読まなくてもかまいませんが、読まない人は、一生「なぜ交換=トレードするか」が分かりません(笑い)。
では、自由な交換=完全競争市場=パレート最適を、国家が「消費者保護」のためにゆがめ、「価格統制」をしたら、どうなるのでしょう?
自由な交換が行われている場合、消費余剰(トク)も、生産者余剰(トク)も最大化しています。生産者は、トクだから生産しています。

ここで、ベネズエラのように統制価格を導入すると、流通量が激減します。160→80

生産者は、この価格だと余剰減=利益が激減する、もしくは、赤字になるので、売ろうとしません。ベネズエラでは60円(統制価格)、隣のブラジルなら100円(完全市場価格)なら、生産者は必ずブラジルで売ろう!とします。ベネズエラには、小麦も肉も魚も入ろうとしませんし、国内で肉や魚を作っている業者も、ベネズエラ国内で販売しようとはしなくなります。外で売った方がトクだからです。
そうすると、「ヤミ市場」ができます。「公定価格」は60円だけど、「ヤミで120円」なら売るよ・・・国営スーパーにモノが入ってくるわけがありません。
ベネズエラの通貨は信用を無くして暴落します。
このように、取り引き=交換は、「自由」だから成立します。自由の反対は、「規制・統制」です。「規制・統制」にろくなものはありません。
23区私大、定員増認めず=来年度から、告示改正へ―文科省
時事通信 8/13(日) 16:55配信
文部科学省が2018年度から、東京23区内の私立大の定員増を原則的に認めない方針を固めたことが13日、分かった。23区内での大学の定員をめぐっては、政府の有識者会議が5月、「定員増を認めない」とした中間報告をまとめた。これを受け、6月に閣議決定された地方創生の基本方針にも「定員増は認めないことを原則とする」との方針が盛り込まれた。
こんなことで、地方の大学を助ける・・地方創生などできるわけがないでしょう。
進む有力大学の“東京ローカル化”、早慶は70%台に
8/26(土) 11:29配信 日刊工業新聞
東京23区の大学の学生定員や学部の新増設を規制する方針を政府が打ち出した。東京一極集中の是正と地方の活性化が狙いだというが、効果は疑わしい。
実は地方から東京への進学は減少している。文部科学省の統計では、都内の大学に入学した東京圏(埼玉、千葉、神奈川含む)以外の学生は、2002年が4万5527人で36・4%を占めた。しかし16年は4万2998人で29・7%に減った。
そもそも23区の学生はそれほど増えていない。16年は46万7000人で全国の17・4%を占めた。だが1976年は約60万人で同29%、60年は約31万人で同44%を占めていた。学生は昔の方が東京に集中していた。
文科省、配下の天下り団体の数は、省庁No1です!せっせせっせと、天下り団体=公益法人(独立行政法人と名前変え・・・)を作ってきたのが文科省です。
www.soumu.go.jp/main_content/000408998.pdf
閑話休題
世界貿易も同じです。第2次大戦後、世界の国は、GATT/WTOで、一貫して「関税の引き下げ」をしてきました。その結果、「トレード=交換=貿易」は拡大の一途となりました。
東学 資料政・経 2017


自由貿易をして貧しくなった国など1つもありません。規制を主張する人は、すべて「現実無視=妄想」をこねくり回しています。