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服部茂幸 アベノミクスの終焉

<ウーン>

 アベノミクス批判も、きちんとした本を読まなければと、手にした本です。

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 なんだかなあ。岩波って、結局「反○○」とか、「反保守」の論陣を張る?のはいいのだけれど、なんか、そのスタンス、もう無理ではないかと。政治を見ても、2項対立は、日本にはどうも馴染めていないようだし・・・

 だって、アベノミクスって、財政+金融の、バリバリの「裁量主義」、ケインジアン政策でしょう?史上最大の財政政策と、史上最大の金融緩和ですよ。しかも、「ルール」無視、政府が企業に、「賃上げしろ」と迫る、やりたい放題の政策ですよ。

 フリードマンに代表される、「市場メカニズム」を批判するなら、左翼の立場として分からないでもないのですが、左翼が、ケインジアン批判するというのは、どう考えても、「無理」でしょう?

 だから、岩波による、「アベノミクス批判」も、支離滅裂になっているのが現状です。だって、「アベノミクスは、金融+財政の裁量(最良)政策、さらに政府支出を拡大させ(社会福祉を充実させろ、貧富の差をなくせ)ろ」というのが、本来の左派の取るスタンスでしょう?

 それなのに、「アベノミクス」批判して、じゃあ、「市場メカニズム」派かと言うと、もちろん「市場メカニズム」なんてとんでもないと言うし…

 もう、最初から、よって立つ位置、スタンスが、わけが分からないのです。

クリック

朝日新聞 大丈夫か


<アベノミクスとは>

1.まず、アベノミクスは、財政+金融(2年後を提示)+構造改革です。

(1)金融政策 
ケインズ(流動性の罠)+新しい古典派(ルーカス)らの合理的期待形成説
2年後マネタリーベースを、128→270兆円に拡大し、インフレ率2%目標

(2)財政政策
 ケインズ(流動性の罠)下での、IS-MP曲線(IS-LMでも同じ)の、IS曲線操作
 100兆円を超える、政府予算

(3)構造改革
 サプライサイド(供給重視)の政策
 規制改革(TPP参加、農協改革、混合診療導入など)

2012年11月~の、「金融緩和する」という安倍さんの政策表明VS野田総理
2012年12月16日 総選挙 政権交代
2012年12月26日 安倍内閣
2012年12月、黒田日銀の金融緩和目標

P49
政策の評価を正しく行うためには、政策が行われた場合と、行われなかった場合、それぞれの日本経済の姿を測定し、その差分を計算しなければならない。



その通りです。

P49
 経済成長率がゼロだったとしても、異次元緩和が行われなかった場合、成長率が-3%になっていたら、異次元緩和は、成長率を3%ひきあげたことになる。

 逆に4%という高い成長率であっても、異次元緩和が行われなくても4%の成長率だったら、政策効果は0である。

 しかし、異次元緩和が行われなかったら、日本経済がどうなっていたかは正確には誰にもわからない。そのため政策評価は、あいまいなものとならざるを得ない



その通りです。しかし、政府が自己評価することについては

P49
 あいまいさに付けこみ、政府は自己の政策の正当性を主張し、実際にしている。よいデータが出たら、成果を盛んに喧伝し、悪いデータは無視するか、よいデータを示して反論するか、他の要因に責任転嫁するか、悪いのは一時的であると主張する。

P51
 政府日銀と関係する経済学者は、ゆがんだ政策評価によって、異次元緩和に成果があったかのごとく喧伝している。



 そうなんですよね。正確な評価ができないので、恣意的なデータで評価するなと言うのでしょう?

P49
政策評価は、あいまいなものとならざるを得ない。



P49
 あいまいさに付けこみ、政府は、自己の政策の正当性を主張し、実際にしている。よいデータが出たら、成果を盛んに喧伝し、悪いデータは無視するか、よいデータを示して反論するか、他の要因に責任転嫁するか、悪いのは一時的であると主張する。



この批判、自身にも戻ります。


 で、批判するなら、少なくとも、2年間と言うスパンで見ないとダメでしょう。特に金融政策を批判するなら。

 それなのに、批判本は、とにかく「あら捜し」しかできない(だって、まだ結果出ていないので、そもそも、判定できない・・・試合途中で、短期の現象をとらえて・・・

批評 まとめ

 ちなみに、2013年5月の大暴落?とは、下記のことです。

http://toyokeizai.net/articles/-/14208

株価暴落は、いつ止まるのか?ヘッジファンドは、いま何を考えているのか

小幡 績 :慶應義塾大学准教授

5月23日の大暴落後も、暴落が予想以上に続き、トータルで、株価はかなり下がっている。
下落の仕方が問題だ。5月23日は、日経平均が一日で1143円下がったと言われているが、その日は、前日から比べると大きく上げで始まり、その後暴落した。さらに、夜間の先物取引では大幅下落継続だったから、先物の幅を見ると2000円も動いている。一日で2000円動くと言うのは、何か事件が起きないとあり得ない。リーマンショックよりも大きく、震災よりも大きかったのだ。

筆者注)5月23日の下落率7.3%は、歴代10位の記録



株価

 これを、大暴落って批判するのも・・

2012年11月~の、「金融緩和する」という安倍さんの政策表明VS野田総理
2012年12月16日 総選挙 政権交代
2012年12月26日 安倍内閣
2012年12月、黒田日銀の金融緩和目標
読売 H25.3.5 3.jpg


 これで納得しろと言われても・・・・

「高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学」

Kotaro Ishida

 久しぶりに゛経済学゛分野の良本を目にしましたので、レビューしています。著者は北海道の現役の公立高校の教師の菅原晃さんです。

 以下に、山形浩生氏の推薦分を記載しておきますので、良かったら、購入してみて、読んで下さい。私も数多くの経済学の本も読破していましたが、この作品は、簡潔で素晴らしい作品の本著です。

 …世の中には、ものすごく分厚い経済学の教科書がたくさんある。それに比べて、本書に書かれたことは、基礎の基礎だ。それは本当に重要な基礎で、しかもすぐに応用できる基礎だ。*以下省略

 GDPの三面等価、リカードの「比較優位論」からアベノミクスまで。筆者の菅原さんが慶応大学経済学部卒業という点から、間違いナシの優れた経済学 の入門書の1冊になって来ると私は感じた作品でした。

 浅学非才でしたが、大学時代には経済学部のミクロ、マクロ経済学だけは積極的に履修して卒業している私も、稀な良本だ!と、思わず納得した素晴らしい作品でした。是非とも多くの人に読まれて欲しいです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
以下、本が好きへのレビューからですが、簡素に引用しておきます。

 【書評】高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学 菅原晃 河出書房出版社

 現役の高校教員の菅原晃先生の作品で、本書の前身は自費出版の入門書という異色の経済学の作品です。

 内容的には、高校での゛政治経済゛と、大学教育での経済学入門との 「橋渡し役的な位置付けの作品でした。ちなみにレビューする私も進学時に経済学入門書を担任教師から頂いています。*実話です。ちなみに進学したのは、゛経営学部゛で経済学の単位は進んで自主的に履修した事には違い有りません。

 あくまでも、橋渡し役的な作品ですから、実態経済学Economicsと、Economy:経済とは違った領域を解く作品と思っています。*本著のおわりに…243ページからに書かれています。エコノミーは、゛経済現象゛エコノミクスは゛学問゛…相違な話で有ります。

 一章が GDPの三面等価
 二章は 企業の赤字と貿易赤字の違い
 三章は 貿易黒字について
 四章は リカードの「比較優位論」を解説
 五章で 国債について
 六章では 財政政策と金融政 策*ちなみにアベノミクスについての見解もこの章に
 書かれています。 以上

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