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低所得世帯の子供、授業「わからない」4割 北大など調査

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170602-00010002-doshin-hok

低所得世帯の子供、授業「わからない」4割 北大など調査

北海道新聞6/2(金) 10:50配信

進学、3割が「高校まで」

道が、北大と共同で行った子どもの貧困に関する全道実態調査の最終報告の概要が1日、判明した。年収100万円以上200万円未満の世帯では4割近くの子どもが学校の授業について「わからない」と答え、3割が進学について「高校まで」と回答。いずれも全世帯平均を上回り、親の経済状況が子どもの学習の習熟度や進学に影響している傾向が浮かび上がった。

家庭環境 学力


道は今回の調査結果を踏まえ、一人親への就労支援や子どもの居場所づくりなど総合的な子どもの貧困対策を進める。

 学校の授業について「ほとんどわからない」「わからないことが多い」「あまりわからない」と答えた子どもは全世帯平均で31・1%。これに対し、年収100万円以上200万円未満の世帯で38・3%、200万円以上300万円未満の世帯で36・3%に上った。

 高校2年生と保護者に進学について尋ねたところ、100万円以上200万円未満の世帯では「高校まで」と答えた高2が30・7%、保護者が31・7%、200万円以上300万円未満の世帯では高2が29・9%、保護者が35・7%で、それぞれ全世帯平均の22・8%、24・1%を上回った。



<現実を見よう>

上の結果が、学力と家庭環境の「相関関係」です。「事実」の世界なので、そのまま受け入れるしかありません。

橘玲
言ってはいけない―残酷すぎる真実―(新潮新書)

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学術的な記録としては、次があります。

文部科学省委託研究「平成25年度全国学力・学習状況調査(きめ細かい調査)の結果を活用した学力に影響を与える要因分析に関する調査研究」(国立大学法人お茶の水女子大学)

クリック

https://www.nier.go.jp/13chousakekkahoukoku/kannren_chousa/pdf/hogosha_factorial_experiment.pdf#search=%27%E5%BE%A1%E8%8C%B6%E3%83%8E%E6%B0%B4+%E5%85%A8%E5%9B%BD%E5%AD%A6%E5%8A%9B%E8%AA%BF%E6%9F%BB%27


社会的地位の高い家庭(収入や学歴)と、低い家庭の比較です。要するに、できる子はできる、できない子はできない、できる子はハイレベルな家庭環境の子、できない子は低レベルの家庭の子という研究内容です。

 当たり前です。高学歴=必然的に高収入の家庭=社会的地位の高い家庭になる。親が社会に関心を持ち、子どもと進路についてよく語り、新聞を読み、TVニュースを読み、博物館や美術館に子どもと行き、感想を語り合う。そのような家庭環境であることが、示されています。
 逆に低レベルの家庭では、そのようなことを全くしません。家は散らかり放題、親は子供の子育てなど全くしない、新聞もTVニュースももちろん見ない・・・・。そのような環境にあることが示されています。

 事実として「冷徹」なのは、低レベル家庭の子が毎日「3時間」塾などで勉強しても、高レベルの「まったく勉強しない子」に、点数では「勝てない」ということです。

 こういう事実を認めない人が世間に多すぎます。そういう人は、「事実=である」の前に、常に「規範=べき論」を持ち出します。曰く、「そうであってはいけない」「格差を是正すべき」「低レベル家庭の子の学習支援をすべき」「子の学力格差は家庭環境によって差別されてはならない」・・・・・

 こういう、「現実無視」が得意です。

<現実とは>

 100メートルを10秒台、11秒台で走れる子がいます。一方、どうやっても20秒台、下手をすると、30秒台でしか走れない子がいます。
 「20秒台、30秒台でしか走れない子を、10秒台で走れる子どもと同じにしろ!少なくとも環境を整えろ!」をべき論者は唱えます。アホか?です。

 こんなもの、人類がどんなに進化しても「絶対に無理」です。できるのは、まだ才能を開花させていない子がいるとしたら、その子が21.5秒で走れるところを、20秒を切る19.8秒にする・・・できるのはこの程度で、その子を10秒台で走らせるのは、絶対に無理です。

 運動能力については、この「差」を認めるのに、こと「学力」については子の差を認めない・・・バカです。

 ふた昔前は、中学校の評価は、相対評価、今のように「努力したら誰でも5段階評価で4とか5とか取れる・・・」という絶対評価ではありませんでした。

 その評価は

1 全体の7%
2 全体の14%
3 全体の58%
4 全体の14%
5 全体の7%

 と、厳密に決められていました。世の中(大人の学力)は結局、この「相対評価」割合で出来ています。1や2の子は、「絶対に」4や5にはならない(なれない)のです。

 つまり、数学の点数が38点の子が、次回45点を目標にはできるものの、センター試験で9割以上の得点を取ることは、「不可能」なのです。

 いいですか?世の中には、オール1、アヒルの行進と呼ばれたオール2の子は確実に存在します。私たち教師にできることは、オール1の子を、オール1.3にしたり、オール2の子を2,2にしたり・・・その程度しかできません。オール2の子を、「一流大学進学」させるのは、「不可能」なのです。

 職場で「いじめ」が起こるのは当然なのです。みな「自分が基準(人間は万物の尺度)」だからです。「自分はこの程度の仕事は1時間で出来るのに、この子は3時間もかかる・・・忙しいのにイライラする!!!!!」・・・結局仕事のできない子に「つらく当たり」ます。

 弱者の立場に立って・・・は理解できますが、職場ではそんなこと言っていられません。いかに仕事を素早く、効率的に、さっさと終わらせるか・・・が勝負=生産性向上だからです。(もちろん、障害者雇用を●●%とする・・という法律はありますが、また別の話です)。

 この「生産性の高い優秀な人」を企業は取りたがります。だから、スクリーニング=学歴・学校歴・資格を基準にするのです。学生は、その企業に受かる力を備えようと、勉強するのです。

 オール1の子、オール2の子、「やればできる」幻想など、現実には「ない」のです。「やればできる」ことなど現実にはなく、「やれない」「やらない」「やれる能力がない」から、オール1、オール2なのです。

 北海道の高校生でも同じです。偏差値の高い学校の家庭学習は平均で2時間・3時間はあたりまえです。しかし、高校の偏差値ランクが下に行くに従い、家庭学習時間は少なくなります。
 
「進学校は勉強する」のではなく、「もともと勉強習慣のある子が進学校に行く」のです。底辺校で、毎日2時間・3時間の家庭学習など子どもたちには「できない」のです。強制的に宿題出しますか? 子どもたちは宿題など全くしません。能力的に、勉強するということができないのです。結果、生徒もイライラ、出した教師もイライラ、こんなこと続くわけがありません。

 「やればできる」妄想論者にお尋ねします。あなたが100メートル、20秒台でしか走れないとして、強制スパルタで、13秒台に突入することを目標にする「強制学校」に行きますか?そんな「学習」を、あなたはできますか?「環境」は公共団体や国が整えています。
「強制」的に受講したら、あなたは13秒台で走れますか?「やればできる」論者さん?

 身分制度を否定し、「天は人の上に人を造らず」・・・となった、近代以降、評価軸は、「家柄」ではなく、「学力」になりました。
 朝鮮では、奴婢はどんなに優秀でも奴婢、両班(やんばん)という貴族階級でないと、「科挙」試験もうけられず、もちろん「公務」につくこともできませんでした。
 
学力=生産性を否定し、「やればできる」「学力格差をなくす」「底辺の子供たちに生活支援すべき」論者さん、では、「共産主義」や「身分制度」復活しますか?能力があろうがなかろうが、「給与保証」。夢のようですね。

 カネが無いから進学できない、家庭環境で、高卒にしかなれない・・・。そうではないのです。家庭環境が低い親や子供たちは、「進学(資格取得)」など、最初から考えていない(世界が違う)のです。「大卒の資格取りたいなら、新聞奨学生や通信課程もあるよ。実際にそういう教え子がいるよ」・・・こんな話をするまでもなく、そもそも「勉強したくない」のです。

 同一労働=同一賃金論者は、高卒でも大卒でも同じ仕事をしていたら、同じ給与払えといいます。生産性?が一緒だから・・・というものです。が、大学卒⇔高卒⇔中卒ではあまりに差があり過ぎて、現場では「使えない」という現実すら、無視です。

 土建会社では、公共事業建設の場合、恐ろしく膨大な資料を作成します。ダムや護岸工事、橋の建設でもです。そんな場所では、高校数学・微積など、基礎の基礎であり、大学で学ぶ数学が「現場で使用」されているのです。高卒など、「使えない」のです。

 理系だから?ですか?では文系なら、大卒も中卒も同じですか?生産性が。漢字や英語や数学の処理能力、空間把握能力、コミュニケーションスキル・・・生産性は同じですか?

 生産性=処理能力・キャパシティのことです。これは「学力・資格=スクリーニング」で選抜されます。近代以降、洋の東西を問わず同じです。

 身分で「大学入れない」は、撲滅しなければなりませんよ!しかし、ハーバードの授業料、年間に700万円を超えますが、そこも「低所得者も平等にしろ!!!」ですか?なぜ?

 「べき論者」が「べき論」を振り回すのは、勘弁してほしいです。勝手に言っていなさい。
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No title

ん? アイビーの授業料はバカ高ですが、だいたい上位1/3は免除や給付奨学金で相殺されて州立大学並の負担かそれより少ないそうで。北海道もネイティブスピーカーが配置されてますよね。何人かはそれのはず。
残り2/3の学生は大変ですね。

No title

親の所得で子供の学力と人生がほぼ決まると言うのは、我々の業界の公然の秘密でしたが、いやー、気持ちよく喋ってしまいましたねぇ。
まぁ、低学力の中には単なる不勉強もいますから、平均2.0を2.5に引き上げられただけでも、生徒の人生は変わるでしょう。
私は就職時の収入が200万円超えが出来れば、とりあえず成功だと評価しています。幸い企業さんが人手不足で賃金をあげつつあるので大分助かってます。
学問はそれ自体が目的ですが、多くの人間、特に低所得・低学力の者にはそうは行きません。しかし金である程度補うことが出来ます。とりあえず自分の飯と小遣い、公的負担を賄えるようにしてやり、数年後には親元を離れられるような道にすすめてあげましょうや。

私らに出来るのはそこまでですよ。それだって、何人かは救いの手を振りほどいて自分からダメな道を選ぶ。そこまでは責任持てませんって

現場では

 当たり前のことですがね。一番苦労しているのは、我々「現場」ですからね。公立校の場合、東京も含めて底辺校⇔新学校へ、転勤しますので、みな苦労を知っていますよね。私立の困難校は大変だと思います。ボロボロ、生徒が辞めていきますしね。

 NPO法人とか、大学生ボランティアで、学力向上のために無料で塾なんかをやっていますが、頭が下がることは事実ですが、永遠に解決しない問題に取り組んで、泥沼にはまっているように思えます。

 土建業界など、求人倍率は3倍とか、4倍になっていますので、そういう職業につけば、食べられますけどね。

 べき論者の空想論に構っていられないですね、現場としては。

のぞみさんへ

のぞみ?さん
p1211-ipad506sapodori.hokkaido.ocn.ne.jp

あなたは、札幌市内の中学校教師だそうですが、ルールをお守りくださいと、何度も警告しています。

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迷惑ですので、投稿をおやめください。

No title

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