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文化と伝統など、後で作った話に過ぎない3  「欧米」と、ひとくくりにするあやまち

<文化と伝統など、後で作った話に過ぎない>

コメントする方は、質問欄からお願いします。ルールを逸脱する方がおり、大変迷惑してます。

 一口に、「欧米」といっても、中身はまったく違うようです。英仏、米仏で違うかと思いきや、英米(アングロサクソン)でもまるっきり違うようです。

オティエ由美子
 『イギリス、日本、フランス、アメリカ、全部住んでみた私の結論。日本が一番暮らしやすい国でした』泰文堂 2014
 より

1)日本には、「カタカナ」が合ってよかった・・・

 フランスでは、外来語については「アカデミー・フランセーズ」が、フランス語が乱れないよう、年に数回会議をし、「フランス語高等委員会」が普及するシステム。

 コンピュータ→オルディナター
 ソフト→ロジシエル
 Eメール→クリエル

企業内のコミュニケーションを英語で行うことも、法律で禁止(1994年)。楽天やユニクロなど、フランスではありえない!

2)アメリカは、移民の国だから、ニューヨークと言っても人々の意識はみな内向き。外の世界のことなど、どうでもいい話になってしまう。スポーツもアメフト、野球、バスケ・・・アメリカ限定のスポーツばかり・・・サッカーがようやく・・・だが、外に目を向けるには期待薄。

3)仏は自己主張はあたりまえ。謝らない文化は、米仏。英はそれらに比べると謝る方。自己主張は米がダントツ。

4)英仏のユーモアは、場所など関係なく飛ばされる。きつい皮肉やブラックジョークが当たり前。初対面だろうがなんだろうが、飛ばす。米は、時と場所によるユーモアが求められる。

 英では、ビールよりも何よりも「ユーモア」。英国魂のよう。

5)風刺は、フランス。福島原発記事で、3本の手足の相撲とりの風刺画を載せた、「カナール・アンシェネ」。日本は猛抗議したが、フランスでは、「そのペーパーなどそんなもの」「日本人には毒入りユーモアが分からない(時がある)」という感覚」。

 日本では、病気・死、天災、障害、差別にかかわるユーモアは「タブー」。しかし、これは「文化」の違い。要するに、どちらがどうのと言う問題ではない。 

 イギリスBBC放送。「日本では原爆に2度も遭遇した、世界一不運な人がいる。電車で長崎に移動したと言うが、そんなさ中に電車が運行されていたとは驚き。それに比べてわが国の電車は・・・」という放送に、日本が抗議、謝罪。
 「イギリス人やフランス人には倫理観と言うものが欠如しているのでは???」と思わないように気をつけたい。それは「日本独自」だから。

6)英語コンプレックスは、フランスの方がひどい。英語を話せる人はフランスでもかっこいいと思われる。少しでも英語ができれば、観光客相手に披露したがる。フランス人は相当英語コンプレックスを抱えている。日本人と比較してもどちらが重症か、判断できないほど。仏新聞には、「なぜ我々はこんなに英語ができないのか」と特集記事が組まれるほど。

①中高図書室に英語の本が皆無
②TVは吹き替えが原則
③英語授業は文法・書き取り中心。オーラル軽視。

7)アメリカは移民者向けバイリンガルが徹底。公立のバイリンガル・プログラム。1963年~。授業の半分は英語、半分は母国語が徹底(カナダは、もっと徹底)。今はさらに拡大中で、ニューヨーク市だけでも300校を超す。理由は同時多発テロ。アラビア語を操れる人が政府組織にもほとんどいなかったから。しかし、「税金の無駄」という反対意見も多数。

 確実なのは「母語さえしっかりしていれば、第二外国語は大人になってからでも習得可」という事実。「バイリンガルを育てれば、長い目で見たときにその国の強みになる」「母語と日本語の授業・・これが将来の日本の強みに」

8)理数系はエリート、仏は並外れている。文系が就職に不利は、日本の比ではない。エリートは、みな「工学系グランゼコール」という、大学とは別組織。最高峰「理工校学校(ポリテクニーク)」の歴史はナポレオン時代から。ゴーンさんもここ出身。ただし、ルノーをみてもわかるように、フランスは半分「社会主義」の国。アンチ・グローバリズム、アンチ資本主義の左派勢力がとても強い国。

9)英米は数学が泣き所。数学に弱い人が圧倒的に多い。米メディアでも「「なぜ我々はこんなに数学が弱いのか」と特集されるほど。教科書は貸与(何年も引き継ぎ使用される)・分厚い・家でも置きっぱなし、授業はプリント。ただし、2018年までにオバマにより「電子教科書導入」に。そのかわり、学校教育ではプレゼンテーション授業は徹底。
 金融街シティで働く人はみな営業担当で、高度な数学能力が必要な部門は、仏・ロシア・中・インド系ばかり。アメリカでもウォール街は中・インド系アメリカ人ばかり。白人は少数。 ぶっちぎりで、算数が得意なのは、「日本人」。

10)しつけは、フランスは厳しい。他人の子供にも容赦ない。たたくのも当たり前。英米では絶対禁止。英米では静かにさとし、子どものときから怒鳴られたことなどない。日本はどちらかというと仏式。仏の子は概して従順、英米はマイペース。英米では「仏式教育本」がベストセラーにもなるほど。ただし大人になると英では、「社交的(共同体に気を使う)」になり、仏では「自分さえよければいい(親以外の人に態度が悪い)という個人主義」的になる傾向。これは当たっているようだとのこと。

11)カップル文化
 徹底は、仏。すべて。夫が50年間、妻を1人にしたことがないなど、ざら。同性友達とレストランでも、「パートナー同伴か否か」を必ず事前予約。日本の「乳幼児と母親」と同じようなもの。がっつり「カップル文化」。
英では、パブで、男性が週に2~3日過ごすなど、当たり前。日米英では、同性同士の集まりも頻繁(ただし正式な場所ではカップルのみ。わざわざ大学時代の友人に頼み込んで出席しなければならないことも)。「おひとり様文化」では日本は断トツ。

12)階層・階級

日本は、貧富の差が少ない。都内高級宅地でもロンドンパリニューヨークの8~7割程度。教育費(私立小)も半分から1/3.一般サラリーマンが、一点豪華主義や共働きなら、手の届くレベル。

ロン・パリ・ニューヨークの庶民は、どんなに背伸びしても高級宅地に住むのは不可能。両者にはどうあがいても越えられない壁。
富裕層は使うカネも多いが、出ていくカネも多い。スーパー・デパートも階層によって細かく分類。
貧困層と中間層の差も顕著。圧倒的なのは、あきらかに「有色人種」少数の例外を除いて貧富の差はそのまま人種の差。

何らかの扶助を受けている貧困層は15~20%、日本は1.5%。英仏では貧困層に対する風当たりが激しい。自分の血税が生活保護受給者に絞り取られていると感じ反感を抱く中間層が多い。仏の場合、受給者の移民が占める割合は少なくないので当然怒りは移民に向けられる。

米は、人種間の経済格差が如実。ニューヨークでもホワイトカラーは白人、ブルーは黒人かヒスパニック。管理は白人。スーパーやアパート管理でも同じ。レジ係や宅配担当は黒人かヒスパニック。韓国系小売店は店長が韓国系、従業員はほぼ100%ヒスパニック。
パリやロンドンではここまで歴然とした差はない。

プライベートにおいてもニューヨークでは同人種で動く。人種がまざって行動しないので、サラダボールと呼ばれる。人種差別はタブーだが、黒人ヒスパニックと白人の間の経済格差は差別格差と変わっていない。

人種差別問題=貧困問題のこと。

黒人や有色人種は、白人には「サー」という敬称を付けるが、アジア人にはつけない。

アメリカ社会の裕福な家庭の子供は、カネのかかる教育を受けて、アイビーリーグに進み、高収入の仕事に就く。
フードスタンプの支給を受ける部貧困家庭の子供は、質の悪い公立高校で、就けるのは非熟練低賃金の仕事のみ。貧困家庭から富裕層に改装移動できる率は限りなく低い。中間層にまで浮上できるレベルも30%程度。
アメリカ公立高校では、勉強を頑張ろうとする生徒がいると「白人のまねをするやつ」と呼ばれ、黒人同士の間で仲間外れにされる。
フランスとイギリスでは人種より、移民というくくりの差別。フランスは反イスラム色が強い。フランスにおけるアラブ人は移民+イスラム教徒という点において二重苦を背負っている。住む場所によって、どういう階層かがすぐわかる。

階級に異様にこだわるイギリス人、イギリスはアッパークラス・ミドルクラス・ロウワクラス。ミドルクラスの中でも三つにわかれ、アッパー・ミドル・ロウワ―までいる。イギリス国民にとって階級は非常に重要な分類。日々強烈に認識しながら生活。

英では、階級制度がと経済力とは一致しない。いかに経済的に落ちぶるれようと、上流階級出身者は、社会では上流終身階級者として扱い続けられる。たとえホームレスになっても。
労働者階級出身であれば企業家でも「成金」としか呼ばれない。

出身階級は即座にわかる、英語のアクセント。一言口を聞けば出身階級・出身地域・パブリックスクールか公立校か、まであてられてしまう。日本人の地方出身者が方言を標準語に変えることよりもずっと難しい。外人は、イギリス人社会からはアウトサイダー扱い。

フランス人はストライキやデモが好き。数日等生ぬるい。3週間続いたストもある。
フランスの共産主義者は、「出資等労働組合が企業側と交渉を行うだけでは不十分であり、労働者は自分にできる方法で直接企業に訴えるべきだ」と考える。旧国鉄一般職員の定年は54才、運転手は50才。この優遇措置を改正したいと試みるものの、そのたびに、猛反発。軍隊、警察、国会議員、電気ガス会社、オペラ座及びコメディー官製館職員といった人たち。赤字の主要原因が年金制度。

結論。

文化など、千差万別で、唯一の答えなどない。

基準などないのに、自分の考え方ををごり押しするのは、異常(政治家は除く)。

みなバラバラだと認識すると、意見など、すべて「個人的意見」。

TV解説者も、専門的知識で説明する範囲なら、専門家の領域。ただし、「意見」を言った途端に、TV前の視聴者の1人と
同じ。普遍性など全くない。

追記

このブログでは、「意見」は必要ありません。見聞すること自体が、私にとっては自分の時間を奪われるので、大変苦痛です。

私にも意見はありますが、「意見」を書かない(冗談をのぞき)のは、そういうことです。自分が知りたいこと、知りたい情報、知りたい番組は、自分で探しますので、皆さんの意見を「押し付けないで」ください。

自分がひまな人は、相手もヒマだと思い、自分が悲観的なら、相手も「悲観的」な考え方をするものだ・・他人もこう考えているだろうと推測するのは、自分自身の反映・・・「人間は万物の尺度」というのは、すべて「自分自身を基準として、対象を認識する」ことです。


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