遠交近攻、中国も英国も、すごすぎる
外交とは「笑顔の下で、お互いの手をひもで結びながら、殴り合いをしている」と形容されることがあります。
今回の中英セレモニーは、まあ、外交とはこういうものだと見せつけられたようで、特に英国は役者が一枚も二枚も上手、さすが「大英帝国」だなあと思います。植民地の分割統治、遠交近攻の中国に乗りながら、一線を画す・・・。すごすぎます。
日経H27.10.25 要約掲載
・9月初め、キャメロン首相とオズボーン財務相がそろって、日立製作所の英東部ニュー・英クリフ(ロンドンから2時間半)鉄道車両工場開会式に出席
・3週間後オズボーン財務省は北京へ ロンドン起点の新高速鉄道参加を中国勢によびかけ
キャメロン氏は 中国国営中央テレビの単独インタビューで「両国関係は黄金の時代を迎えた」
・アジアインフラ銀行AIIBへのいち早く手を挙げ、独仏などの呼び水役、安倍首相が6月サミットでこの問題を提起したが、ぬかにクギ。
・10月21日 習氏と、キャメロン氏、7兆数千億円の特大商談に署名。高速鉄道、シェールガス開発、原子炉、航空機エンジン・・・日立への賛辞はどこに・・・
・12年5月、キャメロン氏はダライラマ14世と会談、中国怒りは烈火のごとく・・こじれた関係修復に1年半費やす。
・今週メルケル独首相が、来週はオランド仏大統領が訪中。地政学上の脅威をさほど感じていない。
まさに中国の遠交近攻。
さて、英国はエリザベス女王が、最恵国のおもてなし、習氏は、バッキンガム宮殿に宿泊。
ところが、この晩餐会、肝心の人が出席していません。 チャールズ皇太子、次期国王です。

Dominic Lipinski-REUTERS
つまり、女王は歓迎するが、チャールズ次期国王は、(わざと)出席しない。それは、(人権問題・民主政・言論の自由がない)中国を、完全に認めているわけではないという、強烈なメッセージだそうです(テレビ朝日、本日の昼の「TVスクランブル」より)。
役者が違いすぎる・・・。