格差社会?アベノミクスは、貧困を作る?貧しい人はより貧しくなる??

<格差社会?アベノミクスは、貧困を作る?貧しい人はより貧しくなる??>

 ピケティがブームになり、格差が話題に上りました。

・格差はなくすことができません。
・格差は資本主義社会の方が、共産主義よりありません。
(中国や北朝鮮やキューバの例を見よ)

・格差があるから、成長を阻害するわけではありません。
(OECD報告書2014年は、格差は成長を阻害するとしています。今は時間がありませんが、これについては、じっくりと読んでみます)

・日本は25%が65歳以上の高齢者です。年金生活の人々の所得を上げることは不可能です。よって、日本が経済成長すれば、格差は広がります。

・効率と公平、前者が経済学の領域、後者が価値観政治の領域です。しかし、現在の経済学は、当然ですが公平を行動経済学や神経経済学で扱っています。効率と公平では、人間は後者を重視することが分かっています。最後通牒ゲーム・独裁者ゲームでは、自分が公平に扱われていないと感じたときの怒りは凄まじいものがあります。

労働市場は、効率(需給原則)ではなく、特に公平原則が働く市場です。会社員の給与を全て公開すれば、悲劇です。社長と自分の給与格差が10倍あっても、メジャーリーガーが20億もらっても感情は爆発しませんが、自分と机を並べる同期や同僚が、月に5000円多い給与をもらうのを知ると・・・・・。人間だれしも自分のことを平均以上に評価しているからです。

労働市場では、「公平」が何よりも大切な原則です。経済学では当然論じられています。

それを知る企業は、毎月の給与と報奨金(ボーナス)は、分けて考えています。成果を報奨金に反映させます。これなら、所得が同僚より少ない人も、その理由を自分なりに合理化できます。

・家庭環境(所得や、親の学歴)と子供の学力に相関があります。毎年全国の小学校6年生と中学2年生を対象に行われている、『全国学力調査の分析結果(平成26年 御茶ノ水女子大)』をご覧ください。はっきりと結論が出ています。
社会的レベルの低い家庭環境の子供は、毎日3時間以上勉強しても、勉強時間が0時間の、高レベルの家庭環境の子には追いつけません。

 教育(公教育や各種団体が、学力の低い子を何とかしようと努力しています)では、勉強格差・ひいては収入格差を埋めることはできません。「頑張れば何とかなる」ことはありません。
 

カテゴリ「学歴・貧困・生活保護」参照

・格差は「貧しいひとがより貧しくなる」ことではありません。日本では、生活保護者も温水シャワーや日々の食料や、温かい・涼しい住環境を得られます。生活の絶対レベルは、昭和の時代とは比較になりません。

・子供を1人抱える母子家庭と、役者をめざし今はバイトで生活費を稼ぐA君と、リタイアした年金生活者(家はあり)、専業主婦世帯で、子ども3人の家族います。では、市町村税はどうすべきでしょうか。子どもへの手当てはどのようにしたら良いでしょうか?母子家庭が医者で高収入だったらどうでしょうか? 年金生活者の夫婦の1人が病気だったらどうでしょうか?

 公平には、唯一の答えがないのです。

日本人はなぜ成熟できないのか日本人はなぜ成熟できないのか
(2014/07)
曽野 綾子、クライン 孝子 他

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クライン孝子

P91
「原体験は6歳。中国大陸で終戦、日本への引き上げ途中。リュックを背負い、線路伝いに長い道のりを歩き続けた。あるとき盗賊に襲われかけた。みんなで身を隠し、息をひそめていたが、突然赤ちゃんが泣き始め、その母親は思い余ってわが子を殺してしまった。そうしないと全員見つかって殺されるかもしれないからです。そういう悲惨な体験が原点にあり」



本当の貧困とは、こういうこと。

はじめて読む聖書 (新潮新書)はじめて読む聖書 (新潮新書)
(2014/08/11)
田川建三ほか

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田川健三“初めて読む聖書”新潮新書 2014

注)田川先生は、原典からの、聖書訳を進めている先生。キリスト教研究者で、彼を知らない人は、もぐり。強烈な個性・考え方の持ち主。1974年から、ザイールの大学へ

-『イエスという男』のなかで、「幸いなるかな、貧しい者」という聖書の一節を論じたところ・・・。

野菜売りの行商ですが、アンゴラ難民のダヴィドが死んでしまったのです。ダヴィドには兄さんがいて、この男も野菜売りをやっていて私もよく顔をあわせておりました。子どもを4,5人かかえでいたんですが、結核になった。治療する金なんかないから、どんどん悪化して痩せていった。そしてとうとう来なくなったので、ダヴィドに聞いたら、結核で死んだ、という。彼はその子どもを全部引き取って、自分にも何人も子どもがいるのに、これをみんな育てないといけないから大変なんだ、と。しかし、今度は、ダヴィド自身がなかなか来なくなったんです。

ある時、野菜を担がずにやって来た。彼にしたら、お別れに来たんでしょうね。
自分も結核になった。野菜を担ぐ体力がなくなったので、もう来れない、申し訳ないと、私のことを心配してくれている。見たところもうひどくやつれているので、もう助かるまい、と思われましたけれども、100ザイール、当時の私の給料の半額を渡して、「お金をあげるのは失礼だけれども、早く病気を治して、このお金の分だけ私のところに野菜を届けてくれたらいい」と申しました。彼は「だったらこれは預かります」と言って、なごりおしそうに帰っていきました。それが最後でした。

 そういう世界でしょう。学生の前で、貧しさの開題について話をするのは犬変なんですよ。賢い宣教師だったら、避けて通る問題です。しかし、福音書の話をしていて「幸いなるかな、貧しい者」という有名なせりふの一つを避けるというのは、見え見えじゃありませんか。私はこれを正直にぶつけようと思って、「あなた方は本当に貧しい者は幸いであると思っているのか。あなた方はキリスト教の牧師や教師になるんでしょう。それで本当に貧しい者は幸いだと思うのですか」。彼らいはいっせいに声をそろえて答えた、「ノン」。

 それであの本で書いたような話をしたのです。貧しい者をつかまえて、「幸いなるかな、貧しい者」と宣言してみたとて、何の意味があるのか。貧困は苦痛なのだ。しかしそれなら、幸いなのは豊かなものだけなのか。そうであってはならない。この世でもし誰かが祝福されるとすれば、貧困にあえぐものを除いて、誰が祝福されていいのか。この言葉には、そのようなイエスの思い、私の言い方で言えば逆説的犯行者としてのイエスの思いがこもっている。そういう話をしたんです。



飯田泰之さんの世界一わかりやすい経済の教室の次に読むとよく理解できますね。貿易赤字ガーとか国の借金ガーの嘘もよくわかります。 図解 使えるマクロ経済学 (中経出版) 菅原 晃
oprosedust

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No title

>社会的レベルの低い家庭環境の子供は、毎日3時間以上勉強しても、
>勉強時間が0時間の、高レベルの家庭環境の子には追いつけません。

う~ん、さすがに毎日3時間勉強すれば、それなりの学力は身に付くと思うのだけど…

というより、中学だと部活があって帰宅時間が6時半を過ぎていたような気が…
それから夕食を食べて、食べ終わりが7時半近かったような気が…
仮にそこからTV、スマホを見ずに真面目に3時間勉強したら
10時半、入浴して11時…

3時間の勉強時間って、土日ならまだしも平日は無理でしょ。
これ調査した人も「おかしいな」って気付かないといけないレベル。

No title

詳細は、「全国学力調査の分析結果(平成26年 御茶ノ水女子大)』を検索してください。

ロワーレベルの家庭の子は、どんなに勉強してもアッパーレベルの子にはかないません。これは事実で(相関で因果ではない)ので、手の施しようがありません。

親が新聞読まない、ニュース見ない、外国文化に触れない、本を読まない・・・家庭の子は、子どもを必死で塾に通わせてもその子は勉強できるようにはなりません。
 小学校5年のやさしいA問題から、中学校の難しいB問題になれば、差はもっと開きます。これが事実です。繰り返しますが、因果関係ではないので、手の施しようがありません。

トンビはどんなに頑張っても、鷹のように大空を舞うことはできません。

No title

えーとですね。一応その調査結果は検索して書いて見たんだけど…

まぁ、さすがに平日3時間の勉強時間って言われてもね…
中3で部活を引退後であれば、可能かもしれないけど
それまでは時間的に無理があるということを言いたかった訳です。

実際に低学力で塾に行かせても、実際に成績が上がらないことは
私の旧友たちは塾の講義を崩壊させましたし、
塾に行った生徒が皆進学校に進学した訳ではないし、
家よりはマシというのが現実なのも良く知っています。

まぁ、積み重ねは大事ですね。

No title

1日3時間の学習は、中学受験を控えるなら当たり前です。塾も含めての勉強時間です。人数的には少ないでしょうが、どんなに勉強しても、DNAの違いを埋めることはできないというものです。

1日に勉強時間が2時間だろうが30分だろうが、高レベル家庭の子にはかないません。

ただし、双子の長期教育成果の分析(アメリカ)の場合、幼少期のプログラムによって、その後の進路・人生が変わることがはっきりしています。

秩序のない家庭でも、プログラムによって秩序を育てれば、変化する可能性は十分にあるということです。

無秩序家庭は、そもそも「家庭」をつくれていません。

No title

>菅原先生、怖いものなしですね。業界のタブー、遠慮無く暴露してます(苦笑)

何しろ、御茶ノ水大の公式調査報告ですので、単なる事実として誰も否定できません。

「やればできる」など、妄想・幻想です。

同調査のハイレベル家庭(当然父は大卒以上、母の大卒率も中・下にくらべて、抜群に高い)は、親が新聞を読み、ニュースを見、異文化に理解を示し、図書館や博物館に通い、子供と読んだ本について話をし・・・将来の目標について子どもと話し合い・・・

要するに、やっているレベルがハイクラスと低クラスでは雲泥の差、一番影響が大きいのは、母親の学歴です(父の大卒は中→高レベルと微差ですが、母親が段違い)。

同調査によると、家庭環境は、「母レベル」で決まるといっても過言ではありません(因果ではなく相関の話です)。

当然、学歴が高いと高収入になり・・・夫婦も高学歴同士になり・・・

学歴(学校歴)は、企業からすると「生産性」の選別であり、米では、有名大は、最初から給与2倍、MBAはさらに2倍の給与が最初から保障されています(MBAの無茶くちゃなカリに耐えられるほどの能力のある人物ということで・・)。

別に、教育が生産性を上げているのではなく、生産性の高いものが学校によって選別されているということだそうです(マンキュー経済学)


しかし一方、米理系大学院でも、給与格差があります。一応学校側も「生徒の生産性」を教育によって引き上げている例だそうです(ハバード経済学参照)。教育も少しは貢献しているということで・・・(笑い)

給与は生産性、しかも、最後の一単位を増やすかどうかの限界生産性で決まります。

親が新聞を取っていない、ニュースを見ない、字が書けない・・・
これでは、教育の力にも限界があります。

No title

>これ、信じない人が多いと思うんですが、文盲の親は実在する。私も始めて遭遇したときはショックでした。
現在の親たちは詰め込み教育の最後か、ゆとり教育の最初の世代。勉強しなかったと言うことはあり得ません。しかし実際に文盲はいる。 本人の知的能力の問題(知的障害のこと)ではなく、

 私が見たのは、NHKテレビで、障害により字がかけないと言うケースでした。漢字の書き取りを何百回やっても、次の日になると書けなくなる・・・
 役所の各種申請書や、お客さんからの注文が書けない。その方は後に障害だと分かって、現在は結婚し独立して家業を営んでいました。
 でも、小中時代や、会社勤めのときは大変だったようです。

No title

でもなぁ、この点数を見ると、やっぱり納得できないというか、「上も下もダメなんじゃないか」としか思えないというか…

実施時期が4月だったから、入試まで時間があったからこの点数なのかもしれないけど…

この位の問題なら「やればできる」と思うんですけど、一部の例外な方々を除けば、どうですかね?

ごく普通の生徒さんでもダメですかね?

No title

>この位の問題なら「やればできる」と思うんですけど、一部の例外な方々を除けば、どうですかね?

 御茶ノ水の調査は、極端例です。しかし、人間にはキャパシティと言う問題があり、100m13秒で走れる子を、なるべく13秒に近づける教育は可能ですが、どんなに頑張っても10秒では走れません。

 レベルの高い親から生まれた子は、すばらしいDNAを引き継いでいるというだけのことです。しかもそういう生活レベル・教育レベルの高い家では、別に意識せずとも、新聞を取り、ニュースを見、外国文化に目を向け、子どもの将来について語り合うのです。

 因果関係と相関関係を混同していませんか?因果関係なら、対策が可能です。相関関係は対策できません。

 相関例は婚姻カップルの年齢、因果関係はアイス売上と気温の関係です。

>ごく普通の生徒さんでもダメですかね?

 ごく普通の生徒はごく普通です。評価で言えば昔のオール3ですね。それをオール5にできるということですか?

 教育は潜在能力を引き出すこと(なんだかマクロ経済政策みたいですね(笑))、で、100m10秒で走れる子をできるだけベストの記録に近づけるよう、援助する事です。

 14秒の潜在能力の子を10秒にはできず、16秒の子を13秒で走らせるようにする事は、現実的にはムリです。

 視力の弱い子を、見えるように努力させろという話です。視力の強い子はそれを生かし、視力の弱い子はそれを矯正し、過不足なく生活できるようにすることしかできません。

 できる子はほっといてもできる、できない子はどんなに手をくわえてもできない(限界がある)というのは、現場では当たり前の認識です。

No title

教育というのは難しいですね。教わる方よりも教える方が難しいです。
新人教育よりも普通に仕事をしていた方がどんなに楽なことか…

「できる範囲で良いんだよ」とも言えない…

はじめまして。

京都大学の学生アンケートで「両親の夫婦仲が良い」と答えた人が9割以上だそうです。

夫婦仲が良いということは、相手の人間性を尊重し合っているということだと思います。

よく価値観の違いを理由に離婚する夫婦がいますが、そのような人たちは自己と他者の違いを認識できない人です。

そのような親は子供の人格も尊重できない→子供の心は不安定→子供は自己のためになることをすることができない(自己のためにならないことをする)→自分の道を見出だせない→勉強(運動etc)に取り組めない。

アイデンティティーの確立ができていない親に育てられると、、このようになるんじゃないかと思います。もちろん先生が指摘された親の文化レベルもあるとは思いますが。

先生が指摘された親の文化レベルに加えて、




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