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インフレ・通貨安・高金利

<インフレ・通貨安・高金利>

 ウクライナ、大変なことになっています。

ウクライナ インフレ 通貨安 利上げ

 通貨は信用(クレジット)によって成り立っている共同幻想ですので、信用が崩れると、あっという間に価値が下落します。

 「大規模な金融緩和で日本国債が売られ、ハイパーインフレ(池田信夫・池尾和人)」という状態は、ウクライナのような状態が、もっと激しくなることを示します。

過去記事
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臨時投稿 グローバル原理主義 中野

 経常赤字は、例えば、「日本の海外投資<日本への海外からの投資」のことであり、その結果日本の対外「純」資産は目減り

去年 日本の海外資産600円、海外の持つ日本資産300円、差額の300円=純資産 

今年 日本の海外投資20円、海外からの日本投資30円なら、△10円、日本の海外資産620円、海外の持つ日本資産330円、差額は290円=純資産


しますが、別に日本の「海外資産(例:外貨)」が減るわけではありません。

 しかも、「資本自由化」の時代ですから、「輸出で外貨を稼ぐ、輸入で外貨を使う、過去の対外純資産がその支払いに充てられる」ということではありません。

 日本企業が外貨を調達しようと思ったら、いくらでも外貨は調達できます。

 ただし、ウクライナや北朝鮮の場合は、「買いたい」といっても、相手がドルをなかなか売ってくれません。買えるにしても、自国通貨安=ドル高になります。それを防ごうと、中銀が自国通貨買い=ドル売りをすると、自国の外貨が不足し・・・

結局持っている「過去のストック=ドル」を使用しますが、それが枯渇していく・・・という状況です。

ですから「IMF(国際通貨基金:基金なので外貨獲得に困る際に、保険のように適用するシステム)」が融資することになります。

ウクライナの場合、外貨準備は64億ドル、輸入代金の3か月分(IMFが最低限必要とする基準)を下回りました。

ウクライナは債務不履行(デフォルト)を回避するため、IMFと協議中です。

国債投売り(国際価格下落=金利高)=通貨安・インフレという状態は、ウクライナのような例です。日本がこうなるという人は、「パニック本」を出し続けています。

日本は世界GDPの7%(2011年)を占める、超大国です。世界200カ国の下位半分100カ国を足しても、日本のGDPにおよびません。

日本が投げ売りされる・・・それは世界経済から見て、どういう状態なのか・・考えれば分かるようなものですが・・・。
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No title

大変僭越で申す訳ないのですが

この

>経常赤字は、例えば、「日本の海外投資<日本への海外からの投資」のことであり、
>その結果日本の対外「純」資産は目減り

は誤解を招くのではないでしょうか

黒字も赤字も海外への投資と海外からの投資の差額で
良くも悪くもない事ですから、
「目減り」の表現は誤解の基だと思います

活発な交易や投資が社会を豊かにする事でその投資や交易を経常や貿易の赤黒で見る事が愚かな事だと先生に教わったと思っています

米国が経常赤字でも大きな問題にならないのは活発な海外投資と活発な国内投資が行われている差額が「赤」に成っているだけだからと解釈しています

日本の問題は経常黒字や貿易黒字を良い事のように勘違いして活発な投資や交易を妨げている事でしょう
TPPでさえ工業製品の輸出を有利にするから賛成、或いは農作物の輸入がし易くなるから反対、つまり貿易を黒字にする事を目的にする勘違いを起して要る様な。

この解釈は間違っているでしょうか?

No title

>>経常赤字は、例えば、「日本の海外投資<日本への海外からの投資」のことであり、 その結果日本の対外「純」資産は目減り は誤解を招くのではないでしょうか

計算例で出したように、見かけ上対外資産が減少します。これを、目減りと書きました。

過去記事もどうぞ

カテゴリ「小笠原誠司」がいいと思います。


http://abc60w.blog16.fc2.com/blog-entry-852.html
臨時投稿 「いんちき経済学に踊らされた日本経済の行く末」について 

http://abc60w.blog16.fc2.com/blog-entry-853.html
臨時投稿2 本当にクズ論。対外純資産がどうのこうの・・・ 


>>黒字も赤字も海外への投資と海外からの投資の差額で 良くも悪くもない事ですから「目減り」の表現は誤解の基だと思います

 「減る」なら構わないですか?


>>活発な交易や投資が社会を豊かにする事でその投資や交易を経常や貿易の赤黒で見る事が愚かな事だと先生に教わったと思っています 米国が経常赤字でも大きな問題にならないのは活発な海外投資と活発な国内投資が行われている差額が「赤」に成っているだけだからと解釈しています

経常赤字は、「米国の海外投資額<海外からの米国投資額」です。

>>日本の問題は経常黒字や貿易黒字を良い事のように勘違いして活発な投資や交易を妨げている事でしょう TPPでさえ工業製品の輸出を有利にするから賛成、或いは農作物の輸入がし易くなるから反対、つまり貿易を黒字にする事を目的にする勘違いを起して要る様な。 この解釈は間違っているでしょうか?

基本的にはいいと思います。企業は「貿易黒字や赤字」を気にして海外投資をするわけではありません。輸出入企業と、投資企業は別です。企業はどこか(例えば国?)に国外投資を妨げられているわけではありません。自由な投資が結果として経常黒字・赤字になっているだけです。

通貨は信用幻想によって成り立っている、その国に投資するかどうかは、その国を信用するかどうかだということです。これは別に国外国内を問わず、企業に投資するかどうかの基本です。

信用できないところに、カネは貸しません。貸すとしても高利になります。これはミクロだろうがマクロだろうが、同じ事です。

No title

私のつたない書き込みに回答を頂き、ありがとうございます

>「減る」なら構わないですか?

やはり誤解を生むと思います

「資産が減る」は「赤字」同様に負(悪い)を感じさせ先生の主張を理解する事を妨げると感じます(私は感じません)

一般的に海外でも国内でも「資産の増加」が良い事と感じるのですから
投資や交易により経済が活発になり自国だけでなく多数の国が資産を増加させる事が「良い」とすべきだと思いますので、
総合的な資産の増加の指標でない差額(黒であろうが赤であろうが)を減るとか増加すると表現する事により間違った印象を与えて誤解を招いてきたと私は考えています

経常赤字を多く出す米国は対外資産を減らしているのか?
と勘違いする人もこの理由で生まれると思います

日本は長く黒字だから世界一の債権国だと思う人もいるが、
差額が大きいだけで日本の資産は米国や英国よりかなり小さい事も先生のブログで知りました

差額は明くまでも唯の差であり資産の増減とは無関係で増減とは別の指標と表現していくことが正論を誤解や誤認や悪意から分離出来ると思います

唯の表現の問題ですが、
正しい論理を多くの人に理解していただくためには必要な配慮だと感じます
赤黒はもう排除できない表現ですが・・・

No title

>>「減る」なら構わないですか?
>やはり誤解を生むと思います 「資産が減る」は「赤字」同様に負(悪い)を感じさせ先生の主張を理解する事を妨げると感じます(私は感じません)

あの、そうなると、事実を事実として表現できません。300→290に減った。300→310に増えたという価値観を含まない表現です。

>一般的に海外でも国内でも「資産の増加」が良い事と感じるのですから 投資や交易により経済が活発になり自国だけでなく多数の国が資産を増加させる事が「良い」とすべきだと思いますので、 総合的な資産の増加の指標でない差額(黒であろうが赤であろうが)を減るとか増加すると表現する事により間違った印象を与えて誤解を招いてきたと私は考えています

 しかし、単なる事実ですので。私の主張は「対外資産が増えようが減ろうがどうでもいい」なので、「減る」で構いませんし、それ以外に表現のしようがありません。資産を国内に持っても海外に持ってもどうでもいい(トートロジー)ということは「図解使えるマクロ経済学」に書きましたので参照願います。

>経常赤字を多く出す米国は対外資産を減らしているのか? と勘違いする人もこの理由で生まれると思います 日本は長く黒字だから世界一の債権国だと思う人もいるが、 差額が大きいだけで日本の資産は米国や英国よりかなり小さい事も先生のブログで知りました 差額は明くまでも唯の差であり資産の増減とは無関係で増減とは別の指標と表現していくことが正論を誤解や誤認や悪意から分離出来ると思います 唯の表現の問題ですが、 正しい論理を多くの人に理解していただくためには必要な配慮だと感じます 赤黒はもう排除できない表現ですが・・・

 価値観は、人それぞれですが、事実は単なる事実ですので。300が290になったら、ではどう表現したらいいのですか?「減った」「増えた」としか表現できません。

そもそも、身近な経済と経済学の知見は180度違いますから・・・。

No title

>貿易黒字増=金融黒字増=海外への純投資増
>貿易赤字増=金融赤字増=海外からの純投資増

その年の経常黒字額と対外純資産の増加額は同じになりますか?

No title

すみません。2013年のデータは出ていますので、ご自分でお調べ下さい。 13年国際収支と、内閣府対外純資産でいいと思います。
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