服部茂幸 『偽りの経済政策-格差と停滞のアベノミクス』 のでたらめ その4

<服部茂幸 『偽りの経済政策-格差と停滞のアベノミクス』 のでたらめ その4>


P71~
雇用増は見せかけ
延べ就業時間は…アベノミクスが始まると減少に転じた。ただし、15年以降は微増に転じているが、未だに12年の水準には戻っていない。理論的に正しい雇用の指標を使えば、アベノミクス期には雇用が全体として減少していることがわかる。



17 労働


>「雇用が全体として減少している」とは、延べ就業時間の減少を示しています。

グラフを見ると、赤丸のところは、現在と同じ就業者数です。一方、同じ就業者数で延べ就業時間は減っている・・・ということは、1人当たりの「総労働時間が減少=労働生産性が上昇」ということを示します。グラフもその通りです。

 この状況を、「雇用増は見せかけ」とか、「アベノミクス期には雇用が全体として減少している」というのは、どう見ても屁理屈でしょう。「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」の類たぐいです。

一方、


P93
 過労死問題を解決すべく、現在の政府は長時間労働をなくすべく努力をしている。これはよい政策だと筆者は評価するが、こうした政策が成功するほど、延べ就業時間は短くなる



 このように、書いています。支離滅裂、理解不能です。

<GDP成長>


P187
アベノミクスが始まる前の日本の成長率は、アベノミクス期よりも高い。

P205
政府・日銀の認識では、現在の日本経済は緩やかな回復過程にある。…しかし、一部の時期を除くと、アベノミクス前の日本経済もこの程度の成長はできていた。



12 成長率

>アベノミクスが始まる前の日本の成長率は、アベノミクス期よりも高い。

確かに「実質GDP」の成長率は、アベノミクス期よりも高いです。しかし、それは「当然」なのです。デフレだからです。

実質成長率=名目成長率-インフレ率
 
 実質成長率は、名目GDP成長率が「ゼロ」でも、物価が「-2%」下落すると、2%の成長率になってしまうからです。

実質2%=名目0%-(インフレ率-2%)

 こんな成長、嬉しくもなんともありません。あなたの借金(奨学金や車のローンや、住宅ローン、学資ローン、会社の借入金・・・)は、名目値ですから、デフレは、実質的な借金増なのです。給料が額面上(名目上)変わらないのに、利払いが2%も増えていることになる・・・これがデフレです。

GDPを見る場合にも、インフレ期は、「名目値」ではなく「実質値」、成長率も「名目成長率」ではなく「実質成長率」を重視します(名目と実質の乖離(かいり)がGDPデフレーターです)。ただしこれは、インフレの場合であり、デフレの場合は、逆に「名目成長率」を重視します。

数研出版 現代社会 P230
国内総生産(GDP)…を経年比較して得られた数値が経済成長率である。単純に比較されたものが名目経済成長率、物価上昇率を考慮に入れたものが実質経済成長率となる。例えば経済活動の水準は同じでも物価水準が2倍になると名目上は経済規模が2倍となり経済成長率は100%となる。しかし、実際の成長は0%であり、経済実態を知るためには、実質経済成長率をみる必要がある。ただしデフレ経済(物価下落の続く経済状況)の場合、名目経済成長率が重視される…。




 その「名目値」が、「実質値」を下回るのがデフレです。デフレになればなるほど、実質成長率は高くなるのです。

>アベノミクスが始まる前の日本の成長率は、アベノミクス期よりも高い。

これは、もはや言いがかりです。ふざけています!

<少子化とは?>

1 少子化
1 少子化2


少子化とは、このようなことをいいます。「出生率回復」とか、「地方再生」など、所詮空理空論、夢物語になります。
 政治は、この数値を「前提」に、制度設計をすることです。
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