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間違いだらけ  塚崎公義(久留米大学商学部)

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<間違いだらけ  塚崎公義(久留米大学商学部)>

以前、塚崎公義(久留米大学商学部)という、経済学を知らない(東大法学部卒業)で、経済を語るので、トンでも論になっている話を紹介しました。

クリック

金融緩和で物価を上げるのは無理なのか? 塚崎公義


 で、経済に関する本を出しているので、読んでみました。やはり、トンデモのオンパレードでした。

 国際収支は、「経済学を知っているか知らないかのリトマス試験紙(明大 飯田先生)」なので、ここが理解できていないのは、すべて「トンでも」と言うことになります。要するに、「経済」の全体像が、まったく見えていないのです。

以下は、すべてデタラメ、間違い、ウソ部分です。

1)『増補改訂 よくわかる日本経済入門』朝日新書 2015

P208~
「経常収支を考える」
 
途上国においては資金が不足していることも多く、海外から資金を借りて設備機械を輸入するのも合理的です。ていることも多く、海外から資金を借りて設備機械を輸入するのも合理的です。それによって貿易サービス収支が赤字になったとしても、将来的に経済が発展して輸出が増加すれば借金は容易に返済できるからです。
しかし、失業率が高い国においては、財・サービス収支の赤字化は問題です。日本の失業者を差しおいて、日本人が外国人を雇ったという計算になるからです。

アベノミクス前の日本のように、「現在は労働力が余っていて(失業が問題となっていて)、将来は高齢化で労働力が不足する国」においては、財・サービス収支の黒字を稼ぐことは「労働力をためておく」ことになります。労働力が余っている今のうちに外国に輸出をして外貨を稼いでおき、その外貨を用いて将来、労働集約型製品を輸入すればよいのです。  
アベノミクスにより労働力が不足するようになってからは、貿易・サービス収支の黒字に「労働力を貯めておく」機能がなくなりました。

経常収支が赤字になるということは、赤字分は対外資産を取り崩して支払う必要があるということです。そうした状態が続いて体外純資産が減少していると、心配なことが出てきます。
第1は将来に本格的に労働力が不足した時に労働集約型製品を輸入する資金がなくなってしまうことです。


もう、どこから説明していいかわからないほど、ウソ、でたらめです。

経常(貿易)赤字は、海外からの投資が、海外への投資を上回っている結果にすぎません。借金ではなく、返す必要もありません。

借金ではないので、「海外純資産を取り崩す」必要などありません。

為替は、経常(貿易)赤字や黒字で動くわけではありません。英のEU離脱で、激しく変動します。貿易(実需)ではなく、資本取引で動きます。




p232為替の変動
<為替レートの大きな動きは、輸出入で決まります。結局、貿易収支や経常収支が概ねゼロになるようなところに為替レートが決まるというわけです。

P246 世の中に出回る資金の量

問題はマネタリーベースが増えても、マネーストックが増えるとは限らないということです。
今後、景気拡大して経済活動が活発になれば、銀行の貸し出しが増えるかもしれませんが、それはマネタリーベースが増えたことの結果ではないのです。

クリック

池田信夫を銃殺せよ(クルーグマン風に言うと)その2


『なんだ、そうなのか!経済入門』日本経済新聞出版社 2015

p146
GDP は、生産されたものはどれくらいあるかという統計です。先進国は多くのものを作って消費しますから、先進国の人は豊かに暮らしていると考えていいでしょう。
次に国土が肥沃で耕さなくても果物がなっている「南洋の楽園」は、GDP がゼロでも豊かに暮らせるということです。反対に、ビニールハウスで燃料を大量に消費して果物を作っている北国は 、GDP が大きいけれども生活は豊かでないということになります。

南国の楽園は、GDPがゼロ????
何を言っているのか、さっぱりわかりません。GDPがゼロでも、豊か????




p183~ 実は、円安がトータルで景気にはマイナス効果だった!?

輸入が減っていないことも残念なことです。日本の消費者が、ドル高 円安 により割高になった輸入品から国産品にシフトしてくれればいいのですが、そうした動きも今ひとつ広がりを見せていません。

「円安は輸出入数量にはそれほど影響しておらず、輸出企業の利益を拡大させたが、それが直ちに景気を回復させるわけでもなく、一方で消費者物価に転嫁された部分は個人消費を圧迫した」ということになり、トータルで景気にマイナスとなっている可能性もあります。

輸出がもうけ、輸入が損という、典型的なアホ論です。

クリック

高橋洋一という、詐欺師



P207 日本の財政は破綻しない!と主張する根拠

日本の財政は破綻しないのか。それは日本は対外純資産が黒字だからです。日本の政府は巨額の赤字を抱えていますが、民間部門はそれを上回る純資産を持っています。それらの合計が対外純資産なのです。

バカです。破綻しないのは、円に対する信用が、まだあるからです.円建て国債だからです。信用がなくなると、円安・インフレになります。対外純資産など、全く関係ありません。




P213日本とギリシャは前提条件が全く違う
アジアの通貨危機の時のタイとも比較してみましょう。タイは、対外債務はドル建てだったので、外資が逃げる時にドル高になり(外銀が金を返せといってくると、タイの借り手はバーツをドルに換えて返金する必要があり、多くの借り手が、バーツ売りドル買いに走り、猛烈なドル高バーツ安となってしまったのです)。対外債務の返済が困難になったのです。

違います。タイは、ドル固定相場をとっていたので、ドル買い=バーツ 売りに対抗し、中央銀行がドル売り=バーツ買いで対抗し、ドルが枯渇して、バーツ暴落になったものです。



p217
輸入増加によりドル高円安になってインフレになる、という状況は、日本は、経常収支が黒字で巨額の対外純資産を持っているので輸入増がドル高に直結する可能性は小さいでしょう。

くりかえしますが、為替は「資本取引」で動きます。貿易(実需)など、資本取引の250分の1程度に過ぎません。こんなもので、円高・円安にはなりません。

これで、「大学教授」と言うのだから、あきれます。この出版社には「経済学を知っている編集者がいない」のでしょう。まあ、「紫おばさん」もいますので、売れればどうでもいいのでしょう。
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