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アベノミクスについて

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アベノミクス、金融緩和、何点か? 確実に60点、70点以上です。

1月の失業率、3.2%です。完全失業者数は、64か月続けて、減少です。日本は、完全雇用状態です。潜在GDP=長期GDP=完全雇用GDPをすでに達成済みです。

これだけの成果を上げているのに、何を、どこに問題があるのですか?

日本は、潜在成長率「1%程度の成長」しかできません。GDPギャップは限りなくゼロです。財政出動や、金融緩和の余地(短期AD曲線をシフトさせる政策)など、もうありません。

不況3

アベノミクス批判する人は、日本が2%、3%、4%、どんどん成長できるとでも、思っているのですか?全く経済のことが分かっていない人たちだということがここで分かります。

「総需要管理政策(財政+金融)は、「需要AD」を刺激する方法で、「供給AS=GDP」を増やす政策ではありません。ましてや、「長期AS=完全雇用GDP水準=実質GDP=自然産出量」を増やす政策など、世界中の経済学の教科書を探しても載っていません。

目的「GOAL」は、脱デフレ、絶対にデフレにさせないことです。脱デフレであれば、手段は何でも構いません。とにかく大目的が「デフレにしない事」です。

不況1


デフレ
1)投資減になります
2)失業増になります

1)投資減=不況のことです。消費は変わりません。投資の増減が好不況の原因です。
投資は「未来予測」で行われます。未来を確定させると、企業の投資行動が変わります。

なぜ、投資減になるか、拙著図解使えるマクロ経済学p79参照
なぜ、失業増になるか、同p171~参照

中銀は「絶対にデフレにはしません」とします。インフレターゲットです。

金融政策は「短期」的効果しかありません。短期供給曲線ASは、インフレで右上がりになります。インフレ予測で、短期には産出量Y(GDP)が増えます。インフレターゲットは、短期をその年その年で、確定、すっと確定させるので、「長期」に働きかけることが可能です。

来年こうする→来年時点で、「来年こうする」→その時点でさらに「来年こうする」・・・

金融政策は、固定相場制では、1つしか手段はありませんでした。①利子率の操作です。日本では公定歩合です。

変動相場制では、①利子率操作に加え、②資産効果(株とか土地とか)、③為替効果という風に、手段が増えます。②資産効果で、消費が増えます。③為替効果で純輸出が増えます。

このことは、「高校生からわかるマクロ・・・」でも、ちゃんと書いています。 p235


つまり、総供給AD曲線を動かすことができます。総需要管理政策です。金融政策は、変動相場制時代になって、その影響力を大きくしたのです。昔の「金融政策=利子率操作」だけではないのです。

不況2


中銀は、「絶対にデフレにしない」ということが大命題です。ですから、失われた20年の日本のデフレ現状をみて、リーマン以降、FRBも、ECBも、BOEも、なりふり構わず、金融緩和(絶対にデフレにはしない)を採用したのです。マイナス金利は、日本の前に、欧州で導入しています。

2%は脱デフレという大目的のための「手段」です。しかも、中銀が「それを守る」という明確なメッセージです。2%を達成できている国など、どこにもありません。中銀は、何が何でも「デフレにはしない、できることは何でもやる」と宣言することで、私たちの行動が変わるのです。

私は、2%が達成できたら120点、インフレを達成できたら60点と、アベノミクス導入時のコメントに書いています。デフレにさえならなければ、「合格点」です。
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