黒田総裁のインフレ目標は失敗に終わった??だと??? その2
さて、先日のブログの続きです。日銀 岩田副総裁が、講演されたようです。先日の、ゲーム理論解説を踏まえて、お読み下さい。
http://abc60w.blog16.fc2.com/blog-entry-1012.html
黒田総裁のインフレ目標は失敗に終わった??だと???
http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2015/data/ko150527a1.pdf
2015年5月27日
日本銀行
日本銀行副総裁 岩田 規久男
(1)金融政策のレジーム転換
日本銀行は現在、長年にわたるデフレの中で人々の意識に定着してしまった「デフレマインド」を「緩やかなインフレマインド」へと転換すること、言い換えると、「物価の緩やかな上昇が継続することを前提に人々が行動するような状況」を作り出すことを意図した政策を進めています。
具体的には、まず2013年1月に、消費者物価の前年比上昇率2%という「物価安定の目標」を設定しました。所謂「インフレーション・ターゲティング(インフレ目標政策)」の導入です。
そして、この物価安定目標の実現に向けて、2013年4月以降、「量的・質的金融緩和」と呼ばれる強力な金融緩和を進め、2014年10月には、これをさらに拡大する措置も講じたところです(図表6)。
こうした大胆な政策には、金融政策運営の基本的な考え方(レジーム)が転換したことを国民の皆さまにはっきりと示し、そのことを前提に各自の経済行動を変えて頂きたいという意図が込められています。いわば、「ゲームのルールが変わりました」という宣言です。
(2)早期実現へのコミットメント
実は、日本銀行はそれ以前にも、金融政策の歴史におけるフロントランナーとして、ゼロ金利政策や量的緩和の導入など、「非伝統的」とも形容される様々な金融緩和措置を講じてきました。これらはいずれも非常にパワフルな政策ツールであり得たにもかかわらず、結果として、デフレからの脱却を果たすほどの力を発揮するには至りませんでした。
この理由についての分析は百家争鳴の感がありますが、私としては、「金融政策によってデフレは克服できる」という政策当局としての信念と、その実現に向けたコミットメントが十分でなかった、言い換えると、金融政策のレジーム転換が不十分だったために、家計・企業・金融機関など民間経済主体のマインドの転換が進まなかったことが大きな要因だと考えています。
こうした反省を踏まえ、2013年4月に「量的・質的金融緩和」を導入した際には、従来とは次元の異なる大規模な緩和措置を打ち出すとともに、目標の実現時期について、「2年程度の期間を念頭に置いて、できるだけ早期に」ということを申し上げました。「できるだけ早期に」というスタンスだけでなく、我々がイメージしている「2年程度」という具体的な期間まで踏み込んで提示することで、物価安定目標の早期実現に向けたコミットメントを、これまでにない強い形で示したわけです。
後ほどご説明するように、日本銀行は現在、インフレ率が2%程度に達する時期が「2016年度前半頃」になると予想しており、これは従来の想定からは多尐後ずれしています。しかし、物価の基調自体は、想定した政策効果の波及メカニズムが機能する形で着実に高まっており、現時点において、物価安定目標の早期実現に向けたコミットメントを変更する考えは全くありません。
ゲーム理論とは、伝統的経済学(例の需要と供給で価格と量が決まる・・均衡は1つ)では解決できない、「相手」がいる世界を扱う、理論です。
需要と供給市場は、匿名の一期一会市場です。他の生産者や、他の消費者のことなど、まったく考えず、「自己の利益の最大化」さえ考えていれば、上手くいくという市場です。「自己利益の最大化」をはかれば、世の中上手くいく・・利己心に基づいて・・という、世界です。
しかし、現実の市場は、労働市場も含め、「相手がある」、しかも、「相手の出方を読む」市場です。匿名市場ではありません。
寡占市場は、「相手の出方」を読む市場です。利己心に基づいて、自己利益を最大化すれば、「軍拡」も、温室効果ガスのような、「世界環境」も、マグロ資源のような「共有資源」も、最悪な事になります。「自己利益を追求すれば、最悪」になる市場ですから、既存経済学では、太刀打ちできません。
そのような、「相手」がいる市場、「相手の出かたを予想」することが必要な市場・・これを分析できるツールがゲーム理論です。
先日亡くなった、ナッシュ・・・ナッシュ均衡(均衡は複数ある、どんなゲームにも、必ずナッシュ均衡がある、相手が戦略を変えないかぎり、自分が変えても、トクにはならない)は、あまりにも強力で、経済学のみならず、生物学などの自然科学市場をも席巻した・・・だからその功績で、ノーベル賞です。
アベノミクス、ブレーンの「浜田」先生は、金融市場のゲーム理論の、大家です。Hも、Oも、Iも,Sも、・・アベノミクスの金融批判している人で、「ゲーム理論」という、濱田先生の土俵に乗って批判している人、皆無でしょう?
それらの人たちは、アベノミクス金融政策の「レジーム」=ゲーム理論の枠組みを、理解しとらんのです。だから、それらの批判、まったく的を射てないでしょう?外れているでしょう?当たり前です。
日本の、アベノミクス金融政策批判は、あまりにもレベルが低すぎます。まともな批判、皆無です。ゲーム理論など勉強した事もない、「老害(精神年齢含め)」ばかりです。
<追伸>
とうとう、今年度の高校教科書!!!に、ゲーム理論登場しました。また、資料集に、「マンキュー10大原理」登場しました。ということで、予定稿は・・・これらを扱いますので、楽しみにしていてください((笑)。