情報の非対称性 供給側にしか完全情報はない
読売H26.2.19

今回の、偽装事件は、経済学的には、情報の非対称性という範疇はんちゅうの問題です。
消費者(需要側)は、供給(生産者側)の情報を知りません。これを完全に知ることは、永遠に「無理」です。
本質的には、判断する能力があるとかないとかの問題では、ありません。
昨年起こった、デパートや、一流レストランの「食品偽装」も同じです。
消費者側は、知りようがないので、生産者側が、簡単にだますことができます。
ですので、消費者は、「ブランド」を頼りにします。「老舗」とか、「誰でも知っている大手企業」とか・・
大手のレコード会社が出しているんだから・・大手の出版社が出しているんだから・・
○○という資格を持っているから・・・医者の本だから・・大学教授の解説だから・・
有名人だから・・
私も、この「ブランド化」「ブランディング」を使用しています。
拙著「高校生からのマクロ・ミクロ経済学入門」です。
高校・・・中学校より専門的そうで、大学の勉強より簡単そう
高校教師 小学校の先生より学問的そうで、大学の先生の学問よりやさしそう
どこの馬ともわからない「菅原晃」なるものの情報を開示することで、信用度がアップしませんか?
どこの馬の骨ともわからないので、みなさん「名刺」使用しますよね。スーツ着ますよね。学校歴や資格つけようとしますよね。これをブランディングと言います。
中身が大事?そんなものウソです。皆さんが一番よく知っています(笑い)。
※「高校生からの」とうたっていますが、中身は、それまでの皆さんの持っていた常識と180度違いますから、「ああなるほどね」と2時間で簡単にわかるような代物ではありません。逆に、2時間でサルでもわかるなら、200年以上も続いた経済学者の汗はいったいなんだったんだ!っていうことになるし、私の、勉強に費やした時間(リカード理論の説明は、冗談抜きにその汗の結晶です)だって、無価値です。
出来るだけ、本質を分かりやすく解説しようと努力していますが、逆にそんなに簡単にわかってたまるか!とも思います。
学問に王道なし、こつこつ学ぶしか、方法はありません。その方法を身に着けて、背骨にすれば、こんどは、絶対にぶれません。
だから勉強は大切です(教師らしい説教になりました。ああやだやだ。 笑)。
閑話休題
この「情報の非対称性」は、どんなにコンピューターが発達しても、なくなりません。ということは、それを利用しようとする悪意を防ぐ手立てもありません。
離職があるのも、解雇があるのも、この情報の非対称性によるものです。「こんな会社だと思わなかった・・・こんな人間だとは思わなかった・・・」
いずれも、どんなに情報を集めても、「入ってみないと、雇ってみないと」分かりません。
753(しちごさん)、高卒・短大専門卒・大卒の3年後離職率です。7割5割3割です。
どんなに、丁寧な就職指導を行っても、減らすのは無理なのです。
でも、この「情報の非対称性」こそ、消費者の醍醐味でもあるわけです。自分しか知らないものを見つけた、偶然すばらしいものに出会った、自分が先んじてそのよさを見つけた・・・
調べて調べて買って、大満足した・・おおはずれだった・・
人生の伴侶を見つける結婚・・・友人との出会い・・離婚・・
いつも、映画や、歌や、小説の題材になるわけです・・・ 人生のスパイス・・本質かもしれません。
本質だとすれば、「経済学」は、基本的に、すべての事象を解明できないということです。
https://twitter.com/toda_shizuhon/status/422583605022322690/photo/1
【オススメ経済学本】難しそうなので敬遠していたけど、改めて勉強したい・し直したいと思っているあなたに。 一橋大学経済学部『教養としての経済学』(有斐閣) 菅原晃さん『高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学』(河出書房新社)