食料自給率のまやかし
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<自給率の刷り込み>
日本教育新聞『身近な食から自給率』H20.11.17
徳島阿波市立市場小学校…では、6年生家庭科で…食料自給を考える授業を行った。
…料理の原材料として…米、大豆、小麦、野菜、肉のイラストと5、79、94%などの数字を示してそれぞれの自給率をグループで話し合わせた。
…教諭は「日本の食料と全体の自給率は40%。自給率が低く、多くを外国に頼ると困ることはないだろうか」と問いかけ再度議論させた。
…教諭は「田んぼや畑はどうなるだろう」「国と国で食料の奪い合いが起きないかな」…「食糧の自給率を上げるためにはどうしたらいいか考えてみよう」と投げかけた。
…子供たちからは、「輸入が多いと日本のものが売れなくなる」、「食料をつくる人がいなくなる」「お店がつぶれる」「安心して食べられない」といった意見が出た。

この授業で使われている教材は、
…JAバンク・アグリ・エコサポート基金発行の食育補助教材「農業の今と日本の食」(北俊夫・国士舘大学教授監修) です。
北俊夫 国士舘大学 体育学部 こどもスポーツ教育学科 教授に、「自給率」の意味が分かるはずはありません。農学や、農業経済学の専門家ではありません(農学専門の、御用学者か?と思ったのですが・・・ スポンサーがJAですから)。
この先生は、「社会化教育」教材や、「食育」教材を、作っている専門家で、全国で講演をしている人です。
http://www.meijitosho.co.jp/series/shosai.html?bango=se49
食育-学校でつくる食生活の基礎・基本 全4巻セット 北俊夫編
http://shop.gyosei.jp/index.php?main_page=product_info&products_id=5283
平成20年改訂 小学校教育課程講座 社会 編著者名 北俊夫/編著
ですが、この先生が「自給率」を取り上げるのは、仕方ありません。なぜなら、新学習指導要領で、「自給率」を取り上げることが正式に決まったからです。
http://www.hyogo-c.ed.jp/~gimu-bo/kyouikukatei/syo/syo03syakai_point.pdf#search='自給率 学習指導要領'
教材開発をする立場としては、「自給率」を取り上げざるを得ないのです。
こうして、小学校から「自給率」「自給率」と、刷り込みが行われています。
<自給率向上させるには?>
読売H22.12.19 『気流:将来の農業を考える』
パート 高橋久美 61歳『自給率向上急げ』( )は筆者挿入
(1)…TPPに参加すると、自給率が大幅に低下します。気候変動や人口増などで、輸出国が将来的にも安定的に日本に食料を供給するかわかりません。石油と違って、野菜や肉は備蓄には限界があります。
(2)私は約1000平方メートル(注:31メートル×31メートル)の遊休農地を借りて野菜を栽培しています。日本には耕作可能な土地が十分あります。高齢化などで耕作が放棄された多くの農地の有効活用を促し、食料自給率を維持・向上させる施策の実施が急がれます。
(1)…TPPに参加すると、自給率が大幅に低下します。気候変動や人口増などで、輸出国が将来的にも安定的に日本に食料を供給するかわかりません。石油と違って、野菜や肉は備蓄には限界があります。
気候変動などによる、食糧危機説ですね。農水省が、1983年以来27年以上かけて、キャンペーンしてきた成果が、一般の大人の人にも普及しています。
自給率なる指標に、まったく意味はありません。
2011-01-07 記事 カテゴリ:農業自給率UPは無意味 参照
厚労省(05年版『国民健康・栄養調査』)による、「実際の自給量/摂取量」にすると、農水省の2015年度目標の45%を軽く超える、53%になります。
実際の摂取カロリーに基準を変更すると、41%でなく、53%です。

この廃棄物量は、日本の全農産物輸入量の35%に相当
食糧危機?なるものが起きたら、まず、コンビニや、スーパーで売れ残りがなくなります。ホテルのバイキングもなくなります。「賞味期限」で捨ててはダメです。廃棄をせずに、無駄なものを無くせば、30%分、食料危機?が回避できます。
食料の値段は上がるでしょう。ですが、 「絶対」に、飢えて死ぬようなことはありません。
なぜなら、「輸入」が止まっても、「バナナやタバコ、キウイやエビ」が食べられなくなるだけだからです。
川島博之(東大院農学生命科学研究科准教授) 『食料自給率の罠』 朝日新聞出版社 2010 P66

P66~68

輸入されているのは、「必需品」ではなく、ぜいたく品です。食後のデザート、コーヒーやケーキ、果物、ビールやウイスキー、食後の一服など、わたしたちの豊かな食生活が「危機?」になるだけです。

このグラフを縦に大きくしたのは、日本の食用に必要な小麦量が、世界生産量に比較するとあまりに小さすぎて、グラフに示せなかったからです。
日本の全輸入小麦量529万トンは、世界の生産量のわずか0.8%です。世界生産量がどれだけ激減したら、日本の小麦「食料危機」が起きるのか、逆に想像がつきません。
浅川芳裕『日本は世界第5位の農業大国』講談社+a新書 2010 P162
山田正彦農林水産副大臣は、「自給率が低いままでは飢えた民衆が略奪を始め、暴動が続発する大飢餓パニックが起こる」と自著で記し、自給率の向上こそが食料安全保障につながると力説する。
暴動なんて、絶対におこりません。いやあ起こるかも知れません?「キウイ」「マグロ」食べさせろ!って。あるいは、「ラーメン」値上げ反対!ってプラカード持ったり。
(2)私は約1000平方メートル(筆者注:31メートル×31メートル)の遊休農地を借りて野菜を栽培しています。日本には耕作可能な土地が十分あります。高齢化などで耕作が放棄された多くの農地の有効活用を促し、食料自給率を維持・向上させる施策の実施が急がれます。
この方のように、一生懸命、家庭菜園をすると、自給率を下げます。放棄農地を使っては「いけません!」
家庭菜園が右肩上がりだそうです。
http://president.jp.reuters.com/article/2009/07/16/3FD5A7BC-6799-11DE-B879-1CD03E99CD51.php
プレジデント ロイター 家庭菜園は不況時代の「一石二鳥」レジャー

マンションのベランダや、家庭の庭で「プチトマト」や「葉物野菜」を育てる、あるいは「農地」を借りて、週末に土いじりをする。自分で育て、自分で食べる。近所におすそ分けする。定年退職した人が実際にやっています。
これは、一般的にすばらしいとされていることです。土いじりをすることで、身体感覚、労働観、自然との接し方などを学ぶことが出来ます。まさに「自給」です。
ところが、「家庭菜園」が増えれば増えるほど、「カロリー自給率」は低下します。市場を通さない=あくまで自家用というのが、家庭菜園の条件=農地転用条件だからです。
農水省は、ますます増えている家庭菜園を「自給」と認めないどころか、増えれば増えるほど「自給率」が下がるという、カラクリ計算をしています。
下の自給1012キロカロリーに含まれないもの
①200万戸の農家・兼業農家・家庭菜園の、自家消費分(市場に出さないもの)は含まない
②農作物のうち、2~3割を占める、規格外や、価格下落を防ぐための廃棄物は含まない

これらを含めると、「実際の自給量/摂取量」は60%を超えます。
だから、 「自給率を上げる」ためには、「家庭菜園禁止」にしないといけません。ばからしくて、お話になりません。
家庭菜園で、自分で自分の口に入れる野菜をつくる=まさに100%国産の「自給」です。ですが、農水省にかかると、「自給率」を下げることになります。「自給率」計算なるものが、どっちの方向を向いているか、おわかりでしょう。
「自給率向上」なんて、「まやかし」なのです。
<自給率の刷り込み>
日本教育新聞『身近な食から自給率』H20.11.17
徳島阿波市立市場小学校…では、6年生家庭科で…食料自給を考える授業を行った。
…料理の原材料として…米、大豆、小麦、野菜、肉のイラストと5、79、94%などの数字を示してそれぞれの自給率をグループで話し合わせた。
…教諭は「日本の食料と全体の自給率は40%。自給率が低く、多くを外国に頼ると困ることはないだろうか」と問いかけ再度議論させた。
…教諭は「田んぼや畑はどうなるだろう」「国と国で食料の奪い合いが起きないかな」…「食糧の自給率を上げるためにはどうしたらいいか考えてみよう」と投げかけた。
…子供たちからは、「輸入が多いと日本のものが売れなくなる」、「食料をつくる人がいなくなる」「お店がつぶれる」「安心して食べられない」といった意見が出た。

この授業で使われている教材は、
…JAバンク・アグリ・エコサポート基金発行の食育補助教材「農業の今と日本の食」(北俊夫・国士舘大学教授監修) です。
北俊夫 国士舘大学 体育学部 こどもスポーツ教育学科 教授に、「自給率」の意味が分かるはずはありません。農学や、農業経済学の専門家ではありません(農学専門の、御用学者か?と思ったのですが・・・ スポンサーがJAですから)。
この先生は、「社会化教育」教材や、「食育」教材を、作っている専門家で、全国で講演をしている人です。
http://www.meijitosho.co.jp/series/shosai.html?bango=se49
食育-学校でつくる食生活の基礎・基本 全4巻セット 北俊夫編
http://shop.gyosei.jp/index.php?main_page=product_info&products_id=5283
平成20年改訂 小学校教育課程講座 社会 編著者名 北俊夫/編著
ですが、この先生が「自給率」を取り上げるのは、仕方ありません。なぜなら、新学習指導要領で、「自給率」を取り上げることが正式に決まったからです。
http://www.hyogo-c.ed.jp/~gimu-bo/kyouikukatei/syo/syo03syakai_point.pdf#search='自給率 学習指導要領'
教材開発をする立場としては、「自給率」を取り上げざるを得ないのです。
こうして、小学校から「自給率」「自給率」と、刷り込みが行われています。
<自給率向上させるには?>
読売H22.12.19 『気流:将来の農業を考える』
パート 高橋久美 61歳『自給率向上急げ』( )は筆者挿入
(1)…TPPに参加すると、自給率が大幅に低下します。気候変動や人口増などで、輸出国が将来的にも安定的に日本に食料を供給するかわかりません。石油と違って、野菜や肉は備蓄には限界があります。
(2)私は約1000平方メートル(注:31メートル×31メートル)の遊休農地を借りて野菜を栽培しています。日本には耕作可能な土地が十分あります。高齢化などで耕作が放棄された多くの農地の有効活用を促し、食料自給率を維持・向上させる施策の実施が急がれます。
(1)…TPPに参加すると、自給率が大幅に低下します。気候変動や人口増などで、輸出国が将来的にも安定的に日本に食料を供給するかわかりません。石油と違って、野菜や肉は備蓄には限界があります。
気候変動などによる、食糧危機説ですね。農水省が、1983年以来27年以上かけて、キャンペーンしてきた成果が、一般の大人の人にも普及しています。
自給率なる指標に、まったく意味はありません。
2011-01-07 記事 カテゴリ:農業自給率UPは無意味 参照
厚労省(05年版『国民健康・栄養調査』)による、「実際の自給量/摂取量」にすると、農水省の2015年度目標の45%を軽く超える、53%になります。
実際の摂取カロリーに基準を変更すると、41%でなく、53%です。

この廃棄物量は、日本の全農産物輸入量の35%に相当

食糧危機?なるものが起きたら、まず、コンビニや、スーパーで売れ残りがなくなります。ホテルのバイキングもなくなります。「賞味期限」で捨ててはダメです。廃棄をせずに、無駄なものを無くせば、30%分、食料危機?が回避できます。
食料の値段は上がるでしょう。ですが、 「絶対」に、飢えて死ぬようなことはありません。
なぜなら、「輸入」が止まっても、「バナナやタバコ、キウイやエビ」が食べられなくなるだけだからです。
川島博之(東大院農学生命科学研究科准教授) 『食料自給率の罠』 朝日新聞出版社 2010 P66

P66~68

輸入されているのは、「必需品」ではなく、ぜいたく品です。食後のデザート、コーヒーやケーキ、果物、ビールやウイスキー、食後の一服など、わたしたちの豊かな食生活が「危機?」になるだけです。

このグラフを縦に大きくしたのは、日本の食用に必要な小麦量が、世界生産量に比較するとあまりに小さすぎて、グラフに示せなかったからです。
日本の全輸入小麦量529万トンは、世界の生産量のわずか0.8%です。世界生産量がどれだけ激減したら、日本の小麦「食料危機」が起きるのか、逆に想像がつきません。
浅川芳裕『日本は世界第5位の農業大国』講談社+a新書 2010 P162
山田正彦農林水産副大臣は、「自給率が低いままでは飢えた民衆が略奪を始め、暴動が続発する大飢餓パニックが起こる」と自著で記し、自給率の向上こそが食料安全保障につながると力説する。
暴動なんて、絶対におこりません。いやあ起こるかも知れません?「キウイ」「マグロ」食べさせろ!って。あるいは、「ラーメン」値上げ反対!ってプラカード持ったり。
(2)私は約1000平方メートル(筆者注:31メートル×31メートル)の遊休農地を借りて野菜を栽培しています。日本には耕作可能な土地が十分あります。高齢化などで耕作が放棄された多くの農地の有効活用を促し、食料自給率を維持・向上させる施策の実施が急がれます。
この方のように、一生懸命、家庭菜園をすると、自給率を下げます。放棄農地を使っては「いけません!」
家庭菜園が右肩上がりだそうです。
http://president.jp.reuters.com/article/2009/07/16/3FD5A7BC-6799-11DE-B879-1CD03E99CD51.php
プレジデント ロイター 家庭菜園は不況時代の「一石二鳥」レジャー

マンションのベランダや、家庭の庭で「プチトマト」や「葉物野菜」を育てる、あるいは「農地」を借りて、週末に土いじりをする。自分で育て、自分で食べる。近所におすそ分けする。定年退職した人が実際にやっています。
これは、一般的にすばらしいとされていることです。土いじりをすることで、身体感覚、労働観、自然との接し方などを学ぶことが出来ます。まさに「自給」です。
ところが、「家庭菜園」が増えれば増えるほど、「カロリー自給率」は低下します。市場を通さない=あくまで自家用というのが、家庭菜園の条件=農地転用条件だからです。
農水省は、ますます増えている家庭菜園を「自給」と認めないどころか、増えれば増えるほど「自給率」が下がるという、カラクリ計算をしています。
下の自給1012キロカロリーに含まれないもの
①200万戸の農家・兼業農家・家庭菜園の、自家消費分(市場に出さないもの)は含まない
②農作物のうち、2~3割を占める、規格外や、価格下落を防ぐための廃棄物は含まない

これらを含めると、「実際の自給量/摂取量」は60%を超えます。
だから、 「自給率を上げる」ためには、「家庭菜園禁止」にしないといけません。ばからしくて、お話になりません。
家庭菜園で、自分で自分の口に入れる野菜をつくる=まさに100%国産の「自給」です。ですが、農水省にかかると、「自給率」を下げることになります。「自給率」計算なるものが、どっちの方向を向いているか、おわかりでしょう。
「自給率向上」なんて、「まやかし」なのです。
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