『首都圏のアルバイト時給 5か月ぶり1000円台回復』その1日経H22.7.3
『首都圏のアルバイト時給 5か月ぶり1000円台回復』その1日経H22.7.3
アルバイトなど短時間労働者の時給が首都圏で上昇…5か月ぶりに1千円台を回復した。…通信各社が、1500円程度と平均より高めの時給で販売員を集めている。…「梱包作業要員が集まらず、時給を上げざるを得ない」(物流関係者)との声も出ている。
…全国規模で出典を続ける牛丼チェーン「すき屋」のゼンショーは「以前と比べると応募者が多すぎて面接が追いつかない」と話す。
「04~05年のような人集めが厳しい時代が戻ってくる可能性もある」…とみている。

時給がアップということは、労働需要>労働供給ということですね。
この, 需要・供給曲線も,経済学ではおなじみのモデルです。これも単純なようですが,奥が深い理論です。ミクロ経済学では,この図を使って,私たち一人ひとりの消費行動から,政府による規制や課税,市場の独占や寡占,果ては国際貿易まで,説明します。

労働需要>労働供給ですから、上記の曲線が

このように、動いているということです。市場メカニズムによって、新しい均衡量と、均衡価格(自給)が決定します。
では、このようなメカニズムに、政府の規制が加わると、どうなるでしょうか。
『最低賃金上げ労使に溝』日経H22.7.3 グラフも
…政府は…「20年までに全国最低800円、全国平均1000円を目指す」…「多くの地域ではまだ600円台だ…」…。…経済団体の幹部は「最低賃金の大幅な引き上げは、特に中小企業の経営に対する打撃が大きい」…一方、労働団体の幹部は…10円以上の引き上げ幅を目指す意向だ。

実は、最低賃金ひき上げという規制は、労働側にとって、自分たちの首を絞める結果になるのです。
<価格(最低賃金)と雇用量のアンバランス>

政府規制価格(最低賃金)が導入されると、青色の矢印部分が、「非自発的」失業になります。非自発的失業とは、「働く意思があるのに、働くことが出来ない人」のことです。
高い最低賃金では、企業は雇用(求人数)を減らし、逆に、求職数は増えます。本来低い賃金で、均衡(バランス)していた雇用量と雇用価格が、バランスを失い、失業者が増加するのです。
そして、賃金のUPにより、「本当に困っている人」がますます困ることになります。
最低賃金付近の価格で働いている人は、ぎりぎりの生活をしている人たちです。その価格でも「働かなければいけない」人々です。
ところが、最低賃金がUPしたことにより、今まで働いていなかった人も、「この価格なら、じゃあ働くか」となります。たとえば、専業主婦のような、「今まで働いていなかった」人たちです。もともと「余裕のある」人々が、最低賃金の上昇により、「労働市場」に参入します。
求人側は、誰を雇うでしょうか。「保証人もいて、身元がはっきりして、健康な人(余裕のある人)」を雇うか、「ぎりぎりの生活をしている人(たとえば幼子を抱えている未婚女性、身元の不確かな人)」を雇うか。答えは、圧倒的に前者です。
最低賃金のUPにより、「生活困窮者」の人が、逆に窮地に追い込まれることになるのです。最低賃金という、弱者を守るための方策が、逆に弱者を生むという、皮肉な結果をもたらす面が確実にあるのです。
アルバイトなど短時間労働者の時給が首都圏で上昇…5か月ぶりに1千円台を回復した。…通信各社が、1500円程度と平均より高めの時給で販売員を集めている。…「梱包作業要員が集まらず、時給を上げざるを得ない」(物流関係者)との声も出ている。
…全国規模で出典を続ける牛丼チェーン「すき屋」のゼンショーは「以前と比べると応募者が多すぎて面接が追いつかない」と話す。
「04~05年のような人集めが厳しい時代が戻ってくる可能性もある」…とみている。

時給がアップということは、労働需要>労働供給ということですね。
この, 需要・供給曲線も,経済学ではおなじみのモデルです。これも単純なようですが,奥が深い理論です。ミクロ経済学では,この図を使って,私たち一人ひとりの消費行動から,政府による規制や課税,市場の独占や寡占,果ては国際貿易まで,説明します。

労働需要>労働供給ですから、上記の曲線が

このように、動いているということです。市場メカニズムによって、新しい均衡量と、均衡価格(自給)が決定します。
では、このようなメカニズムに、政府の規制が加わると、どうなるでしょうか。
『最低賃金上げ労使に溝』日経H22.7.3 グラフも
…政府は…「20年までに全国最低800円、全国平均1000円を目指す」…「多くの地域ではまだ600円台だ…」…。…経済団体の幹部は「最低賃金の大幅な引き上げは、特に中小企業の経営に対する打撃が大きい」…一方、労働団体の幹部は…10円以上の引き上げ幅を目指す意向だ。

実は、最低賃金ひき上げという規制は、労働側にとって、自分たちの首を絞める結果になるのです。
<価格(最低賃金)と雇用量のアンバランス>

政府規制価格(最低賃金)が導入されると、青色の矢印部分が、「非自発的」失業になります。非自発的失業とは、「働く意思があるのに、働くことが出来ない人」のことです。
高い最低賃金では、企業は雇用(求人数)を減らし、逆に、求職数は増えます。本来低い賃金で、均衡(バランス)していた雇用量と雇用価格が、バランスを失い、失業者が増加するのです。
そして、賃金のUPにより、「本当に困っている人」がますます困ることになります。
最低賃金付近の価格で働いている人は、ぎりぎりの生活をしている人たちです。その価格でも「働かなければいけない」人々です。
ところが、最低賃金がUPしたことにより、今まで働いていなかった人も、「この価格なら、じゃあ働くか」となります。たとえば、専業主婦のような、「今まで働いていなかった」人たちです。もともと「余裕のある」人々が、最低賃金の上昇により、「労働市場」に参入します。
求人側は、誰を雇うでしょうか。「保証人もいて、身元がはっきりして、健康な人(余裕のある人)」を雇うか、「ぎりぎりの生活をしている人(たとえば幼子を抱えている未婚女性、身元の不確かな人)」を雇うか。答えは、圧倒的に前者です。
最低賃金のUPにより、「生活困窮者」の人が、逆に窮地に追い込まれることになるのです。最低賃金という、弱者を守るための方策が、逆に弱者を生むという、皮肉な結果をもたらす面が確実にあるのです。
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theme : マクロ経済学 ミクロ経済学
genre : 政治・経済