<質問をいただきました>
<質問をいただきました>
下記ブログの記事について、実際はどうなのかです。
宮崎さんを批判しているんですが合ってるのでしょうか。
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/313acef35adfc90a7b54026e3809dcb3
池田信夫 blog(旧館)
宮崎哲弥氏の30年おくれの経済学
日本の赤字国債のほとんどは日本国内で保有されている。政府が借金しているのは日本国民に対してであって、外国に対してではない。だからこそ、これだけ国債を発行しても、価格が下落しないのだ。
という宮崎哲弥さんのコメントについて、池田さんがコメントしているものです。(池田さんの文は青で示します)
日本の赤字国債のほとんどは日本国内で保有されている。政府が借金しているのは日本国民に対してであって、外国に対してではない。だからこそ、これだけ国債を発行しても、価格が下落しないのだ。
(1)まず、これは合っています。日本は「貯蓄超過」+「投資不足」なので、そのカネが国債に回っています。「カネ余り」なので、国債に投資しています。
ブログカテゴリー
国債価格下落=長期金利上昇2010-01-19記事を参照下さい。
なるほど、国内で債券を発行すれば価格は下がらないのか。それじゃ民間企業は、国内なら債券を無限に発行できる・・・わけないだろ。内国債か外債かということは、金利(債券価格)とは何の関係もない。金利を決めるのは、日本政府の支払い能力と債券市場の需給関係である。彼が混同しているのは、ラーナーが1948年の論文で主張した「内国債は世代間の負担にならない」という考え方で、私の学生のころには教わったが、今は財政学の教科書にも出てこない。税金も国債も同じだと仮定すれば、世代間の負担が生じないのはトートロジーだからである。
(2)現在のところ、国債は、貯蓄超過の国内で消化されています。価格が下がらない=「債券価格高い=金利低い」のは、その国内が豊富な資金を出しているからです。ですから金利は低いのです。ですが、日本の貯蓄率が低下しています。このままでは、国内で国債を消化できません。外国資本導入=金利は上昇します。
「金利を決めるのは、日本政府の支払い能力と債券市場の需給関係」
これもその通りです。 支払い能力が高い=税負担を上げることができる、あるいは、日本のGDP規模、政府の規模(日本政府は世界一の金持ち)のことです。債券市場の需給関係=「日本のカネ余り」のことです。
「国内で債券を発行すれば価格は下がらないのか。」
これは曲解です。そんなことではありません。内国債券だろうが外貨建て債券であろうが、金利とは関係ありません。カネ余りの国の国債なので、価格が下がらないのです。
ブログカテゴリー
国債=国民の財産2010-03-11 参照
問題はそういう解釈論ではなく、実質的に世代間の負担が生じるかどうかだ。これについてはバーロの「中立命題」が有名だが、これは実証的には成り立たない。つまり国債と税金は同じではないので、世代間の負担は生じるのだ。国債を買う人は将来のキャッシュフローの割引現在価値と国債価格を均等化するので最適な資産運用ができるが、増税は可処分所得そのものを減らすので最適にはならない。内国債か外債かなんて関係ない(笑われるからやめたほうがいいよ)。違いは国債が自発的に買う資産であるのに対して、税金は強制的に徴収されるという点にある。
(3)税金は強制的ですが、国債は自発的=ただし広く薄く、購入されています。郵貯銀行、銀行、生保、投資信託etcです。これらの利益は、広く国民に還元されます。株や社債は、保有者が一方的に利益を得ますが、国債は、結局は、広く薄く国民に還元されます。
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国債=国民の財産2010-05-16 参照
それより深刻なのは、「優先されるべきは構造改革よりマクロ政策だ」という発想だ。まぁ今はマクロ政策が必要だとしよう。それによって「需給ギャップ」が埋まったとしても、成長理論の言葉でいう潜在成長率に復帰するだけだ。ここ5年ほどの潜在成長率は実質ベースで1%強だが、これに復帰したら「日本経済が元気になる」のだろうか。宮崎氏の賞賛するクルーグマンもいうように、マクロ政策は「根本的な解決にはならない」。成長率そのものを上げない限り、日本経済は元気にならないのだ。
(4)その通りです。国債金利<GDP成長率であれば、まったく問題は生じません。成長率を上げることが、すべての問題の解決です。
1.3%(国債金利)でカネを借りても、それ以上に利益(GDP成長)向上すれば、良いのです。そうすれば、1.3%金利で税金を集めていても、負担ではありません。
企業が借金するのは、それ以上に利益を出せるからです。一部上場企業の負債は、資産の60%です。それを借金経営とは言いません。
でも、1.3%の金利を払って税金を集める(国債=税金集めの別形態)より、消費税を2%~3%上げても同じです(こっちは金利0)。これだけ税率を上げれば、日本の税不足(G-T、’08年で約6兆円)はカバーできます。税率1%で2兆5千億~2兆9千億くらいの税収になるからです。
下記ブログの記事について、実際はどうなのかです。
宮崎さんを批判しているんですが合ってるのでしょうか。
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/313acef35adfc90a7b54026e3809dcb3
池田信夫 blog(旧館)
宮崎哲弥氏の30年おくれの経済学
日本の赤字国債のほとんどは日本国内で保有されている。政府が借金しているのは日本国民に対してであって、外国に対してではない。だからこそ、これだけ国債を発行しても、価格が下落しないのだ。
という宮崎哲弥さんのコメントについて、池田さんがコメントしているものです。(池田さんの文は青で示します)
日本の赤字国債のほとんどは日本国内で保有されている。政府が借金しているのは日本国民に対してであって、外国に対してではない。だからこそ、これだけ国債を発行しても、価格が下落しないのだ。
(1)まず、これは合っています。日本は「貯蓄超過」+「投資不足」なので、そのカネが国債に回っています。「カネ余り」なので、国債に投資しています。
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国債価格下落=長期金利上昇2010-01-19記事を参照下さい。
なるほど、国内で債券を発行すれば価格は下がらないのか。それじゃ民間企業は、国内なら債券を無限に発行できる・・・わけないだろ。内国債か外債かということは、金利(債券価格)とは何の関係もない。金利を決めるのは、日本政府の支払い能力と債券市場の需給関係である。彼が混同しているのは、ラーナーが1948年の論文で主張した「内国債は世代間の負担にならない」という考え方で、私の学生のころには教わったが、今は財政学の教科書にも出てこない。税金も国債も同じだと仮定すれば、世代間の負担が生じないのはトートロジーだからである。
(2)現在のところ、国債は、貯蓄超過の国内で消化されています。価格が下がらない=「債券価格高い=金利低い」のは、その国内が豊富な資金を出しているからです。ですから金利は低いのです。ですが、日本の貯蓄率が低下しています。このままでは、国内で国債を消化できません。外国資本導入=金利は上昇します。
「金利を決めるのは、日本政府の支払い能力と債券市場の需給関係」
これもその通りです。 支払い能力が高い=税負担を上げることができる、あるいは、日本のGDP規模、政府の規模(日本政府は世界一の金持ち)のことです。債券市場の需給関係=「日本のカネ余り」のことです。
「国内で債券を発行すれば価格は下がらないのか。」
これは曲解です。そんなことではありません。内国債券だろうが外貨建て債券であろうが、金利とは関係ありません。カネ余りの国の国債なので、価格が下がらないのです。
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国債=国民の財産2010-03-11 参照
問題はそういう解釈論ではなく、実質的に世代間の負担が生じるかどうかだ。これについてはバーロの「中立命題」が有名だが、これは実証的には成り立たない。つまり国債と税金は同じではないので、世代間の負担は生じるのだ。国債を買う人は将来のキャッシュフローの割引現在価値と国債価格を均等化するので最適な資産運用ができるが、増税は可処分所得そのものを減らすので最適にはならない。内国債か外債かなんて関係ない(笑われるからやめたほうがいいよ)。違いは国債が自発的に買う資産であるのに対して、税金は強制的に徴収されるという点にある。
(3)税金は強制的ですが、国債は自発的=ただし広く薄く、購入されています。郵貯銀行、銀行、生保、投資信託etcです。これらの利益は、広く国民に還元されます。株や社債は、保有者が一方的に利益を得ますが、国債は、結局は、広く薄く国民に還元されます。
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国債=国民の財産2010-05-16 参照
それより深刻なのは、「優先されるべきは構造改革よりマクロ政策だ」という発想だ。まぁ今はマクロ政策が必要だとしよう。それによって「需給ギャップ」が埋まったとしても、成長理論の言葉でいう潜在成長率に復帰するだけだ。ここ5年ほどの潜在成長率は実質ベースで1%強だが、これに復帰したら「日本経済が元気になる」のだろうか。宮崎氏の賞賛するクルーグマンもいうように、マクロ政策は「根本的な解決にはならない」。成長率そのものを上げない限り、日本経済は元気にならないのだ。
(4)その通りです。国債金利<GDP成長率であれば、まったく問題は生じません。成長率を上げることが、すべての問題の解決です。
1.3%(国債金利)でカネを借りても、それ以上に利益(GDP成長)向上すれば、良いのです。そうすれば、1.3%金利で税金を集めていても、負担ではありません。
企業が借金するのは、それ以上に利益を出せるからです。一部上場企業の負債は、資産の60%です。それを借金経営とは言いません。
でも、1.3%の金利を払って税金を集める(国債=税金集めの別形態)より、消費税を2%~3%上げても同じです(こっちは金利0)。これだけ税率を上げれば、日本の税不足(G-T、’08年で約6兆円)はカバーできます。税率1%で2兆5千億~2兆9千億くらいの税収になるからです。
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theme : マクロ経済学 ミクロ経済学
genre : 政治・経済