ギリシャ危機の飛び火を防げ
<新聞の間違い>
読売 社説『ギリシャ危機の飛び火を防げ』H22.5.8 数字は筆者
欧州各国と国際通貨基金 (IMF) が深刻な財政危機にあえぐギリシャに最大1100億ユーロ(約13兆円)の支援を決めたというのに、世界の金融市場で動揺が続いている。
①6日のニューヨーク市場は…ダウ平均株価は一時10000ドルの大台を割った。…7日の東京市場は全面安となり、平均株価の下げ幅は一時400円を超えた。
上海や香港などアジアの主要市場も軒並み下落し、世界同時株安の様相を見せている。ギリシャから始まった欧州発の混乱は日本にとって決して「対岸の火事」ではない。
…景気に不安を抱える②日本は財政悪化も深刻だ。日本の国債は95%が国内で安定的に消化されており、7割を海外の投資家が所有するギリシャ国債と事情が違う。だが、ギリシャの経済混乱は国債の格付が引き下げられることがきっかけだ。日本も二の舞にならないよう他山の石としなければならない。
<日本は、財政破綻できない>
矛盾しています。世界同時株安⇒投資家は、安心する銘柄に投資⇒日本国債へマネー流入と、同じ紙面ページに書いてあります。ですが一方で「日本も二の舞」と表現します。同日同紙面同ページ記事です。
『投資マネー、一気に逃避 世界株安 日米債権・金へ流入』数字は筆者
日米欧で株価の下落が続き、ギリシャの財政危機をきっかけにした金融市場の動揺が収まらない。③…投資家が、マネーを、株式から「安全資産」である日米の債権などに逃避させる動きが鮮明になってきた。
…欧州各地で財政問題が深刻化するとの懸念も強い。7日の欧州債券市場ではギリシャ国際(10年物)が早朝に一時、2001年にユーロ圏入りして以来で最高の年15%台(筆者注:金利のこと)まで急騰したほか、財政が悪化しているポルトガル国債も年7%台、アイルランド国債も年6%台まで一時上場した。
④…国内外の投資家が各国株式市場でリスクを取って投資することを避け、安全資産にマネーを逃避させる姿勢が鮮明になっている。…日本国債(10年物)も7日の終値で年1.28%と低い水準だった。欧州のマネーが日米の債券市場に流れ込んでいる構図だ。
「日本国債は安全資産」だと、言っています。
金利が高い=国債価格下落(信用失墜)、金利が低い=国債価格上昇のことです。

ですから、債券の人気高い=金利低い、債券人気下落=金利上昇となります。
いくら、10%の金利のクーポンだとしても、その国が、本当にその国債のクーポンを払ってくれるかどうか、また、国債を完全に償還してくれるのかどうか、不安になると、国際価格は下落します。
これが、ギリシャやポルトガル、アイスランドの国債価格下落=金利上昇です。では、日本の国債はどうなのでしょうか。
④…国内外の投資家が各国株式市場でリスクを取って投資することを避け、安全資産にマネーを逃避させる姿勢が鮮明になっている。…日本国債(10年物)も7日の終値で年1.28%と低い水準だった。欧州のマネーが日米の債券市場に流れ込んでいる構図だ。
欧州国債と、まるっきり反対です。国債価格上昇=金利低下です。つまり、 「日本の国債」は、世界一「安全な資産」だから、マネーが殺到し(人気があるので、国債価格上昇)=金利が低下しているのです。
ギリシャ危機後 日本国債利回り 日経H22.5.8グラフ

ギリシャ国債 利回り 日経H22.5.12グラフ

投資家は、日本国債を買っています。日本国債価格上昇=金利低下です。
同じく、同日の読売記事です。
読売 『株「不安が不安呼ぶ」世界同時安』H22.5.8 グラフも
…株価は当面、下落基調を続けるとの見方が多い。市場では資金の「質への逃避」が進み、安全資産の金や日米などの国債に資金が流入しているほか…円買いが強まっている。

日本国債購入=日本円高です。安全資産=日本円=日本円高(低金利の日本円購入し、外国に投資していたカネが、日本円に戻っている)です。
読売 社説『ギリシャ危機の飛び火を防げ』H22.5.8 数字は筆者
欧州各国と国際通貨基金 (IMF) が深刻な財政危機にあえぐギリシャに最大1100億ユーロ(約13兆円)の支援を決めたというのに、世界の金融市場で動揺が続いている。
①6日のニューヨーク市場は…ダウ平均株価は一時10000ドルの大台を割った。…7日の東京市場は全面安となり、平均株価の下げ幅は一時400円を超えた。
上海や香港などアジアの主要市場も軒並み下落し、世界同時株安の様相を見せている。ギリシャから始まった欧州発の混乱は日本にとって決して「対岸の火事」ではない。
…景気に不安を抱える②日本は財政悪化も深刻だ。日本の国債は95%が国内で安定的に消化されており、7割を海外の投資家が所有するギリシャ国債と事情が違う。だが、ギリシャの経済混乱は国債の格付が引き下げられることがきっかけだ。日本も二の舞にならないよう他山の石としなければならない。
<日本は、財政破綻できない>
矛盾しています。世界同時株安⇒投資家は、安心する銘柄に投資⇒日本国債へマネー流入と、同じ紙面ページに書いてあります。ですが一方で「日本も二の舞」と表現します。同日同紙面同ページ記事です。
『投資マネー、一気に逃避 世界株安 日米債権・金へ流入』数字は筆者
日米欧で株価の下落が続き、ギリシャの財政危機をきっかけにした金融市場の動揺が収まらない。③…投資家が、マネーを、株式から「安全資産」である日米の債権などに逃避させる動きが鮮明になってきた。
…欧州各地で財政問題が深刻化するとの懸念も強い。7日の欧州債券市場ではギリシャ国際(10年物)が早朝に一時、2001年にユーロ圏入りして以来で最高の年15%台(筆者注:金利のこと)まで急騰したほか、財政が悪化しているポルトガル国債も年7%台、アイルランド国債も年6%台まで一時上場した。
④…国内外の投資家が各国株式市場でリスクを取って投資することを避け、安全資産にマネーを逃避させる姿勢が鮮明になっている。…日本国債(10年物)も7日の終値で年1.28%と低い水準だった。欧州のマネーが日米の債券市場に流れ込んでいる構図だ。
「日本国債は安全資産」だと、言っています。
金利が高い=国債価格下落(信用失墜)、金利が低い=国債価格上昇のことです。

ですから、債券の人気高い=金利低い、債券人気下落=金利上昇となります。
いくら、10%の金利のクーポンだとしても、その国が、本当にその国債のクーポンを払ってくれるかどうか、また、国債を完全に償還してくれるのかどうか、不安になると、国際価格は下落します。
これが、ギリシャやポルトガル、アイスランドの国債価格下落=金利上昇です。では、日本の国債はどうなのでしょうか。
④…国内外の投資家が各国株式市場でリスクを取って投資することを避け、安全資産にマネーを逃避させる姿勢が鮮明になっている。…日本国債(10年物)も7日の終値で年1.28%と低い水準だった。欧州のマネーが日米の債券市場に流れ込んでいる構図だ。
欧州国債と、まるっきり反対です。国債価格上昇=金利低下です。つまり、 「日本の国債」は、世界一「安全な資産」だから、マネーが殺到し(人気があるので、国債価格上昇)=金利が低下しているのです。
ギリシャ危機後 日本国債利回り 日経H22.5.8グラフ

ギリシャ国債 利回り 日経H22.5.12グラフ

投資家は、日本国債を買っています。日本国債価格上昇=金利低下です。
同じく、同日の読売記事です。
読売 『株「不安が不安呼ぶ」世界同時安』H22.5.8 グラフも
…株価は当面、下落基調を続けるとの見方が多い。市場では資金の「質への逃避」が進み、安全資産の金や日米などの国債に資金が流入しているほか…円買いが強まっている。

日本国債購入=日本円高です。安全資産=日本円=日本円高(低金利の日本円購入し、外国に投資していたカネが、日本円に戻っている)です。
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