<円高について、質問にお答えします その2>
あけましておめでとうございます
<円高について、質問にお答えします>
貿易黒字は国内に環流するおカネではありませんとありますが、輸出企業が稼いだお金は全部海外へ行くんですか?社員に給料を払うときには円に戻さなければなりませんし、このぶぶんだけがわかりません。すみません。
という、質問を受けましたのでお答えします。
くわしくは、
(1)カテゴリー「GDPとGNIとは?-ISバランス/貯蓄投資差額」
①2009-10-26 チャールズ・ユウジ・ホリオカ『経済教室』その1 日経H21.9.30
(2)カテゴリー「新聞の間違い-8日経 貿易黒字=儲け」
②2009-10-15 新聞の間違い(26) 『経常黒字10.4%増』日経H21.10.9
③2009-09-14
④2009-09-09 新聞の間違い (23)日経 H21.7.30 『韓国 資本収支7770億円黒字』
⑤2009-05-17 新聞の間違い(14) 日経の社説さえ・・・H21.5.14版
などを、参照してください。
簡単に言うと、輸出は「もうけ」です。輸出企業が稼いだお金は、『円』になり、社員の給与や、材料費などの支払いに充てられます。
ところが、輸出-輸入の「貿易黒字」とか、「純輸出」といわれる部分は、「貿易黒字額=資本収支赤字額」になり、貿易黒字は,国内に環流するおカネにはならないのです。外国の株、社債、国債、外国通貨、外国の土地の購入額になります。
ものすごく単純化します。
輸出企業が10ドル稼ぎます。輸入企業が9ドル使用します。残り1ドルが純輸出(貿易黒字)です。1ドルは、純資産=日本の持つ海外資産(ドルとか、ユーロなどの紙幣を含む)です。その額は、平成20年末現在、225兆5080億円に上ります。世界一の対外債権国です。

「貿易黒字はどこへいったのか」の答えは,「海外の資産になった」です。このことは,日本人の生活そのものが豊かになることを,必ずしも意味するものではないのです。
貿易黒字額=資本収支赤字額なので、必ず、海外に投資された額(外貨準備額含む)に等しくなります。日本国内には、流通しないのです。 「貿易黒字は、海外への資本の貸し出し=外国資産の積み上げ」なのです。
伊藤元重(東大教授)編著『貿易黒字の誤解-日本経済のどこが問題か-』 東洋経済新報社1994
p27 黒字はどこにいったのかといえば、「海外への資産の蓄積になった」という答えになる。
p89 「日本は多くの産業において強い競争力を持っており国際経済で一人勝ちしているから、日本の貿易収支や経常収支は黒字である」というのがいかにばかげた議論であるか…わかることだろう。
となります。
<円高について、質問にお答えします>
貿易黒字は国内に環流するおカネではありませんとありますが、輸出企業が稼いだお金は全部海外へ行くんですか?社員に給料を払うときには円に戻さなければなりませんし、このぶぶんだけがわかりません。すみません。
という、質問を受けましたのでお答えします。
くわしくは、
(1)カテゴリー「GDPとGNIとは?-ISバランス/貯蓄投資差額」
①2009-10-26 チャールズ・ユウジ・ホリオカ『経済教室』その1 日経H21.9.30
(2)カテゴリー「新聞の間違い-8日経 貿易黒字=儲け」
②2009-10-15 新聞の間違い(26) 『経常黒字10.4%増』日経H21.10.9
③2009-09-14
④2009-09-09 新聞の間違い (23)日経 H21.7.30 『韓国 資本収支7770億円黒字』
⑤2009-05-17 新聞の間違い(14) 日経の社説さえ・・・H21.5.14版
などを、参照してください。
簡単に言うと、輸出は「もうけ」です。輸出企業が稼いだお金は、『円』になり、社員の給与や、材料費などの支払いに充てられます。
ところが、輸出-輸入の「貿易黒字」とか、「純輸出」といわれる部分は、「貿易黒字額=資本収支赤字額」になり、貿易黒字は,国内に環流するおカネにはならないのです。外国の株、社債、国債、外国通貨、外国の土地の購入額になります。
ものすごく単純化します。
輸出企業が10ドル稼ぎます。輸入企業が9ドル使用します。残り1ドルが純輸出(貿易黒字)です。1ドルは、純資産=日本の持つ海外資産(ドルとか、ユーロなどの紙幣を含む)です。その額は、平成20年末現在、225兆5080億円に上ります。世界一の対外債権国です。

「貿易黒字はどこへいったのか」の答えは,「海外の資産になった」です。このことは,日本人の生活そのものが豊かになることを,必ずしも意味するものではないのです。
貿易黒字額=資本収支赤字額なので、必ず、海外に投資された額(外貨準備額含む)に等しくなります。日本国内には、流通しないのです。 「貿易黒字は、海外への資本の貸し出し=外国資産の積み上げ」なのです。
伊藤元重(東大教授)編著『貿易黒字の誤解-日本経済のどこが問題か-』 東洋経済新報社1994
p27 黒字はどこにいったのかといえば、「海外への資産の蓄積になった」という答えになる。
p89 「日本は多くの産業において強い競争力を持っており国際経済で一人勝ちしているから、日本の貿易収支や経常収支は黒字である」というのがいかにばかげた議論であるか…わかることだろう。
となります。
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