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リカード 比較優位 比較生産費説 その10

<リカード 比較優位 比較生産費説 その10>

<比較生産費←ミクロ経済学を使用(2)>


清水書院 教科書『現代政治・経済』2008 p152清水書院 教科書『現代政治・経済』2008 p152.その2

間違い×「生産量が増え,交換すれば利益を得る」
正解 ○「特化前は,生産量≧消費量だったものが,特化後は生産量<消費量となり,消費者効用が増大する」

 では,ここで,リカード・モデルの,オリジナルの表に再登場してもらい,グラフにして検証してみましょう。
リカード表1
リカード表1314.jpg
 まず,貿易前の生産量≧消費量のときの状態と,消費の無差別曲線を,確認してみます。グラフの斜線部分の三角形がその部分です。イギリスは毛織物2.2単位から,ワイン1.83単位までが,生産できる限界の領域でした。それは同時にイギリスの消費量の限界でもありました。a点は,ワイン1単位,毛織物1単位を生産・消費した時を示します。b点も同様です。
3031リカード図.jpg

 では,イギリスは毛織物生産に特化し,ポルトガルがワイン生産に特化した後,貿易をしたら,どうなるでしょうか。
3233リカード図.jpg
 このように,三角形は拡大します。三角形が大きくなるということは,実質所得が増え,商品購入の選択肢が拡大したことを示すのです。大きくなった面積は,消費量の拡大を示しました。生産量<消費量になったからでしたね。さらに消費の無差別曲線も右上にシフトしています(U1<U3,U2<U4)。消費者の満足度(効用)も上がりました

 リカードが言ったように,「貿易をすれば,必ず利益がもたらされる」ことが,改めて証明されました。「特化前は,生産量≧消費量だったものが,特化後は生産量<消費量となり,消費者効用が増大する」のです。

 「リカード・モデル」の山頂にたどりつきました。登るのは大変でしたが,登ってみると,見晴らしがよく,気分的にすっきりしたのではないでしょうか。さらに,頂上には休憩所があります。「リカード理論」の休憩所でお茶を飲むことにしましょう。
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