新聞の間違い(14) 日本経済新聞 H21.5.23 その1
相変わらず、「貿易赤字は損」「貿易赤字は悪いこと」という間違いを書いています。
『米の貿易赤字・貯蓄率改善 市況の法則』日本経済新聞 (グラフも)H21.5.23
…米国の経済指標の一部に好転の兆しがみえてきた。財政赤字と貿易赤字の「双子の赤字」のうち、貿易赤字は縮小。個人の貯蓄率はプラスに転じ ている。これらの指標の改善は・・・
貿易赤字額=資本収支黒字額のことです。アメリカの貿易赤字=海外からの投資受け入れ=海外が保有するアメリカ国内資産の増加のことです。
海外の投資家(銀行・投資銀行・保険・個人etc)が、アメリカに投資(直接投資:株式の購入など、間接投資:社債の購入など、アメリカ国債の購入、個人への貸付)した額が、貿易赤字額なのです。
投資を受け入れるということはどういうことでしょうか。
参考・引用文献 石川城太『政府、過度な肩入れ避けよ』日本経済新聞H21.4.15
…グローバル化が進展し、国境を越えたヒト・モノ・カネ・サービスの移動の活発に伴い…自国企業に見えながら、所有構造を見ると…株式の多くを外国人が所有しているケースが…ある。…日産自動車の外国人持ち株比率は6割を超え、ホンダとトヨタも3割前後である。ソニー、任天堂、キヤノン、日立製作所など、日本を代表する企業…も4割を超えている。…日産はルノーの株式の15%を所有し、逆にルノーは日産の44.3%の株式を所有している。…ルノー出身のカルロス・ゴーン氏が両社の社長兼最高責任者(CEO)を兼務し、日産が保有するルノー株式には議決権がないため、日産はもはやフランスの企業といってもよい。
このように、今では,外国人株主の持ち株比率が30%を超える企業も少なくありません。東証一部上場企業では,’05年には100社を超えました。有力上場企業で,外国人持ち株比率が,50%を超える企業は,46社を数え,以下のような例があります。
出典 『会社四季報CD-ROMランキングでみる上場企業』2007年2週春号 東洋経済オンライン http://www.toyokeizai.net/online/topics2/?kiji_no=8
日産自動車69.3% 西友60.3% 昭和シェル石油61.3%
ヤマダ電機55.2% HOYA50.5%
富士フィルムホールディングス50.4%
これが、グローバル化の実態です。資本は国境を超え移動しているのです。「日産はフランス企業」です。
さらに、アメリカ貿易赤字額=資本収支黒字額なので、アメリカが貿易赤字を出せば出すほど、外国資本(外貨準備、外国債、外国証券ほか)の投入が増える のです。「日産はフランス企業」と同様、アメリカの「○○社は日本企業・タイ企業・中国企業」という事例が膨大になっている ということです。
でも、「日産はフランス企業」で、何か困ったことはあるのでしょうか?「ヤマダ電機は外国企業」ですが、それが何か?
「貿易赤字は損」「貿易赤字は悪いこと」ではなく、「貿易赤(黒)字」は「お金の貸し借り」のことなのです。ですから、貿易赤字があろうと無かろうと、経済成長(GDP増=GDI増=国民所得増)します。アメリカも、イギリスも、オーストラリアもです。
アメリカGDP推移・貿易赤字(単位10億ドル データ出典JETRO)
逆に、日本は’98年「貿易黒字」を出しながら、戦後2回目の「GDPマイナス成長=国民所得減」でした。
さらに、2008年、貿易黒字を27,103(単位10億円)も出しながら、戦後3回目の「GDPマイナス成長=国民所得減」でした。前年度GDPは560,816、2008年度556,710となり、0.73%のマイナス成長です。 (単位10億円 データ出展 内閣府速報値2009年2月13日)
おかしいじゃありませんか、貿易黒字で儲けているのに、マイナス成長なんて。そう、 「貿易黒字はもうけ」『貿易黒字は良いこと』が間違い なのです。貿易黒(赤)字と、経済成長は関係ありません。赤字だろうが、黒字だろうが、GDPは増減するのです。
『米の貿易赤字・貯蓄率改善 市況の法則』日本経済新聞 (グラフも)H21.5.23
…米国の経済指標の一部に好転の兆しがみえてきた。財政赤字と貿易赤字の「双子の赤字」のうち、貿易赤字は縮小。個人の貯蓄率はプラスに転じ ている。これらの指標の改善は・・・

貿易赤字額=資本収支黒字額のことです。アメリカの貿易赤字=海外からの投資受け入れ=海外が保有するアメリカ国内資産の増加のことです。
海外の投資家(銀行・投資銀行・保険・個人etc)が、アメリカに投資(直接投資:株式の購入など、間接投資:社債の購入など、アメリカ国債の購入、個人への貸付)した額が、貿易赤字額なのです。
投資を受け入れるということはどういうことでしょうか。
参考・引用文献 石川城太『政府、過度な肩入れ避けよ』日本経済新聞H21.4.15
…グローバル化が進展し、国境を越えたヒト・モノ・カネ・サービスの移動の活発に伴い…自国企業に見えながら、所有構造を見ると…株式の多くを外国人が所有しているケースが…ある。…日産自動車の外国人持ち株比率は6割を超え、ホンダとトヨタも3割前後である。ソニー、任天堂、キヤノン、日立製作所など、日本を代表する企業…も4割を超えている。…日産はルノーの株式の15%を所有し、逆にルノーは日産の44.3%の株式を所有している。…ルノー出身のカルロス・ゴーン氏が両社の社長兼最高責任者(CEO)を兼務し、日産が保有するルノー株式には議決権がないため、日産はもはやフランスの企業といってもよい。
このように、今では,外国人株主の持ち株比率が30%を超える企業も少なくありません。東証一部上場企業では,’05年には100社を超えました。有力上場企業で,外国人持ち株比率が,50%を超える企業は,46社を数え,以下のような例があります。
出典 『会社四季報CD-ROMランキングでみる上場企業』2007年2週春号 東洋経済オンライン http://www.toyokeizai.net/online/topics2/?kiji_no=8
日産自動車69.3% 西友60.3% 昭和シェル石油61.3%
ヤマダ電機55.2% HOYA50.5%
富士フィルムホールディングス50.4%
これが、グローバル化の実態です。資本は国境を超え移動しているのです。「日産はフランス企業」です。
さらに、アメリカ貿易赤字額=資本収支黒字額なので、アメリカが貿易赤字を出せば出すほど、外国資本(外貨準備、外国債、外国証券ほか)の投入が増える のです。「日産はフランス企業」と同様、アメリカの「○○社は日本企業・タイ企業・中国企業」という事例が膨大になっている ということです。
でも、「日産はフランス企業」で、何か困ったことはあるのでしょうか?「ヤマダ電機は外国企業」ですが、それが何か?
「貿易赤字は損」「貿易赤字は悪いこと」ではなく、「貿易赤(黒)字」は「お金の貸し借り」のことなのです。ですから、貿易赤字があろうと無かろうと、経済成長(GDP増=GDI増=国民所得増)します。アメリカも、イギリスも、オーストラリアもです。


逆に、日本は’98年「貿易黒字」を出しながら、戦後2回目の「GDPマイナス成長=国民所得減」でした。

さらに、2008年、貿易黒字を27,103(単位10億円)も出しながら、戦後3回目の「GDPマイナス成長=国民所得減」でした。前年度GDPは560,816、2008年度556,710となり、0.73%のマイナス成長です。 (単位10億円 データ出展 内閣府速報値2009年2月13日)
おかしいじゃありませんか、貿易黒字で儲けているのに、マイナス成長なんて。そう、 「貿易黒字はもうけ」『貿易黒字は良いこと』が間違い なのです。貿易黒(赤)字と、経済成長は関係ありません。赤字だろうが、黒字だろうが、GDPは増減するのです。
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