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教科書・資料集出版会社からの連絡です。

 このブログを見ていただいている、ある教科書・資料集出版会社の編集者の方から、次のようなご返事をいただきました。

大学で経済学を専門で学んだわけではございませんが,大学時代の経済学のテキストと講義ノートを横に置きながら拝読いたしました。
テキスト,講義ノートの中に,以下のような記述を見出しました。

「(上記の式は)(著者注 (S-I)=(G-T)+(EX-IM)のこと民間で貯蓄が多すぎると,政府が赤字になるか,貿易が黒字になるかが必然的であることを示す

国債を家計や企業の負債と同一視するのは,誤りである。『内債』である限り貸し手も借り手も結局は国民なのであるから,それによって国が破産することをありえない

国際収支表はというのは,すべての対外取引を複式簿記の原理で記入したものが原表となってる。したがって,貸方と借方は常にバランスしており,『国際収支の均衡』とか『国際収支のバランス』といった言い方は厳密に言えばおかしい。常にバランスしているからだ。」

先生のご指摘が,経済学の基本的な内容であることを改めて認識いたしました。また,それぞれの基本的な内容が,密接に関連していることが示され,全体把握へつながっていると感じました。

今後は,先生が,ご著書,ホームページの中で,ご指摘している点を,一つひとつ見直してまいります。
さらに,高校生が理解できるように,限られた紙幅の中で,できる限り工夫してまいります。


 このように、経済学を理解していただける編集者が、少しでも増えれば、教科書・資料集の記述が正確になることと思います。
 
 教科書・資料集は、実際には、高校の先生が執筆しており、大学教授は監修でかかわっているだけです。ですから、「経済学を知らない」あるいは、「(本で紹介している理論家:たとえば、ホッブス・ロック・ルソーなどの)原典を読まない」で執筆しています
 なので、「ここがおかしい」「あそこがおかしい」と指摘すると、その箇所だけ直すのですが、「全体像がゆがんでいるから、出てくることばが間違ってしまう」ということを、全然理解してもらえません。どこがおかしいのかが、わからないのです。
 建物でいえば、骨格が曲がっているので、ドアや窓ガラス、壁にきしみが出ます。その一ヶ所一か所を直しても、表面上治ってはいるのですが、家は曲がったままという状態なのです。

 教科書で、経済分野について正しいのは、「桐原書店」(ここは大学教授が執筆しています)、清水書院の「新 政治・経済」ぐらいです(リカード比較生産費説は、前者は説明不足、後者は誤りですが)。

 高等学校学習指導要領には、政治経済という科目について、「現代における政治,経済,国際関係などについて客観的に理解させる」とあります。客観的=理論=たとえば経済学のことです。正しい経済学に基づいた、教科書・資料集になるよう、お願い致します。
 
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