コメの減反はなくす・・・飼料米は増える・・・

<コメの減反はなくす・・・飼料米は増える・・・>

読売2017.10.13
米 コメ生産量


読売 2017.10.13
「稼ぐ農業どう育てる」

25ヘクタールの水田を持つ茨城県の深谷知寿さん「減反が廃止されてもすぐに大きな影響はない」廃止後も、家畜のえさとなる飼料用米に転作した農家向け補助金は変わらない。3年前に水田の1/4を飼料用米に転作した深谷さん、年間で約1000万円の補助金…。



 コメの生産を減らした農家(転作や飼料米にする)には 10アール当たり7500円の補助金が出ます。下記記事にあるように、飼料米にすると 10万5千円です。補助金は、2017年度約700億円です。

農水省は、飼料用米を増やすキャンペーンを行っています。


http://www.maff.go.jp/j/seisan/kokumotu/siryouqa.html
農水省

平成27年3月末に閣議決定した、新たな「食料・農業・農村基本計画」においては、飼料用米の生産拡大を明記するとともに、平成25年度実績の10倍となる110万トンの生産努力目標を掲げたところです。



 飼料は、自給率26%(平成23年度)ですが、これをH32年度には、38%に高める(農水省)目標だそうです。

平成26年5月22日 日本飼料工業会
下図の主要飼料の輸入金額の合計は、年間で5,113 億円となっています。
飼料 輸入

一方、日本の補助金は、H25年度で、5602億円です。

①飼料米・転作    2770億円
②畑作物直接支払い 2072億円
③米の直接支払い 760億円

日本のヒトが食べる「小麦」輸入額は、H25年度で、2222億円です。

ヒトが食べる小麦が2222億円、動物が食べる飼料米他に補助金が2770億円です。

動物が食べる輸入飼料に5113億円、補助金は5602億円です。

農作物輸入額 補助金

平成28年度 米生産量(千トン)
ヒトが食べる米8,042
飼料米     506

米 生産量

 どうですか? ヒト用米をやめても、飼料用米にするだけで、今まで通りの収入が確保できます。


北海道新聞 2017年10月14日 土曜日
減反廃止なのに作付け増えぬ?

空知管内の50代のコメ農家は「手厚い交付金を目当てに、農家が主食用米から飼料用米に次々と切り替えている」と明かす。飼料用米は14年度に交付金が10アール当たり最大10万5千円に拡充。16年の道内作付面積は3年前の5倍以上の2770ヘクタールに上る。18年はさらに一部の交付金が増額されるなど、転作支援が充実する。減反の廃止で増産のアクセルを踏んでも、交付金がブレーキになりかねない。



 断言します。日本で「食料危機」など起きません(笑)。

<教科書はまとも>

 教科書は、どんどん新しくなっています。食料危機などおこりようもないことが述べられています(下線部筆者)。


実教出版 『最新政治・経済』p138 平成29年3月7日

人口爆発と食料
 世界の人口は、20世紀の後半に急増し(人口爆発)、2012年には70億人を突破した。今後は2040年代に90億人を超え、21世紀末には100億人に達すると推計されている。ここから「将来、人びとの食料は足りなくなるのではないかと心配になる人もいるだろう。

順調に増えてきた穀物生産
 1961年から2010年までの50年間に、世界の人口は2.25倍に増加したのに対して、人類の主食である穀物の生産量は2.78倍に増加した。つまり人口の増加よりも穀物の生産量の増加の方が大きかったのであり、人類は1人あたりでみて、より多くの穀物を手にできるようになった。

しかも、この間に世界の穀物の耕地面積はほとんど拡大しておらず、穀物の増産は世界的に見れば単収(単位面積当たりの収量)を高めることで達成されてきた。また、穀物の単収は先進国で高くアフリカ等の発展途上国で低い。このことは特に途上国で単収を伸ばしていく余地が大いにあるということを意味しており、それゆえ、世界の穀物生産量は今後も増加していくと考えられている。

従って、このまま人口が増加するとやがて食糧が足りなくなり、食糧危機が起こるはずだとむやみに心配する必要はない。

p144
飢餓と大量の食料廃棄

日本を含む先進国では、年々大量の食料品が、捨てられている。その多くは食べ終わったあとの生ゴミではなく、たんなる食べ残しや、買いだめしていて消費期限が過ぎたもの、中には未開封のまま捨てられているものもある。

こうしたフードロス(食品ロス)は現在世界の食料品生産の3分の1にも達しており、日本でも年間の食品廃棄物1800万トンのうち500~800万トンはフードロスであるという(農林水産省)。 

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公取委、嫌がらせをしたJA阿寒に注意(本当は指導)

<公取委、JA阿寒に注意>

読売2017.10.7
「農協通さぬ農家に賦課金」

 農協以外に生乳を出荷しようとする組合員に賦課金を求める制度は、独占禁止法違反に当たるおそれがあるとして、公取委は6日、阿寒農協に注意を行った。
 今年6月の出荷分から、生乳1キロ当たり0.5円の賦課金を課す制度を導入、農協以外の卸売業者に出荷する農家にも賦課金を求めた。

 阿寒農協が農家に対して有利な立場を利用して賦課金を求めたとして、独禁法が禁じる「優越的地位の乱用」にあたるおそれがあると判断した。
 同農協が調査開始後に賦課金の徴収を停止したことから、行政指導ではなく、注意にとどめた。




 この、「JA=北海道ではホクレン」を通さずに、別の業者に「生乳」を降ろす生産者に対し、年間「120万円」にも上る、賦課金=経営・技術指導にかかるカネを、突如課そうとしたJA阿寒のやり方が、独禁法違反で、処分されました。

 その内容は、TV「ガイアの夜明け」で放送されています。

クリック

ガイアの夜明け続バター不足福仁畜産を襲う阿寒JA賦課金の壁

 生乳は、指定団体(今は全国で10組)を通して出荷すれば、国から「補助金」が出ます。生乳は「価格が高く」、加工乳は「低い」。その差を埋めるために「補助金」が出ます。

全国平均では、飲用ならキロ117円、加工用ならキロ75円です。同じ生乳なのに、値段が違います。この差を埋めるために補助金が出されているのです。

北海道の生乳は、全国で売れてしまいます。だから、北海道の生乳が全国に流通しないように、指定地域団体を作り、結果、北海道で生産する生乳は、加工乳にしかなりません。差額をもらうためには、指定団体=ホクレンに降ろすことが条件です。

牛乳3

牛乳7

北海道の指定団体はホクレン、JAです。

創意工夫する生産者は、ホクレンを通さずに、MMJ(群馬県の会社)に「加工用乳」を降ろそうとしました。

 2016年12月、農協は加工乳のプール価格を2円60銭引き上げます。MMJに降ろすと92.5円ですが、農協に降ろすと90.6円に値上げします。価格差を縮め、MMJと取引する生産者に圧力をかけます。これ自体、独占による圧力ですが、「農協」は、企業ではないため、この独占が認められています。

それどころか、JA阿寒は、突然、「生乳の出荷に賦課金キロ50銭」を課すことにしました。生産者によっては、1か月10万円、1年で120万円のコスト増になります。しかも、農協に降ろさない、MMJと直接取引しようとした農家をねらい打ちにした賦課金でした。嫌がらせです。

 これに公取委が「調査」に入ったのです。すかさずJA阿寒は賦課金を「止めます」。

 バターの価格は、この10年で4割高、毎年「バター不足」報道が出ます。官製独占市場が、バターの価格と量をゆがめているのです。

 本当は、「加工乳」値段で、指定団体が、バターメーカーに売るはずです。ところが、指定団体は、生乳値段で、メーカーに売るのです。「いらないの?じゃあ売らないよ」です。

 結果、バターなど、つくってもメーカーにとっても赤字です。でもそれをやらないと、メーカーはチーズとか、生クリームなどの原材料も手に入れることができません。バターは、10年で4割も値上げ、毎年バター不足です。

 この官製独占を行っているのが、農水省天下り団体「農畜産業振興機構【エーリック】」です。海外バターの独占取扱い機関です。安い海外バターを輸入し、国産価格との差額に対し「賦課金(要するに税金)」をかけて、その賦課金を、日本の生乳生産者に「補助金」」として回しているのです。

 結果、やる気のある生産者を市場から締め出し、消費者はバター高・バター不足にさいなまれます。
 
エーリック役員のうち、10人中、5人が農水省の出向とOBです。

 野党の皆さん、本当にあなたたちが戦わなければいけないのは、このような「官僚支配機構」でしょう。野党と与党に分かれて論戦させ、国会エネルギーを浪費させ、一番トクするのは、この「官僚システム」です。国会⇔行政の抑制と均衡といいますが、国会が一致し、力を集中しないから、行政が「やりたい放題」です!国会がもめればもめるほど、官僚は安泰なのです。

 天下り団体、一番作ったのが、「文科省」です。加計問題は、文科省利権=許認可独占権、大学への天下り・・・の縮図でしょう。

 国会が「一致」して切り込まなければいけないのは、このように「市場メカニズム」をゆがめる、官僚システムなんですよ!

<古い記事を自分で見ていたら・・・>

曲学阿世の方の記事を見つけました。2014-10-14記事です。いかに「デタラメ」を言っていたか、十分に検証できます(笑)

当時、「間違い部分」を赤字にしましたが・・・見事「赤字」部分がでたらめであることが、証明されました(笑)。

以下、再掲します。

<何を言っているのか、さっぱり分かりません>

経済学を知らない方が、経済語っても、基礎がメチャクチャなので、結論も当然メチャクチャになるという例です。

認識の間違いや、トンデモ部分は、赤で示しました。


「スクリューフレーション」で1億総貧困化 大阪経済大客員教授 岩本沙弓氏が緊急提言

株式市場の乱高下に個人投資家が悲鳴を上げている。トリガーを引いたのはアベノミクスであることは言うまでもないが、問題は今後だ。はっきり言おう。待っているのはゾッとするような地獄だ。「バブルの死角」(集英社新書)を上梓した大阪経済大客員教授の岩本沙弓氏が緊急提言――。

 今のジェットコースター相場は、「大胆緩和で長期金利を押し下げる」と説明してきた日銀の黒田総裁が「やっぱりできません」と白旗を揚げたかのような発言がきっかけとなっています。緩和で長期金利をコントロールできないことは、金融の世界ではいわば常識。それでも、黒田総裁は「できる、できる」と言われたので、何かしらの秘策があるかと思ったら、何もなかった。その失望から黒田総裁への期待は低下せざるを得ない、というのが現場の声として聞こえてきます。現状は参院選前の調整局面であり、相場は一時的に落ち着きを取り戻すんじゃないでしょうか。

 本当に怖いのは、お祭り騒ぎが終わった後です。最悪のシナリオの場合ですが、数年後に賃金が上がらずに物価と金利が上がる「スクリューフレーション」という現象が日本を襲う可能性があるかもしれません。景気が低迷し、インフレが進む「スタグフレーション」と似ていますが、最大の特徴は「中間層の貧困化」(スクリューイング)を伴うことです。オイルショックに見舞われた40年前は、インフレと同時に賃金も上昇したから、庶民は最悪の事態を免れました。ところが今は企業がいくら儲けようが、サラリーマンの賃金にはこれまでのところ反映されていません。そんな状況にもかかわらず、安倍政権は、物価目標の数値を提示し、実現しようとしている。このままでは円安による食料価格高騰と消費税が追い打ちとなり、庶民の生活は厳しくなってしまいます。

 そもそも、原発が停止され、海外からの化石燃料にこれまで以上に依存しなければならない状況の中で円安誘導しようとするメリットはあまりありません。

<世界は未曽有の大恐慌へ>

 円安誘導の手段としては為替介入がありますが、一滴で大海を動かそうとする無謀さに例えられます。10年前に1ドル=100円近辺だった為替水準は、今もほとんど変わりません。

 小泉政権から民主党政権まで60兆円もドル買い介入し、買ったドルのほとんどは米国債の購入に充てられていると考えられます。小泉政権がドル買いに使った42兆円は、結果的にブッシュ減税の財源に回った公算が大きい。日本の富が米国に渡り、米国民が潤う。そんな図式です。

 安倍政権も50兆円の米国債購入を検討しようとしているという、ブルームバーグの驚くような報道がありました。さて、「安倍50兆円ファンド」は何に使われるのでしょうか? 海外に渡す資金の余裕があるのなら、日本に財政不安はない、ということになります。海外よりもまずは日本の減税のために資金を使うべきでしょう。

 長期的には史上最悪の大恐慌に踏み込もうとする可能性も否めません。紙幣をどれだけ印刷しても、対症療法に終われば市場経済の本質的な修復は不可能。それでも先進各国は紙幣印刷の輪転機を回しっぱなしにしている。安倍政権も乗り遅れまいと大胆緩和に踏み切りました。これまでバブルのツケはバブルで帳消しにしてきましたが、地球規模のバブルになれば、吹き飛ばせる次のバブルはありません。帳消しは不可能となってしまいます。選択を間違えれば、恐らく数年後に「資本主義最後のバブル」が起き、瞬く間にはじける可能性もあります。世界経済が崩壊に向かわないよう、注視する必要があります。


食料自給率アップには、米ばかり食べさせること!

<食料自給率アップには、米ばかり食べさせること!>


田村秀 日本食文化観光推進機構理事長 新潟大教授
朝日 2017.10.6
「ご当地の宝に磨きかけて」

8月に発表された昨年度の日本の食料自給率が38%と…低水準にとどまった。
…自給率低下は地域の農業も危うくし、食糧安保の観点からも問題が大きい。

…若い世代のファストフードへの依存は、ご当地の食の次世代への継承を難しくしている。食材の輸入品への依存度が高いだけに自給率低下に拍車をかけかねないのだ。



 完全な「ポジション・トーク」であり、「事実に基づいた学問」を提供する大学教授の発言ではありません!こういう発言を、曲学阿世と言います。

 カロリー自給率が最も高かった(記録が残されている)のは、昭和35年(1960年)です。
自給率

 要するに、貧しかった時代は、「コメ」しか食べるものが無かったので、カロリー自給率は79%もあったのです。

農水省
自給率 推移


 カロリーが高いのは穀物、要するに「コメ」「小麦」「トウモロコシ」です。

このうち、小麦で得ているカロリーは、331キロカロリー、14%(2015年)です。

 しかし、高温多湿の日本では、乾燥地帯で栽培される小麦を自給することは、事実上「不可能」です。もちろん「トウモロコシ」も同様の理由です(北海道では十分可能ですが)。

 日本で、カロリー自給率を上げるには、簡単に言えば、米のみ食べることです。

コンビニも、ファストフードも、全部「コメ」商品だけを扱うように、法律を変えることです。

マクドナルドも、モスバーガーも、すべて「ライスバーガー」を義務付けます。
コンビニ商品のパンや麺はすべて「米粉」を義務付けます。
ミスタードーナッツも、ピザ店も、パスタ店も「米粉」を義務付けます。
ラーメン店は、すべて米粉「フォー」「ビーフン」にします。
香川のうどん店・うどんチェーン店は、すべて「おいしくない国産小麦」を義務付けます(現在はすべて輸入小麦です)。
カップ麺・インスタント麺は、「うどん」廃止、ラーメンは「ビーフン」にします。
ケーキはすべて「米粉」を義務付けます。

野菜や果物は、いくら国産を食べても「カロリーは低い」ので、問題ありません!日本の生産費自給率は66%、野菜や果物を摂取しているから、このような水準になります。

「米しか食べてはいけない法」を義務付けましょう! 

食生活は貧しくなりますが、食糧安全保障度?は高まります。めでたしめでたし。

<教科書はまとも>

 教科書は、どんどん新しくなっています。食料危機などおこりようもないことが述べられています(下線部筆者)。


実教出版 『最新政治・経済』p138 平成29年3月7日

人口爆発と食料
 世界の人口は、20世紀の後半に急増し(人口爆発)、2012年には70億人を突破した。今後は2040年代に90億人を超え、21世紀末には100億人に達すると推計されている。ここから「将来、人びとの食料は足りなくなるのではないかと心配になる人もいるだろう。

順調に増えてきた穀物生産
 1961年から2010年までの50年間に、世界の人口は2.25倍に増加したのに対して、人類の主食である穀物の生産量は2.78倍に増加した。つまり人口の増加よりも穀物の生産量の増加の方が大きかったのであり、人類は1人あたりでみて、より多くの穀物を手にできるようになった。

しかも、この間に世界の穀物の耕地面積はほとんど拡大しておらず、穀物の増産は世界的に見れば単収(単位面積当たりの収量)を高めることで達成されてきた。また、穀物の単収は先進国で高くアフリカ等の発展途上国で低い。このことは特に途上国で単収を伸ばしていく余地が大いにあるということを意味しており、それゆえ、世界の穀物生産量は今後も増加していくと考えられている。

従って、このまま人口が増加するとやがて食糧が足りなくなり、食糧危機が起こるはずだとむやみに心配する必要はない 。

p144
飢餓と大量の食料廃棄

日本を含む先進国では、年々大量の食料品が、捨てられている。その多くは食べ終わったあとの生ゴミではなく、たんなる食べ残しや、買いだめしていて消費期限が過ぎたもの、中には未開封のまま捨てられているものもある。

こうしたフードロス(食品ロス)は現在世界の食料品生産の3分の1にも達しており、日本でも年間の食品廃棄物1800万トンのうち500~800万トンはフードロスであるという(農林水産省)。 


 <酪農家なんか、まったく困らない、チーズ輸入増>



日欧EPA大枠合意 酪農家は「黒船」到来に悲鳴…乳価下落を懸念
SankeiBiz
7/6(木) 6:48配信

日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)では、欧州産のチーズに対し低関税の輸入枠を新設する。EUが最後まで求めたチーズ関税の完全撤廃は免れたものの、欧州産チーズという“黒船”到来で酪農家が打撃を受けるのは避けられない。チーズの国内シェアを奪われることで生乳が余り、牛乳価格の下落につながる懸念も指摘される。

 EUは世界のチーズ生産量の約5割を占める最大の生産地だ。日本では現在、ナチュラルチーズに最大29・8%の関税を課しているが、発効後は輸入枠分の数万トンが低関税で流入する。

 生乳段階からチーズ向けに生産するなど品質やブランド力が高い“本場もの”だけに、北海道の生産者は「市場を占領され、国産の需要が失われてしまうのではないか」と懸念する。

 一方、国内では、チーズなどに使う加工用生乳は大規模化が進んだ北海道の酪農家が大半を供給し、他地域は飲用牛乳に注力する住み分けが行われてきた。

 チーズの国内シェアが欧州産に奪われた場合、使い道を失った北海道の生乳が飲用に流れ込む可能性が高く、乳価下落を懸念する声がある。農林水産省は欧州産と対抗できるよう、搾乳ロボットの導入による生産効率化など生産者の競争力強化を支援する構えだ。(高木克聡)



 <酪農家なんか、まったく困らない、チーズ輸入増>

 まず、加工乳は、すべて「北海道牛乳」です。

牛乳7

これは、魅力度の高い「北海道生乳」を、他県に流さないようにするシステムです。他県は、「北海道ブランド」の生乳を、自県に入れないことによって、自県生乳を守っています。これは全国10の「JA農協」が、独占的に「生乳」「加工乳」を仕入れているからです。地元の農家は、地元のJAを通じてしか、取り引きできない構造になっています。

 北海道の場合、ホクレン「北海道農業組合連合会」が、すべての農産物を独占して仕入れ、販売しています。ホクレンの横流し=ピンハネだけで、農産物価格の1割以上を占めます。とてもおいしい商売なので、ホクレンは大学生にとってもあこがれの就職先で、競争倍率は非常に高くなっています。ちなみにホクレンの平均年収は、40代後半で800万円を超えます。

牛乳4

 一方、北海道の酪農家は、生乳の方が高価格で売れるのに、皆、「加工乳」へ回されます。生乳の価格が1キロ120円ほどだとしたら、加工乳は80円程度です。そこで、差額を国が補てんします。ただし条件があり、全量を、指定取り引き団体ホクレンに納入することという条件付きです。

読売北海道版 H29.7.5
牛乳1

 このホクレン独占の加工乳仕入のしくみは、「改正畜産経営安定法」が成立し、来年度からは非ホクレン(全国では非農協系)の業者へ出荷する分にも、補助金が支給されるしくみになりました。

チーズの国内シェアが欧州産に奪われた場合、使い道を失った北海道の生乳が飲用に流れ込む可能性が高く、乳価下落を懸念する声がある。

 欧州産チーズという“黒船”到来で酪農家が打撃を受けるのは避けられない。チーズの国内シェアを奪われることで生乳が余り、牛乳価格の下落につながる懸念も指摘される。



 こんな可能性は、まったくありません。加工乳は、生クリームや、チーズ、バターに加工されますが、皆さんご存知のように、毎年「バター不足」「バター価格高騰」です。

牛乳3

 
生乳の出荷は、減り続けています。牛乳を飲まなくなったからです。少子化で小中学校の給食用牛乳も激減しています。加工用牛乳が、生乳に回ることはないのです。

①チーズの代わりに、バターを増産することが可能です。②酪農家は「卸価格」が決まっている「生乳」を出荷するだけです。農家に直接の打撃などありません。


 北海道では、とにかくホクレンの締め付けが強いのです。「ガイアの夜明け」でも特集されましたが、MMJという群馬県の生乳卸売業者に、生乳を出荷する決断をした農家に対し、その地区の農協が、いきなり年に150万円の組合費増の負担を課すという、「嫌がらせ」をする様子が映っていました。

農家は、出荷だけではなく肥料から農薬から、借金から、何から何までJAのお世話になっていますから、今の段階で「組合員をやめる」ことができないのです。もう、本当に、「暴力団の上納金」のようなシステムになっています。

そこに牙城を崩そうというのが、MMJです。MMJは北海道の酪農家から生乳を仕入れ、新規契約農家を増やしてきました。加工乳買取価格が1キロ3円ほど高く、150~200頭の搾乳牛農家の場合、収入が600万円ほど増えます。
北海道では、十勝や根釧地方でMMJに切り替える農家が増え(といっても、道内の集荷量390万トンに対しては、1%程度)ています。

そのMMJに対しても、各地方の農協の締め付けは非常に強いです。MMJが、バター不足を解消しようと、各地の農家に協力を要請しますが、すべて断られます。またバター製造業者に生乳を出荷するのが各地JAなのですが、なんと、「飲料生乳」価格での取引を押し付けます。本来は、安い「加工乳」価格で卸せるのにもかかわらずです。メーカーは「バター生産」のために「高価格の生乳」を仕入れざるを得ません。結果、バターの価格は高騰し、生産量は毎年のように不足し、農水省が緊急輸入し、輸入したバターの関税が農水省天下り団体に入り、それが農水省の利権になっている・・・そういう構図です。既得権益そのものです。

MMJは、バター生産業者に、MMJで仕入れた安い加工乳で、バター生産をお願いしますが、JAの締め付けが厳しく、とうとう、「自前」で生産することになりました。18年に、北海道別海町に「バター工場」を建設します。

読売北海道版 H29.7.6
牛乳2


JAの組合員数が1000万人、多すぎますね。これは、JAの場合、農家だけではなく、JA貯金やJA年金・保険に、一般の人も入れますが、それが「組合員」数になるのです。ここで集めたカネが、「農林中金」へまわります。

 巨大スーパーや卸にとっては、もう、「JA」を通さない取り引きの方が魅力的です。東京築地市場もそうですが、「卸」『仲卸』を通さない、つまり「市場」を通さない取り引きの方が、手っ取り早く、しかも安いのです。築地の取扱量が毎年減っているのは、「魚」を食べなくなったからではなく、その市場を使った取引量が減っているからです。

同じようにJAは、将来的には、「てら銭」商売は、成り立たなくなるでしょう。

おいしい思いをしているところ、ほかにもありますね。獣医師会とか医師会とか、法曹界とか・・・。みな既得権益を手放したくないのです。

<書評 図解使えるミクロ経済学>

HUMI
ミクロ経済学・最新のゲーム理論・行動経済学の、3つの経済学が勉強できる本です。初心者でも分かりやすいように、コンパクトにまとめられていて、読むのが苦になりませんでした。図解やイラストを使って解説してくれているのもいいですね。

初登場 バター市場の弊害を訴える社説

<初登場 バター市場の弊害を訴える社説>

 さて、日本で初めて、バター市場の弊害(その背景)を訴える社説が登場しました。主要4紙では、「初」です。

日経2015/11/8付社説

 乳製品制度の抜本改革急げ

 毎年のように起きるバター不足の問題は、政府が緊急輸入を繰り返すだけでは一向に解消しない。原料の国内生産が低迷する主因は硬直的な制度が酪農家の自由な活動と流通の合理化を促す競争を阻害していることだ。抜本的な規制改革が要る。

 乳製品は政府が手厚い保護で守る国内市場は離農が止まらず、牛乳や乳製品の原料になる生乳の生産減少が続く。

 酪農問題の根幹は、50年前に制定された加工原料乳生産者補給金等暫定措置法に基づく「指定生乳生産者団体制度」にある。酪農家が生産した生乳は、原則すべて地域ごとの指定団体に出荷しないと補助金をもらえない仕組みだ。

 全量出荷のルールは緩和されたとはいえ、酪農家が自分で加工に使える生乳の量は1日3トンまでなどと枠がはめられたままだ。

 全国を10区分した指定団体の地域独占は、大規模農家の多い北海道の生乳が域外流通し、本州以南に影響しない競争抑制の狙いもある。生乳の用途も牛乳を最優先し、指定団体が振り分ける。生産者は事実上、生乳の売り先も用途も自由に選べない。こうした環境では酪農の将来像は描けない。

 9月に再開した政府の規制改革会議は、農業部会で酪農やバター不足問題の議論を始めた。安倍政権は小手先の改革にとどまらず、根幹にある指定団体制度に踏み込んで見直してもらいたい。

 国家貿易品目の輸入バターなどを管理する独立行政法人、農畜産業振興機構の取引の仕組みや加算金のかけ方も複雑でわかりにくい。国内生産の不足分は輸入に頼らざるを得ないのだから、消費者や食品企業にとって透明性の高い仕組みに変えるべきだ。



 太字部分は、拙著で解説した内容です(笑い)。意味分かっていただけます?(笑い)。

具体的な名称や、数値は、ぜひ拙著をご覧ください!!!。

 ともかく、祝「初登場!」です!。

応援よろしくお願いいたします!

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カバー 2

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飯田泰之先生

菅原さんのミクロ.現実経済への言及も多く,高校生(というか)に知っておいて欲しい知識ばかり.マンキューの10大原理から入るのがよいですね♪ →図解 使えるミクロ経済学



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