リカード 比較優位 比較生産費説 その7 家計の無差別曲線
<リカード・比較生産費説 その7>
<ミクロ経済学の使用(2)>
(2)家計の無差別曲線
さて,私たち消費者は,消費可能な範囲内(つまり,先ほどの例では1万円)で,何を購入するでしょうか。それは,一人一人の好み(選好)によって変わります。
衣料品と食料品の組み合わせの場合,例えば,スポーツをやって,おなかの空いている男子高校生ならば,「服より,めし」といって,食料品をたくさん購入するかもしれません。また,ファッションに興味のある女子高校生なら,「ダイエットのこともあるし,なるべく食費を抑えて,シャツを多く買いたい」と考えるかもしれません。その人が何を選択するかは,その人の好みによって変わるのです。
その,好みについて,示したものを,消費の無差別曲線といいます。

この曲線の上は,ある1人の消費者(太郎さん)の,満足度(効用)が等しい組み合わせを結んだものです。太郎さんにとって,a点,b点,c点は,どれも満足度(効用)が等しい点です。また,a点,b点,c点以外にも,無数の組み合わせが考えられます。その組み合わせを全て表示した線を,消費の無差別曲線といいます。
太郎さんにとって,衣料品と,食料品をどのように組み合わせるかは,太郎さんの好み(選好)によります。
この曲線は,消費者(家計)の1人1人で違います。ですから,「服よりめし」と考える先ほどの男子高校生なら,図9のような曲線になるでしょうし,「ファッション重視」と考える女子高校生なら,図10のような,曲線になるでしょう。

図9のような男子高校生の場合,衣料品より食料品が多い方が,満足度は高いですし,図10のような女子高校生の場合,食料品より衣料品が多い方が,満足度は高くなります。
次に,この消費の無差別曲線の性質を見てゆきましょう。
まず,この消費の無差別曲線は,いずれの場合も,原点(数量0の点)に対し,凸型になります。原点に向かって山型になっているということですね。しかも,右下がりです。
食料と衣料は,どちらも必要な商品ですから,どちらか一方をより多く消費すると,家計の満足度(効用)が高まります。その満足度(効用)水準が一定のところを結んだ線が,消費の無差別曲線です。ですから,例えば衣料の個数を多くすると,食料品の個数は少なくしなければなりません。(図11のaとb参照)無差別曲線は,右下がりになるのです。

また,満足度(効用)は,少しずつ変化します。例えば,大福もちが好きな人にとって,最初の1個目はとても満足度が高いです(0個から1個に1つ増えた場合)。しかし,いくら好きな大福もちでも,30個目を食べるとき(29個から30個目に一つ増えた)は,最初の1個目に比べ,さすがに1個当たりの満足度は落ちることと思います。

その満足度の違いは,図12の線分の傾きアと,イで示されます。傾きアの場合は,「衣料品をたくさん減らしても,1個の大福もちが欲しい」場合で,最初の1個目のような場合ですね。一方,傾きイの場合は,大福もち30個目の場合で,「もう十分」と思っている状態です。この場合なら,大福もちを数個減らしても,衣料を1枚購入した方が,満足度が高くなりますね。消費の無差別曲線はこのような傾き1本1本の無限の集まりなので,原点(数量0の点)に対し,凸型になります。

次に,原点から遠くに離れれば離れるほど(グラフでいえば,右上),満足度(効用)は大きくなるということについてです。なぜなら,より多くの商品を購入できることになるからです。

図14では,U1よりもU2,U2よりもU3の方が,満足度(効用)が高いということを示しています。
まとめると,消費の無差別曲線は,次の3つの性質を持っています。
①右下がり
②原点(0)に対して凸(山型)
③右上ほど,満足度(効用)が高い
<ミクロ経済学の使用(2)>
(2)家計の無差別曲線
さて,私たち消費者は,消費可能な範囲内(つまり,先ほどの例では1万円)で,何を購入するでしょうか。それは,一人一人の好み(選好)によって変わります。
衣料品と食料品の組み合わせの場合,例えば,スポーツをやって,おなかの空いている男子高校生ならば,「服より,めし」といって,食料品をたくさん購入するかもしれません。また,ファッションに興味のある女子高校生なら,「ダイエットのこともあるし,なるべく食費を抑えて,シャツを多く買いたい」と考えるかもしれません。その人が何を選択するかは,その人の好みによって変わるのです。
その,好みについて,示したものを,消費の無差別曲線といいます。

この曲線の上は,ある1人の消費者(太郎さん)の,満足度(効用)が等しい組み合わせを結んだものです。太郎さんにとって,a点,b点,c点は,どれも満足度(効用)が等しい点です。また,a点,b点,c点以外にも,無数の組み合わせが考えられます。その組み合わせを全て表示した線を,消費の無差別曲線といいます。
太郎さんにとって,衣料品と,食料品をどのように組み合わせるかは,太郎さんの好み(選好)によります。
この曲線は,消費者(家計)の1人1人で違います。ですから,「服よりめし」と考える先ほどの男子高校生なら,図9のような曲線になるでしょうし,「ファッション重視」と考える女子高校生なら,図10のような,曲線になるでしょう。

図9のような男子高校生の場合,衣料品より食料品が多い方が,満足度は高いですし,図10のような女子高校生の場合,食料品より衣料品が多い方が,満足度は高くなります。
次に,この消費の無差別曲線の性質を見てゆきましょう。
まず,この消費の無差別曲線は,いずれの場合も,原点(数量0の点)に対し,凸型になります。原点に向かって山型になっているということですね。しかも,右下がりです。
食料と衣料は,どちらも必要な商品ですから,どちらか一方をより多く消費すると,家計の満足度(効用)が高まります。その満足度(効用)水準が一定のところを結んだ線が,消費の無差別曲線です。ですから,例えば衣料の個数を多くすると,食料品の個数は少なくしなければなりません。(図11のaとb参照)無差別曲線は,右下がりになるのです。

また,満足度(効用)は,少しずつ変化します。例えば,大福もちが好きな人にとって,最初の1個目はとても満足度が高いです(0個から1個に1つ増えた場合)。しかし,いくら好きな大福もちでも,30個目を食べるとき(29個から30個目に一つ増えた)は,最初の1個目に比べ,さすがに1個当たりの満足度は落ちることと思います。

その満足度の違いは,図12の線分の傾きアと,イで示されます。傾きアの場合は,「衣料品をたくさん減らしても,1個の大福もちが欲しい」場合で,最初の1個目のような場合ですね。一方,傾きイの場合は,大福もち30個目の場合で,「もう十分」と思っている状態です。この場合なら,大福もちを数個減らしても,衣料を1枚購入した方が,満足度が高くなりますね。消費の無差別曲線はこのような傾き1本1本の無限の集まりなので,原点(数量0の点)に対し,凸型になります。

次に,原点から遠くに離れれば離れるほど(グラフでいえば,右上),満足度(効用)は大きくなるということについてです。なぜなら,より多くの商品を購入できることになるからです。

図14では,U1よりもU2,U2よりもU3の方が,満足度(効用)が高いということを示しています。
まとめると,消費の無差別曲線は,次の3つの性質を持っています。
①右下がり
②原点(0)に対して凸(山型)
③右上ほど,満足度(効用)が高い
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