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久留米大学商学部教授 塚崎 公義 デタラメ 0点 解説 アベノミクス

<アベノミクスは、100点満点>

 経済学の理論を応用し、見事に効果をあげました。整理します。

(1)不況とは? 完全雇用を達成していない状態

リーマン後 失業率

リーマンショック後、失業率は跳ね上がりました。不況です

(2)不況の原因

 不況の原因は、投資Iの減少です。ケインズが見つけました。

不況=投資減

GDP 三面等価図 不況

(3)不況を解決するために

投資Iを回復させることです。

①民間投資Iに代わって、政府が公共投資増→財政政策
②民間投資Iを回復させるために、金利を引き下げる→金融政策


総需要管理


消費Cを回復させることなど目的としていませんし、そんな方法もありませんし、それが目標だとしても、二の次、三の次の話です。「アベノミクスで、消費が回復していないから失敗だ」など、単なる無知・バカです。

消費回復のために減税

①期間限定で消費税を3%にする
②ずっと消費税率を3%にする

①は短期効果で、税率を戻した途端にどうなるかは、想像できるでしょう。すでに駆け込み需要は実証済みです。
②です。さて、消費税率を3%にする・・・これを続けると、消費が増えつづけますか?なぜ? 消費が増え続ける・・・など、高校生でも否定します。日本人はバカではありません。


(4)財政政策の効果

固定相場制(~1970年代初頭まで)

 この時代は、財政政策は効果がありました。

①乗数効果(1/1-C)

 まだまだ、社会的に貧しかった時代です。公共投資→業者が買い付ける資材増→資材メーカー売り上げ増→業者の所得増→業者労働者の所得増→商品購買増→商品メーカーの売り上げ増→商品メーカーの労働者の所得増・・・・

 ただし、豊かになった現在は、所得(C+T+S)が増えても、社会保険+税金T増、貯蓄S増であり、消費C増にはなりません。豊かになると(国レベルでも、個人レベルでも)、消費Cを増やすのではなく、S貯蓄を増やすのです。

日本の公共投資の乗数効果(旧経済企画庁)
67年2.17
70年2.02
74年2.27
76年1.85

途上国でも同様です。しかし、経済が成熟してくると、増えた所得を消費Cに回すよりも、貯蓄Sに回す割合が増え、乗数効果は低下していきます。

(内閣府)
87年1.16
08年1.00
11年1.07

分析するシンクタンクによって幅はありますが、日本の場合、2010年代は、1.0台前後になっています。これらは、先進国に共通して見られる現象です(政府支出、保健医療費などの乗数効果については、別な研究があります)。


②固定相場制

A 固定相場制時代は、財政政策の効果は大でした。

財政政策(公共投資)拡大

企業や関連企業の業績が上昇

取引が活発化・資金需要増

金利上昇。金利上昇

円での資産運用が有利

円の需要増(貿易黒字→円での支払い増→円需要増と同じ)

円高

ただし、固定相場制なので、日銀は円売りドル買いで円を市場に供給します(結果的に金融緩和)。

財政政策は同時に金融緩和政策をともなう、いわばWの効果があるのです。

一方、変動相場制の場合、日銀の市場介入はなく、円高・ドル安傾向はそのままです。円
高になると輸出額が減り、株価が下がります。財政政策の効果は薄れるのです。

B 逆に金融緩和の効果は大きくなります。

金融緩和

円安

①輸出額増(輸出額=海外投資額の別名
②日本の場合、株高効果が期待できます。さらに、

①金融緩和→円安(インフレ)

②実質金利低下

③投資増

④実質賃金低下

雇用増が期待できます。

失業

また、資産効果も見逃せません。

インフレ→負債実質減、土地・建物価格・株価上昇

資産効果


東京書籍 H30 政治・経済
消費はまた、家計が保有する株や土地などの価格が上がると、増える傾向がある。これを資産効果といい、株や地価が急上昇したバブル経済期には資産効果が働いて消費が大幅に増え、バブル崩壊後には逆の効果(逆資産効果)が働いて消費が減退した。



変動相場制への移行後、財政政策と金融政策の効果は180度逆転し、「マクロ政策は金融」となったのです。実際、各国の成長と財政出動に、関係はありません。

GDP伸び 財政収支

※財政出動は需要です。需要を伸ばせば供給(GDP)が伸びることなど、ありません。

<ゼロ金利の下、どうやって金融政策を行うのか>

(1)伝統的政策

東京書籍 新しい社会公民 H28 P145

 各国は、リーマンショック後「ゼロ金利」政策を行っています。

× 各国0金利 東学 資料政・経2018 p381


 金利を下げ、投資を刺激するという金融政策はその手段を失います。では、もう金融政策はできないのでしょうか?違います。ゼロ金利下でも、金融政策の手段はあるのです。

デフレ

 デフレで、企業が投資を抑え、貯蓄を増やす(返済を優先する)のは、当たり前です。だから、インフレでなければならないのです。

もう一度確認しますが、金融政策の目的は、「投資I」の回復です。

(2)非伝統的政策

アベノミクス 非伝統的金融政策

①インフレ・ターゲット

フィッシャー方程式


名目金利は、ゼロ以上に下げられません。しかし、インフレにさえなれば、実質金利は下げることができるのです。


実質-2=名目0-インフレ率2%

だから、インフレ率は、たった0.1%でも全くかまわないのです。

実質-0.1=名目0-インフレ率0.1%

だから、「2%を達成していないから、アベノミクスは失敗だ」など、バカかという話なのです。

インフレ率は、たったの0.1%で構わないのです。アベノミクス後、名目GDPと実質GDPの差=GDPデフレーターは、明らかに変化しています。大成功なのです。

gdpデフレーター

物価を見る水準は3つです
a GDPデフレーター
b 消費者物価
c 卸売物価

インフレ度

bの消費者物価だけを見て、「2%達成しているだの、していない」だの、これもバカか?という話です。GDPは「国内」総生産ですから、輸出入物価は入りません。これが上がっているのです。

②コミットメント

インフレ ターゲット

 すでに、EUも、米国も導入済みです。

「○○年後の物価を、2%になるまで、金融緩和します」

これがコミットメント・約束です。中銀が約束するので、民間はそれを信じて、投資(借り入れ)するのです。

 ただし、口約束だけではだめで、強力な「保障」が必要です。それが量的緩和です。

②量的緩和

量的緩和


A 長期金利低下

日銀は、国債・株ほか、資産を大量に購入しますと宣言し、それを実行してきました。

 国債を日銀が買うので、国債価格上昇(長期金利低下)になります。

日銀 BS
長期金利低

 長期金利は低下します。企業は、「長く借りても金利は低い」ことを「保障」されます。

発効する社債も、民間の長期貸出金利も低下します。

住宅ローンと国債

 住宅建設は、「消費」ではなく「投資」です。金利の低下で投資を刺激するのです。

EU・米国も同じです。

各国 長期金利 東学 資料政・経2018 p289

B マネタリーベース拡大


 日銀は、マネタリーベースを拡大し続けます。その結果、現金+当座預金が増えます。

日銀 BS

 この結果(因果関係)マネーストック(民間の貸し出し金)は増加します。

アベノミクス mb ms

 圧倒的な相関係数です。これを「マネタリーベース拡大→マネーストック拡大」の乗数(伸び率が伸びていない)というのも、バカか?という話です。

a 結果的に100兆円以上も伸びている
b それは、日銀の「保障」に基づいているから、伸びている

マネタリーベース拡大の意図は、「保障」です。もう一度、金融緩和の方法を見ます。

東京書籍 新しい社会公民 H28 P145

 資金量が増える=マネタリーベース拡大のことです。

日銀 量的緩和

 この「ブタ積み」に意味があるのです。政策金利(短期金利)の調整は、当座預金量の増減によってなされますね。いまはゼロ金利=資金がジャブジャブなのです。

 企業にとって大切なのは、「今季(今)」の金利ではなく、「来期(未来)」の金利です。今は金利が低いのは十分承知しているのです。問題は、来年も再来年も、この「低い金利で借りられるのか?」ということなのです。

 それを保証しているのが、日銀当座預金の「ブタ積み」なのです。仮に「出口政策=金融の縮小」を行ったところで、このブタ積みを、直ちに元に戻すことは「不可能」です。そうるすと、来年も再来年も「政策金利は(急には)上がらない」ことが保障されていることになるのです。

 つまり、非伝統的政策は、

a 長期金利の低下
b 低い政策金利の長期保証

このWの効果をねらって、実際に保証しているのです。


これで、企業は安心して投資ができます。

アベノミクス 投資増

もう一度確認します。不況の原因は、投資減です。だから、ケインズ以来、その回復がマクロ経済政策とされたのです。

不況=投資減


投資を回復させることによって、GDPを、潜在GDP水準に持っていく(完全雇用状態=失業者を減らす)のが、最大の目的でしたね。

総需要管理

アベノミクス後 変化


 皆さんご存知の通り、輸出は海外投資額の別名でしたね。

失業率は回復しました。

労働者数増 失業低

しかも、労働者数が増えた上での失業率低下です。

「非正規雇用が増えただけだ!」も屁理屈です。

正規雇用増

 正規雇用が増えているのです。

フィリップス曲線どおりです。

日 長期フィリップス

日 短期フィリップス

 フィリップス曲線どおりです。

しかも失業率は現在の指標、中高生の内定は「未来」の指標、アベノミクスは「未来」に働きかける政策でしたね。アベノミクスの成否判定は、未来を改善させているかどうかでした。

高校大学変化

アベノミクス 成否

 これが、現在の最新経済学

ニューケインジアン IS-MPモデルおよび、IS-MP-PC曲線(フィリップス曲線)+テイラールールに基づいた、金融政策です。

 アベノミクスは理論的には100点満点なのです。

おまけ

アベノミクス 成果 所得

賃金も増えています。ただし、税+社会保険、貯蓄に回っています。

賃金増1に対し、税+社会保険0.6の割合、0.4しか給与増には回っていません。しかも、企業も同様に社会保険を0.6増やしていることになります(社会保険は労使折半)。

賃金は、増えているのです。ただし、あなたの隠れ税「社会保険料」も、恐ろしい額になっています。源泉徴収票を確認しましょう。消費税に換算したら、何%になっていますか(笑い)?

アベノミクスの恩恵は、高齢者に回っています。
参照

http://abc60w.blog16.fc2.com/blog-entry-1139.html
http://abc60w.blog16.fc2.com/blog-entry-1140.html
http://abc60w.blog16.fc2.com/blog-entry-1141.html

これでも理解できない人は、質問してください(笑い)。

 
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比較優位を全く理解できない、つまり経済学のリトマス試験紙では、不可判定の塚崎公義 久留米大

<苦笑 比較優位>

本当に、比較優位は、シロウトさん・クロウトさん問わず、理解するのが難しいのですね。


http://yasuyuki-iida.hatenablog.com/entry/20091027/p2
飯田泰之

僕としてはエコノミストの格付けはいくつかの段階に分けて行わなければならないと思っています.

経済学・経済統計に関する知識に関して,

第一関門:教科書の経済学を理解しているか否か
第二関門・・・・

・・・第一関門をクリアしていないエコノミストはかなり多い…….そういう人はホントいくら叩いてもいいと思う.ってか教科書の経済学分かってないのになんでエコノミストとか経済学者って言ってられるのか謎.教科書レベルの知識無しに経済学を批判する人までいて噴飯ものです.ちなみに第一関門を見分けるコツは,

比較優位説理解してる?
国際収支統計わかってる?
IS-LMとフィリップス曲線わかってる?
中立命題や恒常所得仮説に関する一連の議論わかってる?

あたりがよいリトマス試験紙かと.




川越敏司「現代経済学のエッセンス」 番号は筆者挿入
比較生産費説は…①貿易の発生や市場での②交換の発生を説明するだけではなく…生産活動において③分業が発生する理由も説明できます。…常にどこででも成立する自明ではない偉大な法則なのです。



自明ではない=「太陽は東から上り、西に沈む」は自明だが、本当は地動説の「地球が東へ回転している・・・勉強しないとわかりませんよ」という意味


Pクルーグマン 「クルーグマンの国際経済学(上)」
サミュエルソンもこう述べている。「比較優位は経済原則とし否定しようのない事実であるにもかかわらず、賢明なる諸氏でさえ完全に納得しているわけではないものとして、自分が承知しているなかで最も典型的な例である」



いいですか?比較優位は、理論でも何でもなく

比較優位は経済原則とし否定しようのない事実

単なる事実です。

だから、自給自足(70億人の誰1人いませんから!)をしていないヒトであれば、その人は、せっせせっせと、毎日毎日、比較優位を行っているということになります。

呼吸を無意識でやっているように、比較優位を無意識に行っている。比較優位はそういうレベルの話です。呼吸をやめたら生きられないように、比較優位をやめたら、生きられません。

だいたい、比較優位を否定する人、あなたがオギャーと生れた瞬間に、比較優位のお世話になったでしょう。看護師、医者、産婆さんでもいいや病院スタッフ、数々の病院施設、医療機器、それらを支える電気・ガス・水道、建物・・・これ全部「比較優位」のたまものですから。

医者が機器を手作りしていたら、出産の医学を学ぶ時間などない。看護師が針を手作りしていたら、まず鉄鉱石を掘り出すところからやらないといけない。その前にショベルを手作りしないといけない・・・安全帽も、ライトも全部手作りから・・。

比較優位が成り立たないという人は、自分が大きくなれたのは、今の職業に就くことができたのは、世の中すべてが比較優位で出来ているからだということを、忘れていい気になっているだけです。

そんなに否定するなら、自分が死んだ後に、自分で葬式やって、自分で自分を火葬しろ。何一つできんくせに!!!(笑い)

<比較優位を全く理解できない、つまり経済学のリトマス試験紙では、不可判定の塚崎公義 久留米大>

相変わらず、デタラメ解説をしています。


http://sharescafe.net/53030349-20180302.html
経済学の初心者に「貿易のメリット」を教えてみた(塚崎公義 大学教授)
2018年03月02日 05:00
塚崎公義 大学教授

アダムスミスが説いた分業のメリットは、国際分業(貿易)にも当てはまります。貿易に関しては、比較優位に立つ商品を互いに輸出することで両国にメリットがある、というリカードの「比較生産費説」が有名です。

では、何を作っても日本より苦手な国とは貿易しないのでしょうか。そんな事はありません。そこで出てくるのが「比較優位」という言葉です。これは、「まだマシな」という意味です。

社長が経営もタイプも得意だとして、秘書は何もせずに社長が両方やるかというと、そうではなく、秘書がまだマシなタイプを担当する事によって社長が経営に集中できる、といったイメージですね。

さて、日本と中国では、だいぶ技術力の差が縮まっているので自信はありませんが、本稿では、何を作っても日本の方が得意である、という事にしておきましょう。そうなると、日本が本当に得意な自動車等を輸出して、中国が「まだマシな」洋服を日本に輸出する事になります。

自動車生産には高い技術力が必要で、日本が圧倒的に有利ですが、洋服の生産はそれほど技術を必要とするわけではないので、労働力を大量に集めてくれば作れます。そこで、労働力の豊富な中国で洋服を作って日本に輸出することにしたのです。



ここまではOKです。


さて、日本の方が中国より洋服づくりも得意なら、なぜ日本は中国から洋服を買うのでしょうか。それは、現在の為替レートで換算すると、中国の洋服の方が日本の洋服よりも安いからです。

料理と皿洗いは、分業のメリットの分配方法を交渉しなければならないのですが、国際分業の場合には、為替レートが変動することで、自動的に日本が自動車を輸出し、中国が洋服を輸入するように神の見えざる手が導いているのです。



このあたりから、例によって、説明がぐちゃぐちゃになります。


さて、日本の方が中国より洋服づくりも得意なら、なぜ日本は中国から洋服を買うのでしょうか。それは、現在の為替レートで換算すると、中国の洋服の方が日本の洋服よりも安いからです。



安いから?

そうすると、中国が日本車を輸入するのは「安いから」????


中国の洋服の方が日本の洋服よりも安いから



日本の自動車の方が、中国の自動車よりも安いから????

2017年 自動車生産台数
1位 中国  29,015,434
2位 米国  11,189,985
3位 日本   9,693,746

日本の自動車の方が安いから???


それと同様なことは、途上国の幼稚産業の保護に関しても言えるはずです。たとえば途上国が日本から自動車を輸入して日本に農産物を輸出するとすれば、その国は未来永劫自動車を作る事が出来なくなってしまうでしょう。農産物のように技術進歩の余地が少ない産業に自国が特化して、自動車やコンピューターなどの技術進歩の余地が大きな産業を将来にわたって放棄してしまう事には抵抗を感じる途上国の政府も多いでしょう。



最後はやはり、経済学を全く理解していないことを露呈しています。

比較優位はつねに動きます。生産性の高いこと=機会費用(コスト)の安い方へと変化するからです。

①高卒で社会に出た人が、改めて大卒の資格を取ったり、社会人が何かの資格を取得するために勉強したり・・・

②デジカメは激減し、スマホにとってかわられました

③CDは激減し、音楽データにとってかわられました。

④富士フィルムは、フィルムは作っていません。ソニーは金融とゲームの会社です。トヨタは、織機を作っていません。

⑤ソフトバンクも楽天も、20年前には存在すらありませんでした(規模という意味)

⑥レンタル店ツタヤは店舗を縮小し続けています。

⑦中国の車の生産台数は世界一になりました。

⑧医療はバンクラディシュ、ベトナムに移っています。


途上国が日本から自動車を輸入して日本に農産物を輸出するとすれば、その国は未来永劫自動車を作る事が出来なくなってしまうでしょう。



比較優位を、全く理解していないことがわかる文章です。これで学生に「経済学の初心者に『貿易のメリット』を教えてみた」と指導しているのですから、「害」をまき散らしていると言っても過言ではありません。最悪です。

<では、まともな説明を>

比較優位は、誰も否定できない、「なぜ、交換が行われるのか」を説明した理論(比較優位を実践していることを整理して明確化ということ)です。
交換=経済活動のことです。時給自足なら、交換自体成り立たない、経済活動がないのです。そんなもの、この世にありません。

つまり、比較優位は、「経済活動(交換)が行われるのはなぜなのか」を説明した理論ですから、これを理解しないと「経済そのものが語れない」ということです。比較優位が理解できない、比較優位を否定するヒトは、「経済の何たるか」が全く理解できないヒトということになります。

 経済学は、「現実が先、理論は後」です。なぜそうなっているか・・・を説明するために、理論があります。まあ、科学は皆そうして発展してきましたが。

 ①時給自足からスタートして、②特化させると、労働者を移動させることになる・・・だの、スムースに移動などできない・・・だの、失業が生じる・・・だの。全部、「バカ」です。

 この世はすでに比較優位を行っている状態です。スタートは②「分業(特化)・交換」状態なのです。

 いいですか?この世に①「自給自足」など、ないのです。どこからないかって、古今東西「自給自足」など、存在したことがありません。アダムとイブの時代からです。

神は罰として、アダムに労働の罪を、イヴに出産の苦しみを与えたのです!!!! 分業です!!!

アメリカ人の1/4は福音派、これを絶対信じている人たちです。トランプ大統領の支持層と重なります。重なるどころか、全員トランプ支持者です。

イスラエルの山にイエスが復活すると聖書に書いてあることを、額面通り信じています。彼らにとってイスラエルは神の場所です。イスラエルを首都だと認めるのは、トランプ大統領にとっても、福音派にとっても、「あたりまえ」のことなのです。繰り返しますが、1/4です。アメリカで一番大きい宗派です。

脱線脱線、閑話休題(笑い)

原始時代も、分業と交換ですね。狩りをする人、その間に洞窟を守る人、料理をする人・・・獲物をさばく間に、お湯を作る人・・・。みな分業です。狩りをしている最中に、料理はできません。授乳の最中に狩りはできません。みな作業を分担し、「交換」しているのです。

人類が、文字で歴史を記録し始めてからは、「分業」の歴史しかありませんね。ヘロドトスのカルタゴ記述・・・、エジプトや中国殷文明・・・。全部「分業」の歴史です。

まず、「分業がスタート」、これを否定する人がいたら、この時点で「『脱落』です!自給自足の例を1つでも挙げてごらんなさい。

山上憶良に登場する奈良時代・・・貧しい貧しい貧民の記述であふれています。ですが、その時代でも、ボロボロの服や、ボロボロのわら服を着ていても、煮炊きに使う道具は、その人たちが作ったものではなく、交換で手に入れたものです。

江戸時代の貧乏百姓の使う、鎌や鍬も、時給自足ではなく交換で手に入れたものです。娘のかんざしも、貧乏百姓が作った物ではありません。

この世に①「自給自足」など、ないのです。

この世はすでに比較優位を行っている状態です。スタートは②「分業(特化)・交換」状態なのです。

だから、比較優位論表を見るときは、①「自給自足から労働者を移動させて・・・」ではなく、すでに②「分業(特化)・交換」状態から、時給自足状態に近づけると・・・と見なければならないのです。いいですか!現実が先!ですよ。


そうすると、今は自習貿易が行われているけれども、トランプ大統領のように、鉄鋼輸入に25%の関税、アルミに5%の関税をかけて、アメリカが「貿易から自給(国内生産状態)」にするとどうなるか・・・

自明です。比較優位論が示したように、必ずアメリカの利益が損なわれます。消費量が落ちるか、価格として跳ね返るか・・・いずれにしても、三角形が小さくなる=実質所得が減ります。

比較優位 貿易をやめると

だから、アメリカ国内でも、鉄鋼業界以外、製造業はみな「反対」なのです。ろくなことにならないのが、目に見えているからです。それを説明しているのが比較優位です。

「分業(特化)・交換」状態から、時給自足状態に近づけると、三角形面積が必ず減る!!!

となります。

比較優位は経済原則として否定しようのない事実
比較優位は経済原則として否定しようのない事実
比較優位は経済原則として否定しようのない事実
 

<比較優位は経済原則>

比較優位は、経済学最強理論、というか、なぜ経済行為というものがこの世に存在(しかも人間だけしかしない)するのかという現実を説明した理論です。史上最強、誰一人崩せません。これを理解できない人は、経済行為そのものを理解していないという人です。

まず①分業(特化)についてです。スミスがピン工場で、職人が最初から最後まで1人でピンをつくるより、分業した方が240倍も多く作ることを説明。分業(特化)が一番効率的(生産性が高い=機会費用が低い)。これは理解できますね?

次に②交換です。スミスは仕立て屋、靴屋、農家の例で、だれもが自分で作るより、買った方が安い場合は、そうする。仕立て屋は靴を靴屋に頼み、農家は服を仕立て屋に頼む。これも理解できますね。②交換は①分業(特化)があるからできる、これもいいですね。


買う方が安くつくものは自分の家で作らないようにするのが当然である。仕立て屋は靴を自分で作ろうとせず、靴屋で買う。靴屋は服を自分で作ろうとせず、仕立て屋に注文する。農民は靴も靴も服も自分では作らず、それぞれの職人に注文する。

みな、近隣の人たちより多少とも優位に立っている仕事に専念し、生産物の一部かその対価で、必要とするものを買うのが自分の利益になることをしっている。・・・自国で生産するより安い価格で外国から買える商品があれば、自国の労働は多少とも優位にある産業に投じ、自国の生産物の一部でその商品を外国から買う方がいい。



多少とも優位、これは絶対劣位・絶対優位の話ですね。比較優位は「自身の中の優位」の話ですから。

①分業(特化)が②交換を成り立たせる。いいですね

?では、②交換は、トヨタのような巨大企業(絶対優位)と、ねじを生産する零細企業(絶対劣位)での間でも利益が生じるのか?障碍者と健常者、大卒と中卒、これらの間でも、交換の利益が生じるのか?

鉄・石油・石炭からアイフォン・ボーイング・ハイテク兵器まで自前で産出するアメリカ(絶対優位)と、ブルンジ(絶対劣位)のような途上国は交換利益は無いのでは?リカードは、

③比較優位論で、「絶対優位」と「絶対劣位」の間でも、必ず利益が生じることを説明。

それが「比較優位」。自分の中で生産性の高い=機会費用の低い分野で
①分業、
そして②交換。

そうすれば、必ず絶対優位者と絶対劣位者との間でも②交換の利益が生じている。だから人類は①分業(特化)と②交換をしてきた。これが経済活動とよばれるもの

人類の交換活動=経済活動そのものを、なぜしているか?を説明できた理論。普遍。現実社会は、①分業(特化)②交換で成り立ってる。これが経済活動。

それを、関税をかけたり物品税100%にしたり(米の鉄鋼25%アルミ10%)、自前(自国で自給自足に近づける)でやろうとすると、絶対に利益が減少しますよと証明した。

①現実、経済(交換)活動(交換)が先、自給自足は理論上の想定(現実にはない)

比較優位は、
①自給自足を、②特化(分業)して交換すると、利益が増えるではなく
②特化(分業)状態=現実をこわして①自給自足・自前主義に近づけると、利益が必ず減少するという理論。

現実が先、理論はあと。


①現実、経済(交換)活動(交換)が先、自給自足は理論上の想定(現実にはない)

比較優位は、
①自給自足を、②特化(分業)して交換すると、利益が増えるではなく
②特化(分業)状態=現実をこわして①自給自足・自前主義に近づけると、利益が必ず減少するという理論。現実が先、理論はあと。


再掲します。

http://abc60w.blog16.fc2.com/blog-category-74.html
定理

1 日常生活が貿易(トレード:交換の事)
2 日常生活が比較生産
3 貿易はすべての人(国)を豊かにする



http://abc60w.blog16.fc2.com/blog-category-204.html
ミクロだろうが、マクロだろうが、経済活動全てを貫く根本原理です。逆に「比較優位」に基づかない「交換=トレード」があれば、挙げてみましょう。

全員が「比較優位」を実践しているのが経済活動です。例外は1つもありません。

交換(トレード) が活発になればなるほど、経済拡大

交換の原理は、すべて比較優位



『世界の名著 アダム・スミス(国富論)』中央公論社 S62 p388
 それゆえ、各個人は、彼の資本を自国内の勤労活動の維持に用い、かつその勤労活動をば、生産物が最大の価値を持つような方向にもってゆこうと、できるだけ努力するから、だれもが必然的に、社会の年々の収入をできるだけ大きくしようと骨を折ることになるわけである。

 もちろん、かれはふつう、社会公共の利益を増進しようなどと意図しているわけではないし、また自分が社会の利益をどれだけ増進しているのかも知らない。…生産物が最大の価値を持つように産業を運営するのは、自分自身の利得のためなのである。

 だが、こうすることによって、かれは、他の多くの場合と同じく、この場合にも、見えざる手に導かれて、みずからは意図してもいなかった一目的を促進することになる。…自分の利益を追求することによって、社会の利益を増進せんと思い込んでいる場合よりも、もっと有効に社会の利益を増進することがしばしばあるのである。




これは、「比較優位」そのものを語っていますね。

 この比較優位は、経済(交換)学の、希少性・選択・トレードオフ・機会費用(コスト)というエッセンスをすべて含んだ理論です。人類史とともに始まった、経済(交換)活動が、なぜ行われているのかを説明する理論です。経済(交換)学の背骨そのものです。

ぐちゃぐちゃ解説 塚崎公義(久留米大)の経常収支

<ぐちゃぐちゃ解説 塚崎公義の経常収支>

 塚崎公義トンデモ教授、相変わらずデタラメ国際収支解説で、デマゴーグぶりを発揮しています。


http://www.toushin-1.jp/articles/-/4816
国の借金は巨額なのに、本当に日本は世界一の金持ち国なのか

2017.12.27 06:00
塚崎 公義

日本は経常収支が黒字で、海外に巨額の「貯金」を持っている、と記しました。
日本は海外との取引もしています。

輸出企業が労働者を雇って製品を作って輸出します。海外から持ち帰ったドルを円に替えて労働者に給料を支払いますから、労働者は受け取った給料で生命保険の保険料を払います。生命保険会社は、保険料を受け取ってから保険金を支払うまでの間、米国債で運用します。そのために、輸出企業が売却したドルを購入します。この取引により、日本の民間部門が海外に対して貸しを作るというものです。

こうしてみると、民間部門は懸命に働いて大いに稼ぎ、大いに倹約しているため、国にも外国にも巨額の資金を貸し出している大金持ちだ、ということになります。




輸出で外貨を儲けて、輸入で外貨を使う、その差額を生命保険会社が使う・・・ムチャクチャな話です。

この部分のまちがいは、

http://abc60w.blog16.fc2.com/blog-entry-1148.html
塚崎公義、相変わらず何を言っているのか、さっぱりわかりません


で解説しました。

ただし、輸出入差額=貿易黒字、海外資産からの収入を加えた経常収支黒字(金融収支黒字)→対外純資産になるのは、間違いありません。

経常収支 黒字 赤字

日本 経常収支 金融収支 黒字

この金融資産黒字が対外純資産になります。

対外資産・負債残高
対外純資産


http://www.toushin-1.jp/articles/-/4816
国の借金は巨額なのに、本当に日本は世界一の金持ち国なのか

2017.12.27 06:00
塚崎 公義

海外の投資家にとっては、日本国債はリスク資産です。彼らにとっては、円建ての日本国債を持っていると、円安になった時に損をする可能性があるのです。



海外投資家の、日本国債保有についてです。確かに為替リスクはあります。

国債保有


一方で、日本人の投資家にとっては、日本国債はリスクの小さな資産です。したがって、民間の投資家は日本国債を喜んで買うのです。余った金を海外に貸すためには円を外貨に替えなければならないため、為替リスクを負うのです。「それなら、日本政府に貸そう」と国内投資家が考えるので、日本政府は資金繰りに困らないのです。



よくわかりませんが、そうなのですか(笑い)?


今ひとつ、日本国が赤字だと、日本政府は海外から外貨で借金をしなくてはなりません。そうなると、借金を返すのが大変です。

最初の返済は楽かも知れませんが、最初の返済のためにドルを買うと、ドルが値上がりします。すると、2度目の返済は最初の返済より辛くなります。返済が進むたびにドルが高くなり返済が厳しくなって行くのです。これは辛いです。国内の借金であれば、最後まで一定額の円を返済していけば良いのですから、苦労が全く違うのです。



日本が、経常赤字になると、政府(国債)は外貨で借金をする・・・ウソです。

アメリカやイギリスは、現在経常赤字です。

アメリカ 経常赤字 経常収支
イギリス 経常収支 経常赤字

では、アメリカやイギリスは、自国債を売るために「外貨を調達」していますか?アメリカ国債を買ってもらうのに、アメリカ政府が「円」を調達して、買ってもらっていますか?イギリスが「ユーロ」を調達し、英国債を買ってもらっていますか?


 逆に、日本は998兆円の対外資産を持っていますが、これ、「円資産」ですか?それとも「ドルその他海外通貨資産」ですか?

日本 対外資産

日 米 英 対外資産 負債

 違いますね。日本が持っている(米も英も)対外資産(青グラフ)は、外国通貨資産です。逆に海外が日本に持つ資産(赤グラフ)は円資産(自国通貨資産)です。

 日本は、自らの意志で、「対外資産(海外通貨資産)」を購入しています。

塚崎公義トンでも教授は、経常赤字でも問題ないと言っています。


http://www.toushin-1.jp/articles/-/4787
経常収支が黒字だから、日本株式会社は儲かっているのか
2017.12.24 06:05
塚崎 公義

経常収支は黒字が良いとは限らない

途上国の場合、設備機械を輸入したことで経常収支が赤字になることがありますが、それは問題ありません
米国の経常収支は常に大幅な赤字ですが、通常は誰も問題にしません。しかし、米国の景気が悪化して失業が増えると、外国に対して「失業を輸出している」と文句を言い始めます。要するに、問題は失業であって、経常収支ではないのですね。




言っていることがまったく違いますね


今ひとつ、日本国が赤字だと、日本政府は海外から外貨で借金をしなくてはなりません。そうなると、借金を返すのが大変です。

最初の返済は楽かも知れませんが、最初の返済のためにドルを買うと、ドルが値上がりします。すると、2度目の返済は最初の返済より辛くなります。返済が進むたびにドルが高くなり返済が厳しくなって行くのです。これは辛いです。国内の借金であれば、最後まで一定額の円を返済していけば良いのですから、苦労が全く違うのです。



 もう、自分が何を書いているかさえ、全く理解できていません。同じ人が書いたら、その人の経済学の原理原則は同じものですから、ぶれることなどありません。それがぶれるということは、この塚崎公義トンでも教授は、国際収支について、全く理解していないということなのです。


http://yasuyuki-iida.hatenablog.com/entry/20091027/p2
飯田泰之

僕としてはエコノミストの格付けはいくつかの段階に分けて行わなければならないと思っています.

経済学・経済統計に関する知識に関して,

第一関門:教科書の経済学を理解しているか否か
第二関門・・・・

・・・第一関門をクリアしていないエコノミストはかなり多い…….そういう人はホントいくら叩いてもいいと思う.ってか教科書の経済学分かってないのになんでエコノミストとか経済学者って言ってられるのか謎.教科書レベルの知識無しに経済学を批判する人までいて噴飯ものです.ちなみに第一関門を見分けるコツは,

比較優位説理解してる?
国際収支統計わかってる?
IS-LMとフィリップス曲線わかってる?
中立命題や恒常所得仮説に関する一連の議論わかってる?

あたりがよいリトマス試験紙かと.



グリーンスパンFRB議長 1987年8月
「常にインフレを抑え、株価を上げ、ドルの安定や低金利、雇用増を実現できる人がいればありがたい」

青木泰樹というトンでも教授。「比較優位説を『経済学の大原則』と位置づけ、自由貿易の利益を吹聴する人たちがいますが、それは学問的に滑稽(こっけい)なことなのです」←滑稽なのはあなたの方。

比較優位は

①自給自足より何かに特化して交換

②絶対優位・劣位など全く関係ない

という話です。

比較優位を否定する方に質問します。

あなたが「自足」していないのはなぜですか?

まず、これに答えてから、比較優位を否定なさいな。


あなたが、給料を受け取り、外食した瞬間に比較優位を行っていますから(笑)

バイトしたことありますか?した瞬間に比較優位です(笑)

あなたがおギャーと生まれて以降、おっぱいを飲み、おむつを替えてもらったのも、あなたの家庭で、社会で誰かが比較優位をしていたから。

あなたが死ぬときに、ベッドの上で死ねるのも、誰かが比較優位を行っているから・・

あなたの葬式を執り行ってもらえるのも、比較優位を実践している人がいるから・・

それでも理解できませんか?(笑)


青木泰樹というトンでも教授。「比較優位説を『経済学の大原則』と位置づけ、自由貿易の利益を吹聴する人たちがいますが、それは学問的に滑稽(こっけい)なことなのです」←滑稽なのはあなたの方。


2017年 早稲田商学部入試問題


2国で複数の同一産業を有している場合、一方の国に比較優位を有する産業が存在すれば、もう一方の国にも比較優位を有する産業が必ず存在する。

2国の同一の産業において、生産量の多い国の方が、その産業において絶対優位を必ず有している。

絶対優位を有す産業の数が多い国ほど、貿易によってより多くの利益を必ず享受できる。

2国の同一産業において、生産量の多い国の方が、その産業において比較優位を必ず有している。

ある国の産業が保有する絶対優位は、時間経過によっても、その優位性が喪失されることは全くない。



比較優位を批判する人、理解していない人には解けない問題ですね(笑)。18歳が理解できる話です。下記、青木泰樹も解けません。


https://38news.jp/economy/11393
【青木泰樹】濫用される経済論理

三つ目の例は、リカードの比較優位説(比較生産費説)に関する誤解です。

これは自由貿易の利益を明らかにした論理であり、ほとんどの学者が同意する基本的な考え方であると思われています。

しかし、比較優位説は、「限定された状況下での分業の利益を示す論理」にすぎません。

問題は、限定された状況下でしか成立しないにもかかわらず、一般的に成立すると誤解している人があまりに多いことです。特にマスコミ人や政治家に。

「国際分業の利益は比較優位説より明白であるから、TPPをはじめとする自由貿易の推進は国益にかなう」といった日経新聞の論説やコラムを見る度に辟易します。全くわかっていない。

確かに、比較優位説はミクロレベルで分業の利益を考える場合、かなり説得力を持つ理屈です。

よく使われる例として、教授と秘書が「論文を書く仕事(A)」と「タイプを打つ仕事(B)」の役割分担を考えているとしましょう。

教授はAもBも秘書より優れているのですが、一度に二つの仕事をこなせません。二兎は追えない。

このとき重視されるのが機会費用の概念です。それは「獲得利益と逸失利益を比較して利益の大きい方を選択しましょう」という考え方です。

この例ではAの仕事をするとBからの利益が失われますから、それが機会費用になります(逆は逆です)。

教授にとって「Aの利益>Bの利益」であれば、Aを選択しBを他者に任せるのが有利です。

この場合、秘書にとって「Aの利益<Bの利益」であるという制約条件が満たされれば、教授と秘書の双方に分業の利益が生じるという話です。

ただし一般に知られていないは、教授の下で秘書が研究を重ねて成長し、秘書にとっても「Aの利益>Bの利益」となったら分業は成り立たないことです。

秘書が成長せずに、何時までたっても「Aの利益<Bの利益」でなければ、比較優位説は成り立たないのです。

翻って、マクロレベルではどうでしょう。

比較優位説に基づく国際分業の利益は、2国2財モデルにおいて、各国が次の条件を満たす場合にのみ発生します。

労働だけが唯一の生産要素であること、完全競争により労働コスト(賃金)が同一であること。さらに各国は経済発展しない、技術進歩もしないことが必要となります。

現実経済がこれらの諸条件を満たさないことは明らかでしょう。

比較優位説を「経済学の大原則」と位置づけ、自由貿易の利益を吹聴する人たちがいますが、それは学問的に滑稽(こっけい)なことなのです。

三つの例から明らかなように、経済論理の教えは金科玉条のように奉るものではなく、現実分析への一里塚にすぎないのです。

「理論が成立するためには、その前提条件が満たされる必要がある」という当たり前のことが周知される時代に早くなってほしいものです。



 本当に、ウソツキ・デマゴーグです。何度も書きますが、ウソツキ・デマゴーグです。

比較優位は、「得意なものを作って(財・サービス)、交換する、そうすれば世の中の生産量=消費量が増えて、誰もがハッピー」という単純な話です。

クリック

比較優位とは、機会費用のこと これ以上の説明は無理!

 この青木トンでも教授も「比較優位」を実践しています。時給自足せず、大学教授だったのでしょう。何かに特化して生産し、交換する。それを何十年もやってきて、「比較優位は成立しない」というのだから、バカです。

経済(エコノミー)は「交換」が始まりです。いかに無駄なく(自分の時間や才能や会社の設備や資本や・・・)資源を使うのか、もっとも効率がいいのが、「比較優位」に基づく交換です。というか、交換(トレード=貿易ともいう)は、100%比較優位に基づいています。

経済=交換が始まり
交換はすべて比較優位の原理に基づく

つまり、比較優位は、経済そのものを成り立たせている背骨なので、青木のように「成り立たない」というのは、そもそも「経済」を理解していないバカということになります。

比較優位
1)自給自足よりも交換(トレード)=経済そのもの
2)絶対優位を否定


比較優位 絶対優位と劣位


比較優位 表

 絶対優位が勝者で、絶対劣位者は何をしても歯が立たない・・・それを否定しているのが比較優位です。絶対優位も絶対劣位も比較優位の前には何の関係もないという話です。

3)比較優位=その人の得意なもの=生産性の高いもの=機会費用の低いもの

比較優位 生産性 機会費用

 これこそ、経済を貫く背骨です。日本の労働者は6000万人、もっともGDPを大きくするのは全員(全社)が「もっとも生産性の高い財・サービスを生産」することです。

 「最も生産性の高い(機会費用の低い)財・サービスを生産」=「最も高い付加価値」=付加価値の合計がGDP


『世界の名著 アダム・スミス(国富論)』中央公論社 S62 p388
 それゆえ、各個人は、彼の資本を自国内の勤労活動の維持に用い、かつその勤労活動をば、生産物が最大の価値を持つような方向にもってゆこうと、できるだけ努力するから、だれもが必然的に、社会の年々の収入をできるだけ大きくしようと骨を折ることになるわけである。

 もちろん、かれはふつう、社会公共の利益を増進しようなどと意図しているわけではないし、また自分が社会の利益をどれだけ増進しているのかも知らない。…生産物が最大の価値を持つように産業を運営するのは、自分自身の利得のためなのである。

 だが、こうすることによって、かれは、他の多くの場合と同じく、この場合にも、見えざる手に導かれて、みずからは意図してもいなかった一目的を促進することになる。…自分の利益を追求することによって、社会の利益を増進せんと思い込んでいる場合よりも、もっと有効に社会の利益を増進することがしばしばあるのである。



 自分の時間・能力・カネ・資本設備・・・を最も有利なように(自己利益の最大化)使う。そうすれば、社会の利益(GDP)を増進する。これが比較優位の原理です。

比較優位 付加価値の最大化

 ミクロだろうが、マクロだろうが、経済活動全てを貫く根本原理です。逆に「比較優位」に基づかない「交換=トレード」があれば、挙げてみましょう。

全員が「比較優位」を実践しているのが経済活動です。例外は1つもありません。

青木トンでも教授のデタラメその1 


教授にとって「Aの利益>Bの利益」であれば、Aを選択しBを他者に任せるのが有利です。

この場合、秘書にとって「Aの利益<Bの利益」であるという制約条件が満たされれば、教授と秘書の双方に分業の利益が生じるという話です。

ただし一般に知られていないは、教授の下で秘書が研究を重ねて成長し、秘書にとっても「Aの利益>Bの利益」となったら分業は成り立たないことです。

秘書が成長せずに、何時までたっても「Aの利益<Bの利益」でなければ、比較優位説は成り立たないのです。



 本当にウソつきです。青木トンでも教授は、まず、この状態を言っています。

比較優位 11

 では、秘書が勉強して成長し、「Aの利益>Bの利益」になったら、どうなるでしょう?

比較優位8

青木トンでも教授は、


秘書にとっても「Aの利益>Bの利益」となったら分業は成り立たないことです。
秘書が成長せずに、何時までたっても「Aの利益<Bの利益」でなければ、比較優位説は成り立たないのです



といいますが、秘書にとっても「Aの利益>Bの利益」が成り立っても、比較優位が成り立ちますね。

 つまり、青木トンでも教授は、「比較=三角形の傾き=比」を全く理解していないのです。傾き=比が少しでも違えば、比較優位は必ず成り立ちます。

 では比較優位が成り立たないのはその場合か。それは、傾きがまったく同じ場合です。つまり、教授も秘書も論文を書くこともタイプを打つことも、全く生産性が同じという場合のみです。

比較優位 66

 この場合であれば、2人で時給自足しようが、交換しようがアウトプットの生産量はまったく同じです。「比がまったく同じ=比較優位がない」状態です。

※ 上記の図の場合、1時間A(B)の仕事に特化すれば・・・という最大生産量を示しています。特化して交換した場合と、それぞれ30分ずつ仕事をした場合(時給自足)の生産量(論文+タイプの総生産量)を比較してみましょう。この事務所の最大の仕事量は変わりません。

例えば、コピー付きプリンターでコピー+印刷の仕事をしている場合です。生徒会室に1台、職員室横の印刷室に2台、同機種がある場合です。学校祭の仕事で、生徒会部員がコピー+印刷の仕事を分担して行っている場合、どちらの部屋でコピーをとっても、印刷をしても、総仕事量はまったく変わりません。比較優位(こちらでこれをすれば総生産量を増やすことができる)は成立しません。


秘書にとっても「Aの利益>Bの利益」となったら分業は成り立たないことです。
秘書が成長せずに、何時までたっても「Aの利益<Bの利益」でなければ、比較優位説は成り立たないのです



比較優位

両方とも,Y財の生産性が高い例です。青木トンデモ教授は、公務員試験の問題が解けません。

青木トンでも教授の言うことは、ウソなのです。

青木トンでも教授のデタラメその2


比較優位説に基づく国際分業の利益は、2国2財モデルにおいて、各国が次の条件を満たす場合にのみ発生します。

労働だけが唯一の生産要素であること、完全競争により労働コスト(賃金)が同一であること。さらに各国は経済発展しない、技術進歩もしないことが必要となります。

現実経済がこれらの諸条件を満たさないことは明らかでしょう。



これもデタラメです。リカードのオリジナル表です。

清水書院 教科書『現代政治・経済』2008 p152.その2

①×労働だけが唯一の生産要素
 途上国イギリスが毛織物に比較優位なのは、労働だけではなく、土地の生産性も要素だからです。ワイン(ブドウ)は、地中海岸の乾燥した地帯でしか生産できません。じめじめしたイギリスではワインは生産できないので、草づくり=放牧=羊毛生産なのです。逆に大国ポルトガルでは、湿度が低く、草ぼうぼうにはならないのです。

②×労働コスト(賃金)が同一
 途上国イギリスが時給1ユーロ、大国ポルトガルが時給2ユーロでも成り立ちます。

③×各国は経済発展しない、技術進歩もしないことが必要

 教授と秘書の例で示した通りです。冒頭問題オは間違いですね。青木レベルでは、今の大学入試問題も解けません。

比較優位説を「経済学の大原則」と位置づけ、自由貿易の利益を吹聴する人たちがいますが、それは学問的に滑稽(こっけい)なことなのです

 

滑稽なのは、経済学の大原則を理解していない青木トンでも教授のほうです。経済学の大原則を理解していないということは、青木トンでも教授の経済解説や経済主張は、全てデタラメということです。

https://38news.jp/economy/11049
【青木泰樹】実質賃金が低迷する理由


http://yasuyuki-iida.hatenablog.com/entry/20091027/p2
飯田泰之

僕としてはエコノミストの格付けはいくつかの段階に分けて行わなければならないと思っています.

経済学・経済統計に関する知識に関して,

第一関門:教科書の経済学を理解しているか否か
第二関門・・・・

・・・第一関門をクリアしていないエコノミストはかなり多い…….そういう人はホントいくら叩いてもいいと思う.ってか教科書の経済学分かってないのになんでエコノミストとか経済学者って言ってられるのか謎.教科書レベルの知識無しに経済学を批判する人までいて噴飯ものです.ちなみに第一関門を見分けるコツは,

比較優位説理解してる?
国際収支統計わかってる?
IS-LMとフィリップス曲線わかってる?
中立命題や恒常所得仮説に関する一連の議論わかってる?

あたりがよいリトマス試験紙かと.



交換(トレード) が活発になればなるほど、経済拡大

交換の原理は、すべて比較優位


そういうことです。


グリーンスパンFRB議長 1987年8月
「常にインフレを抑え、株価を上げ、ドルの安定や低金利、雇用増を実現できる人がいればありがたい」

全く使えない高橋洋一 経済学の本など読んだことがないから、ウソ・デタラメのオンパレード

<全く使えない高橋洋一 経済学の本など読んだこともない男>

 とにかく、経済学の勉強をせずに、何でもかんでも経済学風に語る詐欺師です。

下記の引用など、「ミクロ経済学」を知っていれば、絶対に出てこない話のオンパレードです。


http://toyokeizai.net/articles/-/185094

「給料が安い」と嘆く人は需給がわかってない モノの値段が決まる仕組みを知っていますか
高橋 洋一 : 政策工房会長/嘉悦大学教授

高橋:モノの値段が決まるしくみは知ってる?

高橋:同じ商品でも、みんな安く買いたいから、安くなればなるほど買いたい人は増える。売れる個数が増えるってことだね。だから、価格をタテ軸に、数量をヨコ軸に置くと、買いたい人の数は右肩下がりの線になる。

経子:この線が需要でしたっけ?

高橋:そう。需要曲線(Demand)だね。じゃあ、逆に学習机を売りたい人はどうだろうか。経子さんは売る側だから、できるだけ高く売りたいでしょ?

経子:そりゃ、そうですよ。

高橋:高く売ったほうが儲けが出るからね。ただ、なかには「1万円で売ってもいい」という店もあるかもしれない。2万円、3万円、とだんだん高くなるにつれ、売りたい店も増えていくはずだ。だから、売りたい人は右肩上がりの線になる。これが供給曲線(Supply)。

ところで、この需要曲線と供給曲線が交わる点はなんだか知ってる?

そう。交わるのが5万円なら、5万円で買いたい人と、5万円で売りたい人がいる地点(均衡点)が、より多くの消費者とより多くの生産者が納得できる価格になる。市場はモノの値段を1つに定める場所だから、こういうしくみでモノの値段が決まっていくんだ。ここまで、わかったかい?

経子:はい。需要と供給の図は、買うときは安く買いたい、でも売るときは高く売りたいっていう気持ちを表しているんですね。

じゃあ、次はモノの値段が変わるケースを考えてみよう。たとえば、ある定番の学習机がリニューアルして再発売されるとしようか。これまでになかったような新しい機能がついたとか、デザインがよくなったとかさ。

経子:最近は、大人になっても使えるデザインの机が人気ですね。子どもの成長に応じてレイアウトを変えたり、それに応じて電灯を付け替えられたり、棚を増やせたりするんですよ。

高橋:へぇ。人気があるの?

経子:新しく発売されたモデルは前より5万円ほど高いんですが、すごく売れています。

高橋:前より高くても売れるのは、欲しい人が増えたからだね。買いたい人が増えると、需要曲線は右に動く。そうすると、交差するポイントが上のほうに動くんだ。つまり、価格が高くなる。逆に、前のモデルは古くなるから、買いたい人が減る。需要曲線は左に動いて、交差ポイントが下になる。

高橋:需要曲線が動くのは、モデルチェンジのときだけじゃない。たとえば急にブームになる商品や、季節が変わって欲しい人が増える商品があるよね。そういうときは、需要曲線が右に動いて値段が上がる。逆に、ブームが廃れたり、生活スタイルに合わなくなる商品は欲しい人が減るから需要曲線が左に動いて値段が下がる。

経子:季節外れの商品が安くなるのは、そのためですね。

高橋:そう。ただ、値段が動くのは消費者の欲しい気持ちだけが原因じゃない。生産者側の作る量が増えたり、減ったりしても値段は変わる。もし、その人気モデルがたくさん作られたら……?

経子:値段が下がる?

高橋:そのとおり。生産量が増えると、供給曲線が右に動くから、交差ポイントが下のほうになるね。

経子:逆に、生産量が減ると、供給曲線が左に動いて、交差ポイントが上に上がるんですね。

このしくみを利用して、価格調整をしていることもあるよ。たとえば、そうだな……。

経子:作り過ぎたキャベツを潰して値段を保つとか?

高橋:ああ、農産物ではよく行われているね。似たようなことはほかの業界でも行っていて、人気を保つために、わざと供給量を抑えることはよくある。欲しい気持ちをわざとかき立てるんだね。あとは、人気アイドルのコンサートチケットも供給量が少なくて値段が上がるよな。

高橋:「転職市場」「労働市場」と言うように、人も労働力というサービスを提供している側だって言ったでしょ。市場は需要と供給が出合う場所、つまり買い手と売り手が出会って、価格が決まる場所。その市場で希少価値が上がれば、当然雇いたい人、つまり経子さんを買いたい人が増えて、給料は上がる。アーティストのチケットと同じだよ。



デタラメのオンパレードです。

1)供給曲線は、限界費用曲線


じゃあ、逆に学習机を売りたい人はどうだろうか。経子さんは売る側だから、できるだけ高く売りたいでしょ?

経子:そりゃ、そうですよ。

高橋:高く売ったほうが儲けが出るからね。ただ、なかには「1万円で売ってもいい」という店もあるかもしれない。2万円、3万円、とだんだん高くなるにつれ、売りたい店も増えていくはずだ。だから、売りたい人は右肩上がりの線になる。これが供給曲線(Supply)。



需給曲線


まず、需給曲線の世界は、「完全競争市場」といい、売り手も買い手も自分で価格を決めることができません。「売ってもいい」ではなく、「市場価格を受け入れざるを得ない」立場にあるのが、完全競争市場の売り手と買い手です。

この「完全競争市場」の供給曲線は、「できるだけ高く売りたい」などの意思が入る曲線ではなく、合理的に「利潤の最大化」を模索すると右上がりの供給曲線になるという合理的モデルです。

供給曲線の導出 限界費用曲線

利潤は「総収入-総費用」です。今の市場価格の場合、A点が一番利潤の大きい点です。総収入の傾きと総費用の傾きが一致している点です。

ここで市場価格が上がるとします。最大利潤点は、総収入の傾きと総費用の傾きが一致している点=B点になります。価格が上がると、企業は生産量を増やすのです。

このA点とB点を結んだものが供給曲線です。「供給曲線は、限界費用曲線」の傾きと一致するのです。供給曲線=利潤最大化の点を結んだものなのです。


高橋:高く売ったほうが儲けが出るからね。ただ、なかには「1万円で売ってもいい」という店もあるかもしれない。2万円、3万円、とだんだん高くなるにつれ、売りたい店も増えていくはずだ。だから、売りたい人は右肩上がりの線になる。

経子:はい。需要と供給の図は、買うときは安く買いたい、でも売るときは高く売りたいっていう気持ちを表しているんですね。



供給曲線は、こんないい加減な話で出てくるものではありません。

2)この世にあるのは、不完全競争市場。


たとえば、ある定番の学習机がリニューアルして再発売されるとしようか。

経子:最近は、大人になっても使えるデザインの机が人気ですね。

高橋:へぇ。人気があるの?

経子:新しく発売されたモデルは前より5万円ほど高いんですが、すごく売れています。

高橋:前より高くても売れるのは、欲しい人が増えたからだね。買いたい人が増えると、需要曲線は右に動く。そうすると、交差するポイントが上のほうに動くんだ。つまり、価格が高くなる。逆に、前のモデルは古くなるから、買いたい人が減る。需要曲線は左に動いて、交差ポイントが下になる。



 この世には、高橋が説明するような、需要と供給で動く「机」市場があるわけではありません。

需給曲線

では、この「需要と供給」で描かれる市場、完全競争市場は、この世にあるのか?答えは「ない」です。


数研出版 改訂版・政治経済 2018用 P118

財の同質性、情報の完全性、多数の経済主体の存在、参入・退出の自由の四つの条件を満たした市場のこと。売り手も買い手も自分で価格を決定できず、市場で決まった価格を目安に行動する。ただし、これは、理論的に想定されたもので、このような市場は現実にはほとんど存在しない。




清水書院 政治・経済資料 2017 P229
市場メカニズムによって資源が配分されるには、完全競争が成立していなければならない。それには①買い手と売り手が多数存在し、どちらも価格に影響力を持たないこと。②買い手と売り手が同一の商品を取引していること。③買い手と売り手が各各独立して行動していること。④買い手と売り手は商品価格に関して十分な情報を持っていること。⑤買い手も売り手も自由に市場へ参入、実行、撤退することができること、などの条件が必要である。しかし、こうした完全競争市場は理論的モデルであって、現実には存在しない。実際には独占・寡占が存在し、所得の不平等の是正や公共財の供給は市場メカニズムにまかせておいても実現しない(市場の失敗)。

にもかかわらず完全競争市場を理解しなければならないのはそれが市場機構を評価するベンチマークだからである。現実の企業が直面するほとんどの市場は完全競争市場の条件のいずれかを欠いている不完全競争市場なのである。



この世にあるのは、完全競争市場の要件を欠いた不完全競争市場のみです。

市場モデル 不完全  高橋


(1)財・サービス市場

①完全競争市場に近い形

財・サービス市場で、「プライス・テイカー」であり、売り手も買い手も自分の思った価格をつけられない市場、完全競争市場に近いのは、例えば野菜とか魚の卸売市場、金銀銅などの素材市場、半導体やねじなどの基本部品市場、バラ済み船の船賃などの市場があります。

財・サービス市場  完全競争市場


 これらは、毎日のように価格が変動し、売り手も買い手もその価格を受け入れます。

(2)不完全競争市場

①独占的競争市場

財市場 不完全競争市場


 実際にある市場です。鳥貴族やすき家は、自分で価格を決める「プライス・メイカー」です。買い手はその価格を受け入れざるを得ません。コンビニでもスーパーでも、マッサージ料金も宿泊料金も、床屋もネイルも、不動産価格も、衣料品も・・・・。

すべて「プライス・メイカー」の価格を、買い手は受け入れざるを得ません。このようなプライスが「需要と供給」で変化し、決まることはありません。

 ニトリやIKEAの机の価格が、需要と供給で変動することなどありません。すべてニトリが決めた価格を、消費者が受け入れているだけです。プライス・メイカーの世界です。

ニトリの机の需要が増えて、価格が上がることはありません。

供給曲線 水平 不完全競争市場


高橋:需要曲線が動くのはたとえば急にブームになる商品や、季節が変わって欲しい人が増える商品があるよね。そういうときは、需要曲線が右に動いて値段が上がる。逆に、ブームが廃れたり、生活スタイルに合わなくなる商品は欲しい人が減るから需要曲線が左に動いて値段が下がる



ノーベル賞を取った作家カズオ・イシグロの作品は、急に需要が増えます。しかし、増刷によって本の量は増えますが、本の価格が変わるわけではありません。


https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180116-00000087-it_nlab-bus_all

X JAPANのYOSHIKIさんが1月1日放送のテレビ朝日系番組「芸能人格付けチェック」で食べ続けて注目を集めたおかきを扱う「銀座あけぼの」(東京都中央区)が、注文殺到により1月9日から楽天市場ショップでの販売を一時休止しています。

ネットでは食べていたお菓子が銀座あけぼのの「チーズおかき」だと特定されるや注文が殺到、これを含む17種類のおかきの詰め合わせ「味の民藝」など関連商品も人気に。商品の手配や配送手続きが行き届かない状態になりつつあったため、唯一のオンライン注文口であった楽天市場での販売を、1月9日をもって全商品一時休止としました。「味の民藝」は店頭でも品薄状態となっているとのこと。YOSHIKI効果、すさまじい……。




この世に高橋の言う「需給で動く市場(完全競争市場)」など、無いのです。

3)労働市場も、需給で決まる市場ではない。


高橋:「転職市場」「労働市場」と言うように、人も労働力というサービスを提供している側だって言ったでしょ。市場は需要と供給が出合う場所、つまり買い手と売り手が出会って、価格が決まる場所。その市場で希少価値が上がれば、当然雇いたい人、つまり経子さんを買いたい人が増えて、給料は上がる。アーティストのチケットと同じだよ。



労働市場こそ、消費者(雇う方)も千差万別、供給者(労働者)も千差万別、完全競争市場の対極ともいえる市場です。

学歴も、資格も、経験も「差別化=差をつけるため」にあります。企業の提示する「価格=賃金」も、差をつけるためにあります。独占的競争市場です。

企業の提示する価格=賃金は、企業が決めます(プライス・メイカー)。だから、賃上げということばが使われます。企業の意思で上げたり下げたりできるのです。プライス・テイカ―(完全競争市場)であれば、賃上がりとか賃下がりという表現になります。


景気堅調、3%賃上げも意欲 地政学リスク警戒も 経済界、好循環へ攻めの姿勢
1/6(土) 7:55配信 産経新聞

経団連など経済3団体や業界団体は5日、相次いで新年祝賀会を開いた。経営トップからは北朝鮮情勢などをリスク要因として警戒する意見も聞かれたが、景気回復は続くとの強気の見通しが大勢を占めた。安倍晋三首相が改めて「3%」を要請した賃上げにも例年より前向きな声が目立つなど、経済の好循環に向け、経済界の攻めの姿勢が鮮明になった。



不完全競争市場を全く理解していない高杯洋一の説明は、1から10までウソ・デタラメになります。ミクロの教科書を1回も読んだことがないから、こうなります。ウソ・デタラメを学生に教えているのですから、単なる害です。

グリーンスパンFRB議長 1987年8月
「常にインフレを抑え、株価を上げ、ドルの安定や低金利、雇用増を実現できる人がいればありがたい」
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