リカード 比較優位 比較生産費説 その5
<リカード・比較生産費説 その5>
<特化→生産量増?なのだけど…>
清水書院 教科書『現代政治・経済』2008 p152
間違い×「生産量が増え,交換すれば利益を得る」
正解 ○「特化前は,生産量≧消費量だったものが,特化後は生産量<消費量となり,消費者効用が増大する」

イギリスは,ウール生産で比較優位にある =得意である
ポルトガルは,ワイン生産で比較優位にある=得意である
イギリスはウール生産が得意(比較優位) ,ポルトガルはワイン生産が得意(比較優位)ということが分かりました。
では,両国が得意とする商品の生産に特化すると,どのようになるのでしょうか。
両国の,生産量について,見てみましょう。この状態で生産している量は,ポルトガルがワイン1㍑,ウール1㍑です。

同じくイギリスがワイン1㍑,ウール1㍑,両国あわせた生産量は,ワイン2㍑,ウール2㍑になります。続いて,両国が得意とする商品の生産に特化します。イギリスは,ウール生産が得意(比較優位),ポルトガルはワイン生産が得意(比較優位)でしたので,その国の労働力を,全て一つの商品生産に振り向けます。ポルトガルは,ワイン1㍑を1人で作っていますので,ウールを生産している2人を,ワイン作りに振り向けると,3人で合計3㍑のワインが作れることになります。
一方,イギリスは,ウール1㍑を4人で作っています。1人あたり,25㌢の生産量です。そこに,ワインを作っている,5人の労働力を振り向けます。すると,全部で9人の労働者がウール作りをすることになります。9人×25㌢で,合計2.25㍍のウールが作れることになります。


このように,両国が得意とする商品の生産に特化すると,世界全体の生産量が増える のです。
では,ここで,リカード・モデルの,オリジナルの表に再登場してもらいましょう。

イギリスはウール生産が得意(比較優位),ポルトガルはワイン生産が得意(比較優位)ということでしたね。
では,両国が得意とする商品の生産に特化すると,どのようになるのでしょうか。ポルトガルは,ワイン1単位を80人で作っていますので,毛織物を生産している90人を,ワイン作りに振り向けると,170人で合計2.125単位のワインが作れることになります。
一方,イギリスは,毛織物1単位を100人で作っています。そこに,ワインを作っている,120人の労働力を振り向けます。すると,全部で220人の労働者が毛織物作りをすることになります。220人は100人の2.2倍なので合計2.2単位分のウールが作れることになります。

やはり,両国が,得意とする商品の生産に特化すると,世界全体の生産量が増えるのです。

特化前に比べると,世界全体の生産量は,ワインで0.125単位,毛織物で0.2単位増加しています。あとは,「国際分業を行い,その成果(増加した生産物)を交換(貿易)すれば,双方の国とも利益を得る」桐原書店 教科書『新政治経済改訂版』2008 p142となるのです。
この「利益」を、図を使って説明してゆきます。
「リカード理論」についての,今までの説明は,あくまでも生産者側にたった説明でした。生産量が増加するというのは,まさにそれを示していましたね。でもこれは,山に例えれば,まだ半分(5合目)の見方・考え方なのです。消費者側の視点が欠けているのです。そして,実は,リカード・モデルで一番大切なのは,消費者側の視点なのです。
貿易は、輸出(生産)ではなく、輸入(消費)が目的
このブログの「リカード・比較生産費説 その2」<日常生活は貿易そのもの>参照
では,いよいよ,「リカード・モデル」という山の,山頂を目指して,登ることにしましょう。ここからは,需要(消費者)側の登山道になります。ただ,あまりに高い山なので,酸素ボンベという道具が必要になります。ここでは,経済学のうち,ミクロ経済学という,道具を使用します。まず,その道具を知ることから始めましょう。その後に,その道具を使って,山頂を目指したいと思います。
<特化→生産量増?なのだけど…>
清水書院 教科書『現代政治・経済』2008 p152

間違い×「生産量が増え,交換すれば利益を得る」
正解 ○「特化前は,生産量≧消費量だったものが,特化後は生産量<消費量となり,消費者効用が増大する」

イギリスは,ウール生産で比較優位にある =得意である
ポルトガルは,ワイン生産で比較優位にある=得意である
イギリスはウール生産が得意(比較優位) ,ポルトガルはワイン生産が得意(比較優位)ということが分かりました。
では,両国が得意とする商品の生産に特化すると,どのようになるのでしょうか。
両国の,生産量について,見てみましょう。この状態で生産している量は,ポルトガルがワイン1㍑,ウール1㍑です。

同じくイギリスがワイン1㍑,ウール1㍑,両国あわせた生産量は,ワイン2㍑,ウール2㍑になります。続いて,両国が得意とする商品の生産に特化します。イギリスは,ウール生産が得意(比較優位),ポルトガルはワイン生産が得意(比較優位)でしたので,その国の労働力を,全て一つの商品生産に振り向けます。ポルトガルは,ワイン1㍑を1人で作っていますので,ウールを生産している2人を,ワイン作りに振り向けると,3人で合計3㍑のワインが作れることになります。
一方,イギリスは,ウール1㍑を4人で作っています。1人あたり,25㌢の生産量です。そこに,ワインを作っている,5人の労働力を振り向けます。すると,全部で9人の労働者がウール作りをすることになります。9人×25㌢で,合計2.25㍍のウールが作れることになります。


このように,両国が得意とする商品の生産に特化すると,世界全体の生産量が増える のです。
では,ここで,リカード・モデルの,オリジナルの表に再登場してもらいましょう。

イギリスはウール生産が得意(比較優位),ポルトガルはワイン生産が得意(比較優位)ということでしたね。
では,両国が得意とする商品の生産に特化すると,どのようになるのでしょうか。ポルトガルは,ワイン1単位を80人で作っていますので,毛織物を生産している90人を,ワイン作りに振り向けると,170人で合計2.125単位のワインが作れることになります。
一方,イギリスは,毛織物1単位を100人で作っています。そこに,ワインを作っている,120人の労働力を振り向けます。すると,全部で220人の労働者が毛織物作りをすることになります。220人は100人の2.2倍なので合計2.2単位分のウールが作れることになります。

やはり,両国が,得意とする商品の生産に特化すると,世界全体の生産量が増えるのです。

特化前に比べると,世界全体の生産量は,ワインで0.125単位,毛織物で0.2単位増加しています。あとは,「国際分業を行い,その成果(増加した生産物)を交換(貿易)すれば,双方の国とも利益を得る」桐原書店 教科書『新政治経済改訂版』2008 p142となるのです。
この「利益」を、図を使って説明してゆきます。
「リカード理論」についての,今までの説明は,あくまでも生産者側にたった説明でした。生産量が増加するというのは,まさにそれを示していましたね。でもこれは,山に例えれば,まだ半分(5合目)の見方・考え方なのです。消費者側の視点が欠けているのです。そして,実は,リカード・モデルで一番大切なのは,消費者側の視点なのです。
貿易は、輸出(生産)ではなく、輸入(消費)が目的
このブログの「リカード・比較生産費説 その2」<日常生活は貿易そのもの>参照
では,いよいよ,「リカード・モデル」という山の,山頂を目指して,登ることにしましょう。ここからは,需要(消費者)側の登山道になります。ただ,あまりに高い山なので,酸素ボンベという道具が必要になります。ここでは,経済学のうち,ミクロ経済学という,道具を使用します。まず,その道具を知ることから始めましょう。その後に,その道具を使って,山頂を目指したいと思います。
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