<2015年末>

<2015年末>

今年は、日本ラグビーが躍進した年でした。その立役者の1人、ラグビー日本代表ヘッドコーチ、エディ・ジョーンズのことばです。

「成功は偶然やってこない。 世界は計画を立てて強化を行っている」

成功するかどうかは分かりません。運、不運もあるでしょう。

チャンスをとり逃さないためには、自分のレベルを最大限にあげておかなければなりません。「実力がある」から、チャンスをものにし、その後、成功を勝ち取ることができるようです。役者さんには、遅咲きの人もいます。

今、目の前のことに全身全霊で取り組む、それが実力を蓄えることになるようです。自戒を込めて。

それを行っている人には、ヒマなどありません。時間もコストです。アイドルを追っかける経済学者?や、髪を染める時間のある教育学者は、ヒマなんでしょうね。ということは、本来の自分の仕事に、全力を投入していないということです。

あれもこれもは、資源を無駄にしていることです。あれもこれもやる人は、全力を投入していない人です。そのような人の生産物に、価値はありません。

<コメントを書く方へ>

「コメントに、意見は書かないで下さい」というルールを守ってください。誰かの意見を読む暇がありません。コメントを開くには、メールをチェックするという時間がとられます。誰かに、自分の時間を浪費されるのは、大変迷惑です。

「おれの意見を、お前は聞くべきだ」というのが、そもそも他人に迷惑です。
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リカード 比較優位 比較生産費説 その1

<リカード・比較生産費説 その1>

<リカード・比較生産費説 >

 「自由貿易によって,全ての国が利益を得ることができる」ことを理論付けたのが、 デヴィッド・リカード(1772年~1823年)です。高校の「政経」「現社」の教科書で、必ず取り上げられています。
 デヴィッド・リカード(1772年~1823年)は,1817年に『経済学及び課税の原理』を書き,その中で「比較生産費説」と呼ばれる,国際貿易の基礎理論を提示しました。

 なぜ、世界は、GATTから、WTOへ、そして、2国間自由貿易協定(FTA)締結と、自由貿易を拡大しているのでしょうか。それは、「自由貿易によって,全ての国が利益を得ることができる」からです。

 山川出版社 教科書『詳説政治経済』2006 p154
図をクリックすると、大きくなります
山川出版社 教科書『詳説政治経済』2006 p154

 このように、世界の貿易は、一貫して拡大し続けています。すべての国々が、「利益を得ることができる」ことを実感しているので、貿易は拡大の一途なのです。この「貿易の利益」を、証明したのが、リカードです。

 ちなみに、高校教科書では、リストの自由貿易論に対して、保護貿易論者としてF.リスト(1789-1846)「政治経済学の国民的体系」がとりあげられています。
 しかし、リストは、大学の経済学部では、全く扱われていない人物です。「保護貿易」論など、論じる価値すらないということです。

<リカード・比較生産費説は、単純かつ難解>

 さて、このリカード比較生産費説ですが、実は大変難しいものです。「自由貿易によって,全ての国が利益を得ることができる」のですが、その「利益」を説明するのが、簡単ではありません
 
 そのリカード理論がどれだけすごいかを示すエピソードがあります。ポール・サミュエルソンという経済学者が,ノーベル経済学賞を受賞した時に,自然科学者から皮肉を言われたのです。「いったい経済学の理論で,本質的に重要な発見はあるのか」。つまり,経済学のような社会科学なんか,自明なものばかりではないかと,言われたのでしょうね。
 その時,サミュエルソンはしばらく考え,「比較優位の理論は,単純であるが,素人にはわかりにくい,重要な理論である」と答えたそうです。
伊藤元重『入門・経済学第2版』日本評論社2005 p470-471

 ですから、高校教科書・資料集で、リカード理論が、必ず取り上げられているものの、正しいものは、ありません(私が執筆した、東学資料政・経2009を除く)。すべて、「生産量が増えるから利益になる」としており、リカードの言う「利益」を説明してはいないのです。

 以下は、間違い例です。

第一学習社 資料『政経資料』2007 p257
労働量は変わらないのに2カ国の総生産量は増加している。こうしてリカードは両国が比較優位を持っている商品に特化し,貿易を行うことによってお互いに利益を得ることを証明した
 


清水書院 教科書『現代政治・経済』2008 p152 
清水書院 教科書『現代政治・経済』2008 p152

間違い×「生産量が増え,交換すれば利益を得る
正解 ○
特化前は,生産量≧消費量だったものが,特化後は生産量<消費量となり,消費者効用が増大する


 「生産量が増え,交換すれば利益を得る」説明が正しいのなら,次の問題をどのように解説しますか?
リカード 平成16

 ぱっとみると,両国共に,Ⅹ財に優位です。この場合,Ⅹ財に特化すれば,Y財はどこの国が生産するのでしょう?
 この問題の解答は,「Ⅹ財に対するY財の相対価格の範囲:9/7≦Py/Px≦5/3の範囲内で,B国がY財に特化する」です。B国がY財に比較優位なのです。
 この問題は,「生産量が増えた」では,対応できません

 上の表の数値を動かしてみます。下記のどのような数値でも、比較生産費説は成立してしまうのです。
リカード パターン

さらに、国の数が3つ以上でも、比較生産費説は成立します。
リカード 4国

X財は、D→C→B→A国の順に比較優位です。
Y財は、A→B→C→D国の順に比較優位です。

財の数が3つ以上でも、比較生産費説は成立します。
リカード 3国3材

一見、黒印が最も効率的なように見えます。しかし、正解は枠で囲まれた財、すなわち、
A国はX財・B国はZ材・C国はY財に特化する場合です。これがもっとも効率がよいのです。「労働投入係数の積が最小になるものがもっとも効率的」となります。(黒印と枠の場合、さらにすべての6パターンで比較してみてください)

 リカード理論は、数値がどうであっても成立する、「魔法」のようですね。

 では、この理論の一番大事な点、「特化前は,生産量≧消費量だったものが,特化後は生産量<消費量となり,消費者効用が増大する」を証明してゆきましょう。 続く

<追記>

 これから説明する、「貿易三角形」理論は、ポール・クルーグマン(プリンストン大教授:ノーベル経済学賞)の最新刊(版)でも扱われています。

 リカード理論を説明する経済学書は数あれど、「貿易三角形」で解説している経済学入門書は、私が知る限り、拙著『高校生からのマクロ・ミクロ経済学入門』シリーズと、クルーグマンのみです。もちろん、高校生向けですので、クルーグマンより親切に、より易しく説明しています。

P・クルーグマン「クルーグマンの国際経済学 理論と政策(上) 貿易編」ピアソン 2010
P47

クルーグマン 貿易三角形.jpg
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