臨時寄稿 日経社説、経常赤字 黒字で一喜一憂すべきではない!って

<臨時寄稿 日経社説、経常赤字 黒字で一喜一憂すべきではない!って>

日経、まともな記事になりました。
26.5.13
経常黒字 経常赤字 日経.jpg


過去の記事とは、雲泥の差です。

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日本経済新聞の暴走その1

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日本経済新聞の暴走その2

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日本経済新聞の暴走その3


ただ、青線部分はOKですが、赤線部分はまだまだです。

日経が拙著を薦めています。

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経済の仕組み改めて勉強 GWにすらすら読める7冊 編集委員 前田裕之 2014/5/3 6:30 日本経済新聞 電子版

ああ隔世。
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ソニーは、家電ではなく、金融会社

ソニー、5年ぶり黒字転換 円安・株高を背景に金融事業が貢献

産経新聞 5月9日(木)15時49分配信

 ソニーは9日発表した平成25年3月期連結決算は、最終損益が430億円の黒字(前期は4566億円の赤字)となり、5年ぶりに黒字転換した。これを受けて、今期(26年3月期)は500億円の最終利益を目指す。

 24年度は売上高が4.7%増の6兆8008億円だった。営業損益は23年度の赤字から2301億円の黒字に転換した。

 円安・株高を背景に好調だった金融事業が黒字化に貢献した。また、医療情報サービス会社エムスリーの株式や米国本社ビルなど、資産売却に伴う利益の押し上げ効果の助けも借りた。

 しかし稼ぎ頭だったテレビ事業は、24年度も696億円の赤字だった。今期は高付加価値テレビの普及を図り、10期ぶりの黒字を実現する。液晶テレビの販売台数は1350万台から、今期は1600万台を計画している。

 同社は6月の株主総会で、取締役会のメンバーを刷新する。昨年4月に就任した平井一夫社長に権限を集中させ、収益を改善し、本格的な復活を目指す。

 


http://news.livedoor.com/topics/detail/7641040/
ライブドア ニュース

ソニー、全役員の賞与返上を決定
2013年05月01日22時07分

ソニーは1日、全役員の賞与の返上を決めたことを明らかにした
平井社長は、2013年3月期にエレクトロニクス事業の黒字化を目指すと明言していた
先週、黒字化が実現できなかったことで賞与返上を提案した



読売新聞 H25.5.10
ソニー1

 みなさん、誤解しているかもしれませんが、ソニーはすでに、金融業の会社です。TVでさかんに宣伝している、ソニー損保、ソニー生保が、稼ぎ頭の会社です。

ソニー2


 さらに、映像、エンターテイメント、音楽etc、「ソフト」がメインの会社です。

日経H25.4.3
ソニー3

日経H25.5.10
ソニー4



 ソニーを「家電」会社の範疇でくくるのは、富士フィルムをフィルム会社、オリンパスをカメラ会社というのと同じような間違いです。

 ちなみに、自動車会社の収益も、「自動車」ではなく、付属の「金融・サービス事業」が、重要な柱となっています。
 ホンダの場合、12年4~12月期の営業利益の3割弱、1172億円が、ディーラーへの卸売り金融・リース業・小売り金融業です。

 大阪の中小企業のように、会社の「名前」と、事業の「内容」が違ってきている・・・これが現在の「企業」です。

ソニー、新たな柱・医療事業会社設立にくすぶる懸念 独自の商慣習、法規制、天下り…

Business Journal 4月27日(土)8時6分配信

 ソニーはオリンパスと医療事業の合弁会社、ソニー・オリンパスメディカルソリューションズを設立した。…新事業の柱に掲げる医療事業だが、業界内部からは船出を危惧する声も少なくない。

 2012年10月、オリンパスとの共同会見で、ソニーの社長兼最高経営責任者の平井一夫は力強く語った。「医療事業を柱にする」--医療を柱にするために、ソニーは粉飾決算の露呈で死に体のオリンパスに500億円を出資。合弁会社は20年に売上高700億円を目指し、ソニーグループ全体の医療事業の売上高は現在の数百億円から同時期に2000億円以上に引き上げる計画を打ち出した。 



theme : 政治・経済・時事問題
genre : 政治・経済

「軽自動車と、小型車しか売れない」は、昔でいえば「小型車と中型車が売れている」こと

<「軽自動車と、小型車しか売れない」は、昔でいえば「小型車と中型車が売れている」こと>

プリウス4年連続首位 24年新車販売、最高の31.7万台
産経新聞 1月11日(金)7時55分配信

日本自動車販売協会連合会(自販連)などが10日発表した平成24年の新車販売ランキングはトヨタ自動車のハイブリッド車(HV)「プリウス」が4年連続のトップだった。東日本大震災で供給不足に陥った前年より25・8%多い31万7675台を販売し、平成9年の発売以来、年間として過去最高を記録した。

 昨年9月までのエコカー補助金効果で低燃費の軽自動車が人気を集め、上位10車種のうち軽が6車種と、前年より1車種増えた。軽のトップはダイハツ工業の「ミラ」で、販売を約8割伸ばし、昨年の7位から3位へと躍進した。

 ■平成24年の車名別新車販売台数

 順位 車名   (メーカー)  台数
  1 プリウス (トヨタ)   31万7675( 25.8)
  2 アクア  (トヨタ)   26万6567(約738倍)
  3 ミラ   (ダイハツ)◎ 21万8295( 81.9)
  4 N BOX(ホンダ)◎  21万1156(約 74倍)
  5 フィット (ホンダ)   20万9276(  0.7)
  6 ワゴンR (スズキ)◎  19万5701( 22.0)
  7 タント  (ダイハツ)◎ 17万 609( 32.1)
  8 ムーヴ  (ダイハツ)◎ 14万6016(  0.6)
  9 アルト  (スズキ)◎  11万2002( 34.8)
 10 フリード (ホンダ)   10万6316( 57.0)




 車は売れていない、売れるのは、軽自動車と、小型車ばかり・・・

 国内新車販売台数(登録車+軽自動車)は1990年度の780万台をピークに縮小し、2012年は、 536万9721台になりました。

 確かにそうなのですが、今の小型車や、軽自動車の大きさは、昔で言ったら、一クラス上のサイズになっています。
 
 つまり、1970年代から言えば、今の小型車は「当時の1800~2000ccクラス」ですし、今の軽自動車は「当時の1200cc」クラス並みです。

 日本人の体格が、1970年より、大きくなったのではなく(道路規格も、当時と変わっていません)、小さい排気量の車が大型化しているのです。

「小型車」や「軽自動車」しか売れないというのは、当時で言えば、「1800~2000ccクラスの大型車」や、「1200ccの小型車」しか売れないと言っているのと同じことです。

 当時の感覚で言えば、「今の車はでかくなりすぎ」、本当に日本人にはそんなに馬鹿でかい車が必要なのか?ということです。

 軽自動車がこれだけ売れるのも、そのサイズは日本人にとって「必要十分」だからかもしれません。日本人の賢い選択者は、実は「合理的?」に選んでいるのかもしれません。

本当に日本車は、大きく、立派になりました(世界中の車もそうです)。

 以下、画像、諸元はウイキペディアより

 1974年発売の、3代目カローラは、日本国内のみならず世界中で大ヒットし、カローラ史上最も売れ(3755030台)ました。 「カローラ30、地球的Mサイズ」と言って、コマーシャルで宣伝されていました。1200㏄~1600㏄です。

カローラ30


 現代のベストセラーカー、ホンダのフィット(1300ccクラス)です。

フィット

 全幅も、全高も、ホイールベース(前のタイヤと後ろのタイヤの間隔、これが大きければ大きな室内空間になる)も、車両重量も、ものすごく大きくなっています。つまり、マス(容量)で比較すると、当時のカローラの横に並べたら、「でかい!」と言ってしまう車になっています。

 今の人は、当時の車よりも、広大な空間の車に乗っています。別に、とりたてて「コンパクト」ではないのです。

 軽自動車の、ベストセラーカー、ワゴンRです。軽規格(全長、全幅)も随分と大きくなりました。

ワゴンR

 ホンダの初代シビック、1972年発売の、これも当時大変人気のあった車(1200ccクラス)です。

シビック

 今の時代に持ってきたら、「軽自動車」クラスです。全幅はともかく、全高、ホイールベース、車重は、はるかに現代の軽自動車の方が大きいです。室内空間も同様です。

 今のワゴンRに乗るのは、当時で言えば、1200ccクラスの小型車に乗っているくらいの感覚です。「軽で十分」は、実は「合理的」に選んだ結果かもしれません。



 初代ゴルフです(1974年)。FF(前輪駆動)ハッチバックで、当時としては「最大限に効率的な室内空間を実現した」と大絶賛され、世界中の車づくりの目指すべきスタンダードとして大ヒットしました。1500ccクラス。

ゴルフ


 現代の「最大の室内空間、合理的パッケージング」を目指したホンダの軽自動車NBOXです。幅や長さは短いですが、間違いなく当時のゴルフより室内空間は大きくなっています。車重、ホイールベースから見ると、乗り心地も上回っているはずです。

NBOX

 「軽自動車しか売れない」のではなく、「軽自動車の室内空間」の合理性が、現代の人に選ばれています。このNBOXのパッケージングを、1974年に持っていけば、「革命的デザイン」の車になり、驚かれるでしょうね(ドラえもん世界の話ですが)。

 小型車の代表、カローラだって、すごく大きくなりました。大きくなりすぎて、最新モデルではダウンサイジングしたのですが、それでも、1970年代でいえば、1800~2000ccクラス車以上の大きさがあります。

カローラ新型

コロナ4代目、1973年です。

コロナ

 現在の小型車カローラは、1970年代当時の、2000cc車のサイズより大きくなっています。

 「軽自動車や小型車しか売れない」のは、「サイズや性能が、日本で使うには必要十分になった」からではないでしょうか。

<ついでに>

新車販売34年ぶり低水準=12月は過去最悪-08年
1月5日15時0分配信 時事通信

…軽自動車を除く新車販売台数は、ピークだったバブル期の90年(597万5089台)の53.8%にとどまった。



 現代のベストセラーカーと、バブル期のベストセラーカーの比較です。バブル期は、「シーマ現象」といって、日産の高級車シーマが飛ぶように売れました。販売台数でも、バブル期が、日本で一番車が売れた時代です。

 現代のベストセラーカー、トヨタプリウスです。これも、実は20年前当時の高級車と比較すると、相当大きいのです。

プリウス


 20年前のバブル期に、ハイソカーといって、白いマークⅡ(2000cc~3000cc)がバカ売れしました。若者から、ゴルフに行くお父さん世代にまで、大人気でした。

http://features.car.jp.msn.com/carlife/special/jul2008/history/his_market_001.htm

90年にピークを迎えたバブル景気の影響もあるが(マークIIの過去最高は90年の22万2997台)、…88年にはX80
系へとバトンタッチしてミドルセダン最盛期を演出したトヨタの戦略も奏功したとみていいだろう。

車名別ランキングでもマークIIは87年から94年まで8年にわたってカローラに次ぐ国内第2位の座をキープ。90年はカローラ29万9854台に対してマークIIが22万2997台まで迫り、チェイサーとクレスタの3兄弟を合わせると約40万台!とカローラを大幅に超えてトップに立っている。



マークⅡ


 でも、現代のプリウスと比較すると、「マス」の大きさでは、「ペラペラ」感が拭えません。プリウスは現代の「ハイソカー以上?」の車です。
 
 現在のGDPは、バブル期の1.25倍あります。バブル時代より、日本人は豊かになっています。日本は、車の大きさでも「豊か」になってはいるのです。

 ただ、この閉塞感は、なんなのでしょう。

<追記>

日経H25.3.6『民主、政局批判を懸念』

…安倍首相の経済政策「アベノミクス」が市場に好感をもたれる…。夏の参院選を控え、幹部の一人は「株価が1万2000円を超えたら選挙にならない」と株価の動向をにらむ日々だ。



 株価が上がれば、選挙で民主党は負ける・・・。民主幹部の発言です。日本経済より、わが党が大事のようです。

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少子化を防ぐ為に、出生率目標?

<少子化を防ぐ為に、出生率目標?>

 これから、ナンセンスな議論を始めます。そもそも、論理的に「合計特殊出生率を上げろだの下げろ」だの、価値論・べき論・意見なので、最も扱いたくない分野です。自分の土俵ではないことを断った上で、あえて土俵(そちら側の論理)に乗ってみます。

読売H25.1.21
読売 H25.1.21.jpg

 国家が、女性の合計特殊出生率の目標を定めるべきだと言います。

 「国からのべき論、望ましさを押し付けるのはどうか?」という意見がでそうです。

しかし、もともと、子どもの数など、「べき論」による押し付けの歴史なのです(戦前は、「産めよ増やせよ」だったことは、周知の事実です)。

 そもそも、なぜ、結婚生活において、女性が2人の子どもを理想とするようになったのでしょうか。
 そこには、戦後すぐの「産児制限」の歴史があります。官民上げて、「子ども数」を減らすキャンペーンが行われたからです。
 当時の新聞には、「産児制限(コントロール)」の優性を訴える記事が、連日のように掲載されました。

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(1)出産と子育て 企業が広めた家族計画


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生殖をめぐる政治と家族変動
──産児制限・優生・家族計画運動を対象として──


 しかも、「優生保護法」という法律が施行され、堕胎が合法化されたのです。

ウイキペディア

母体保護法(ぼたいほごほう、昭和23年7月13日法律第156号)は、不妊手術及び人工妊娠中絶に関する事項を定めること等により、母性の生命健康を保護することを目的とする法律である(同法1条)。

1949年(昭和24年)の法改正により、経済的な理由による中絶の道が開かれ、1952年(昭和27年)には中絶について地区優生保護審査会の認定を不要とした。刑法上の堕胎罪の規定は存置されたが、空文化が指摘されるようになった。



 この法律により、翌年から、出生数ががくんと落ちました。

出生数 厚労省.jpg

 如実ですよね。「自然に」こんな風になるわけがありません。

 で、1970年代には、すでに、「少子化」でしたので、2010年をピークに人口減少になることは、「必然」でした。

 今、日本は、出生数<死亡数で、当然「人口減社会」に入っています。だから、冒頭の「数値目標」云々と言う話になっているわけです。

出生数 死亡数 厚労省.jpg
 
 ですが、本当に、人口減少を止めたいのであれば、「優性保護に基づく堕胎」を禁止すれば、一発で解消します。毎年20万以上の堕胎数が報告されています。

http://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Popular/P_Detail2012.asp?fname=T04-21.htm&title1=%87W%81D%8Fo%90%B6%81E%89%C6%91%B0%8Cv%89%E6&title2=%95%5C%82S%81%7C21+%90l%8DH%94D%90P%92%86%90%E2%90%94%82%A8%82%E6%82%D1%95s%94D%8E%E8%8Fp%90%94%81F1949%81%602010%94N

出生数 死亡数 中絶数 厚労省.jpg

 どうですか?一目瞭然ですよね。

しかも、堕胎は保険適用外なので、実数は、さらに多くなります。

「非婚化・晩婚化」にともなって、結婚自体が減り・・・日本の場合、婚姻が、子どもを持つことに直結しています・・・という、「人口減になっていく理由」が正論だとしたら、裏では、これだけの「堕胎が行われている」ことこそ、人口減の真の理由であることも分かります。

 堕胎は、合法的殺人であるという考え方もあります。

教育基本法について

(教育改革国民会議 -第1分科会- 2000年6月15日提出レポート )

曾野 綾子

 大東亜戦争の被害が人命の犠牲を強いたとすれば、戦後の教育の荒廃は、精神から人間性を奪ったとい う点で、それにも劣らぬ大きい被害を与えました。

 その原因は、長い年月、民主主義の名を借りた安易な「自由放任」の姿勢にありました。民主主義は、 51パーセントの賛成の前には、49パーセントが、自分の意志が通らないことに苦しむことを基本的な 形にしています。しかしいつのまにか社会は、この原則と痛みを忘れて、「一人でも反対があったら橋を 架けない」「一人の落伍者も出さない」という形の全体主義を採用しました。これは偽の民主主義とも言 うべきものでありましょう。

 言うまでもありませんが、反対者の心や落伍者の不安を放置しておけ、というのではありません。しか し平等というのは、誰にも不幸がないことではなく、誰もが同じ学力を持つことでもありません。誰もが 不幸に耐える力を持ち、誰もが、その子供の資質にあった教育の方途を与えられることです。

 しかし、親、教師、社会、その多くは、相手から嫌われるのを恐れるあまり、易々として子供の身勝手 な要求に迎合しました。それは、決して民主主義的な姿勢ではなく、ただ自分が若い世代から嫌われまい とする、卑屈な求愛の精神から出たものと私は考えています。

 子供だけではありません。社会は多くの嘘を、決して正視しようとはしませんでした。その幾つかの例 をあげましょう。「1人の人間の命は地球よりも重い」と言う言葉は非常にもてはやされましたが、それは全く事実に反したものです。私たちは誰もが、1人の死者も出さないようにあらゆる部門で努力してい ます。しかし9人の命を救うために1人の命を犠牲にしなければならない状況がしばしば起こることはよくあるのです。ですから1人の命は9人より軽いと見るのが正確でしょう。だからと言って、人間の生死を数で割り切れるものではありません。私が生涯携わって来た文学もまさにその点を衝くことを使命とし てきました。

 一方そう言っておきながら、一部の女性たちは「生む生まないは女の自由よ」と言い、その言葉もかなりもてはやされました。それは避妊を認めよということだけではなく、中絶の自由をも認めよということ でありました。もし「1人の人間の命は地球より重い」なら胎児の命も同じでしょう。妊娠22週目位ま でならさまざまな理由をつけて中絶も合法的にできる、というのは、欲しくない子供の命を中絶するの は、時期さえ誤らなければ殺人にならないということです。その期間をほんの20週間ほど過ぎて出産し、殺して遺体をコインロッカーに放置すると、殺人に問われる。犯罪者になる。どうしてそうなのか、 ハイティーンにも、私にも理解できない問題です。たいていの胎児の生命は、6、7週まで育って中絶しなければ、90パーセントまではすくすくと育ち、確実に一つの人生を味わうことが可能なのですから。

 ここには論理の矛盾が、公然と放置されています。私をも含め何千万という人がこの論理を見聞きしましたが、おかしいとも非人道そのものだとも言わず、それを是正する運動を起こさなかったのは、恐ろしいことです。

 何であろうと筋を通さねば、教育などできるわけはありません。生命を絶てば、それは殺人だというこ とは明瞭です。しかし私は中絶しなければならなくなった人を非難しているのではありません。小説家で すから、むしろ子供をあきらめねばならなかった多くの人たちのそれぞれの理由を想像し、深く共感し、 共に悲しみ、結婚はできなくても一人の女性が子供を生んで育てることのできる制度と人間的な状況とを 作らねばならない、としみじみ思いました。しかしそれと「女の自由」を楯に、中絶するのは何でもないこと、むしろ進歩的な発想だというのは違います。理由は簡単です。性行為なしに子供は生まれないので すから。(マリアがイエスを処女懐胎した、という話以外には……)

 むしろ人間は、誰でもたやすく殺人を犯す可能性を持つのだ、ということを自覚することが人間になる ことでしょう。合法的な中絶という制度を作って、自分はあくまで平和的で進歩的な人間であり、決して人を殺す側には廻らないのだ、と簡単に思えることの虚偽性の方がはるかに恐ろしい結果を生むと思います。




 「子どもの数は2人が理想」などという、一見誰にも左右されていないと見える考え方も、実は押し付けられた幻想なのです。

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読売H24.4.19

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