<「軽自動車と、小型車しか売れない」は、昔でいえば「小型車と中型車が売れている」こと>プリウス4年連続首位 24年新車販売、最高の31.7万台
産経新聞 1月11日(金)7時55分配信
日本自動車販売協会連合会(自販連)などが10日発表した平成24年の新車販売ランキングはトヨタ自動車のハイブリッド車(HV)「プリウス」が4年連続のトップだった。東日本大震災で供給不足に陥った前年より25・8%多い31万7675台を販売し、平成9年の発売以来、年間として過去最高を記録した。
昨年9月までのエコカー補助金効果で低燃費の軽自動車が人気を集め、上位10車種のうち軽が6車種と、前年より1車種増えた。軽のトップはダイハツ工業の「ミラ」で、販売を約8割伸ばし、昨年の7位から3位へと躍進した。
■平成24年の車名別新車販売台数
順位 車名 (メーカー) 台数
1 プリウス (トヨタ) 31万7675( 25.8)
2 アクア (トヨタ) 26万6567(約738倍)
3 ミラ (ダイハツ)◎ 21万8295( 81.9)
4 N BOX(ホンダ)◎ 21万1156(約 74倍)
5 フィット (ホンダ) 20万9276( 0.7)
6 ワゴンR (スズキ)◎ 19万5701( 22.0)
7 タント (ダイハツ)◎ 17万 609( 32.1)
8 ムーヴ (ダイハツ)◎ 14万6016( 0.6)
9 アルト (スズキ)◎ 11万2002( 34.8)
10 フリード (ホンダ) 10万6316( 57.0)
車は売れていない、売れるのは、軽自動車と、小型車ばかり・・・
国内新車販売台数(登録車+軽自動車)は1990年度の780万台をピークに縮小し、2012年は、 536万9721台になりました。
確かにそうなのですが、今の小型車や、軽自動車の大きさは、昔で言ったら、一クラス上のサイズになっています。
つまり、1970年代から言えば、今の小型車は「当時の1800~2000ccクラス」ですし、今の軽自動車は「当時の1200cc」クラス並みです。
日本人の体格が、1970年より、大きくなったのではなく(道路規格も、当時と変わっていません)、小さい排気量の車が大型化しているのです。
「小型車」や「軽自動車」しか売れないというのは、当時で言えば、「1800~2000ccクラスの大型車」や、「1200ccの小型車」しか売れないと言っているのと同じことです。
当時の感覚で言えば、「今の車はでかくなりすぎ」、本当に日本人にはそんなに馬鹿でかい車が必要なのか?ということです。
軽自動車がこれだけ売れるのも、そのサイズは日本人にとって「必要十分」だからかもしれません。日本人の賢い選択者は、実は「合理的?」に選んでいるのかもしれません。
本当に日本車は、大きく、立派になりました(世界中の車もそうです)。
以下、画像、諸元はウイキペディアより 1974年発売の、3代目カローラは、日本国内のみならず世界中で大ヒットし、カローラ史上最も売れ(3755030台)ました。 「カローラ30、地球的Mサイズ」と言って、コマーシャルで宣伝されていました。1200㏄~1600㏄です。

現代のベストセラーカー、ホンダのフィット(1300ccクラス)です。

全幅も、全高も、ホイールベース(前のタイヤと後ろのタイヤの間隔、これが大きければ大きな室内空間になる)も、車両重量も、ものすごく大きくなっています。つまり、マス(容量)で比較すると、当時のカローラの横に並べたら、「でかい!」と言ってしまう車になっています。
今の人は、当時の車よりも、広大な空間の車に乗っています。別に、とりたてて「コンパクト」ではないのです。
軽自動車の、ベストセラーカー、ワゴンRです。軽規格(全長、全幅)も随分と大きくなりました。

ホンダの初代シビック、1972年発売の、これも当時大変人気のあった車(1200ccクラス)です。

今の時代に持ってきたら、「軽自動車」クラスです。全幅はともかく、全高、ホイールベース、車重は、はるかに現代の軽自動車の方が大きいです。室内空間も同様です。
今のワゴンRに乗るのは、当時で言えば、1200ccクラスの小型車に乗っているくらいの感覚です。「軽で十分」は、実は「合理的」に選んだ結果かもしれません。
初代ゴルフです(1974年)。FF(前輪駆動)ハッチバックで、当時としては「最大限に効率的な室内空間を実現した」と大絶賛され、世界中の車づくりの目指すべきスタンダードとして大ヒットしました。1500ccクラス。

現代の「最大の室内空間、合理的パッケージング」を目指したホンダの軽自動車NBOXです。幅や長さは短いですが、間違いなく当時のゴルフより室内空間は大きくなっています。車重、ホイールベースから見ると、乗り心地も上回っているはずです。

「軽自動車しか売れない」のではなく、「軽自動車の室内空間」の合理性が、現代の人に選ばれています。このNBOXのパッケージングを、1974年に持っていけば、「革命的デザイン」の車になり、驚かれるでしょうね(ドラえもん世界の話ですが)。
小型車の代表、カローラだって、すごく大きくなりました。大きくなりすぎて、最新モデルではダウンサイジングしたのですが、それでも、1970年代でいえば、1800~2000ccクラス車以上の大きさがあります。

コロナ4代目、1973年です。

現在の小型車カローラは、1970年代当時の、2000cc車のサイズより大きくなっています。
「軽自動車や小型車しか売れない」のは、「サイズや性能が、日本で使うには必要十分になった」からではないでしょうか。
<ついでに>新車販売34年ぶり低水準=12月は過去最悪-08年
1月5日15時0分配信 時事通信
…軽自動車を除く新車販売台数は、ピークだったバブル期の90年(597万5089台)の53.8%にとどまった。
現代のベストセラーカーと、バブル期のベストセラーカーの比較です。バブル期は、「シーマ現象」といって、日産の高級車シーマが飛ぶように売れました。販売台数でも、バブル期が、日本で一番車が売れた時代です。
現代のベストセラーカー、トヨタプリウスです。これも、実は20年前当時の高級車と比較すると、相当大きいのです。

20年前のバブル期に、ハイソカーといって、白いマークⅡ(2000cc~3000cc)がバカ売れしました。若者から、ゴルフに行くお父さん世代にまで、大人気でした。
http://features.car.jp.msn.com/carlife/special/jul2008/history/his_market_001.htm
90年にピークを迎えたバブル景気の影響もあるが(マークIIの過去最高は90年の22万2997台)、…88年にはX80
系へとバトンタッチしてミドルセダン最盛期を演出したトヨタの戦略も奏功したとみていいだろう。
車名別ランキングでもマークIIは87年から94年まで8年にわたってカローラに次ぐ国内第2位の座をキープ。90年はカローラ29万9854台に対してマークIIが22万2997台まで迫り、チェイサーとクレスタの3兄弟を合わせると約40万台!とカローラを大幅に超えてトップに立っている。

でも、現代のプリウスと比較すると、「マス」の大きさでは、「ペラペラ」感が拭えません。プリウスは現代の「ハイソカー以上?」の車です。
現在のGDPは、バブル期の1.25倍あります。バブル時代より、日本人は豊かになっています。日本は、車の大きさでも「豊か」になってはいるのです。
ただ、この閉塞感は、なんなのでしょう。
<追記>日経H25.3.6『民主、政局批判を懸念』
…安倍首相の経済政策「アベノミクス」が市場に好感をもたれる…。夏の参院選を控え、幹部の一人は「株価が1万2000円を超えたら選挙にならない」と株価の動向をにらむ日々だ。
株価が上がれば、選挙で民主党は負ける・・・。民主幹部の発言です。日本経済より、わが党が大事のようです。
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