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苦笑 比較優位

<苦笑 比較優位>

本当に、比較優位は、シロウトさん・クロウトさん問わず、理解するのが難しいのですね。


http://yasuyuki-iida.hatenablog.com/entry/20091027/p2
飯田泰之

僕としてはエコノミストの格付けはいくつかの段階に分けて行わなければならないと思っています.

経済学・経済統計に関する知識に関して,

第一関門:教科書の経済学を理解しているか否か
第二関門・・・・

・・・第一関門をクリアしていないエコノミストはかなり多い…….そういう人はホントいくら叩いてもいいと思う.ってか教科書の経済学分かってないのになんでエコノミストとか経済学者って言ってられるのか謎.教科書レベルの知識無しに経済学を批判する人までいて噴飯ものです.ちなみに第一関門を見分けるコツは,

比較優位説理解してる?
国際収支統計わかってる?
IS-LMとフィリップス曲線わかってる?
中立命題や恒常所得仮説に関する一連の議論わかってる?

あたりがよいリトマス試験紙かと.




川越敏司「現代経済学のエッセンス」 番号は筆者挿入
比較生産費説は…①貿易の発生や市場での②交換の発生を説明するだけではなく…生産活動において③分業が発生する理由も説明できます。…常にどこででも成立する自明ではない偉大な法則なのです。



自明ではない=「太陽は東から上り、西に沈む」は自明だが、本当は地動説の「地球が東へ回転している・・・勉強しないとわかりませんよ」という意味


Pクルーグマン 「クルーグマンの国際経済学(上)」
サミュエルソンもこう述べている。「比較優位は経済原則とし否定しようのない事実であるにもかかわらず、賢明なる諸氏でさえ完全に納得しているわけではないものとして、自分が承知しているなかで最も典型的な例である」



いいですか?比較優位は、理論でも何でもなく

比較優位は経済原則とし否定しようのない事実

単なる事実です。

だから、自給自足(70億人の誰1人いませんから!)をしていないヒトであれば、その人は、せっせせっせと、毎日毎日、比較優位を行っているということになります。

呼吸を無意識でやっているように、比較優位を無意識に行っている。比較優位はそういうレベルの話です。呼吸をやめたら生きられないように、比較優位をやめたら、生きられません。

だいたい、比較優位を否定する人、あなたがオギャーと生れた瞬間に、比較優位のお世話になったでしょう。看護師、医者、産婆さんでもいいや病院スタッフ、数々の病院施設、医療機器、それらを支える電気・ガス・水道、建物・・・これ全部「比較優位」のたまものですから。

医者が機器を手作りしていたら、出産の医学を学ぶ時間などない。看護師が針を手作りしていたら、まず鉄鉱石を掘り出すところからやらないといけない。その前にショベルを手作りしないといけない・・・安全帽も、ライトも全部手作りから・・。

比較優位が成り立たないという人は、自分が大きくなれたのは、今の職業に就くことができたのは、世の中すべてが比較優位で出来ているからだということを、忘れていい気になっているだけです。

そんなに否定するなら、自分が死んだ後に、自分で葬式やって、自分で自分を火葬しろ。何一つできんくせに!!!(笑い)

<比較優位を全く理解できない、つまり経済学のリトマス試験紙では、不可判定の塚崎公義 久留米大>

相変わらず、デタラメ解説をしています。


http://sharescafe.net/53030349-20180302.html
経済学の初心者に「貿易のメリット」を教えてみた(塚崎公義 大学教授)
2018年03月02日 05:00
塚崎公義 大学教授

アダムスミスが説いた分業のメリットは、国際分業(貿易)にも当てはまります。貿易に関しては、比較優位に立つ商品を互いに輸出することで両国にメリットがある、というリカードの「比較生産費説」が有名です。

では、何を作っても日本より苦手な国とは貿易しないのでしょうか。そんな事はありません。そこで出てくるのが「比較優位」という言葉です。これは、「まだマシな」という意味です。

社長が経営もタイプも得意だとして、秘書は何もせずに社長が両方やるかというと、そうではなく、秘書がまだマシなタイプを担当する事によって社長が経営に集中できる、といったイメージですね。

さて、日本と中国では、だいぶ技術力の差が縮まっているので自信はありませんが、本稿では、何を作っても日本の方が得意である、という事にしておきましょう。そうなると、日本が本当に得意な自動車等を輸出して、中国が「まだマシな」洋服を日本に輸出する事になります。

自動車生産には高い技術力が必要で、日本が圧倒的に有利ですが、洋服の生産はそれほど技術を必要とするわけではないので、労働力を大量に集めてくれば作れます。そこで、労働力の豊富な中国で洋服を作って日本に輸出することにしたのです。



ここまではOKです。


さて、日本の方が中国より洋服づくりも得意なら、なぜ日本は中国から洋服を買うのでしょうか。それは、現在の為替レートで換算すると、中国の洋服の方が日本の洋服よりも安いからです。

料理と皿洗いは、分業のメリットの分配方法を交渉しなければならないのですが、国際分業の場合には、為替レートが変動することで、自動的に日本が自動車を輸出し、中国が洋服を輸入するように神の見えざる手が導いているのです。



このあたりから、例によって、説明がぐちゃぐちゃになります。


さて、日本の方が中国より洋服づくりも得意なら、なぜ日本は中国から洋服を買うのでしょうか。それは、現在の為替レートで換算すると、中国の洋服の方が日本の洋服よりも安いからです。



安いから?

そうすると、中国が日本車を輸入するのは「安いから」????


中国の洋服の方が日本の洋服よりも安いから



日本の自動車の方が、中国の自動車よりも安いから????

2017年 自動車生産台数
1位 中国  29,015,434
2位 米国  11,189,985
3位 日本   9,693,746

日本の自動車の方が安いから???


それと同様なことは、途上国の幼稚産業の保護に関しても言えるはずです。たとえば途上国が日本から自動車を輸入して日本に農産物を輸出するとすれば、その国は未来永劫自動車を作る事が出来なくなってしまうでしょう。農産物のように技術進歩の余地が少ない産業に自国が特化して、自動車やコンピューターなどの技術進歩の余地が大きな産業を将来にわたって放棄してしまう事には抵抗を感じる途上国の政府も多いでしょう。



最後はやはり、経済学を全く理解していないことを露呈しています。

比較優位はつねに動きます。生産性の高いこと=機会費用(コスト)の安い方へと変化するからです。

①高卒で社会に出た人が、改めて大卒の資格を取ったり、社会人が何かの資格を取得するために勉強したり・・・

②デジカメは激減し、スマホにとってかわられました

③CDは激減し、音楽データにとってかわられました。

④富士フィルムは、フィルムは作っていません。ソニーは金融とゲームの会社です。トヨタは、織機を作っていません。

⑤ソフトバンクも楽天も、20年前には存在すらありませんでした(規模という意味)

⑥レンタル店ツタヤは店舗を縮小し続けています。

⑦中国の車の生産台数は世界一になりました。

⑧医療はバンクラディシュ、ベトナムに移っています。


途上国が日本から自動車を輸入して日本に農産物を輸出するとすれば、その国は未来永劫自動車を作る事が出来なくなってしまうでしょう。



比較優位を、全く理解していないことがわかる文章です。これで学生に「経済学の初心者に『貿易のメリット』を教えてみた」と指導しているのですから、「害」をまき散らしていると言っても過言ではありません。最悪です。

<では、まともな説明を>

比較優位は、誰も否定できない、「なぜ、交換が行われるのか」を説明した理論(比較優位を実践していることを整理して明確化ということ)です。
交換=経済活動のことです。時給自足なら、交換自体成り立たない、経済活動がないのです。そんなもの、この世にありません。

つまり、比較優位は、「経済活動(交換)が行われるのはなぜなのか」を説明した理論ですから、これを理解しないと「経済そのものが語れない」ということです。比較優位が理解できない、比較優位を否定するヒトは、「経済の何たるか」が全く理解できないヒトということになります。

 経済学は、「現実が先、理論は後」です。なぜそうなっているか・・・を説明するために、理論があります。まあ、科学は皆そうして発展してきましたが。

 ①時給自足からスタートして、②特化させると、労働者を移動させることになる・・・だの、スムースに移動などできない・・・だの、失業が生じる・・・だの。全部、「バカ」です。

 この世はすでに比較優位を行っている状態です。スタートは②「分業(特化)・交換」状態なのです。

 いいですか?この世に①「自給自足」など、ないのです。どこからないかって、古今東西「自給自足」など、存在したことがありません。アダムとイブの時代からです。

神は罰として、アダムに労働の罪を、イヴに出産の苦しみを与えたのです!!!! 分業です!!!

アメリカ人の1/4は福音派、これを絶対信じている人たちです。トランプ大統領の支持層と重なります。重なるどころか、全員トランプ支持者です。

イスラエルの山にイエスが復活すると聖書に書いてあることを、額面通り信じています。彼らにとってイスラエルは神の場所です。イスラエルを首都だと認めるのは、トランプ大統領にとっても、福音派にとっても、「あたりまえ」のことなのです。繰り返しますが、1/4です。アメリカで一番大きい宗派です。

脱線脱線、閑話休題(笑い)

原始時代も、分業と交換ですね。狩りをする人、その間に洞窟を守る人、料理をする人・・・獲物をさばく間に、お湯を作る人・・・。みな分業です。狩りをしている最中に、料理はできません。授乳の最中に狩りはできません。みな作業を分担し、「交換」しているのです。

人類が、文字で歴史を記録し始めてからは、「分業」の歴史しかありませんね。ヘロドトスのカルタゴ記述・・・、エジプトや中国殷文明・・・。全部「分業」の歴史です。

まず、「分業がスタート」、これを否定する人がいたら、この時点で「『脱落』です!自給自足の例を1つでも挙げてごらんなさい。

山上憶良に登場する奈良時代・・・貧しい貧しい貧民の記述であふれています。ですが、その時代でも、ボロボロの服や、ボロボロのわら服を着ていても、煮炊きに使う道具は、その人たちが作ったものではなく、交換で手に入れたものです。

江戸時代の貧乏百姓の使う、鎌や鍬も、時給自足ではなく交換で手に入れたものです。娘のかんざしも、貧乏百姓が作った物ではありません。

この世に①「自給自足」など、ないのです。

この世はすでに比較優位を行っている状態です。スタートは②「分業(特化)・交換」状態なのです。

だから、比較優位論表を見るときは、①「自給自足から労働者を移動させて・・・」ではなく、すでに②「分業(特化)・交換」状態から、時給自足状態に近づけると・・・と見なければならないのです。いいですか!現実が先!ですよ。


そうすると、今は自習貿易が行われているけれども、トランプ大統領のように、鉄鋼輸入に25%の関税、アルミに5%の関税をかけて、アメリカが「貿易から自給(国内生産状態)」にするとどうなるか・・・

自明です。比較優位論が示したように、必ずアメリカの利益が損なわれます。消費量が落ちるか、価格として跳ね返るか・・・いずれにしても、三角形が小さくなる=実質所得が減ります。

比較優位 貿易をやめると

だから、アメリカ国内でも、鉄鋼業界以外、製造業はみな「反対」なのです。ろくなことにならないのが、目に見えているからです。それを説明しているのが比較優位です。

「分業(特化)・交換」状態から、時給自足状態に近づけると、三角形面積が必ず減る!!!

となります。

比較優位は経済原則として否定しようのない事実
比較優位は経済原則として否定しようのない事実
比較優位は経済原則として否定しようのない事実
 

<比較優位は経済原則>

比較優位は、経済学最強理論、というか、なぜ経済行為というものがこの世に存在(しかも人間だけしかしない)するのかという現実を説明した理論です。史上最強、誰一人崩せません。これを理解できない人は、経済行為そのものを理解していないという人です。

まず①分業(特化)についてです。スミスがピン工場で、職人が最初から最後まで1人でピンをつくるより、分業した方が240倍も多く作ることを説明。分業(特化)が一番効率的(生産性が高い=機会費用が低い)。これは理解できますね?

次に②交換です。スミスは仕立て屋、靴屋、農家の例で、だれもが自分で作るより、買った方が安い場合は、そうする。仕立て屋は靴を靴屋に頼み、農家は服を仕立て屋に頼む。これも理解できますね。②交換は①分業(特化)があるからできる、これもいいですね。


買う方が安くつくものは自分の家で作らないようにするのが当然である。仕立て屋は靴を自分で作ろうとせず、靴屋で買う。靴屋は服を自分で作ろうとせず、仕立て屋に注文する。農民は靴も靴も服も自分では作らず、それぞれの職人に注文する。

みな、近隣の人たちより多少とも優位に立っている仕事に専念し、生産物の一部かその対価で、必要とするものを買うのが自分の利益になることをしっている。・・・自国で生産するより安い価格で外国から買える商品があれば、自国の労働は多少とも優位にある産業に投じ、自国の生産物の一部でその商品を外国から買う方がいい。



多少とも優位、これは絶対劣位・絶対優位の話ですね。比較優位は「自身の中の優位」の話ですから。

①分業(特化)が②交換を成り立たせる。いいですね

?では、②交換は、トヨタのような巨大企業(絶対優位)と、ねじを生産する零細企業(絶対劣位)での間でも利益が生じるのか?障碍者と健常者、大卒と中卒、これらの間でも、交換の利益が生じるのか?

鉄・石油・石炭からアイフォン・ボーイング・ハイテク兵器まで自前で産出するアメリカ(絶対優位)と、ブルンジ(絶対劣位)のような途上国は交換利益は無いのでは?リカードは、

③比較優位論で、「絶対優位」と「絶対劣位」の間でも、必ず利益が生じることを説明。

それが「比較優位」。自分の中で生産性の高い=機会費用の低い分野で
①分業、
そして②交換。

そうすれば、必ず絶対優位者と絶対劣位者との間でも②交換の利益が生じている。だから人類は①分業(特化)と②交換をしてきた。これが経済活動とよばれるもの

人類の交換活動=経済活動そのものを、なぜしているか?を説明できた理論。普遍。現実社会は、①分業(特化)②交換で成り立ってる。これが経済活動。

それを、関税をかけたり物品税100%にしたり(米の鉄鋼25%アルミ10%)、自前(自国で自給自足に近づける)でやろうとすると、絶対に利益が減少しますよと証明した。

①現実、経済(交換)活動(交換)が先、自給自足は理論上の想定(現実にはない)

比較優位は、
①自給自足を、②特化(分業)して交換すると、利益が増えるではなく
②特化(分業)状態=現実をこわして①自給自足・自前主義に近づけると、利益が必ず減少するという理論。

現実が先、理論はあと。


①現実、経済(交換)活動(交換)が先、自給自足は理論上の想定(現実にはない)

比較優位は、
①自給自足を、②特化(分業)して交換すると、利益が増えるではなく
②特化(分業)状態=現実をこわして①自給自足・自前主義に近づけると、利益が必ず減少するという理論。現実が先、理論はあと。


再掲します。

http://abc60w.blog16.fc2.com/blog-category-74.html
定理

1 日常生活が貿易(トレード:交換の事)
2 日常生活が比較生産
3 貿易はすべての人(国)を豊かにする



http://abc60w.blog16.fc2.com/blog-category-204.html
ミクロだろうが、マクロだろうが、経済活動全てを貫く根本原理です。逆に「比較優位」に基づかない「交換=トレード」があれば、挙げてみましょう。

全員が「比較優位」を実践しているのが経済活動です。例外は1つもありません。

交換(トレード) が活発になればなるほど、経済拡大

交換の原理は、すべて比較優位



『世界の名著 アダム・スミス(国富論)』中央公論社 S62 p388
 それゆえ、各個人は、彼の資本を自国内の勤労活動の維持に用い、かつその勤労活動をば、生産物が最大の価値を持つような方向にもってゆこうと、できるだけ努力するから、だれもが必然的に、社会の年々の収入をできるだけ大きくしようと骨を折ることになるわけである。

 もちろん、かれはふつう、社会公共の利益を増進しようなどと意図しているわけではないし、また自分が社会の利益をどれだけ増進しているのかも知らない。…生産物が最大の価値を持つように産業を運営するのは、自分自身の利得のためなのである。

 だが、こうすることによって、かれは、他の多くの場合と同じく、この場合にも、見えざる手に導かれて、みずからは意図してもいなかった一目的を促進することになる。…自分の利益を追求することによって、社会の利益を増進せんと思い込んでいる場合よりも、もっと有効に社会の利益を増進することがしばしばあるのである。




これは、「比較優位」そのものを語っていますね。

 この比較優位は、経済(交換)学の、希少性・選択・トレードオフ・機会費用(コスト)というエッセンスをすべて含んだ理論です。人類史とともに始まった、経済(交換)活動が、なぜ行われているのかを説明する理論です。経済(交換)学の背骨そのものです。

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比較優位とは、機会費用のこと これ以上の説明は無理!

http://blogos.com/outline/193546/

ヒロ
2016年10月11日 10:00

TPPが時代遅れな理由

今は流行らない「リカードの比較優位」という経済の原則があります。これはリカード教授が自由貿易の原始的発想を提供した古典であります。例えを出します。日本は自動車づくりが得意です。韓国はスマホづくりが得意です。ですが両方の国ともスマホ、自動車それぞれ作っています。この場合、比較優位に立てばお互いが得意なものだけを作ればより効率的であるという観点のもと、日本は自動車だけを、韓国はスマホだけを作ればよいとするのがこの古典的理論です。しかし、日本はスマホ生産を止めるでしょうか?韓国は自動車製造を止めるでしょうか?意地でもやめません。それは第三国の市場シェアもあるからです。

この理論が発表されたのは1817年です。今から200年も前の時代には物々交換という原始経済から進化はすれど国家間貿易ではまだインキュベーションな時代だったと思われます。20世紀後半になり、爆発的貿易が摩擦を生み、国家間で大きな障害となったことは若い方はご存じないかもしれません。繊維、鉄鋼、自動車など日本が対アメリカで経験した試練は国際貿易の進化過程そのものでありました。

国家は自国にない素材や製品を他国からの輸入に頼り内需を成長させますが、同時に自国内生産を育む国策が生まれます。これは外国から買っていたものを自国で生産する自国内製品購入運動と自分たちも輸出で稼ごうとする発展的で自然な展開です。かつてのアメリカや今の中国がその典型です。

また、今世紀に入り、情報が地球儀を一瞬にして駆け巡ることで途上国で加速度的な高性能製品の生産能力を取得することが可能になりました。例えば自動車は私の調べる限り世界51か国で作られています。

これは比較優位の論理を根本的に崩してしまったとも言えます。企業は企業の論理で世界中に進出しています。進出国で生産ノウハウを投資という形に変えて移転させてきたため、生産能力の差が薄れてきているとも言えます。そのためにTPPのように参加国同士が同じ色に染まるようなルール作りは企業にとって防衛策は十分に施されており、別になくてもよいとも言えます。




ウーン、比較優位は、世間では全然理解されていませんね。

では、比較優位について、「決定打」を放ちます。これで理解できなければ、もう、「経済」を語るのをあきらめてください。

まず、高校現場では、やっと「比較優位は機会費用のこと」という説明が、登場しました。これが実は、比較優位の神髄・決定打です。

飯田泰之 先生のための夏休み経済教室から

『経済教育に経済学はいらない?』経済教育ネットワーク ニューズレター第6巻 2号 2011 

実を言いますと、この機会費用の発見というのは経済学の歴史においては画期的な発見なのです。有名なリカードの比較優位説というのは、本当は機会費用を発見したという研究なのです。

完全特化というのはそれほど重要な話ではなくて、実は比較優位説で最も重要なのは、二国間で技術水準が違うと、一方的に得な取引を続けることで、ともに利益が得られる。このプロセスの部分が重要なのです。最後に出てくる完全特化が得であるとか、得ではないというのは、それほど重要な問題ではない…つまり比較優位説で重要なのは完全特化の方ではなくて、この機会費用…なんです。



実教出版 「2015 ズームアップ現代社会資料」p272

世界にアメリカと日本の2か国しかないとする

比較優位 例

比較優位 例 図

日本のほうがオレンジも自動車も少ない人数、つまり少ない労働量(費用)でつくることができる。

→日本はアメリカに対して絶対優位を持っている

リカード以前の考え方では、「アメリカと日本は貿易しないほうがよい」という結論に達していた。

これとは別の考え方があるということを明らかにしたのが、リカードの比較生産費説である。リカードは機会費用を考えた

比較優位
自由貿易をすれば、両国にメリットがあるというモデルを示したのがこの比較優位説である。絶対優位を持たなくても、比較優位を持つ商品の生産に特化することで自由貿易をとおして各国の利益が大きくなるということを示した。



どうですか?「機会費用」が述べられていますね。

では、その「機会費用」に基づいて、説明された、高校の資料集をみましょう。

東学 政・経資料 2016

説明1
説明2
説明3
説明4
説明5
説明6
説明7
説明8




最後に述べられている、国の場合の、扇形の説明を加えます。

このように貿易は、絶対劣位の途上国と、絶対優位の先進国の間でも、必ず利益をもたらすのです。ヒトや企業や国は、絶対優位にはなれますが、原理的に、両方の財に比較優位になることは無理なのです。そうすると、途上国にも必ず利益が生じることになるのです。
 実際には、企業や国の生産性フロンティアは、個人の例やリカード例のような直線ではなく、曲線、扇形になります。1人1人の生産性、1企業1企業の生産性は、ばらばらだからです。それら(三角形)を全部合わせる扇形になります。

比較優位 説明9

その場合の、貿易の利益は下記のようになります。時給自足の場合は、その国の生産可能性フロンティア=消費可能性フロンティアであり、「生産量≧消費量」になりますが、輸出入をすることによって、「生産量<消費量」になります。図の貿易後消費点は、国内自給自足生産以上に消費をしている点です。

説明10


国の場合は、フロンティアが曲線・扇形なので、完全特化には至りません。極限にいたるほど、機会費用がどんどんかかる=生産性が低下するので、その場合は、交換しないで、自国で作った方がトクになるからです。


 これが、比較生産費=比較優位論のすべてです。
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