水野和夫 『資本主義の終焉と歴史の危機』 その6

<水野和夫 『資本主義の終焉と歴史の危機』 その6>


 前回までは、経済に重きを置いた話でした。今回は、格差が拡大すると、民主主義が壊れる?なる、政治と絡めた話


水野

中間層が壊れると、民主主義まで壊れる! 

P42
国境の内側で格差を広げる「資本のための資本主義」は、民主主義も同時に破壊することになります。民主主義は価値観を同じくする中間層の存在があってはじめて機能するので、中間層の没落は、民主主義の基盤を破壊することにほかならない。

P91
 グローバル資本主義では必然的に格差が国境を越えてしまうので、民主主義とは齟齬。日本で1970年代に一億総中流が実現したように中国で13億総中流が実現しないとなれば、中国に民主主義が成立しない・・階級闘争が激化・・一党独裁体制を大きく揺さぶる。中国に、民主主義が達成されていないと批判するのは、先進国の傲慢であると私には思えます。

P92
 資源高の時代に近代化する国(筆者注:途上国のこと)は国内の階層の二極化を伴うため、民主主義が機能する前提条件を欠いています。



 結論から言います。大正期・戦前の日本は、今の香港以上の、「超・自由・自由・自由・自由資本主義」、要するに、「自由主義経済の極致」でした。

http://synodos.jp/economy/7327/2

ゲーム理論による制度分析と「予想」

松尾匡:連載『リスク・責任・決定、そして自由!』

経済学におけるゲーム理論の発展 

それが、その後主に1980年代に入って以降、ゲーム理論の発展がミクロ経済学の教科書を書き換えるようなインパクトを与えていくことになります。

そのころゲーム理論そのものの研究者たちの間では、後で説明する「ナッシュ均衡」と呼ばれるつじつまのあった答えが、複数発生してしまう問題が議論の的になっていました(「複数均衡」問題)。同じ人たちが同じ条件のもとに置かれても、全員につじつまの合う答えが何通りもある。場合によっては無限にある。その中には、現実にはちょっと起こり得ないだろうというのもありましたから、これらの均衡を、もっともらしい理由をつけて絞り込んでいくことが課題になっていたのです(ナッシュ均衡の「リファインメント」)。

これを、経済学の分野で考えてみたわけです。経済学における従来のゲーム理論応用は、大きな企業どうしの価格決定の駆け引きも、労資の駆け引きも、結局落ち着く答えは一つというのがだいたいのところでした。ところがそうではない。複数答えが出る。しかし現実にはそのうちどれかが選ばれているわけですから、そのどれが選ばれるのかについて、はっきりと意識しなければならない。そのことが、経済学を書き換えるインパクトをもたらしたのです。

その中でも一番の典型的なフィールドは、「制度」というものの分析だったと思います[*1]。それまでは、経済学というよりは、政治学や法学や社会学などの対象であった「制度」というものが、ゲーム理論を使うことで、経済学的に分析できるようになったわけです。その分析の中で、同じ条件のもとでも、違ったタイプの制度が成り立つことがあることが、ゲーム理論の複数均衡の考え方によって説明されるようになりました。その複数あり得る制度のうちどれがとられるのかは、結局歴史的経緯に依存するということになります。これを成り立たせているのが、人々の振る舞いについての各自の予想なのだ……それが明らかになったわけです。

今回はこれからその話をしていくのですが、この分野では、青木昌彦さん[*2]、奥野正寛さん、伊藤秀史さん、松井彰彦さん[*3]ら、日本人研究者でパイオニア的活躍をしてきた人が多く、まとまった基本的業績が日本語の本で読めます。また、アブナー・グライフさん、ロバート・ザグデンさん[*4]のような海外の有名な研究者のまとまった本も翻訳されています。本文や注で紹介しておきますので、できれば実際にこれらの本を読んでみて下さい。

青木昌彦さんらの「比較制度分析」 

この手の研究が最も目覚ましい業績をあげたのは、青木昌彦さん(1938-)たちによる、戦後日本型経済システムの分析だったと思います。青木さんたちは、このような分析方法を「比較制度分析」と名乗りました。英語にすると「コンパラティブ・インスティテューショナル・アナリシス」。略すと「CIA」ですから、この手の議論をしていると「CIAのゲームのエージェント」などと言った言葉が飛び交うのですけど、もちろんスパイゲームとは何の関係もありません。

もともとは、ゲーム理論のモデルで、さっき述べた「複数均衡」というものが発生することを使って、アメリカ的な、伝統的経済学の描写に近い経済システムと並んで、戦後日本的なシステムも別途均衡として発生することを示して見せることに問題意識があったようです。そこで「比較」という言葉を使ったのだと思います。でも、場合によっては、同じ分析の枠組みで複数均衡が発生しないケースも扱うことができるわけですから、「比較」という言葉は必ずしもこの手法を指すために適当ではない枕詞だと思うのですけどね。

ここで分析されている日本型経済システムというのは、終身雇用制、年功序列制、企業別労働組合、内部昇進制といった、いわゆる「日本型雇用慣行」や、株式の相互持ち合い、固定的な下請けシステム、メインバンク制、官僚の行政指導等々の仕組みを指しています。いずれも、伝統的なミクロ経済学が描くような、何もかもスッキリ市場取引でおおわれたシステムとは違っています。同じ資本主義なのにどうしてこんな違いがでるのだろうかということが問題になったわけです。



 このように、「ゲーム理論」を使って、「比較制度分析」がなされるのですが、では、経済学史を調べるときの、必読書を、見てみましょう。

現代日本経済システムの源流 (シリーズ現代経済研究)現代日本経済システムの源流 (シリーズ現代経済研究)
(1993/06)
不明

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同書、第4章をまとめます。

 1章で指摘したように,日本型システムとは,メインバンク・システム,株式持ち合い,終身雇用制度,年功序列賃金等を総称して言われる用語である。このシステムはステイク・ホルダーのうち,ストック・ホルダー(株主)の利益を軽視し,むしろ多くは経営者,債権者(銀行),労働者(従業員)の利益を擁護しているシステムだとされる。

 実は,これらの日本型システムは,歴史的に見て比較的新しい制度である。戦前は,基本的に欧米諸国と異ならない,オーソドックスな資本主義的経済システムであった。その後,1930年代から40年代前半にかけての,日本経済の重工業化と,戦時経済化の過程で,日本型システムの構成要素が生まれてきた。「現代の日本の社会システムは,・・・人為的に作られたシステムを原型としている」 のである。

『現代日本経済システムの源流』第1章

上表にまとめられるような,企業システムの変化について,特にその戦前から,戦後にかけての著しい変化について,高碕達之助は,以下のようにその違いを指摘した 。

『現代日本経済システムの源流』第1章 2

このように,彼は,「極端な株主主権から,極端な従業員主権」 へと転換したと認識したのである。もちろん,今日の日本企業は,このような高碕の指摘した終戦直後の状態とは大きく異なっており,修正が行われたのである 。

以上

「終身雇用制、年功序列制、企業別労働組合、内部昇進制」などというのは、戦後(制度は戦中に作られた)の30年ほど続いた、特殊なお話だったということです。

 つまり、一億総中流時代など、日本の歴史の上で、70年代~80年代の時期にしかない、「神話」だったということです。

 戦前は、1925年の男子普通選挙法に見られるように、「大正デモクラシー」と言われる時代でした。評価はいろいろあるものの、まさか、この時代に、日本に「民主主義がなかった」という人は皆無でしょう。

 さらに、1945年の普通選挙制導入、1960年代中盤の高度経済成長期突入まで。

 では、その時代、「中間層」はなかったですね。

http://www.jil.go.jp/institute/rodo/documents/report3.pdf
日本の所得格差をどうみるか
-格差拡大の要因をさぐる-
JIL 研究員/勇上和史 2003.3
格差
<ジニ係数>
4種の推計結果から戦前の世帯所得格差の動向をみると、1890~1940 年まで、ほぼ一貫して所得格差が拡大したことがわかる。その要因としては、当時全世帯の大部分を占めていた農家世帯(農村部門)と、非農家世帯(都市部門)との格差拡大が挙げられている。

背景には農村部門における過剰な労働力の存在があり、その結果、工業化が進行するにつれて農村-都市部門間の生産性格差がさらに拡大する。あわせて、産業化の初期段階では、産業間の生産性が異なるために都市部門内の格差拡大の重要性を指摘する研究もある



 格差がないことが、民主主義の前提条件?

P42
国境の内側で格差を広げる「資本のための資本主義」は、民主主義も同時に破壊することになります。民主主義は価値観を同じくする中間層の存在があってはじめて機能するので、中間層の没落は、民主主義の基盤を破壊することにほかならない。

P91
 グローバル資本主義では必然的に格差が国境を越えてしまうので、民主主義とは齟齬。日本で1970年代に一億総中流が実現したように中国で13億総中流が実現しないとなれば、中国に民主主義が成立しない・・階級闘争が激化・・一党独裁体制を大きく揺さぶる。中国に、民主主義が達成されていないと批判するのは、先進国の傲慢であると私には思えます。

P92
 資源高の時代に近代化する国(筆者注:途上国のこと)は国内の階層の二極化を伴うため、民主主義が機能する前提条件を欠いています。




トマ・ピケティ『21世紀の資本』

第7章
1900~1910年のイギリスはものすごく不平等な時代
上位1%の階層が、富の60%を所持、40% の中間層は5%所持。

当時、中間層はいなかった。国民の大多数は、富を所持していなかった。



で、中間層がいない


P173
 資本主義が地球を覆い尽くす・・・もはや投資に対してリターンが見込めなくなることを意味し・・地球上が現在の日本の様に、ゼロ金利、ゼロ成長、ゼロインフレになるということです。

p178
 したがって資本主義の終焉とは、近代の終わり、西欧史の終わり、全世界の70億人が資本主義のプレーヤーとなった時点が死を意味するのです。

 P214
 近代経済学の住人からすれば、私は「変人」にしか見えないことでしょう。しかし「変人」には、資本主義終焉を告げる鐘の音がはっきりと聞こえています。



資本主義の終焉 ではなく、資本主義(キャピタリズム:資本=カネ)が本来どおりの動きをしているのです。




成長は、①労働力(ヒト)②資本力(カネ・モノ)③生産性から成り立ちます。

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AKモデル

 マルクス経済学に決定的に欠けているモノ、それが、③生産性です。そして、今日の成長を決定づけるものは、その③生産性なのです。

つまり、マルクス経済学は、

β=s/g

β=資本/所得率 
s=貯蓄率、g=成長率

において、gをゼロ、もしくはほぼゼロにするという、特殊な場合にしか、当てはまりません。


http://mainichi.jp/shimen/news/20141119dde012040003000c.html

特集ワイド:貧富の差拡大は資本主義の宿命 米でベストセラー「21世紀の資本」 日本でどう読む、ピケティ氏の主張
毎日新聞 2014年11月19日 東京夕刊

 ◇進む「少数による利益独占」/ブレーキなき経済への警鐘
 「21世紀の資本」は、フランスの経済学者でパリ経済学校教授のトマ・ピケティ氏(43)が昨年著した。今年4月に米国で英訳が出版されると、696ページ、厚さ約5センチの大著にもかかわらず50万部を超すベストセラーに。JR東京駅そばの丸善丸の内本店の洋書コーナーにもずらりと並んでいる。
 「経済の専門書だからゆっくり出せばいいと考えていましたが、米国で評判になったので前倒ししました」。うれしい「誤算」を語るのは、邦訳を売り出す「みすず書房」編集者、中林久志さんだ。

 間もなく「日本人のためのピケティ入門」を出版する経済評論家でアゴラ研究所所長の池田信夫さんに、解説をお願いした

 「ピケティ氏の主張を要約すれば、資本主義のもとで貧富の差が拡大するのは当然だ、その理由は『資本収益率』というものが『経済成長率』をずっと上回ってきたからだ……ということです」
 資本収益率とは、株や不動産投資の利回りを指す。一方、経済成長率は国民総所得(GNI)の伸びだが、ピケティ氏はこれを、労働者が得る賃金の伸び率とほぼ同じと捉える。そのうえで、18世紀以降の平均値を比較し、資本収益率の5%が経済成長率の1〜2%を上回っていると指摘。資産家が「高利回り」の投資で財産を増やす一方、労働者はわずかな賃金上昇に甘んじるしかなかったというのだ。

 欧米で戦争もなく消費文化が花開いた19世紀末から20世紀初頭は「ベルエポック(良き時代)」と呼ばれる。だが、工業化の恩恵は一部の資本家しか享受できず、ピケティ氏が言うように貧富の差が著しく拡大した。彼によると、1910年の米国では上位1割の富裕層が国全体の資産の8割を占めたそうだ。

 しかし、2度の世界大戦を経て格差は縮小する。この時期を分析した米国経済学会の重鎮、サイモン・クズネッツ氏(1901〜85年、71年にノーベル経済学賞)は「経済発展の初期段階を過ぎれば工業化が進み、所得が増え、格差は縮小する」と結論づけた。「クズネッツ氏の研究は『資本主義の素晴らしさを示すもの』と受け止められ、経済学も『経済発展とともに資本収益率と経済成長率は等しくなる』と教えてきました。これらの定説を、ピケティ氏は真っ向から否定した。そこに驚きがあったのです」(池田さん)

 ピケティ氏は、集めるのに15年かかったというフランス、英国、米国、日本など20カ国以上の過去300年にわたる税務統計を詳細に分析。第二次大戦後に格差が縮まったのは、戦争で資産が破壊され富裕層への課税も強化されたことによる「例外」に過ぎず、80年代以降は再び格差が拡大。今やベルエポックのそれに近づきつつある−−と警告する。
 事実、経済協力開発機構(OECD)によると、米国では上位1%の所得が81年には全体の8・2%だったが、2012年には倍以上の19・3%に達した。失業や貧富の差の拡大に「我々は(上位1%に入れない)99%だ」と不満を爆発させた米国の人々が11年に、ニューヨーク・ウォール街を占拠したのは記憶に新しい。

 「21世紀の資本」が訴える内容は、日本人にとっても人ごとではない。日本での貧困層の増加を指摘し続ける京都女子大学客員教授(労働経済学)の橘木俊詔さんは言う。「日銀が追加金融緩和を決めたが、こうした資産家優遇の政策を続けていくと、資産家がさらに資産を増やし、格差がこれまで以上に広がる可能性がある」。非正規社員は4割近くに達し、貯金のない世帯は3割に上る。
 
 東京大大学院教授(マクロ経済学と金融)の福田慎一さんは「先進国の成長率は低下し、社会保障などの所得再分配も財政事情から絞られる傾向が強まっています。日本はアベノミクスで金融市場だけが踊っていますが、実体経済の歯車を動かさないと所得の不平等が深刻化する」と心配する。

 「資本主義の終焉(しゅうえん)と歴史の危機」を今年著した日本大学教授(マクロ経済学)の水野和夫さんは「資本主義は誕生以来、少数の人間が利益を独占するシステム」と言い切る。1人当たり実質国内総生産(GDP)が世界平均の2倍以上を有する国の人口比率を調べたところ、工業化が進んだ1800年代半ばから01年にかけての平均は14・6%だった。水野さんは「近代の定員15%ルール」と呼ぶ。

 「15%の『中心』が残り85%の『周辺』から利益を吸い上げているのが資本主義です。19世紀、英国はインドを搾取し、20世紀の米国はカリブ海の国々を貧しくした」。途上国の犠牲のうえに先進国が豊かさを享受する、国の外に「周辺」をつくり出す帝国主義の側面である。中国が高成長を遂げて新興国となり、アフリカが資源開発され、外に「周辺」をつくりづらくなった。どうしたか。「国内に『周辺』をつくるようになったのが21世紀の特徴です。米国は貧しい人にサブプライムローン(信用力の低い人向け住宅ローン)を組ませ、日本は非正規社員を増やし、EU(欧州連合)ではギリシャやキプロスを貧しくしている」と水野さんは指摘する。

 資本主義が生きながらえてきたのは「暴走を食い止めた経済学者らがいたから」と水野さん。18世紀、アダム・スミスは「道徳感情論」で金持ちがより多くの富を求めるのは「徳の道」に反すると説き、19世紀にはカール・マルクスが資本家の搾取を見抜き、20世紀になると「失業には政府が責任を持つべきだ」とジョン・M・ケインズが主張した。

 だが、新自由主義が唱えられ始めた21世紀、ついに「ブレーキなき資本主義と化してしまった」(水野さん)。


 そこに警鐘を鳴らすのが「21世紀の資本」だ。マルクスの「資本論」をほうふつとさせる題名だが、ピケティ氏はテレビのインタビューで語っている。「私は資本主義を否定しているわけではなく、格差そのものが問題と言うつもりもありません。ただ、限度がある。格差が行き過ぎると共同体が維持できず、社会が成り立たなくなる恐れがあるのです」と。
 ネット炎上、ヘイトスピーチ、「誰でもよかった」殺人の多発−−日本で広がる不気味な動きに、その兆候はないか。資本主義を問い直す時に来ている。





図解 使えるマクロ経済学図解 使えるマクロ経済学
(2014/10/11)
菅原 晃

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図解 使えるマクロ経済学


すみません、初版 第1刷訂正部分です

1 P179
 ケインズの流動性選好の図 ×「強国」→ ○「強固」
2 P179

×「流動性選好が高まれば、市場全体では均衡しているが、必ずどこかの市場で、需要不足(売れ残り、失業、利子率低下せず)になる」

○「流動性選好が高まれば(不況でますます強固)、必ずどこかの市場で、需要不足(売れ残り、失業、利子率低下せず)になる」

3 P215
×翁百合「試合中にルールを変える行政がイノベーションを阻む」
○翁百合「試合中にルールを変える裁量行政がイノベーションを阻む」

4 P154
×「限りがある資源(有限な時間・土地・ヒト・モノ・カネ)をいかに有効活用するか、経済学(エコノミクス)の核になる理論
○「限りがある資源(有限な時間・土地・ヒト・モノ・カネ)をいかに有効活用するか、経済学(エコノミクス)の核になる理論

×「比較優位説」
○「比較優位説」

5 p14
×「一方、実質GDPは2013年に過去最高の水準を記録しました」
○「一方、実質GDPはこの間に過去最高の水準を記録しています

6 P203フリードマン吹き出し
×あなたたちのおかげでFRBは二度と同じ過ちを繰り返しません。
○あなたたちのおかげで二度と同じ過ちは繰り返さない(ようになります)

7 p60
×「また右記(4)のように、EX-IMが大幅増でも」
○「また右記(4)のように、EXIMが大幅増でも」

8 p200
×「ケインジアンが、政策手段を失う中、ケインジアンを否定する理論には、(1)マネタリズムと(2)新古典派マクロ経済学:合理的期待形成仮説(p204)がありますが」
○「ケインジアンが、政策手段を失う中、ケインジアンを否定する理論には、(1)マネタリズムと(2)新しい古典派マクロ経済学:合理的期待形成仮説(p204)がありますが」

9 p62
×「(1)相続税は、2013年1月に基礎控除額が改定され」
○「(1)相続税は、2015年1月に基礎控除額が改定され」

10 p248
×価値観には、「真善美」すなわち(1)何が正しいか(科学)、(2)何が善いか(道徳)、(3)何が美しいか(芸術)の3つがあります。(1)は存在(ドイツ語でザイン)、つまり「~である」といった事実論、(2)は当為(ドイツ語でゾレン)すなわち「~するべき論」といった意見を示します。
経済学は数学を駆使するところから、(1)科学的であろうと努力してきましたが、どうしても、(2)の「べき論」の世界から逃れられません。

○価値観には、「真善美」すなわち(1)何が正しいか(①科学②哲学)、(2)何が善いか(道徳)、(3)何が美しいか(芸術)の3つがあります。は存在(ドイツ語でザイン)、つまり「~である」といった事実論、は当為(ドイツ語でゾレン)すなわち「~するべき論」といった意見を示します。
経済学は数学を駆使するところから、科学的であろうと努力してきましたが、どうしても、の「べき論」の世界から逃れられません。


大変申し訳ありません。




http://d.hatena.ne.jp/t_wakita/20140908/p1

高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学

 ちゃんとした経済知識が得られて面白いです。例えば、貿易「赤字」は印象が悪いですが、家計と一国経済は別概念であって、貿易赤字つまり輸入超過が常に悪というわけではありません。例えばカナダは建国以来ずっと貿易赤字ですが、繁栄しています。

 対外直接投資が増えると国内投資が減る(産業空洞化)と心配されますが、実証的には対外直接投資が増えると国内投資も増えています。海外雇用を増やした企業(中小企業含む)が国内雇用を減らすというデータはなく、むしろ海外雇用と国内雇用は同時に増えています。

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水野和夫 『資本主義の終焉と歴史の危機』  その5

<水野和夫 『資本主義の終焉と歴史の危機』  その5>

水野

P16
 なぜ 利子率の低下がそれほどまでに重大事件なのかと言えば、金利はすなわち資本利潤率とほぼ同じだと言えるからです。利潤率が極端に低いということは、資本主義が資本主義として機能していないという兆候。利子率=利潤率が2%を下回れば、資本側が得るのはほぼゼロです。革命と言えるほどに、利子率が低下したのです。「利子率革命」です。

p4つまり、地理的・物的空間(実物投資空間)からも、「電子・金融空間」からも、利潤を上げることができなくなってきているのです。




水野3

 で、「利子率=利潤率低下」で、稼げなくなった??先進国は、次にどうしたか。

p46
オバマの輸出倍増計画は挫折する。オバマ自身は、「地理的・物的空間」を立て直そうとしているのでしょうが、貿易構造を見ても、貿易赤字は増えていて、製造業復活の兆しは見られません。輸出倍増計画も、旧システムの強化策に過ぎません。

P43
賞味期限切れになった量的緩和政策
リーマン・ショック以降のバーナンキFRBの量的緩和策、有効性は1995年で切れています。実際、実物経済の需要が縮小しているアメリカでは、株価の上昇があっただけで、ガソリン代、円基台、食糧費を除く物価水準に目立った変化はありません。



 で、周辺国に売りつける、旧来の資本主義はとん挫するのだそうです。


gdp アメリカ その後
gdp アメリカ 伸び 

 JETROデータで、簡単にわかります。

で、次に、

p212

p92
 近代社会は、途上国から資源を安く購入することによって成り立っていたが、途上国の近代化によってその条件がもはや消滅。

P97
 利子率の歴史は、そのまま各時代の覇権国を示している。イタリアの都市国家、資本主義の勃興とともに、オランダ、イギリス、20世紀前半にはイギリスからアメリカへと覇権が移って・・。ある国が覇権を確立する段階では、それ以前の覇権国の金利を下回り、世界で最も低い金利になる・・。

p38
資本主義は「周辺」の存在が不可欠…しかし21世紀にはいると、北の先進国の「地理的・物的空間」では満足できる利潤が獲得できなくなって・・・途上国が成長し、新興国に転じれば、新たな周辺(フロンティア)を作る必要(筆者注:それが、今度は、外ではなく、国内に向かい)アメリカで言えば、サブプライム層であり、日本で言えば非正規社員であり、EUで言えば、ギリシャやキプロスなのです。

p41
 グローバリゼーションの帰結とは、中間層を没落させる成長にほかなりません。

p42
 多くの人の所得が減少する中間層の没落・・。

p82
 資本主義は、中産階級を没落させ、粗暴な『資本のための資本主義』に変質していった。

p89
 グローバリゼーションで何が起きるかと言うと、豊かな国と貧しい国という二極化が貧しい国という二極化が、国境を越えて国家の中に表れる
 2割の先進国が8割の発展途上国を貧しくさせたままで発展してきたために、先進国では国民全員が一定の豊かさを享受することができた。
 しかし、グローバリゼーションの進んだ現在、資本は国境を越え、ゆえに、貧富の二極化が一国内で現れるのです。

 近代、南=貧困、北=富裕と、先進国は格差を国内に侵入させないようにしておいたのですが、グローバリゼーションの時代、北にも格差が入り込むようになりました。

 グローバリゼーションとは、南北で仕切られていた格差を北側と南側各々に再配置するプロセスと言えます。

 先進国では1970年代半ばを境として、中間層の没落が始まっています。

P131
先進国のみならず新興国においても、一部の特権階級だけが富を独占することになるはず。非正規雇用者が全体の3割を超え、年収200万円未満が23.9%・・日本の二極化も、今後グローバルな規模で進行していくのです。

p166
 結論を言うならば、グローバル資本主義とは、国家の内側にある社会の均質性を消滅させ、国家の内側に「中心/周辺」を産み出していくシステムだと言えます。資本主義自体、誕生以来、少数の人間が利益を独占するシステムでした。世界人口のうち豊かになれる上限定員は15%前後である・・。15%が残りの85%から資源を安く輸入して、その利益を享受してきたわけです。

P168
 資本主義は利潤を求めて「周辺」を産み出そうとし、もう海外に「周辺」はありません・・そこで国内に無理やり「周辺」をつくり出し利潤を確保しようとしているのです。アメリカや日本に限らず、世界のあらゆる国で格差が拡大しているのは、グローバル資本主義が必然的にもたらす状況。



 周辺 フロンティアがなくなった先進国は、こんどは、自国内で、中間層を壊すことによって、周辺 フロンティアを作ったのだそうです。

水野 4

では、資本主義が進むと、中間層の没落が必然なのか???です。

日経26.8.17
日経26.8.17

このように、「格差が拡大することもあれば、格差が縮小することもある」が正解です。

 前回の記事にあるように、ピケティ『21世紀の資本』では、「資本収益率>労働収益率」で、資本を持つ人は金持ちなので、金持ちはより金持ちに・・・と、格差拡大になると論じました。

つまり、格差拡大は、「資本」を持つ持たないの話で、「労働分配GDP」の話ではないのです。
「資本持つ>持たない」格差は、「労働上位所得層>底辺層」格差どころではない、格差を作るのです。
それは、「グローバル化」とか、「輸出入」とか、「搾取」とか、まったく関係ありません。

そのうえで、「労働分配GDP」格差について、述べると、

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なぜ、金融業か?

しかし、バリー・アイケングリーン(バークレー校)は「格差拡大は政策による」と分析します。税制が格差を生んでいるということです。

http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/4660.html
ジニ係数

http://www.jil.go.jp/institute/rodo/documents/report3.pdf
ジニ係数 2

格差が拡大していない、拡大しても、依然として低率、格差縮小の先進国もあります。

 ピケティの本は、アメリカでは話題になっていますが、本家本元のフランスは、資本主義国の中でも、もっとも「社会主義」国なので、今は、北欧以上に世界一(OECDレベルで)の格差是正国になっています。

 別に、資本主義→経済成長→格差拡大 という、因果関係があるわけではないのです。

 資本主義そのものに、格差拡大のメカニズムが内包されているのです。「成長するには」とか、「グローバル」とか、全く関係ありません。

 だから、ピケティは、米富裕層への最高税率70%の累進課税・資産累進課税導入を提唱しているのです。

スティグリッツ(コロンビア大)も、累進税率引き上げ・相続税復活・所得再配分の実現を提言しています。

予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」
(2008/11/21)
ダン アリエリー、Dan Ariely 他

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「わが社に来て、何年?」
「3年です」
「入社した時、3年後の年俸はどのくらいだと考えていた?」
「10万ドルです」
「今の君は30万ドル近い。何が不満なのか」
「デスクが近い同僚が、僕と働きは変わらないのに、31万ドルもらっているんです」

このことを踏まえて、会社の幹部に聞いてみた。 

「社員の給与データが、会社中に知れ渡ったら、どうなる?」
「もし、全員が全員の給与を知ってしまったら、それこそ大参事でしょうね」

 1992年に、アメリカの証券規制当局が、各企業に経営幹部の報酬と役得を事細かに開示するよう義務付けました。

 1976年、平均的な最高経営責任者の給与は、平均的な従業員の36倍でした。1993年には、131倍にもなりました。
 
 公になったことで、アメリカの最高経営責任者は、自分たちの収入をよその最高経営責任者と比べるようになり、うなぎ上りになりました。いまや、平均的な従業員の369倍、報酬を開示する以前の3倍になりました。



年金生活者は、所得が増えることは基本的にありません。日本が成長しても、年金生活者の所得はゼロ成長です。一方、豊かになる人は確実に増えます。

だから、高齢者が多くなると、必然的に格差は拡大するのです。ジニ係数拡大の最大要因は、「高齢化」なのです(労働者内の格差、資本主義の持つ本質的なメカニズムは、別な問題です)。

P131
先進国のみならず新興国においても、一部の特権階級だけが富を独占することになるはず。非正規雇用者が全体の3割を超え、年収200万円未満が23.9%・・日本の二極化も、今後グローバルな規模で進行していくのです。

p166
 結論を言うならば、グローバル資本主義とは、国家の内側にある社会の均質性を消滅させ、国家の内側に「中心/周辺」を産み出していくシステムだと言えます。資本主義自体、誕生以来、少数の人間が利益を独占するシステムでした。世界人口のうち豊かになれる上限定員は15%前後である・・。15%が残りの85%から資源を安く輸入して、その利益を享受してきたわけです。

P168
 資本主義は利潤を求めて「周辺」を産み出そうとし、もう海外に「周辺」はありません・・そこで国内に無理やり「周辺」をつくり出し利潤を確保しようとしているのです。アメリカや日本に限らず、世界のあらゆる国で格差が拡大しているのは、グローバル資本主義が必然的にもたらす状況。



因果関係?

<トマ・ピケティ>

 さて、今までの連載は、単なる、露払い、前頭レベルの話です。次回は、横綱が登場します。トマ・ピケティ“21世紀の資本”です。

 トマ・ピケティは、200年以上にわたるデータを基に、資本主義を分析します。伝統的農耕社会から、資本主義社会、20世紀の大戦争の時代、戦後の人口回復期・破壊された国土の回復期・1980年代以後です。そして、21世紀、このままだとどうなるかを示します。

 データは圧倒的な説得力(単なる事実なので、誰も否定できない)を持ちます。



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(2014/10/11)
菅原 晃

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すみません、初版 第1刷訂正部分です

1 P179
 ケインズの流動性選好の図 ×「強国」→ ○「強固」
2 P179

×「流動性選好が高まれば、市場全体では均衡しているが、必ずどこかの市場で、需要不足(売れ残り、失業、利子率低下せず)になる」

○「流動性選好が高まれば(不況でますます強固)、必ずどこかの市場で、需要不足(売れ残り、失業、利子率低下せず)になる」

3 P215
×翁百合「試合中にルールを変える行政がイノベーションを阻む」
○翁百合「試合中にルールを変える裁量行政がイノベーションを阻む」

4 P154
×「限りがある資源(有限な時間・土地・ヒト・モノ・カネ)をいかに有効活用するか、経済学(エコノミクス)の核になる理論
○「限りがある資源(有限な時間・土地・ヒト・モノ・カネ)をいかに有効活用するか、経済学(エコノミクス)の核になる理論

×「比較優位説」
○「比較優位説」

5 p14
×「一方、実質GDPは2013年に過去最高の水準を記録しました」
○「一方、実質GDPはこの間に過去最高の水準を記録しています

6 P204フリードマン吹き出し
×あなたたちのおかげでFRBは二度と同じ過ちを繰り返しません。
○あなたたちのおかげで二度と同じ過ちは繰り返さない(ようになります)

7 p60
×「また右記(4)のように、EX-IMが大幅増でも」
○「また右記(4)のように、EXIMが大幅増でも」

8 p200
×「ケインジアンが、政策手段を失う中、ケインジアンを否定する理論には、(1)マネタリズムと(2)新古典派マクロ経済学:合理的期待形成仮説(p204)がありますが」
○「ケインジアンが、政策手段を失う中、ケインジアンを否定する理論には、(1)マネタリズムと(2)新しい古典派マクロ経済学:合理的期待形成仮説(p204)がありますが」

9 p62
×「(1)相続税は、2013年1月に基礎控除額が改定され」
○「(1)相続税は、2015年1月に基礎控除額が改定され」

10 p249
×価値観には、「真善美」すなわち(1)何が正しいか(科学)、(2)何が善いか(道徳)、(3)何が美しいか(芸術)の3つがあります。(1)は存在(ドイツ語でザイン)、つまり「~である」といった事実論、(2)は当為(ドイツ語でゾレン)すなわち「~するべき論」といった意見を示します。
経済学は数学を駆使するところから、(1)科学的であろうと努力してきましたが、どうしても、(2)の「べき論」の世界から逃れられません。

○価値観には、「真善美」すなわち(1)何が正しいか(①科学②哲学)、(2)何が善いか(道徳)、(3)何が美しいか(芸術)の3つがあります。は存在(ドイツ語でザイン)、つまり「~である」といった事実論、は当為(ドイツ語でゾレン)すなわち「~するべき論」といった意見を示します。
経済学は数学を駆使するところから、科学的であろうと努力してきましたが、どうしても、の「べき論」の世界から逃れられません。


大変申し訳ありません。




菅原晃「高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学」(河出書房新社)、経済学の基礎を学ぶ上での最良の本と思う。 熟読しよう。

From: 1980bittersweet

水野和夫 『資本主義の終焉と歴史の危機』  2

<水野和夫 『資本主義の終焉と歴史の危機』 トンでも論 その2>

水野

P3資本主義は、「中心」と「周辺」から構成され、「周辺」つまり、いわゆるフロンティアを広げることによって「中心」が利潤率を高め、資本の自己増殖を推進していくシステムです。・・・もう地理的なフロンティアは残っていません。

P56 1974年以降、実物経済において、先進国が高い利潤を得ることができるフロンティアは、ほとんど消滅してしまいました。

P32
 先進国は、安く買いたたける地域、高く売れる地域を求めて、常に外側外側へと拡大する・・・オイル・ショック前後までは、市場規模と、交易条件を改善ないし、拡大していけば、名目GDPが増加していくことが保障されていました。

 ・・・海外市場もアメリカのベトナム戦争終結で、拡張が止まりました。・・・このように1974年以降、市場規模と交易条件の掛け算で表される「地理的・物的空間」が、広がらなくなり、モノづくりや、サービスの実物経済で、利潤を高めることができないことが明らかになってきました。そこで・・二次元の平面的空間ではなく三次元に「電子・金融空間」を作り、レバレッジを高めることで、金融による利潤の極大化を目指していくことが起きたのです。

P34 1995年・・・国際資本が国境を自由に超えることが統計的に明らかになった最初の年です。・・・その結果、1995年から・・・2008年の13年間で・・・100兆ドルものマネーが創出されました。

P38 アメリカは、「地理的・物理的空間」での利潤率低下に直面した1970年半ば以降、「電子・金融空間」という新たな空間を作り、利潤を再び極大化させようとしました。

…資本主義は「周辺」の存在が不可欠…しかし21世紀にはいると、北の先進国の「地理的・物的空間」では満足できる利潤が獲得できなくなって・・・途上国が成長し、新興国に転じれば、新たな周辺を作る必要(筆者注:それが、今度は、外ではなく、国内に向かい)アメリカで言えば、サブプライム層であり、日本で言えば非正規社員であり、EUで言えば、ギリシャやキプロスなのです。

P60
 そもそも、グローバリゼーションは、「中心」と「周辺」の組み換え作業なのであって・・・20世紀までの中心は「北」先進国であり、「周辺」は南(途上国)でしたが、21世紀になって中心はウォール街、周辺は自国民、具体的にはサブ・プライム層…中間層が没落した先進国で、消費ブームが戻ってくるはずがありません。



 まず1点目。そもそも、18世紀ヨーロッパも、現在も、「外需・フロンティア」で、経済成長した・・のではないのです。

 日本に絞ってみましょうか?日本の高度経済成長は、「資本主義」を体現していますから、外需寄与度、凄まじく大きいはずですよね。

クリック

財務省資料 11ぺージ


 日本の高度経済成長期、1956→72年平均成長率は「9.3%」です。このうち、外需(輸出-輸入)の貢献度:寄与度は、何と、マイナス0.2%です。

 つまり、9.3%も成長したのに、外需は、マイナス0.2%も足を引っ張ったのです!!!

日本 GNP 貿易収支 高度成長

 日本が成長したのは、圧倒的に国内投資・内需!

 「外需」のおかげだとしましょう。そうすると、日本は先進国の末席(1967年、資本主義世界でGNP第2位)だったから、当然、日本より経済規模の小さな国(途上国)との「支配=従属関係」ですよね。

 で、日本の高度経済成長期の、輸出相手は?

 先進国のアメリカと、ヨーロッパです。財務省 外国貿易概況

日本 輸出 シェア

 途上国のアジアが、先進国の西欧を上回ったのは、2010年


「資本主義は、発展途上国から資源を搾取している」?

P56 1974年以降、実物経済において、先進国が高い利潤を得ることができるフロンティアは、ほとんど消滅してしまいました。

P32
 先進国は、安く買いたたける地域、高く売れる地域を求めて、常に外側外側へと拡大する・・・オイル・ショック前後までは、市場規模と、交易条件を改善ないし、拡大していけば、名目GDPが増加していくことが保障されていました。

 ・・・海外市場もアメリカのベトナム戦争終結で、拡張が止まりました。・・・このように1974年以降、市場規模と交易条件の掛け算で表される「地理的・物的空間」が、広がらなくなり、モノづくりや、サービスの実物経済で、利潤を高めることができないことが明らかになってきました。



 アメリカですね。アメリカも、「地理的・物理的」空間拡大で、1974年まで、成長?

アメリカ 成長 1974年まで

 ?

 「地理的・物理的」空間拡大がなくなって、1974年以降、資本自由化が本格的になる1995年までは、アメリカは

アメリカ 成長 1995年まで

 ?

P47
新興国が台頭してきている以上、新興国で消費されるものは新興国で生産せざるを得ない。・・・したがって先進国が輸出主導で成長するという状況は現代では考えられません。自国通貨安政策によって、輸出を増加できるのは・・・資源を安く買いたたくことができる交易条件があった、1970年代までの話です。




「自国通貨安政策?1945年~1973年まで、『固定為替相場制』だったのに、通貨安で、輸出を増加させる?」

P3「アフリカのグローバリゼーション」が叫ばれている現在、地理的な市場拡大は最終局面に入っていると言っていいでしょう。もう地理的なフロンティアは残っていません。



「アフリカが、最後のフロンティア?」

欧米日は、今まで、アジアや、南米をフロンティアにして発展?

http://twitpic.com/1pz588『世界地図をGDP比率で書き直したもの』2008年現在
GDP 地図.jpg

gdp アメリカ 1970~





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すみません、初版 第1刷訂正部分です

1 P179
 ケインズの流動性選好の図 ×「強国」→ ○「強固」
2 P179

×「流動性選好が高まれば、市場全体では均衡しているが、必ずどこかの市場で、需要不足(売れ残り、失業、利子率低下せず)になる」

○「流動性選好が高まれば(不況でますます強固)、必ずどこかの市場で、需要不足(売れ残り、失業、利子率低下せず)になる」

3 P215
×翁百合「試合中にルールを変える行政がイノベーションを阻む」
○翁百合「試合中にルールを変える裁量行政がイノベーションを阻む」

4 P154
×「限りがある資源(有限な時間・土地・ヒト・モノ・カネ)をいかに有効活用するか、経済学(エコノミクス)の核になる理論
○「限りがある資源(有限な時間・土地・ヒト・モノ・カネ)をいかに有効活用するか、経済学(エコノミクス)の核になる理論

×「比較優位説」
○「比較優位説」

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○「一方、実質GDPはこの間に過去最高の水準を記録しています

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×「ケインジアンが、政策手段を失う中、ケインジアンを否定する理論には、(1)マネタリズムと(2)新古典派マクロ経済学:合理的期待形成仮説(p204)がありますが」
○「ケインジアンが、政策手段を失う中、ケインジアンを否定する理論には、(1)マネタリズムと(2)新しい古典派マクロ経済学:合理的期待形成仮説(p204)がありますが」

9 p62
×「(1)相続税は、2013年1月に基礎控除額が改定され」
○「(1)相続税は、2015年1月に基礎控除額が改定され」

10 p249
×価値観には、「真善美」すなわち(1)何が正しいか(科学)、(2)何が善いか(道徳)、(3)何が美しいか(芸術)の3つがあります。(1)は存在(ドイツ語でザイン)、つまり「~である」といった事実論、(2)は当為(ドイツ語でゾレン)すなわち「~するべき論」といった意見を示します。
経済学は数学を駆使するところから、(1)科学的であろうと努力してきましたが、どうしても、(2)の「べき論」の世界から逃れられません。

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かなり勉強になる!◇菅原 晃『高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学』

水野和夫 『資本主義の終焉と歴史の危機』その1

<水野和夫 『資本主義の終焉と歴史の危機』 1>

資本主義の終焉と歴史の危機 (集英社新書)資本主義の終焉と歴史の危機 (集英社新書)
(2014/03/14)
水野 和夫

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P3
資本主義は、「中心」と「周辺」から構成され、「周辺」つまり、いわゆるフロンティアを広げることによって「中心」が利潤率を高め、資本の自己増殖を推進していくシステムです。・・・もう地理的なフロンティアは残っていません。

P56 
1974年以降、実物経済において、先進国が高い利潤を得ることができるフロンティアは、ほとんど消滅してしまいました。

P32
 先進国は、安く買いたたける地域、高く売れる地域を求めて、常に外側外側へと拡大する・・・オイル・ショック前後までは、市場規模と、交易条件を改善ないし、拡大していけば、名目GDPが増加していくことが保障されていました。

 ・・・海外市場もアメリカのベトナム戦争終結で、拡張が止まりました。・・・このように1974年以降、市場規模と交易条件の掛け算で表される「地理的・物的空間」が、広がらなくなり、モノづくりや、サービスの実物経済で、利潤を高めることができないことが明らかになってきました。

P38 
アメリカは、「地理的・物理的空間」での利潤率低下に直面した1970年半ば以降、「電子・金融空間」という新たな空間を作り、利潤を再び極大化させようとしました。

…資本主義は「周辺」の存在が不可欠…しかし21世紀にはいると、北の先進国の「地理的・物的空間」では満足できる利潤が獲得できなくなって・・・途上国が成長し、新興国に転じれば、新たな周辺を作る必要(筆者注:それが、今度は、外ではなく、国内に向かい)アメリカで言えば、サブプライム層であり、日本で言えば非正規社員であり、EUで言えば、ギリシャやキプロスなのです。

P60
 そもそも、グローバリゼーションは、「中心」と「周辺」の組み換え作業なのであって・・・20世紀までの中心は「北」先進国であり、「周辺」は南(途上国)でしたが、21世紀になって中心はウォール街、周辺は自国民、具体的にはサブ・プライム層

…中間層が没落した先進国で、消費ブームが戻ってくるはずがありません。

p92
 近代社会は、途上国から資源を安く購入することによって成り立っていたが、途上国の近代化によってその条件がもはや消滅。

p89
 グローバリゼーションで何が起きるかと言うと、豊かな国と貧しい国という二極化が、国境を越えて国家の中に表れる。
 2割の先進国が8割の発展途上国を貧しくさせたままで発展してきたために、先進国では国民全員が一定の豊かさを享受することができた。
 しかし、グローバリゼーションの進んだ現在、資本は国境を越え、ゆえに、貧富の二極化が一国内で現れるのです。

 近代、南=貧困、北=富裕と、先進国は格差を国内に侵入させないようにしておいたのですが、グローバリゼーションの時代、北にも格差が入り込むようになりました。

 グローバリゼーションとは、南北で仕切られていた格差を北側と南側各々に再配置するプロセスと言えます。

 先進国では1970年代半ばを境として、中間層の没落が始まっています。

p166
 結論を言うならば、グローバル資本主義とは、国家の内側にある社会の均質性を消滅させ、国家の内側に「中心/周辺」を産み出していくシステムだと言えます。資本主義自体、誕生以来、少数の人間が利益を独占するシステムでした。世界人口のうち豊かになれる上限定員は15%前後である・・。15%が残りの85%から資源を安く輸入して、その利器を享受してきたわけです。



P3資本主義は、「中心」と「周辺」から構成され、「周辺」つまり、いわゆるフロンティアを広げることによって「中心」が利潤率を高め、資本の自己増殖を推進していくシステムです。・・・もう地理的なフロンティアは残っていません。



これ、ウォーラーステインの、1974年に発表された、近代世界システム論の完全フルコピーです。ちなみに、P70で、著者も引用しています。

クリック

世界システム論(せかいシステムろん、英語: World-Systems Theory)は、アメリカの社会学者・歴史学者、イマニュエル・ウォーラステインが提唱した「巨視的歴史理論」である。

 資本主義が、周辺諸国を利用して・・発展(支配=従属関係)するシステムと言う認識は、完全に終わっています。

 ウォーラーステイン・・・と言っても、著作が日本で紹介されたのが、1970年代後半~80年・・

 このウォーラーステイン、アフリカの専門研究者で、本を書いたのが1974年です(しかも分析対象は、1840年代までの世界)。確かにそれまでの認識では、「先進国⇔緩衝国⇔周辺国の従属関係」ってあったのかもしれませんが(そんなもの、本当はないですけど)・・・

 冷戦構造で、世界を資本主義色に塗るか、共産主義色にぬるか、競っていた時代ですからねえ。

 アジアの新興国の説明や、1980年代、1990年代、2000年代の、世界経済の発展は、この論では、全く解説できないのです。

 つまり、1980年代の4匹の昇龍をはじめとして、先進国と、新興国の従属関係(モノカルチャー)?どこに?シンガポール、資源も何もないです。でも、日本の1人当たりGDPは、とっくに抜き去っています。アジア一豊かなのは、シンガポールです。

 つまり、ウォーラーステインの、

「先進国⇔緩衝国⇔周辺国の従属関係」
「後進国が工業国に第一次産品を輸出し、モノカルチャー経済になって・・・従属化」
「工業部門の関係から分析」

っていうのは、今は、全く相手にされていない話なのです(悪影響は投じました、昔に↓)。

 
 でも、今は、「南北問題」という枠組みで、世界経済を説明するのは、どうやっても無理です。北の先進国と南の発展途上国、発展途上国はモノカルチャー経済(資源供出国)、南米の債務問題・・・これで、今の世界を説明する・・・

 
 リカード比較優位の説明で、未だに「これは、工業国は工業国、農業国は農業国と、固定化してしまう」と書いている、教科書あるんですよ。

実教出版『高校政治・経済 新訂版』H22年度用見本 p160-161

…19世紀のイギリスでは,貿易に対する国家の介入をやめ,自由貿易をおこなうことこそが利益になる,と主張された。この考え方に理論的根拠を与えたのが,イギリスのリカードの比較生産費説である。
実教出版 リカード比較生産費

 実教出版『2008新政治・経済資料』2008 p260
…こうして比較生産費説は,単に自由貿易の効用を証明するだけでなく,おのずと工業国は工業国であり続け,農業国は農業国であり続けるべきだという国際分業論を導き出すことに
なる。

第一学習社 『最新 政治経済資料集 2014』
国際分業 第一学習社 2014 最新・政治経済資料集

1、比較劣位産業は、職を奪われる。

 比較優位は、「生産性の高い職・産業」のことです。生産性が高い(1人当たりGDPが高いと同義)=給与水準が高いことです。給与の高い職業に、人はひきつけられます。生産性の低い職業を奪うのではなく、生産性の高い職業に、ヒトは黙っていても吸い寄せられるのです。

2、農業国は農業国のまま、工業国は工業国のまま

 リカード比較生産費説は、「生産性の高い職業・産業に移る」ことです。固定化など、絶対にありません。農業国は貧乏国でもありません。オーストラリアや、ニュージーランドの1人当たりGDPは、日本より上です。オーストラリアに、自動車工業はありません。

3、輸入は損、輸出がトク

総供給 IM+Y=C+I+G+EX 総消費

IMが伸びる=右辺も伸びる、ドイツの輸入品が多かったということは、ドイツは豊かになっていたということです。

4、比較優位は国際分業論を招く

国際分業と、比較優位は、関係ありません。国際分業は、アダムスミスの「絶対優位」論で、比較優位論は、「絶対劣位も絶対優位も関係ない、交換はすべての人を利する」という理論です。


 南アメリカの債務問題って、全部合わせても、日本の国債残高の20分の1にもなりません。しかも、今は、金融資本主義でしょう?

ニッポン放送 『ザ・ボイス』 H26年7月8日 『ザ・フォーカス』

飯田泰之
・・・人間の記憶とか、姿勢って、若いころに決まってくる。で、いま、大分年寄りですけども、60代70代の人は、勉強したころは、貿易収支に意味があった、経常収支にも意味があった時代なんですけども、その中で、何で意味があったのか、何で黒字が良かったのかスポーンと忘れて、変動相場制なのに、赤字だって言われるし、悪い悪いって言われているところにロックインして、思い込んでしまっているっていうところがあると思うんですよね。



 

岩田規久男(学習院大学教授)『日本銀行は信用できるか』講談社現代新書2009 p34,36
「戦前や戦後しばらくの間,日本の大学の経済学部で教えられていた経済学は,現代の金融政策を決定する上で全く役に立たない」




P3
資本主義は、「中心」と「周辺」から構成され、「周辺」つまり、いわゆるフロンティアを広げることによって「中心」が利潤率を高め、資本の自己増殖を推進していくシステムです。・・・もう地理的なフロンティアは残っていません。

第一学習社 2014 最新・政治経済資料集 p309世界 GDP 地図 2012 第一学習社 2014 最新・政治経済資料集

P38 
…資本主義は「周辺」の存在が不可欠…しかし21世紀にはいると、北の先進国の「地理的・物的空間」では満足できる利潤が獲得できなくなって・・・途上国が成長し、新興国に転じれば、新たな周辺を作る必要(筆者注:それが、今度は、外ではなく、国内に向かい)アメリカで言えば、サブプライム層であり、日本で言えば非正規社員であり、EUで言えば、ギリシャやキプロスなのです。



 ウオーラーステイン、この世代

http://blogos.com/article/68880/?axis=g:0

資本主義の行き詰まりと格差の拡大 - 辻元

資本が利潤や余剰価値を生むためには、基本的には生産の拡大が必要である。しかし、生産の拡大を支えるには、新たな市場、安くて豊富な労働力、安くて豊富な資源といったフロンティアが必要である。

しかし、そういったフロンティアは急速に失われつつある。たとえば、グローバル化により先進国は、東南アジア諸国・ブラジル、東欧への生産拠点移動による生産性向上の恩恵を得てきた。 しかし新興国の賃金が上昇してくると、その旨みは減ってくる。競争に打ち勝つために、より安い人件費を求めようにも、東南アジアから先の新興国は今のところ見つからない。最早、ミャンマーといったところにしかフロンティアはなくなってきた。

このように、拡大生産が行き詰まってくると、競争に打ち勝ち、資本が利潤を生むためには、他の企業のシェアを奪うか、コスト、特に人件費をカットするしかなくなってくる。

そのため、先進国においても、大量の低賃金労働者が生み出されることになる。アウトソーシングが容易な現在の世界では、労働者は無力であり、経済成長をしても、大部分の低賃金労働者には、経済成長の果実は殆ど配分されない。 実際、次のビデオを見れば、アメリカの経済成長は、トップ1%のためのものでしかないことは明らかだ。 

アメリカの事例が示すように、経済成長が国民を豊かにするというのは、既に成り立たなくなっている。これは何故だろうか?

これは、資本が利潤や余剰価値を生むためには、自然を含め、どこからか搾取をする必要があるが、こういったフロンティアは、既に見出すことが難しくなっており、搾取の対象が自国の労働者に及んだ、と考えるべきだろう。



ここまで、同じなのは。

続く



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すみません、初版 第1刷訂正部分です

1 P179
 ケインズの流動性選好の図 ×「強国」→ ○「強固」
2 P179

×「流動性選好が高まれば、市場全体では均衡しているが、必ずどこかの市場で、需要不足(売れ残り、失業、利子率低下せず)になる」

○「流動性選好が高まれば(不況でますます強固)、必ずどこかの市場で、需要不足(売れ残り、失業、利子率低下せず)になる」

3 P215
×翁百合「試合中にルールを変える行政がイノベーションを阻む」
○翁百合「試合中にルールを変える裁量行政がイノベーションを阻む」

4 P154
×「限りがある資源(有限な時間・土地・ヒト・モノ・カネ)をいかに有効活用するか、経済学(エコノミクス)の核になる理論
○「限りがある資源(有限な時間・土地・ヒト・モノ・カネ)をいかに有効活用するか、経済学(エコノミクス)の核になる理論

×「比較優位説」
○「比較優位説」

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×「一方、実質GDPは2013年に過去最高の水準を記録しました」
○「一方、実質GDPはこの間に過去最高の水準を記録しています

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×あなたたちのおかげでFRBは二度と同じ過ちを繰り返しません。
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×「また右記(4)のように、EX-IMが大幅増でも」
○「また右記(4)のように、EXIMが大幅増でも」

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×「ケインジアンが、政策手段を失う中、ケインジアンを否定する理論には、(1)マネタリズムと(2)新古典派マクロ経済学:合理的期待形成仮説(p204)がありますが」
○「ケインジアンが、政策手段を失う中、ケインジアンを否定する理論には、(1)マネタリズムと(2)新しい古典派マクロ経済学:合理的期待形成仮説(p204)がありますが」

9 p62
×「(1)相続税は、2013年1月に基礎控除額が改定され」
○「(1)相続税は、2015年1月に基礎控除額が改定され」

10 p249
×価値観には、「真善美」すなわち(1)何が正しいか(科学)、(2)何が善いか(道徳)、(3)何が美しいか(芸術)の3つがあります。(1)は存在(ドイツ語でザイン)、つまり「~である」といった事実論、(2)は当為(ドイツ語でゾレン)すなわち「~するべき論」といった意見を示します。
経済学は数学を駆使するところから、(1)科学的であろうと努力してきましたが、どうしても、(2)の「べき論」の世界から逃れられません。

○価値観には、「真善美」すなわち(1)何が正しいか(①科学②哲学)、(2)何が善いか(道徳)、(3)何が美しいか(芸術)の3つがあります。は存在(ドイツ語でザイン)、つまり「~である」といった事実論、は当為(ドイツ語でゾレン)すなわち「~するべき論」といった意見を示します。
経済学は数学を駆使するところから、科学的であろうと努力してきましたが、どうしても、の「べき論」の世界から逃れられません。


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高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学

ひひょにん

まず、高校生ではわからない。専門用語が注釈なしに登場したり、高校生には見慣れない図表も説明なしに書かれていたり。それから、文章もいまいち説明としては不親切。確かにこの手の本の中では、身近な例を適当に並べたまやかし本とは違って、マクロ経済の考え方を実例に即して解説しようという心意気が感じられる比較的良い本だとは思うが、少なくともすんなりと読める本ではない。何度もページを往復しながらでないと読めないし、いちいちネットで補足的に検索しないと読み進められない部分が多すぎる。
これは、筆者の力量の問題もあるが、編集の問題でもある。もうちょっとなんとかならんかったのか。内容自体が面白いだけに残念。



もともと、高校生を教える教員側の、トンでも知識を見直すために、書いたのが、出発点でしたので、いわゆる、「教材研究」本です。「高校生」と振ったのは、「高校生」と書くと、「高校教諭」が目を留めるからでした。

 いつのまにか、「高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学」と進化していましたが、もともとは、「高校生からのマクロ・ミクロ経済学入門」でした。

小塩先生の「高校生のための経済学」とか、池上彰の「高校生からわかる資本論」は、高校生は分かるのでしょうか?

専門用語とありますが、すべて、高校の政治教材教科書・資料集に登場している言葉です。今の資料集は、かなり高度ですよ。

ただ、知識解説については、高度ですが、そのつながるメカニズムが皆無なのが、資料集なのです。だから、IS-LMで、
財政政策と、金融政策がつながっていること、貿易黒字と財政赤字はつながっていることを、拙著で取り上げたのです。

プロの編集者に、文章を添削してもらったのですが。その方も優秀なだけに、専門用語はすんなり通ってしまったんでしょうか。専門用語・・・どこからどこまでを線引きしたらいいのか、難しいですね。
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