<なぜ、金融業か?>
日経H25.12.8


もうけるには、モノやサービスを生産し、それを買ってもらう必要があります。
モノやサービスを産み出すには、労働力(人件費)が必要です。店舗や工場、農場も必要です。全部、カネがかかります。
しかも、作ったモノを売って、現金化するには、さらに「時間」もかかります。これもカネがかかります。在庫を持つ倉庫のレンタル・・・空間にもカネがかかります
ところが、株や債券や為替取引では、これらのコストがほとんどかかりません。極論すれば、クリック1つで済みます。つまり、投資(もうけねらい)には、一番手っ取り早く、一番効率的なのです。
H26.1.3日経『超高速取引が席巻』
人間の瞬きは1回に0.1~0.4秒かかる。東京証券取引所では、その「一瞬」に数百回売買を繰り返す超高速取引が注文件数で6割、代金で4割を占める。主役は巨大ファンドだ。兜町のディーラーから多くの職を奪った。

週刊現代 2013・1・5/12号
この十数年で、日本一の金融街・兜町の景色は様変わりしてしまった。
・・・とどめを刺したのが、2010年の超高速株式売買システム・アローヘッドの導入である。1000分の5秒という人間の知覚を越えたスピードでの注文が可能になった結果、市場の中心プレーヤーは、自動で売買を行うコンピュータープログラムになった。11年半ばからそれに対応できない中小の証券会社がバタバタと潰れはじめている。
楡周平『考えない葦』週刊新潮12年11月1日号
…外資の機関投資家に至っては、千分の1秒単位で自動的に売り買いを繰り返すシステムを用いているのだそうです。
…もう取引に人が介在する余地などありはしないのです。
…10月19日現在の日証協のホームページに記載されている会員数は273社。3月末から僅か半年の間に、12社も減っているのですから、凄まじいの一言につきます。

金融業だけ、肥大化しています。「金融資本主義」と言います。
<追記 いくら金融時代だからと言っても・・>
日経H26.2.7

新聞記事中のグラフの、本当の形

ソニー、確かに、金融業の会社(営業利益の94%は、金融)です。
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