臨時投稿 浜矩子 「円もドルも、同時崩壊するのです」

<臨時投稿 浜矩子 「円もドルも、同時崩壊するのです」>

以前、浜矩子さんについては、同じ講演内で、「円高になる」といい、「円安になる」といい、支離滅裂だととりあげました。

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アベノミクスを批判

ごめんなさい、「支離滅裂」です。

「1ドル50円時代を生き抜く日本経済」(朝日新聞出版)などの著書がある浜教授は、これまでの超円高予想は「全く変わっていない」と言明

VS

日銀が極端な金融緩和の一方で円の価値を軽視していると世界に見放されたら、円安は「道草ではなくなり、底なしの円暴落につながる恐れがある。 ・・・日本国債の相場も「一蓮托生で暴落する。国内投資家も背に腹は代えられないため、見限らざるを得ない」と予想した。



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でも理由がわかりました。「ドルも円も、一蓮托生で、暴落」というのが、言いたかったかこと、だからです。

日経H26.10.13
浜 本

ということは、円もドルもだめなので、残るは「ユーロ」。



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浜矩子語録(174) ユーロ危機の妖魔は通貨ユーロ



元?

これも違うんです。浜さん曰く、経済はミステリーなのです。

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同志社大学大学院 ビジネス研究科 浜矩子

経済の世界は謎解きの世界です。極上のミステリーのように筋書きが展開し、鋭利な知性による探求が真相をつきとめるのです。授業の場では、こんな醍醐味を受講生の皆さんと共有出来るよう心がけています。

真相を解明するためには、質問を発しなくてはなりません。名探偵は的確な疑問を持ち、うまい訊問をするから、真犯人を探し当てることが出来るのです。ですから、我が授業は皆さんの質問を軸に進行します。予め提示申し上げたテーマについて質問を持ち寄って頂き、それらに私が答え、皆さんがお互いに解答し合う中で、真理に肉迫していくのです。

一見無関係にみえる二つの質問が見事な脈絡をもってつながり、驚くべき発見に我々を導いてくれたりするのです。


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ポール・クルーグマン「罪深い行状――道義的にも知的にも」

ここで,『ブルームバーグ』に今日掲載されてた・・・みんなも覚えてるんじゃないかな,2010年に,当時の連銀議長だったベン・バーナンキ宛に悪名高い公開書簡がだされた.その書簡は,バーナンキが経済を後押ししようと打ってる方策は,「通貨の毀損とインフレにつながる」と警告してた.

今月,『ブルームバーグ』の記者たちが,すばらしいアイディアを実行してくれた.4年ちかくも低インフレが続いたいま,あらためて当時あの公開書簡に署名してた人たちに,自分は間違っていたと認めるかどうか質問してくれてる.ま,当然っちゃ当然だけど,連中の言い分ときたら,当時はインフレの「リスク」があると言っただけでございますって調子だ.〔予想に反して低インフレにとどまっていて〕経済がうまくいってないのも問題ナシってわけだね.


その中の、ジョン・テイラー、スタンフォード大学の経済学の教授の回答です。

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Fed Critics Say ’10 Letter Warning Inflation Still Right

John Taylor, professor of economics at Stanford University, in a phone interview:電話インタビューのジョン・テイラー、スタンフォード大学の経済学の教授:

“The letter mentioned several things -- the risk of inflation, employment, it would destroy financial markets, complicate the Fed’s effort to normalize monetary police -- and all have happened.”

“This is the slowest recovery we’ve ever had. Working-age employment is lower now than at the end of the recession.”

“Where is the evidence that it worked? It’s just not there.”


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アベノミクスを批判しながら、自分は貢献する浜矩子、もはや理解不明の言動

<アベノミクスを批判>

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MWSP766JTSEH01.html

11月25日(ブルームバーグ):

安倍晋三内閣の経済政策「アベノミクス」は生計を営む個々の人間に目を向けていない上、世界制覇志向のため、グローバル化した経済と相性が悪い-。同志社大学大学院の浜矩子教授は、日本銀行が過度な金融緩和を続けると、円と国債相場の大暴落を招く恐れがあると警告した。

浜教授(61)は先週、都内での講演で、経済がグローバル化してしまったのに「円安を盛んに追求し、成長の時代よ再び」と唱えるアベノミクスは、もはや「アホノミクス」を超えて「ドアホノミクス」と呼ばざるを得ないと言い切った。「2013ユーキャン新語・流行語大賞」(「現代用語の基礎知識」選)の候補50語には、アベノミクスの他にアホノミクスも掲載されている。

安倍政権の経済政策について、浜教授は①経済活動は人間の営みなのに「人間不在」であり、経済学でも経済分析でも経済政策でもない②成長戦略は世界制覇戦略であり、相互依存・共生を大原則とする世界経済「グローバル・ジャングル」との親和性が低い-と批判した。

「1ドル50円時代を生き抜く日本経済」(朝日新聞出版)などの著書がある浜教授は、これまでの超円高予想は「全く変わっていない」と言明。「経済の本源的な力学」によれば、同水準まで「ドルの過大評価が修正されると、世界経済のバランスがとれる。しかも、日本は世界に冠たる資本輸出大国だ」と説明した。

円の対ドル相場は2011年10月31日に戦後最高値75円35銭を記録。大胆な金融緩和を求める安倍氏の政権獲得が濃厚となった約1年前から下落に転じ、今年5月22日には103円74銭とリーマンショック直後に当たる08年10月以来の安値を付けた。25日の東京外為市場では1ドル=101円89銭と5月以来の円安・ドル高水準を付けた。

最も恐ろしいシナリオ

浜教授は「日銀はもはや、まともな中央銀行とは言えない行動原理になってしまっている」と指摘。円高回避という「道草を食っている間に、帰れなくなる怖さがある」と指摘。日銀が極端な金融緩和の一方で円の価値を軽視していると世界に見放されたら、円安は「道草ではなくなり、底なしの円暴落につながる恐れがある。これは最も警戒すべき、最も恐ろしいシナリオだ」と警告した。

その場合、日本国債の相場も「一蓮托生で暴落する。国内投資家も背に腹は代えられないため、見限らざるを得ない」と予想した。

国債・借入金・国庫短期証券を合わせた日本の債務残高は9月末に過去最大の1011兆1785億円。国際通貨基金(IMF)は政府債務残高の対国内総生産(GDP)比が今年末に243.5%に達し、09年から少なくとも18年までは世界最悪 の座を抜け出せないと予測する。しかし、長期金利の指標となる新発10年物国債利回り は足元で0.6%台前半と世界で最も低い。

日銀は2%の物価目標を2年程度で達成するため、月7兆円強の長期国債を買い入れる「量的・質的金融緩和」を4月に導入。金融機関への資金供給量を示すマネタリーベース や長期国債の保有額を2年間で2倍に増やす方針だ。購入規模は今年度の国債発行総額170.5兆円の約半分に上る。

浜教授は1975年に一橋大学を卒業し、三菱総合研究所に入社。経済調査部長や同社政策・経済研究センター主席研究員などを経て、02年から現職。

記事についての記者への問い合わせ先:東京 野沢茂樹 snozawa1@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net;大久保義人 yokubo1@bloomberg.net




<言っていること>


「矛盾」

「1ドル50円時代を生き抜く日本経済」(朝日新聞出版)などの著書がある浜教授は、これまでの超円高予想は「全く変わっていない」と言明

VS

日銀が極端な金融緩和の一方で円の価値を軽視していると世界に見放されたら、円安は「道草ではなくなり、底なしの円暴落につながる恐れがある。 ・・・日本国債の相場も「一蓮托生で暴落する。国内投資家も背に腹は代えられないため、見限らざるを得ない」と予想した。





<ちょっとまじめに>

 国債売る・・・で、売った機関投資家は、次に何を購入すればいいのでしょう?

S貯蓄=I投資+(G-T)公債+(EX-IM)海外

投資できるものは、①公債 ②社債・株 ③海外の公債・社債・株

の3つしかありません。で、日本国債投売りして、目減りした価格を、暴落した「円」で受け取って、さて、次は何に投資すればいいのでしょう?

国債は崩壊しても、日本企業の社債や株は大丈夫?でしょうか。

浜矩子某は、「ユーロ圏は崩壊する」と言っているのだから、ユーロはダメですね。

好調なはずのアメリカか、中国?新興国?

投資家は、どのように動くのでしょう?

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浜矩子 週間エコノミスト 2010.6.29号

浜矩子 週間エコノミスト 2010.6.29号
『問答有用』


編集部
日本経済は、なかなか長い不況から抜け出すことができず、デフレ脱却の見通しも立たない。
 そんななか、『文藷春秋』09年10月号に載った浜さんの論文が、ちょっとした物議をかもした。タイトルは「ユニクロ栄えて国滅ぶ」。果てしない「価格破壊」が続けば社会全体を壊してしまう。自分さえ良ければということではなく、もっと新しい知恵を出さなければ…という内容だった。あの真意はどこにあったのでしようか。

浜 
ユニクロには、何の恨みもありません。文蔡春秋編集部の実にうまいタイトルのつけ方でしたね。
 問題は、ユニクロが栄えた結果として、「国破れて」もそこに「山河」が残るかどうかでしょう。大切なのは人で、人なくして国もない。「ネーション・ステート」の本質は、国家は国民に奉仕する存在であるということです。
 だから、人が幸せならば、国も自ずと幸せなはず。もし仮に日本国なるものが、がっちり求心力を持ってしまった結果、そのなかで人が不幸になるようであれば、こんなに許せないものはない。要は「国破れても市民あり」なのであって、そこに市民がいれば、国もまた破れるはずはないのです。

編集部
長く海外から日本を見てきたから、逆に日本に対する思い入れは強いのかとも思っていましたが。

浜 
日本への愛着はありますが、つまりは国というものの存在よりも、人が幸せになるということに絶対的な価値があると思うわけです。
 世界経済は、2008年のりリーマン・ショック以降、「グローバル恐慌」の時代に入っています。世界経済は、あらゆる事象がすぐに伝播し、相互にリンクした「グローバル」な時代になりました。だから、さまざまなことが国に縛られるのではない世界、本質は国より市民である、という時代になっていると思います。 
 このような問題意識に立っていま考えていることは「グローバル市民主義」という世界のあり方です。「グローバル恐慌」を経験した後にあるべき世界はこれではないかと思う。グローバルな時代においては、何国人であっても、共存し、共栄し、共生していくということが必要ではないか。また、そうでなければ、次の世界はありえないのではないかと考えています。
 この「グローバル市民主義」という考え方をもっと理論的に確立させていくことが、現在の関心の中心です。


 すみません。経済学部の教授なので、経済学者だと思っていました。「幸せ」という価値観の世界に生きる、哲学者だったんですね。

とすれば、ユーロ圏の崩壊が合理的な帰結だ。その確率は7割程度と見ている」とする、『世界経済大乱』週間東洋経済 2010年6月5日号の発言は、 ですね。

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荻原博子浜矩子 「ユニクロ型デフレで日本は沈む」 文芸春秋2010年1月

文芸春秋2010年1月「ユニクロ型デフレで日本は沈む」荻原博子浜矩子

荻原さんは、経済学を知らないので、別に構いません(円高になると、輸入品が安くなり、デフレが加速するなどと言っていますが、まったく根拠はありません)が、浜さんは、経済学者なので、言っていることが間違っていたり、主張が変わるのは、混乱のもとです。

(1)

 …ここまでデフレが進んだのは、いわば日本がグローバル化に過剰に反応してきたからだといえると思います。…安い労働力を求めて海外に生産拠点を移せば、失業者が増えます。失業しないまでも日本の労働者は外国の安い労働力と競合関係に入りますから賃金は増えない。…だから、この10年のデフレは「ユニクロ型デフレ」とでも呼びたいですね。

(2)
萩原
 日本のグローバル化に適応した経済の構造自体が激しいデフレを招いているとしたら、景気が上向いてもデフレから脱却できるとか、財政出動をすればデフレが解消されるというものではありませんね。


 そうなんですこれまでの経済学や経済政策の常識が全く通用しない世界になっていますから、全く違う発想が求められているんだと思います。


 …巨額の財政出動に踏み切れば、ますます借金がかさみます。「事業仕分け」などで財政を縮小すれば、さしあたりはデフレの拍車をかけることになってしまうかもしれません。…むしろ思い切って国民に国債大量増発を納得してもらうことも必要かもしれません。その上でそのカネを従来型とは違う21世紀グローバル時代型デフレへの対応に使っていく。

(3)

 こうして議論している間にも今度はアラブ首長国連邦の一角、ドバイ発の信用不安が地球経済を震撼させることになりましたね…グローバル時代は、連鎖の時代ですから…ハイパーデフレがさらに超ハイパーデフレ化する恐れも出てきました


(1)「ユニクロ型デフレ」は存在しない

浜さんの言う、「ユニクロ型デフレ」です。

 ①グローバル化→製造業は賃金の安い国へ(あるいは日本の製造業の賃金低下)→デフレ
 ②ユニクロ→中国拠点→安く製造→日本へ輸入→デフレ

 まず①ですが、日本の製造業の割合は、2割以下です。サービス業が7割を超えています。サービス業は「輸出・輸入」することができません日本の賃金の低下は、「製造業の外国との価格競争」ではなく、第3次産業=サービス業によるものなのです。

 参考引用文献:原田泰『日本はなぜ貧しい人が多いのか』新潮選書2009 p248-249
 消費者物価全体を100とした時、占めるウエイトは、サービス業が40.9(情報通信費含む)、耐久消費財5.5 となります。消費者物価に一番大きな影響を与える、ウエイトが一番大きなものは、「輸出入できない」サービス業です。しかも、サービス価格のうち最も大きなコストは人件費です。製造業の海外移転(国内賃金低下)によってもたらされたものではありません

 消費者物価のなかで、ウエイトの一番大きなものはサービスで、サービス価格のうちもっとも大きなコストは人件費(賃金)である。賃金は、それ以外にも、すべての物価の中にコストとして入っている。賃金はまた、所得でもある。所得が増えれば需要が増え、需要が増えれば物価も上がりやすくなる。物価が上がれば、賃金も上がりやすくなる。物価が上がった時に、賃金が上がらなければ利潤は増える。物価と利潤が上がっているのに、いつまでも賃金を抑えておくことはできない。しかし、現実に物価は上がっていない。となると、物価があがらないから賃金があがらず、賃金があがらないから物価もあがらないということになる。

 しかも、日本の輸出は、パナソニックやトヨタなど、一般消費者向けの商品ではありません7割以上が、工業用原料と、資本財(5割)です。(参考資料 JETRO)

 資本財とは、半導体の原材料、鉄鋼、工作機械、プラントなどです。これらを含め、日本の輸出の7割は、「企業相手」であり、しかも、これらは、「日本企業の独壇場」です。シリコン・ウエハー(DRAMの心臓)や、金属並みの強度を持つ繊維(旅客機用)、コマツの建機、中国が自動車を生産するときの金型etc。これらがないと、韓国も中国も、輸出国足り得ません。
 これらの輸出業界は、高付加価値=「簡単にいえば、高値」業界です。しかも、賃金低下はしていません(リーマンショック以後は除く)。製造業=デフレ要因とは言えないのです。

 次に②です。中国・香港や、東南アジアから、安い工業製品が入ってきて日本のモノの価格を押し下げた=「良いデフレ論」ですが、こんなことは、まったくありません

 なぜなら、同時期、日本以上に、中国・香港や、東南アジアから輸入している、米国も欧州も、デフレにはなっていないからです。つまり、日本だけが「デフレ」だったからです。外国から安いものが入ってきて、デフレになるのなら、日本以上に中国製品を輸入する米国や欧州は、なぜデフレにならないのでしょう

グラフ 中井浩之(埼玉大学)『グローバル化経済の転換点』中公新書2009p167
中国輸出先

 中国からの輸出は、1位米国向け19.4%、2位東アジア圏16.5%、3位ユーロ圏11.5%、4位日本10.3%です。2002年には、アメリカ向けの割合は、25.3%(日本19.3%)でした。それなのに、なぜ日本だけデフレ

<デフレの正体は日銀の政策>

 日銀は、物価上昇率0%を目標にしてきました。ゼロを上限とする物価目標政策です。こんな状態でデフレが解消されるわけはありません

グラフ 原田泰『日本はなぜ貧しい人が多いのか』新潮選書2009 p242
日銀 物価上昇率0目標政策

P250 
「…日銀は、消費者物価の前年同月比上昇率が少しでもゼロ%を上回れば、金融を引き締めてきた…すなわち、日銀が実質的にゼロ%物価目標を採用しているから、物価が上がらないことになる。…物価を決めているのは金融政策である。日本銀行が、実質的な物価上場率目標をいくつにするかで、物価上昇率が決まる」

のです。

(3)
 ドバイ発の信用不安が地球経済を震撼させることになりましたね…グローバル時代は、連鎖の時代ですから…ハイパーデフレがさらに超ハイパーデフレ化する恐れも出てきました。

 「ハイパーデフレが超ハイパーデフレ」・・・・・アニメのような表現ですが、デフレが波及することはありませんデフレは「各国中央銀行の政策」によるからです。


(2)じゃあ、どうすればいいかの具体策は?

荻原
 景気が上向いてもデフレから脱却できるとか、財政出動をすればデフレが解消されるというものではありませんね。

 そうなんです。


 財政出動では解決しないと言っているのに、次では、

「事業仕分け」などで財政を縮小すれば、さしあたりはデフレの拍車をかけることになってしまうかもしれません。…むしろ思い切って国民に国債大量増発を納得してもらうことも必要かもしれません。その上でそのカネを従来型とは違う21世紀グローバル時代型デフレへの対応に使っていく。

 と、財政出動を提案しています。矛盾しています。しかも、この人は、前号の論文で、「財政出動はバブルを招くから、ダメだ」と主張していました。

 このブログ、前回の浜矩子 2009年12月8日 に載せた文章です。

文藝春秋2009年12月号 浜矩子『国債バブルがはじける時』

 この人は、同志社大学経済学部の教授です。
 彼女は、金融危機後に、各国の政府と中央銀行が、提供している低金利政策や財政支出の拡大について、「国債バブル」という表現を使っています。それらの財政出動や金利政策は、恐慌からの脱出にはふさわしくないと考えています。

 過剰な生産と投資を調整し、膨らみすぎた世界経済を縮小させることが出発点になるというふうに主張しています。国債については、

 政府が市場に投下している、巨額の札束の元手は、恐慌下で税収が減っているため、結局のところ国債という未来からの借金である。それは国債バブルでもある。

としています。

 その「財政バブル」についてこのようにも解説しています。

 2009年の主要な先進国の財政赤字の対 GDP 比は英国12.8%米国10.2%。日本7.8%フランス6.7%となり、先進7か国の財政赤字は、合計約220兆円と、2007年の4倍に達するという。しかも「財政バブル」を支えているのは未来からの借金である国債である。

「膨張しすぎた金融の世界をまともなサイズに縮小しなければいけない」と、イギリスの金融サービス機構長官アデア・ターナーの言葉を引用します。

 要するに、彼女の考え方は、実体経済に基づいた経済規模に戻せということです。

今回の、対談との間に、論理の整合性がありません。

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文藝春秋2009年12月号 浜矩子『国債バブルがはじける時』

<お知らせ:12月14日より、3週間入院します。13日以降の、記事の更新は、来年になります>

文藝春秋2009年12月号 浜矩子『国債バブルがはじける時』

この人は、同志社大学経済学部の教授です。

彼女は、金融危機後に、各国の政府と中央銀行が、提供している低金利政策や財政支出の拡大について、「国債バブル」という表現を使っています。それらの財政出動や金利政策は、恐慌からの脱出にはふさわしくないと考えています。

過剰な生産と投資を調整し、膨らみすぎた世界経済を縮小させることが出発点になる
というふうに主張しています。国債については、

政府が市場に投下している、巨額の札束の元手は、恐慌下で税収が減っているため、結局のところ国債という未来からの借金である。それは国債バブルでもある。
としています。

その「財政バブル」についてこのようにも解説しています。

2009年の主要な先進国の財政赤字の対 GDP 比は英国12.8%米国10.2%。日本7.8%フランス6.7%となり、先進7か国の財政赤字は、合計約220兆円と、2007年の4倍に達するという。しかも「財政バブル」を支えているのは未来からの借金である国債である。

この資金調達によって、造られた体制バブルが崩壊します。そのことを、彼女はドルの暴落だと述べています。

米国は世界から資金を引き寄せることができました。米国は、ルービンが財務長官に就任した選挙95年以降、
ドル高が進んで、さらに安く外国のものを変えるようになった。だが、外国からの借金も増える。それに対しては、世界から集まるカネの運用収益で対応すればいい。それがルービン流の考え方だった


と書きます。その結果、

強いドル政策がとられる以降金融経済が実体経済の規模を凌駕し、実体経済を振り回していた。世界の金融資産と社会の名目 GDP 伸び率は1990年は1.77だったのが1995年に2.17、2000年には2.85、2007年には3.45まで膨れ上がった。これは世界経済が自分で稼いだ財布の中身の4倍近い借金を抱えて走り回っていたことを意味する。
さて、彼女はこのように、金融が巨大化した状態がおかしい。そしてこれは、いつかははじけるというふうに考えています。

では、彼女はこのような経済に対してどのような対応をしたら良いと考えているのでしょうか。凡そ10ページの論文に対して、彼女がその処方せんを与えているのが最後の1ページです。カネとモノのベクトルが一体化したので、実体経済に戻せと主張しています。

「膨張しすぎた金融の世界をまともなサイズに縮小しなければいけない」と、イギリスの金融サービス機構長官アデア・ターナーの言葉を引用します。

要するに、彼女の考え方は、実体経済に基づいた経済規模に戻せということです。

<暴論その1>


「政府が市場に投下している、巨額の札束の元手は、恐慌下で税収が減っているため、結局のところ国債という未来からの借金である。それは国債バブルでもある。」

「2009年の主要な先進国の財政赤字の対 GDP 比は英国12.8%米国10.2%。日本7.8%フランス6.7%となり、先進7か国の財政赤字は、合計約220兆円と、2007年の4倍に達するという。しかも「財政バブル」を支えているのは未来からの借金である国債である。」


 国債は、未来からの借金ではありません。その年のフロー、GDI(国内総所得)から資金が出ています。三面等価の図を見てみましょう。

三面等価 汎用.jpg
三面等価 数値入り.jpg

 正解は、「国債は政府の借金=国民の財産」です。これらの借入金を買っているのは誰でしょう?それは我々1人1人の国民なのです。約846兆円のうち、94%=約795兆円は、我々日本人が持っているのです(単純計算です。国債を海外が購入している、6%という数値を使用しました)。簡単に言えば、約1500兆円に及ぶ、日本人の個人資産の約53.%は国の借入金なのです。

国債購入者 日経21.6.27


 貯蓄Sが、①企業の借金:I・②政府の借金:G-T・③外国の日本に対する借金:EX-IMの原資です。国民が、政府に貸しているのです。

帝国書院『アクセス現代社会2009』P134 家計の金融資産残高の推移.jpg

 世界で見ても同じです。世界各国のGDPをすべて足すと、その年の世界全体のGDPが算出されます。そうすると、(S-I)=(G-T)+(EX-IM)の式は、世界全体で成立します。その年のアメリカの国債も、イギリスの国債も、アルゼンチンの国債も、日本の国債も、すべて、その年のフロー(世界全体のGDP)で賄われることになります。世界総生産=世界総消費

 未来からの借金ではなく、その年の収入がその年の国債購入に充てられているのです。

 世界全体の貯蓄額を、世界全体の企業が借りて投資に使えば、国債も、輸出入も生じません。不況=企業による投資減少(S-Iが増加)ですから、(G-T)は増えます。

週刊文春12月10日『864兆円赤字大国ニッポン』
「これまで国債が順調に消化されてきたのは事実です。ただ、このままでは借金返済はほぼ不可能です。国の信用が失われて、借金ができなくなれば、円安が急激に進み、購買力が無くなって、物価が急上昇するでしょう。その結果、ハイパーインフレとなり生活はめちゃくちゃになる。その時がいつ来るが、実は誰にもわからないのです。」みずほインベスターズ証券の落合昴二

投資銀行ロバーツ・ミタニ創業者の三谷秀樹氏「国債発行は次世代の所得を先取りすることで、恥と考えるべきです」

日経H21.12.7「企業に北風より太陽」
 …このままでは子や孫が国の借金を返すために働く国になる。


 このように、経済学を知らない、一般エコノミストが暴論をしゃべるのはともかく、経済学部の教授が、「国債は未来からの借金」というのは、許されることではありません。(でも、日経も、ずいぶん適当ですね)

 赤色で示したことは、「原理上ありえない」のです。「太陽を西から上らせるようなもの」です。

<暴論その2>

過剰な生産と投資を調整し、膨らみすぎた世界経済を縮小させることが出発点になる

 日本も、世界も、供給能力>需要です。

三面等価の図を見てみましょう。

三面等価 数値入り.jpg


総生産GDP=総所得GDI=総支出GDEです。総生産は、我々の所得の総額です。  

総生産Y=C+I+G+EX(総需要)

C=家計が主体の消費(Consumption )、I=企業が主体の投資(Investment)、G=政府最終支出、EX=輸出を足します。
 Y(つまりGDP)を伸ばす=C、I、G、EXのいずれかを増やすということです。
「内閣府の試算では、1~3月期の需要不足は45兆円(年率換算)」ということは、Y=C+I+G+EX-45です。

 生産能力が、45兆円分、余っているということです。余っていますから、生産調整や、余剰人員の解雇ということになります。失業率が高くなるのは、完全雇用(生産設備が十分に使用されている状態)に程遠いからです。

 アメリカは10%(11月現在)、日本は5.1%(10月)、ドイツ9・3%(8月)、フランス8・9%(7月)です。

浜さんが
「過剰な生産と投資を調整し、膨らみすぎた世界経済を縮小させることが出発点になる」
 というのは、「供給能力>需要」を「供給能力(縮小)=需要」にしろと言っていることになります。上記の失業者は、職を得られません。日本が補正予算を組み、45兆円の需給ギャップを埋めようとするのは、「供給能力>需要」を「供給能力=需要(拡大)」にするということです。失業者は確実に減ります。

<暴論その3>

 強いドル政策がとられる以降金融経済が実体経済の規模を凌駕し、実体経済を振り回していた。世界の金融資産と社会の名目 GDP 伸び率の差は1990年は1.77だったのが1995年に2.17、2000年には2.85、2007年には3.45まで膨れ上がった。これは世界経済が自分で稼いだ財布の中身の4倍近い借金を抱えて走り回っていたことを意味する。

 世界の金融資産と、GDP伸び率を一緒にしています。世界の金融資産は「ストック」といいます。GDPはフローです。混同してはいけません

 日本の金融資産=ストックです。我々が1年間働いて稼いだカネの一部が、貯蓄・資産=ストックに回ります。ストックは、累積ですから、確実に増え続けます。GDP伸び率が1%で、ストック伸び率が5%だとしてもストックは結果であり、GDP伸び率と比較することに意味はありません

 強いドル政策がとられる以降金融経済が実体経済の規模を凌駕し、実体経済を振り回していた。世界の金融資産と社会の名目 GDP 伸び率の差は1990年は1.77だったのが1995年に2.17、2000年には2.85、2007年には3.45まで膨れ上がった。これは世界経済が自分で稼いだ財布の中身の4倍近い借金を抱えて走り回っていたことを意味する。
       ↓
実体経済を振り回していた。日本の金融資産と社会の名目 GDP 伸び率の差は1990年は○○だったのが1995年に○○、2000年には○○、2007年には○○まで膨れ上がった。これは日本経済が自分で稼いだ財布の中身の4倍近い借金を抱えて走り回っていたことを意味する。

上の文章がおかしいのがわかりますか?

 2007年現在,外国為替市場の1日の平均取引額は3.2兆ドル(340兆円)にも上ります(BIS統計)。同年の世界貿易額は,1日当たり357億ドルですから,貿易額の約90倍にのぼる資本の取引があることになります。
 例えば,東京証券取引所の売買代金は,1か月に40兆円~70兆円です 。日本の1年間の国家予算が約82兆円,GDP(国内総生産)は約510兆円です。これらの実体経済をはるかに上回る,資本の取引があるのです。
資本取引>貿易

 90年代初頭までは,実体経済が犬の頭,資本経済が犬の尻尾でした。しかしいまや,バーナンキFRB議長が「貿易は犬の尻尾」というほど資本取引が巨額になったのです。
これらの金融・資本取引の結果,世界の金融資産は,総額167兆ドル(1京7744兆円)に達します。実体経済(世界全体のGDP48兆ドル)の3.5倍です。しかも,その成長率は2006年までの11年間で年平均9.1%,世界の実体経済(GDP)成長率の5.7%を大きく上回っています。

図79 経済産業省 平成20年版『通商白書』概要 第1章図の5
金融資産推移3

ですから、
これは世界経済が自分で稼いだ財布の中身の4倍近い借金を抱えて走り回っていたことを意味する。」は意味不明です。

さらに、
膨張しすぎた金融の世界をまともなサイズに縮小しなければいけない」との論を引用していますが、前述のとおり、資本取引は実体経済(輸出入)の90倍です。これを、まともなサイズにするというのは、どの程度のことを想定しているのでしょう?45倍ですか?それなら金融・証券・投資業界のGDPも、半分になります。世界の株式市場は壊滅します。

 ストックとフローをごちゃまぜにしたり、ストックを借金と言ったり、(銀行etcにとっては負債ですが、銀行に貸した世界中の人々にとっては資産です)、何を言おうとしているのか、不明です。

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