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<玉石混淆の経済学者>

<玉石混淆の経済学者>

さて、アベノミクスが始まって(政権就任2012年末、金融政策開始2013年4月)から4年半~5年になります。

 始まった当初に「ああでもない、こうでもない」と論争していた時期に比べれば、十分に「長期」と言える水準です。

 経済学教授でも、「ダメ」なヒト、「まとも」なヒトがはっきりしつつあります。「時間の判定を受ける」、大げさに言うと「歴史的判断を受ける」とはこういうことです。


https://hbol.jp/14120

アベノミクス継続の危険度、そして日本が進むべき道とは?――行動派経済学者・小幡績氏に聞く

2014年11月24日

2014年7~9月期の実質GDPの対前期比率成長率が-0.4%(年率-1.6%)となり、4~6月期の-1.9%(年率-7.3%)に続き、2期連続のマイナス成長ということで海外メディアが「リセション(景気後退)」と報じたり、国内でもアベノミクスに否定的な人からは「危惧されていたスタグフレーションに突入した」という声が聞かれる他、リフレ派も「消費税増税が致命的失敗だった。このままではアベノミクスが失敗する」という非難の声が聞かれるなど大きな衝撃を持って受け止められた。

慶應大学准教授の小幡績氏に聞いた。

小幡氏が「極めてマズイ」と評価するのは、消費税増税ではなく10月31日の黒田バズーカの第二弾だ。

「1980年代と違って円安が日本経済にプラスであることはないんです。円安とは通貨安、海外のものをより多くの円を払わないと買えなくなることなんです。

せっかく原油が下がってきたのに、円安を更に進めることで輸入品に対する総支払額が増加し、輸入品以外に対する可処分所得が減って、より日本は貧しくなるんです。

「円の急落は怖いです。すでにそれは起きています。先日118円まで行きましたが、120円が分岐点となるでしょう。そこで止まるか、突破するか。120円突破して急落すれば、売りが売りを呼び暴落する展開になります。それが一番の日本経済の危機です。円が売られ、国債が売られ、株も売られる。株もドルで見れば円が暴落すれば暴落となりますから、いわゆるトリプル安、日本売りとなります。

しかし、暴落が起きなくても、円が安くなっても株が上がらなり、日本からの資金逃避、海外からの日本資産買いあさりが始まっています。これこそ日本経済の危機です。


アベノミクスの金融緩和、円安では実体経済は何一つ変わってない。アベノミクスは、すべての痛みを先送りし、短期的なブームを作り、コストとリスクを先送りしている。消費税増税延期を決断した安倍政権は、痛みが伴うのを全否定して、快楽だけを求めているまさしくリフレ派の象徴です。



 まるで、ハルマゲドン経済学です。

120円が分岐点となるでしょう。そこで止まるか、突破するか。120円突破して急落すれば、売りが売りを呼び暴落する展開になります。円が売られ、国債が売られ、株も売られる。株もドルで見れば円が暴落すれば暴落となりますから、いわゆるトリプル安、日本売りとなります。

2015年6月、アメリカの5月雇用統計の好結果を受け、円は、1ドル/125.85円まで「円安」になりました。

デタラメにも、ほどがあります。

<この人の株価上昇説明は、もはやデマ>

 デタラメ説明は、株価の説明でも同じです。

2012年末以降→2015年初頭までの、アベノミクスによる株価上昇について、ある時は「バブル」だと説明し、「あるときはバブルではない」と言います。もはや、「ウソツキ」と言ってもいいレベルです。

世界経済のネタ帳より、加筆
株価



アベノミクス論争は無駄である
2016年07月07日(木)11時12分

いわば、今は株価が上がっているから良いが、2016年初頭から日本株は下落が続いており、これは、アベノミクスにより株価が上昇した分の効果が剥落しているものである。世界的な株価下落の流れを受けてはいるわけだが、先進国では、日本だけが突出して暴落している。その理由は、2015年の日本株の上昇がバブルであったからであると思われる。これはGPIFの日本株傾斜という事実がきっかけになっていると思われ、政策的なバブルであったと言えるから、暴落も政策の結果と言えるだろう。また、上昇局面では4つの要因のうち3つがアベノミクスによるものであったが、その根本は1に挙げた世界的な株価上昇の流れにあった。アベノミクスの効果は、これを加速させたもの、この流れに乗ったもの、いわばレバレッジをかけたものであったから、それが逆回転して、世界的なリスクオフのショックに日本だけが飛びぬけて脆弱であることも、政策レバレッジの影響であるだろう。

アベノミクスの今後 リスク

 論点は3つあるだろう。

1)日本国債市場リスク

2)財政破綻リスク

3)株式市場リスク

3は、常に存在するのであるが、これは日銀の金融緩和とGPIFの日本株への傾斜により拡大したと考えられる。異次元緩和第一弾では、異常な割安から妥当な水準に戻ったので、株価はバブルとは言えず、2014年10月末の追加緩和によるバブルが起き、それは2016年に入って崩壊したと考えられる。マイナス金利は逆効果だったので、ただ株価を下落させた。




株価はいつ暴落するのか
2017年07月25日(火)16時45分

日本の株価に限って議論してみよう。

2012年末、アベノミクスの登場とともに、正確に言えば、日本銀行がリフレ政策を採る、ということを期待して、株価はバブルになった。それ以来、2015年頃までバブルは続いたが、2016年年頭からの(2015年末からの)急落で、2016年4月以降、バブルは終わった。

株価が暴落することは当面ないと思われる。

なぜか。

それは、現在の株価がバブルではなくなってきているからである。



ウソツキ小幡教授によると、今後は、「バブルではないから、株価は下がらない」そうです。

信用するもしないも、あなた次第です(爆笑)。


中高の教科書でわかる経済学 マクロ篇

坂上二郎ラモ

間違いなく今年一番勉強になった本。ミクロ編から読み始めて実に長かったが…。円環的な理解が必要なのだろうと判っていたけど、それまで耐えきれずにどうしても通読することができなかった経済学の教科書を読んでみる気になった。250頁まで読み進めるとそれまでの多くの伏線を回収する。断片的になりがちな経済思想やその当時の政策についても時系列で意識できる構成が実にいい。「未来が今を決める」という現代経済学を扱う最後まで多くの人が読んでくれればいいのだけど…。索引もつけて欲しいが、この値段ではさすがに贅沢か?良書お薦め!



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リフレを否定 小幡積

<リフレを否定 小幡積>

 2010年に、このような論を張っていました。

 理論的に、「こうなる」と言っていたはずの、間違い部分(実証的に否定された部分)は、赤字にしました。

 
 

http://agora-web.jp/archives/870589.html

2010年01月09日00:48

経済 日銀は日本経済を救えるか?

慶應義塾大学大学院経営管理研究科准教授/小幡績

不況に陥っている日本経済に対して、日銀が無策であると、ことあるごとに批判される。ほとんどの経済学者、エコノミストは、日銀に対して批判的で、デフレを解消するために、穏やかなインフレを起こせと主張している。米国経済学者のポール・クルグマンが、日本は、リフレ政策、すなわち穏やかなインフレを意図的に起こす政策を採るべきだと90年代末に主張したのは有名であるし、これと同じような主張を日本の多くの学者が行っている。私は、これらの意見に反対である。なぜなら、インフレになっても、いいことは一つもないと考えるからである。

リフレ政策を主張する学者達の議論を整理しよう。

インフレになると景気が良くなる理由は、まず、所得移転である。すなわち、お金を貸している人から、借金をしている人へ所得が移転する効果である。10億円を銀行から借りている企業は、インフレになり、価格水準が5%上がれば、収入も5%増えるのに、返すべき借金は名目どおり10億円なので、5%分、返しやすくなる。多くの企業は借金をしているから、設備投資などの需要を生み出す企業にお金が銀行から移転することになり、経済は活性化し、景気が良くなるという議論である。

第二のインフレのメリットは、同様に所得移転であり、今度の所得移転は、預金者から銀行へのものである。つまり、インフレになれば、それに連動して企業などへの名目の貸付金利を上げることができ、その一方で、預金金利は据え置くことが可能であるとすると、預金者が得られたはずの金利収入を銀行に移すことが出来る。

第三のメリットも、所得移転と言えないこともないが、これは日銀からの贈り物である。すなわち、インフレになっても、日銀が政策金利を据え置けば、すなわち現在であれば、名目短期金利をほぼゼロに据え置けば、インフレが3%なら、実質金利はマイナス3%となり、設備投資などへの刺激効果の余地が広がるからである。

第四のメリットは、1930年代の大恐慌のときにケインズが主張した雇用理論の流れを受けて、その後の経済学者たちが主張したことであるが、名目賃金の下方硬直性があるときに、実質賃金の引き下げを可能にする方法は、インフレしかないということである。労働組合の存在などの理由により、解雇や名目賃金の引き下げが難しいために、新規の雇用をしたくても出来ない企業が多く存在し、その結果多くの失業者があふれていたときに、実質賃金の引き下げが可能になれば、企業は雇用を増やし、失業が減少する。なぜなら、名目賃金が引き下げられなくても、企業が生産する製品の価格が上昇すれば、実質賃金の引き下げが実現するからである。これにより、失業が減少し、景気は回復するという議論である。

第五のメリットは、デフレスパイラルを防止するということである。これは、現在の日本経済について、想定されているメリットであり、現在のデフレが進行すれば、企業の売上が減り、それに応じて給料が下がり、その結果、人々が消費を減らし、その結果、モノの値段はますます下がり、この悪循環が継続し、経済は縮小し続ける恐れがあるということである。だから何としてもデフレをとめないといけない、ということである。

第六のメリットは、クルグマンが強く主張したことだが、インフレによって、駆け込み需要を促すというメカニズムである。このメカニズムは、消費税の駆け込み需要と似ている。つまり、ある高級自動車が、今年400万円で売っているが、デフレにより、毎年20万円ずつ値下がりを続けると見込まれれば、その値下がりが止まるまで、すなわち、一番安くなるところまで待とうという心理になる。だから買い控えが起こり、消費はますます縮小するのである。一方、インフレの場合は、たとえば、毎年20万円ずつ値上がりをするので、資産が十分にあって、いずれにせよ、この高級自動車を買いたいと思っている富裕層は、すぐ乗れて、しかも一番安い今買ってしまったほうがいいということになり、現在の消費が喚起される、という考え方である。

これらの議論は、すべて間違っているか、あるいは現在の日本経済には当てはまらない

第一のメリット、借金に苦しんでいる企業が身軽になって、息を吹き返し、経済の活性化をもたらすのは、潜在的にその企業の製品に対して需要があるにもかかわらず、銀行がその企業を支援せずに、貸し出しの回収だけを考えている場合である。90年代末の日本の危機の場合には、この貸しはがしの問題は確かにあったが、現在は、需要そのものが不足しており、また企業は2003年までの危機において、債務を大幅に削減していたから、今、借金の負担だけが理由で苦しんでいる企業は少数派である。

第二のメリットは、預金者はお金を十分に持っているのに、消費せずに必要以上にお金を溜め込んでいるような場合に、銀行に所得移転をすることによって、銀行の財務を改善し、その結果、企業への貸し出しなども伸びてくることにより景気が回復するというロジックであるが、現在銀行は適当な融資先がなくて苦しんでいるので、銀行に財務的余裕が生まれても、それを内部留保し、資本を厚くするだけか、あるいは、融資するとしても、アジアなどの新興国への融資、投資に向かうと考えられ、日本の景気回復には貢献しない

第三のメリットは、確かに存在するが、現在の実体経済への投資の減少は、将来の実需に対して悲観的であるために、設備投資などを手控えているのであって、投資の資金調達コストが下がっても、ほとんど実物投資は増えず、金融資産への投資が増えるだけであり、せいぜい金融資産バブル再来となるだけである。金融資産バブルは、必ずしも、実体経済の景気回復をもたらすとは限らず、一方、そのバブルが崩壊した場合には、実体経済が大きなダメージを受けるのは、まさに今経験していることであり、あえて金融資産バブルを政策的に起こすことはない。

第四のメリットは、伝統的には、マイルドなインフレを支持する最大の理由であり、解雇の難しい日本ではとりわけ重要であったが、現在の日本は大きく変わった。名目賃金の下落は簡単に起こるようになったのである。というより、我々はボーナスの激減、正規雇用から非正規雇用へのシフトなど、名目賃金の大幅な低下を目の当たりにしているのであり、これが大きな問題と一部の人々に思われているのである。したがって、現在の問題は賃金の下落を可能にすることではないので、このメリットも重要でない。

第五のメリットというか、デメリットの防止は、恐怖を煽るストーリーとして語られている部分もあり、かなり漠然とした議論であるので、反論も難しい面もあるが、これは、第六のメリットへの反論と一緒に考えたい。

第六のメリット、クルグマン理論であるが、これは明らかな誤りである。なぜなら、このインフレーション、高級自動車の5%での安定的な価格上昇により、この自動車への駆け込み需要が永遠に起こり続ける、そして、インフレというマクロ経済全体の現象が起これば、このメカニズムが経済全体でも同様に起こるという議論には、暗黙の前提が多数あり、その前提は成立し得ないからである。

クルグマン理論が暗黙に前提しているのは、第一に、賃金はインフレに完全に連動して上がり続けるということである。そうすれば、実質価格は同じであるから、いつ買ってもかまわないから、今買っておこうということになる。そして、もう一つの前提は、消費者は十分資産あるいは所得があるということである。

この二つの前提は、明らかに成り立たない。現在、インフレになり、企業の収益が多少上がったとして、企業はその分、賃金を上げてくれるだろうか。あり得ない。せいぜい雇用の確保優先で、解雇を減らすか、あるいは将来、解雇しなくて済むように今の利益を将来の雇用のためにためておくくらいである。そして、そのような殊勝な企業は少数派で、多くの企業は、増えた収益は、利益を増やすことだけにまわすのである。したがって、雇用回復なき企業の利益増加、株価上昇ということになるのである

この結果、クルグマンが想定するような十分に裕福なお金持ちでない多くの勤労者は同行動するであろうか。モノの値段はインフレで上がるが、賃金は上がらない。つまり、実質賃金は下落し、実質生涯所得は低下し、生涯にわたる支出への予算制約はより厳しくなるのである。そして、日本経済の将来は、依然として不安であり、公的年金の将来の支給額や将来の消費税の増税などを考えると、さらに不安になってくる。したがって、現在見られるような国民上げての節約生活が、リーマンショックに対応する一時的なものから、生涯にわたるものになり、日本の消費者の大多数は、倹約家になり、インフレの元で、景気はさらに悪化するのである

第五のポイント、デフレスパイラルの防止であるが、デフレにより企業の名目の収益が減少しようが、インフレによりそれが増加しようが、勤労者の実質賃金、実質生涯所得は減少するので、いずれにせよ、実質的な需要増加による、景気回復が起きないことには、ある程度まで、縮小均衡へ向かって経済が落ちていくから、これで経済を救えるわけではないのである。

以上のような理由により、私は、インフレにより、日本経済が良くなるとは全く思わない

そして、私がリフレ政策に反対する最大の理由は、ここでは議論できなかったが、モノのインフレを日銀が意図的に起こすことは不可能であることによる。この議論をすると、多くのリフレ論者は、究極的には、物価水準とは、モノとお金、つまりマネーの比率だから、マネーをじゃぶじゃぶに無限に増やしていけば、どこかでインフレが必ず起きる、たとえば、国民全員に日本銀行券を刷って渡せばよい、といういわゆるヘリコプターマネーの議論で反論する。しかし、これも、明らかに間違っている。なぜなら、将来が不安な中では、マネーをもらった場合に、それを消費するのではなく、将来への備えとしてとっておくはずであり、それは、金融資産(不動産を含む)への投資に他ならない。すなわち、インフレはモノの値段として起こるのではなく、資産インフレとして起こるのであり、まさに、金融バブルが起こるということであり、これはもともと金融資産を多く保有している人々が儲かるだけの話であり、国内的にも世界的にも、金融資本家や金融国家が儲かり、持たざるものはさらに貧しくなるだけのことである。

したがって、リフレ政策は最も採ってはならない金融政策なのである





黒田日銀 成果.jpg
日経26.4.11 マネーストック 伸び
有効求人倍率.jpg

http://book.akahoshitakuya.com/b/4309246281

高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学

galoisbaobab

すばらしいっ!経済知識と経済力0のオレでも腑に落ちた!いやー、読んでよかった。というか、高校生の時にこんな本があればなーと思いました。つまり「経済のこと」と「経済学」の橋渡しをしてくれる良書だと思います。 オススメ!



theme : 間違いだらけの経済教育
genre : 学校・教育

小幡績

<小幡績>

2012年11月20日 段階の記事です。

http://bylines.news.yahoo.co.jp/obataseki/20121120-00022505/

<ハイパーインフレは起きないが、リフレは経済を破壊する>

リフレ政策は、単に金融市場の混乱からの実体経済の不況をもたらすだけだから、採ってはならない政策なのである。



2013年01月10日 段階の記事です。

http://blogos.com/article/69049/?axis=g:0

<恐るべきリフレ派たち>

しかし、安倍さんが、どっかの誰かに聞いてきた数字が2%。
恐ろしい。
しかも、一流メディアも。

金融関係者のうち、投資家達、そっちサイドの人々は。
企業経営者たちも。

多くの国民も。
この議論を支持している。

恐ろしい国だ。
おそるべき子供たち。リフレ派よ。



2013年02月05日 段階の記事です。

http://toyokeizai.net/articles/-/12781

リフレ政策では、インフレは起きない インフレをわざと起こす「リフレ」はヤバい>

リフレ政策(簡単にいえば、インフレをわざとおこすこと)のために、金融緩和を強力にやると首相や大臣が宣言したり、日銀に圧力をかけたりするのはいいのだが(私は反対だが)、政策の是非はともかく、実際には、これらのリフレ政策で一体何が起こるのか。そこが重要だ。

インフレは起きない

まず、インフレは起きない。

インフレは貨幣的な現象であるから……、というのが、リフレ派の枕詞であるが、金融資産市場が、マネーのほとんどを受け止める現代経済において、モノのインフレは貨幣と無縁だ。言いかえれば、消費者物価はマネーが増加しても上昇しない。ナイーブな貨幣数量説は成り立たない。

インフレが起きないという議論に対して、リフレ派の人々は「インフレは長期的にしか起きないが(これは長期の均衡点においては、物価が上がった状態になっているという意味であろう。これはインフレが起きるプロセスについては何も語っていない)、期待インフレはすぐに起きる、期待に働きかければ、期待インフレ率は直ちに上昇する」という。そして、それには、日銀の気合が必要で、今まではやる気がなかったから、人々も反応しなかったのだ、と言う議論が続く。

・・・つまり、モノの世界では、期待は自己実現しない。つまり、消費者物価は上がらない。したがって、上がるという期待は外れる。期待が外れるのであれば、その期待が起きない、と考えるのが、合理的期待形成理論であり(ここは論争がありうるが)、いずれにせよ、実現しない期待を持ち続けるのは愚かなので、起きたとしても短期にしか持続しない。

その結果、期待インフレ率はやはり上がらないのだ。

つまり、期待に働きかける金融政策は、金融資産市場では資産価格を動かす可能性はあるが、財市場には影響しない。したがって、リフレ政策では、インフレはもちろん、インフレ期待も起こせないのである。

・・・期待の自己実現こそ金融資産市場の本質

投資家やトレーダーが買ったから、株価もドルも上がったのだ。それだけだ。そして、彼らが買ったのは、上がると思ったから買ったのだ。そして、その結果、上がったのだ。

ここに期待の自己実現がある。期待の自己実現こそ、キャピタルゲインを求めて投資する投資家が集まる金融資産市場の本質なのだ。



読売H25.9.28
yomiuri 9.28

2013年3月22日段階の記事です。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20130321/245383/?P=3

<だから「リフレは(本当に)ヤバい」んです>

しかし、日銀が今後、金融緩和策として金融商品の購入をもどんどん拡大するなら、資産バブルの発生を招くことにもなりかねない。企業による設備投資意欲を含め、需要が拡大しない中で、金融緩和を強引に進めれば、その効果は資産市場にしか及ばず、資産バブルを招くことになります。実体経済には何ももたらさない



次に、2013年08月29日 の記事です。

http://blogos.com/article/69049/?axis=g:0

<アベノミクスとはポピュリズム>

期待インフレ論もまやかしで、ブレーンたちは、景気は強いから腰折れしないかもしれないが、せっかく動き始めたインフレ期待を腰折れさせてはいけない、と言う。デフレ脱却の流れを止めるな、と言う。

デフレ脱却とは何か。

それは、日本人の日本総悲観論から、楽観論へのシフト、ネガティブシンキングからポジティブシンキングへの移行であり、リフレという政策自体は間違っているが、これを達成したのは素晴らしかった

これこそが、デフレ脱却の意味だ。インフレ率は関係ない。だから、デフレ脱却はすでに達成されているのである。

・・・だから、私は、1%ずつの消費税率引き上げ。景気条項撤廃。そして、現状の景気は良いので、いかなる景気対策もすべきではない。そう考える。



<結論>

彼のリフレ反対理論は、まったくの空理空論です。なぜなら、2%のインフレになる確率は、5分5分だからです。

リフレはまずい→インフレは起きない
しかし、リフレ→インフレが起こるかもしれない
確立は5分5分だ!!!


これじゃあ、理論ではないでしょう。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20130321/245383/?P=1

<だから「リフレは(本当に)ヤバい」んです>

ただ、「2年以内に物価上昇率が2%になる確率は?」と聞かれれば、5分5分くらいだと思います。




追伸 小幡績 最新理論!!!

http://blogos.com/article/73819/

小幡績 2013年11月17日 06:39

「やはりインフレは起きない」

日本の物価は上昇し始めた。・・・このまま行けば、インフレ目標2%が実現するということになるのだろうか。

・・・いや、やはり、インフレは起きない。起きないのだ。 日本がインフレ傾向へ転換した一方、世界的にはデフレ化が進行している。

・・・実際に起きていることはもっと単純なことで、世界はデフレ化しており、日本も欧米も同じ新しい世界経済構造に直面しているというだけのことなのだ。

・・・だから、インフレは今後世界の成熟国では起きない。

・・・何の不思議もない。

・・・世界経済の裁定取引が、やっと本格的に始まっただけのことだ。

・・・だから、成熟国、欧米、日本では、インフレが起きることはないのだ。



 あれ?「五分五分理論?」なるものを語っていたのではなかったのでしょうか・・・

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