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立候補すれば、全員が当選・・・これで選挙の意味があるのか

<立候補者全員が当選・・・これで選挙の意味があるのか>

 平成8年に導入された、衆議院比例代表並立制。

本来であれば、小選挙区から当選者1人となる。

 しかし、当時1つの選挙区で5人当選の所、8人が立候補する(例えば、自民党から3人立候補すれば、自民党同士で接戦=北海道の十勝地区は、故中川昭一と鈴木宗男の激戦地として有名だった)システムだったため、それを1選挙区1人とすると、自動的に排除される議員がいる。そこで、済み分けとして「はい、あなたは、今回は小選挙区、次回は比例代表」と、順番に立候補するコスタリカ方式などの対策が取られた。

 そうすると、比例代表の順番をめぐって、もめるケースが出てきたため(ある政党がその地区で比例代表枠を3人は得られるような予想の場合、名簿順の1位から3位は安泰、4位になると地獄、順位をめぐってカネが飛び交う・・)、現在は、重複立候補の場合、全員名簿1位に登載するケースが増えた。
 
 全員名簿1位の場合、その政党が比例代表で3議席を確保した場合は、惜敗率(小選挙区で負けたかもしれないが、当選者の票数にどれだけ迫って善戦したか)で決めるようになった。

 ある候補者は、当選者の票数の95%を得て落選(惜しい敗け方の率)、別な候補者は85%、3人目82%、4人目80%の場合、上位3人目まで議席を確保できるというものだ。落選候補の得票数は、結局国会にその人を支援した人の声が届かない=「死票」を少なくするという趣旨もある。

 ところが、「小選挙区制+比例代表」を組み合わせると、立候補した全員が、当選するという現象を引き起こす。
 例えば、沖縄県では全4選挙区で出馬した与野党候補計9人全員が当選し、落選者は1人もいなかった。全員当選!!!!

自民、沖縄全4選挙区で敗れる 辺野古移設反対派が当選

2014年12月15日02時02分 朝日新聞デジタル

 沖縄県では全4選挙区で自民前職の候補が敗れた。11月の知事選と同様の構図で、国による米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の移設計画に反対する4人がそろって当選を決めた。
 一方、敗れた候補者も次々と比例区で復活。四つの選挙区に立候補した計9人が全員、議員バッジを手にすることになった。



沖縄1
沖縄2
沖縄3
沖縄4

 つまり「基地移転反対」候補と「基地移転賛成」候補の全員が当選=これが沖縄のすべての声ということになる。

これでは、沖縄の実際の民意はどちらにあるのかがさっぱりわからない。

移転反対者が5割いるが、賛成者も4割いる・・・全員の声が、国会に届く・・・

どっちも民意と言えばそれまで。
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 臨時投稿 本当に、単なるパフォーマンスにしか過ぎない「身を切る改革!」

<本当に、単なるパフォーマンスにしか過ぎない「身を切る改革!」>

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141120-00000579-san-pol

衆院選 定数削減、動かぬまま本番突入…立法府の怠慢如実に
産経新聞 11月20日(木)19時47分配信

定数削減は野田佳彦政権末期の24年11月14日、衆院解散の約束と引き換えに、当時首相だった野田氏と、安倍首相が党首討論で確認したもの。しかし、山梨、福井、徳島、高知、佐賀5県で選挙区を3から2に減らす「0増5減」が実現しただけ。野田氏は今月14日、「見事な約束違反だ。強い憤りを覚える」と批判した。



民主党案 480人の衆議院議員→80人削減。
自民党案                30人削減

どっちがいいともいえないので、折衷案で、55人削減とします

人件費 4000万×480人=192億円

55人削減で、425人、11.5%削減=170億円

人件費、170億円で、22億円削減→これが「身を切る改革!!!!」だというもの。

http://news.livedoor.com/article/detail/8821470/

この4月から、国民への大増税とは逆に、国家公務員と国会議員の“賃上げラッシュ”が始まった。国家公務員の給料は平均8%引き上げられ、行政職平均のモデルケースでは月額約2万9000円、ボーナスを含めた年収では約51万円のアップだ。国会議員の歳費(給料)はもっと増え、5月分から月額約26万円アップ、年間421万円もの引き上げになる。




 今まで、国会議員の歳費は、10.525%カットされていました。震災復興のためです。

歳費カットも、人員カットも、トータル人件費カットでは、同じことです。

要するに、歳費を10.525%カットし続ければ、51人、国会議員を削減したことと、同じ効果です・・・・

「480人を、429人にすること」=「総人件費10.525%カット」=「震災復興のための減額を、今後も続ける」
程度で、簡単に達成できるのです。利害対立もなく、みんな平等にです。

身を切る改革

月額333万円もらっていたのが、295万円に減り、それは、今までの2年間、国会議員が実際にやってきたことです。

2年かかっても、50人削減なんて、全くできないのだから、歳費10%カットで、「身を切る改革」続ければいいでしょうに。

「身を切る改革!」なんて、本当に、「員数合わせのパフォーマンス」に過ぎないのです。

これは完全にアウト!パチンコ店を開業させないために、図書館建設

<これは完全にアウト!パチンコ店を開業させないために、図書館建設>

 市にも、市役所にも、弁護士が常駐させる(職員として雇う)か、あるいは、常に顧問弁護士に相談する体制を敷かないと、とんでもないことになります。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130719-00000710-yom-soci

「違法な図書館設置で出店阻止」…市に賠償命令

読売新聞 7月19日(金)14時41分配信

 パチンコ店の出店を予定したビルの隣に国分寺市が図書館の分館を設置したため、風営法などで出店が禁じられて損失を受けたとして、静岡県のパチンコ店経営会社などが同市に損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は19日、同市側に約3億3400万円の賠償を命じる判決を言い渡した。

 志田原信三裁判長は「出店を阻止するための違法な図書館設置で、原告の営業上の権利を侵害した」と指摘した。

 判決によると、同社はJR国分寺駅前のビルにパチンコ店を出すことを計画していたが、駅前の再開発を計画した同市などが反対。同市議会が2006年、ビル隣接地に市立図書館の分館を設置するとの市条例の改正案を可決した。風営法などは図書館から50メートル未満でのパチンコ店の営業を禁じており、同社側は出店を断念した。

 訴訟で同市側は「図書館設置は市民の要望に応えたもので、パチンコ店の出店阻止の意図はない」と主張したが、判決は「議会で出店阻止が議論され、市も顧問弁護士らに出店阻止の法的問題を相談していた」と指摘。「市の手法は社会的相当性を逸脱している」として、出店していれば得られた利益などを基に同社側の損害額を算出した。



 この条例自体が、パチンコ出店阻止にあるのが、過去の発言からも、明らかです。

「市の広報」に掲載されています。

http://www.city.kokubunji.tokyo.jp/dbps_data/_material_/localhost/100000/s101000/gikaidayori/178/SHIGI_070201_01P.pdf

国分寺駅北口再開発区域内へのパチンコ店の出店について、今議会において議員から質問がありました。それに対し市長からは「図書館に関しての市民要望が高いことから、IT技術を活用した新たな機能の拡充も併せ、旧UFJ銀行跡に、本多図書館の分館設置を検討中である。
また、図書館を設置すると風営法により、近隣にパチンコ店の営業許可がおりないため、出店阻止もできる」との答弁がありました。

議員提出議案で速やかに対応

 これを受け、議員からも早急に「国分寺市立図書館条例」を改正し対応すべきとの意見が高まり、議員提出議案で改正案を提案しました。
 市長からは今回の議員提案に対し、分館設置に向けての補正予算案を提案したいとの発言もあり、採決の結果、全員賛成で可決しました。
 議会が以前から求めてきた旧UFJ銀行建物の有効活用や、市民からの図書館開館時間の延長、貸出・返却の利便性向上等の要望が、分館設置により実現されると期待できます。





当時の、同市議会議員の反応です。

http://starandhoshi.cocolog-nifty.com/blog/2006/12/post_c14f.html

図書館が設置されると、風営法の規定により、半径50メートル以内には、パチンコ店等のアミュウズメント系の出店は許可されないことになっており、旧バザールKには、パチンコ店の出店が事実上できないことになりました。
 今後は、再開発事業の一層の進捗を図り、予定通り平成25年の完成に向かって努力して参ります。



 これだけ、動かぬ証拠「パチンコ店を阻止するために、図書館建設」ですから、完全にアウトです。

 裁量権の乱用について、判例があるのです。

個室浴場事件(最高裁S53.6.16)

概要
 Y社は、個室付公衆浴場営業(今のソープランド)を開始したが、近くに町立児童遊園があり、風俗営業等取締法(当時)違反に問われ、起訴された。同法(当時)では児童福祉施設から200メートル以内で、個室付公衆浴場を営むことを禁止しているが、当該児童施設の設置に関わる知事の認可処分は、Y社の営業阻止のために、町が申請したものに対してなされたものであり、行政権の乱用に相当し、違法であるとして、Yは無罪を主張した。

争点

個室付公衆浴場の営業阻止のために児童福祉施設の設置申請に対し、知事が出した認可処分は、行政権の乱用に相当する違法性があるのかどうか

要旨

 「本来、児童遊園は、児童に健全な遊びを与えてその健康を増進し、情操を豊かにすることを目的とする施設・・・なのであるから、児童遊園施設の認可申請、同認可処分もその趣旨に沿ってなされるべきものであって、・・・Y社の・・・営業の規制を主たる動機、目的とする・・・児童遊園施設の認可申請を容れた本件認可処分は、行政権の濫用に相当する違法性がある。


 行政権の認可=裁量に関して程度で、アウトだったのです。

 これが、同市の場合、わざと条例を作ったのですから、ダメでしょう。

 未だにこんなことをやる市があることが不思議です。

http://www.adcircle.co.jp/greenbelt/news/contents/5860.html

参加人口は1,110万人に~レジャー白書(2013/08/02更新)

 公益財団法人 日本生産性本部は8月2日、2012年中のレジャー動向に関する調査結果をまとめた「レジャー白書2013」を発表した。

 余暇市場全体の規模は64兆7,272億円(前年比マイナス0.3%)でほぼ横這い。パチンコの市場規模(貸玉料金)も19兆660億円(前年比プラス0.9%)で一旦下げ止まった。

 一方、参加人口は1,110万人で前年より150万人(11.9%)の減少。参加率も10.9%と前年(12.3%)より更に減少しており、下げ止まりにはほど遠い状況だといえる。

 今回のレジャー白書では各種目ごとの性・年代別参加率変動を2002年、2012年の両年で比較しているが、パチンコは10代男性で14.8%から2.0%へ、20代男性では49.5%から18.1%へと大幅に下落している。

 こうした若年層の離反が参加率低下の大きな要因となっていることが、改めて浮き彫りになったといえそうだ。

パチンコ産業


theme : 政治・経済・時事問題
genre : 政治・経済

三権分立 国会編

<国会>

 さて、三権分立で、行政を監視するはずの国会ですが・・・

三権分立 3

 形としては、こんな感じです。国会は、様々な政党が意見を持つので、はっきりいって、「バラバラ」です。

 政策論争は激しく、与党の足を野党は引っ張り、いつもぐちゃぐちゃです。おまけに、今は、衆参のねじれがあります。

 価値観の対立による「バラバラ」で、得をするのは、残る二権のうち、どこだと思いますか?

 一目瞭然です。「行政=官僚」です。国民の目、マスコミの目が、「バラバラ」な国会に向けば向くほど、自分たちにとっては「安泰」です。

 自分たちに国民の目が来ないようにするには、国会が「バラバラ」の方が都合がよいし、時には、第一次安倍内閣のときの社保庁のように、官僚自らが、自分たちにとって都合の悪い情報をリークし、目を「国会」に、「内閣vs野党」に向けさせるようにします。

図解雑学 よくわかる 省庁の仕組み

よくわかる省庁のしくみ (図解雑学)よくわかる省庁のしくみ (図解雑学)
(2010/12/08)
林 雄介

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P48
 守秘義務がありますから書きませんが、官僚が開き直って一番困るのは政治家です。私でさえ与党、野党の口利きや、不当な圧力をかけてきた政治家を何人も知っています。公務員の「飼い殺し」を止めて、暴露本を書いたりネットに公表し始めたら、一番困るのは省庁よりも政治家ではないでしょうか?大臣の「セクハラ」情報はマスコミには流れませんが、官僚の中ではすぐに流れます。

 言葉は悪いですが、「天下り」は口止め料込み、「終身雇用するから安心して、余計なことをしないでね」というのが公務員改革前の霞ヶ関でした。公務員制度改革で公務員が、退官後の就職活動を始めるでしょうし、また、同級生より給料が安いのは皆知っていますから、公務員制度改革の反動は必ず来ると思います。



 ですから、国会の与党支持が、つまり国民の、政権への支持が、とても高い時は、省庁も強く出にくくなることが、わかります。

三権分立 4


 しかし、国会が、つまり議員は、弱いのです。

http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news
/2013/04/25/kiji/K20130425005677770.html

嶋大輔 三原じゅん子氏が紹介?自民比例で参院選出馬へ

 ヒット曲「男の勲章」で知られる歌手で俳優の嶋大輔(48)が夏の参院選へ出馬する意向を固めていることが24日、分かった。自民党比例代表からの立候補を模索しているとみられる。嶋はこの日、芸能界からの引退を表明。25日に会見し、経緯や今後について説明する。また、日本維新の会が、元日本テレビアナウンサーの小倉淳氏(55)を擁立する方向で調整していることも判明した。



 結局、このタレント候補は、実現しませんでしたが・・・

日経H25.5,5
タレント候補


 格闘家が、政治家になるようです。

http://www.asahi.com/politics
/update/0604/TKY201306040089.html

アントニオ猪木氏、維新が擁立へ 参院比例区

 日本維新の会は4日、参院選比例区に元参院議員のアントニオ猪木氏(70)を擁立する方針を固めた。猪木氏は18年ぶりの国政復帰を目指す。5日に石原慎太郎共同代表ら国会議員団幹部と東京都内で記者会見し、立候補を表明する。

 プロレスラーだった猪木氏は1989年にスポーツ平和党を結成し、参院選で初当選したが95年に落選。98年に政界引退を表明し、レスラーも引退した。その後も、相手に気合を入れる「闘魂注入ビンタ」や「1、2、3、ダー!」との雄たけびで人気を博した。



週刊新潮13.6.6
「自民タレント候補に取りざたされた大場久美子 嶋大輔 佐竹雅昭」

…タレント候補として名前が浮上してきたのが、俳優の嶋大輔(49)と元K-1ファイターの佐竹雅昭(47)の2人だ。

 面接すると、嶋は引退まで発表したものの、政治家になってからのビジョンに欠けていたという。

結果、…佐竹…を含む5人が5月24日比例区の候補者に公認された。

 佐竹氏に聞くと、「3月下旬頃、菅さんの事務所に伺い立候補のお願いをしました。経済や外交も大切だけど、礼節を重んじる教育を通じて世界に打ち勝てる日本人を育てるに政治家を志した…」



 彼らは、憲法改正問題を、語れるのでしょうか。

読売新聞社H25年5月8日
「伊吹文明 衆院議長インタビュー」

与野党で憲法に関する議論が活発になってきた。憲法の改正にはまず、国会での発議(国民への提案)が必要だ。国会は憲法の問題にどう向き合うべきか。伊吹文明衆院議長に聞いた。

「国会議員は10人いれば10人が正義感や価値観が違う。その中から結論を導き出すには歴史や古典の教養が役立ちます。

憲法の議論をするにあたり、特に若い政治家にお願いしたいのは、まず大日本帝国憲法の制定過程を勉強して欲しいということです。立憲君主制のもとの憲法ですが、政府予算の執行に国会の同意(協賛)を義務づけるかどうかで随分議論したりしている。そういう歴史は今に通じます。

現在の日本国憲法を作り出すまでに、我々の先輩がどういう努力をしてきたのかも学んでほしい。『吉田茂書簡集』や『芦田均日記』など、他の人に見せることを想定せずに書かれた資料読むとよいでしょう」

「民主主義は51%による独裁だといわれます。僕はチェックアンドバランスのため、二院制は維持すべきだと思う。

参議院を英訳すると、House of Councilllorsです。『評議員』という意味のCouncillorからも、参院に求められるのは、ちょっと『お前ダメだぞ』というような役割でしょうが、現実は必ずしもそうなっていない…」



 憲法改正問題を語るにも、深い知識が必要なのは、言うまでもありません。

 全くの素人が、政治家になったら、どうなるのか。1980年代の消費税導入を巡る参院選挙で、社会党が「台所感覚を国会に」のスローガンのもと、大量の女性候補を擁立し、当選しました。その様子は、「山が動いた」と評されました。

 ですが、国会審議で、「間接税」と「直接税」の違いすら分からず、官僚にバカにされ、消えていきました。

 あるいは、徹底的に官僚に利用されます。「センセイ、センセイ」とおだてられ、分からないことがあると、彼らが飛んできてすぐにレクチャーされ、信頼関係を築き、官僚の立案した政策のために働くことになります。

井出ようせい 公式ブログ

官僚と政治家のギスギスした関係 2013 年 6 月 14 日

どういうことかというと、政治家と官僚の関係について、たまに「こんなんで大丈夫か」と思うことに遭遇する。官僚のみなさんは私のような1年生議員にも「先生、先生」と言ってくださって、多くの官僚は実直だ。けれどたまに、会議中にみせる表情だったり、電話の向こうから聞こえてくる官僚同士の会話だったりするのだが、「ああ、政治家って全く尊敬されていないな」と思うこともある。

ある会議で、議員同士が法律を作る議論をしていた。省庁の役人も横で聞いていて、たまにアドバイスをしてくれる。しかし、1人の議員の発言が、役所としてはあり得ない話だったのか、「それはないよな」といったような失笑が役人たちの席からもれてきた。それをみた発言中の議員が激怒する。議員の激怒は相当なもので、言葉も相当荒かった。しかし、そもそも怒らせるような失笑をしたのは官僚たちの方だった。真剣な議論を笑ったのだから。でも、誤るわけでもなく、ひたすら目をあわせずにいるだけだった。こんなことで、「さあ、法律ができました。運用の基準を作りましょう」という時に、官僚が政治家の議論を反映させるのだろうかと不安になった。重ねて断っておくがこんなことはいつもある訳ではない。多くの官僚は真摯にやってくださっている。

逆に政治家の側も、私がみていて「この議員、なんでこんなに横柄なんだろう。役人が気の毒だ」と思うことがある。こっちは「たまに」というよりも「よくある」といった方がよいかもしれない。議員が役人に分からないことを聞くのに、議員会館まで呼びつけるのが当たり前、電話も、議員本人がするのではなく秘書がするのが当たり前というのが、常識らしい。私も質問を作る時に分からないことがあるので役所に電話をするが、ニュアンスをしっかり伝えるために、直接電話するようにしている。そうすると「わざわざお電話いただいて」と恐縮、感謝されることが多い。

政治家は官僚に言うべきことは言わなければいけない。役所のやっていることや考え方と対立することも多い。私など野党だからなおさらだ。しかし、政治家と役人の信頼関係ができなければ、信頼関係をお互い損ねてしまったら、法律を作っても、また、国会でどんなにいい質問をしても、きちんと実行に移せるかどうかというところが大きく揺らいでしまう。Twitterの暴言は極端すぎるケースだが、政治家と役人の関係がよくないということの現れと見ることができる。



官僚の本音です。

週刊現代「12.16総選挙の面白すぎる結末」

「財務官僚匿名座談会 すべてホンネでいいですか アホの政治家どもへ」

幹部
インフレにするために日銀はどんどん札を刷ればいいなんて、あんな愚劣な経済政策、誰に吹き込まれたの?

中堅
総理やってた時からバカだとは知ってたけど、この5年で救いようのないアホになったか。

若手
だいたい週刊現代だって、まだ何もやっていない橋下持ち上げてどうしたいんですか?ただのの大阪市場ですよ?虫けらですよ、はっきり言って。

幹部
お前はまだ若いな。今も虫けらだけど、あれは総理になる可能性のある政治家だ。そういう奴は大事にしなきゃいかん。

幹部
ポピュリストでも決めるパワーがあればいいんだよ、政治家は。政策の中身は俺たちが作るんだから。

幹部
望むところだ。橋下が国政に来たら、まず「地方分権」の妄想を潰す。そして「官僚が悪い」というステロタイプの発想を捨てさせる。それから仲良くする(笑)。

中堅
石原みたいなジジイはどうでもいい。でもおれたちは将来、橋本でメシを喰わなきゃいけないかもしれない。常にそういうことを想定するのが財務省だ。

「オレたちは全然悪くない」

幹部
政治家はアホだから、デフレには金利以外にも様々な要因があることがわからない。

幹部
…物価とか、失業率とか、そういう数値は景気が良くなれば結果として良くなるもの。数値だけを上げて景気良く見せかけるのは本末転倒だ。

若手
でも政治家は選挙の票目当てにそういうことを言いたがる。

中堅
さすがに「政治主導」が幻想だったことに気づいたでしょう。

幹部
安定政権で落ち着いて仕事がしたいもんだ。

若手
そういうことを言ってるから、財務省は高慢だと言われ続けるんですね。

中堅
仕方がない。政治家がアホなんだから。




 国会は民意の反映なので、タレントや、元官僚や、スポーツ選手や、弁護士や、医者など、色々な人たちが議員になります。

議員 官僚出身


 そういう意味では、価値観の多様化にもとづいているので、望ましいことなのかもしれません。

 ただ、相当勉強していないと、官僚にやられて終わりです。何しろ相手は、日本最優秀の知識のかたまり、東大法学部卒です。

 Q 消費税の増税は、来春に予定されているが、必要か否か。

 政治家の皆さん、どう答えますか?

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三権分立 行政 その3

<行政 その3>

 その1で検証したように、三権分立図は、下記のようになっています。

三権分立 1

 ですが、現在の力関係は、違います。

三権分立 2

 行政の力が、極端に肥大化しています。これを「行政国家」といい、先進各国に共通してみられる状況です。
 
 高校教科書でも、三権分立(1)国会(2)内閣(3)裁判所とやったあとに(4)行政機能の拡大と、別項目で取り扱われるほどです。

 現代は、「行政肥大国家」なのです。

<行政国家>

(1)許認可権の拡大

 まず、公務員の数自体は、減っています。
 
浜島書店 最新図説政経 2013
公務員数 


 ところが、権力は拡大の一途です。許可・認可の件数、いわゆる許認可権は、どんどん拡大しているのです。

清水書院2012 資料政治・経済
許認可 1

第一学習社 最新政治・経済資料集2012
許認可 2

許認可と、一言で言いますが、許可と認可は違います。

(1)許可は、禁止されていることを、特別に許すことです。医師免許、教員免許、自動車運転免許など、免許と言われるものは、「試験合格」や「資格」を持つことを条件に、特別に許されるものです。公共電波も「免許」です。飲食店も、許可です。行政の裁量があります。

(2)認可とは、一定の要件さえクリアすれば、認められるものです。行政が、民間企業の活動を後押しするもの「農地転用の認可」があります。

 タクシーの運賃は、上限・下限(上限から10%以内)が決められ、その枠内であれば、「認可」されます。

 特に、許可は、行政の裁量が非常に大きい分野です。認めるか、認めないかは、行政判断にかかっています。この裁量権が拡大の一途なのです。

(2)天下り先の確保

行政その1で、官僚が出世するには、その省庁の関連法人をバカバカ作ることが必要と書きました。予算も、人事も広がるからです。

その法人への、省庁からの移動を、「天下り」といます。

第一学習社 最新政治・経済資料集2012
天下り 1

実教出版 2012 新政治・経済資料
天下り 4

 なんだか、上の図を見ると、天下りが改善されたように見えますが、実体は、ますます増加です。

清水書院2012 資料政治・経済
天下り 2

 天下り先も、自己増殖のように、どんどん増えています。

東学 資料政・経 2013
天下り 3

(3)法律を作るのは官僚

 法律案自体を作るのも官僚です。

清水書院2012 資料政治・経済
議員立法 内閣立法

 議員立法といえども、その法律案を作成するのは、元官僚です。

清水書院2012 資料政治・経済
議員 官僚出身

 国会の○○委員会で、法案に関する質疑応答が行われます。安倍総理が質問に回答しています。
 内閣提出法案は、官僚が作成します。質問する側は、官僚に相談して質問を作成します。質問は、あらかじめ、質問内容を回答者側に伝えなければいけません。いきなり、その場で、数字をあげて質問されても、安倍総理や閣僚が答えられるわけではないからです。

 ですので、質問をもらった段階で、今度は官僚が回答を作成し、閣僚や安倍総理に渡します。

 何のことはない、官僚が作成した法律案について、官僚が質問案を作成し、官僚が回答案を答えるという、「官僚同士の答弁」になっています。

 国会議員は、官僚(法律に精通)がいないと、何もできないのです。

その法律案ですが、実は「委任立法」といって、官僚の裁量権が大きくなるように作られています。

浜島書店 最新図説政経 2013
委任立法

実教出版 2012 新政治・経済資料
委任立法 2

 例えば、生活保護費です。保護費が、法律に書かれているわけではないのです。国会で生活保護費を改定するたびに、いちいち生活保護法を改正などしないのです。細部は、厚労大臣の裁量で決められるようになっています。

 道路交通法の細かな改正も同様です。道路交通法施行規則、道路交通法施行令を、官僚が変更すればいいようになっています。

 官僚に依存しないと、一歩も前に進めない、これを「行政国家」といいます。

 また、内閣は行政のトップですが、その内閣は与党が担います。与党が内閣を批判することは、与党が自分の総理大臣を批判することになります。

 つまり、国会の過半数は、内閣(行政)を批判できない=国会は内閣を批判できないことになっています。

さて、次回は、その官僚を使いこなすはずの国会について、検証します。「政治主導」のはずですが・・・

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