著名人(8) 佐和隆光 『はじめての経済学講義』
佐和隆光『はじめての経済学講義』日本経済新聞出版社2008 p93
日本は、先進国の中では、飛び抜けて財政赤字幅の大きい国です。83兆円(2007年度)にものぼる一般会計の歳入の中身は…公債金(政府の借金)25.4兆円となっています。なんと歳入の31%を公債金という名の借金が占めているのです。逆に歳出総額は83兆円、そのうち、国債費(国債の償還や利払い)21.1兆円…国債費は過去の借金の返済と利払いなのですから、借金を返すために借金をしているという、自転車操業の様子が伺えます。…借金のある家計が、さらに借金をして借金を返済する、しかも借金が雪だるま式に増えてゆく。そんな家計のことを「火の車」と言いますよね。日本という国の会計が文字どおり「火の車」状態なのです。
佐和さん(立命館大学)は、1965年東大経済学部卒業ですから、今60歳代後半だと思われます。この世代の方は、マクロ経済学のISバランス(貯蓄投資差額論)に精通していません
(慶應義塾で言うと、吉野直行先生も、「国債を一人当たり○○円の借金」と表記させるきっかけを作った方です。ISバランス論は不得手なのでしょうか。竹森俊平、竹中平蔵先生世代には、当たり前の考え方です)
ですから、「借金で火の車」という、一面的な見方しか提供しません。
正解は、「借金をして借金を返済する、しかも借金が雪だるま式に増えてゆく」の片方に、「貯蓄をして貯蓄を貸付する、しかも貯蓄が雪だるま式に増えてゆく」という家計があるのです。
三面等価の図を見ましょう。
ここから、S-I=(G-T)+(EX-IM)という関係がわかります。国民の貯蓄(S)が(G-T)に充てられています。ですから、「国債は政府の借金=国民の財産」です。
この借入金を買っているのは誰でしょう?それは我々1人1人の国民なのです。我々が預貯金をしたり、生命保険金を支払ったりしたお金が、国債の購入に当てられています。しかも、国債の金利は、銀行や郵貯、保険会社の利益(GDPに算入)です。
約668兆円の国債のうち、95.4%=約637兆円は、我々日本人が持っているのです(海外の4.6%を除く 2006年3月末現在)。簡単に言えば、約1500兆円に及ぶ、日本人の個人資産の約42%は国債なのです。


P134 家計の金融資産残高の推移
家計→金融機関→国債購入なのです。
山崎元『なぜ必ず儲かる話は儲からないのか』プレジデント2009.5.18号
…日本人が日本人から借りて、日本国内で支出している。一家に喩えると、夫が妻から借金をしてこどもに小遣いを上げているような状況です。
「国はいくら国債を発行しても倒産することはないと考えて良いのでしょうか。結論から言えばそのとおりです。現代の管理通貨制の下では自国通貨建ての国債をいくら発行してもそれが理由で国が倒産することはありえ (下線部筆者)」ないのです。
岩村充 『貨幣の経済学』集英社 2008 p153
同書では,「国債は政府の株式」に例えられています。また、国債は通貨制度のアンカー(昔の金本位制度における金)だと喝破しています。
さらに、日本政府は、世界で一番の金持ち政府なのです。国会や、裁判所の土地建物、国道など、売れない資産を除き、現金・預金,有価証券,未収金,貸付金,運用寄託金,出資金など,流動性の高い資産(現金化できる)だけで,523兆3890億円あります。
高橋洋一『日本は財政危機ではない!』講談社 2008 p29
柴山政行 『Google経済学』フォレスト出版 2008 p196
国際的にしばしば使われている指標は「純債務:289兆円」で,財務省が主張する「粗(あら)債務:980兆円」ではありません。日本ほど,政府が多額の資産を持っている国はないのです。その資産を「粗債務」から引くと,債務超過額は289兆円になります。その額は,単純計算ですが,日本の国家予算82兆円の3.5倍程度になります。
実は,日本が財政危機でない事を一番よく知っているのが財務省なのです(以下の内容は 高橋洋一『さらば財務省!-官僚すべてを敵にした男の告白』『日本は財政危機ではない!』講談社 2008)によります。
2002年,アメリカの格付け会社によって,日本国債の格付けが引き下げられました。それに反論した財務省の意見書です。
「日本は世界最大の貯蓄超過国(筆者注:S-Iが黒字)であり,国債はほとんど国内で消化されている。また世界最大の経常収支黒字国(筆者注:外国への資金貸し出しが最大の国)であり,外貨準備も世界最高である」
このように,「純債務でみると日本は財政危機ではない」という,常に「財政危機だ」と言っている日本国内向けの説明と,全く違う説明を海外にしたのです。
日本の消費Cは、約287兆円です。消費税を10%引き上げると、28兆7千億円増税です。税収不足分が補えることがわかります。国と地方が、現在発行しなければならない債務を、消費税を15%にすることで、「無借金経営」にすることが出来ます。
日本は、先進国の中では、飛び抜けて財政赤字幅の大きい国です。83兆円(2007年度)にものぼる一般会計の歳入の中身は…公債金(政府の借金)25.4兆円となっています。なんと歳入の31%を公債金という名の借金が占めているのです。逆に歳出総額は83兆円、そのうち、国債費(国債の償還や利払い)21.1兆円…国債費は過去の借金の返済と利払いなのですから、借金を返すために借金をしているという、自転車操業の様子が伺えます。…借金のある家計が、さらに借金をして借金を返済する、しかも借金が雪だるま式に増えてゆく。そんな家計のことを「火の車」と言いますよね。日本という国の会計が文字どおり「火の車」状態なのです。
佐和さん(立命館大学)は、1965年東大経済学部卒業ですから、今60歳代後半だと思われます。この世代の方は、マクロ経済学のISバランス(貯蓄投資差額論)に精通していません
(慶應義塾で言うと、吉野直行先生も、「国債を一人当たり○○円の借金」と表記させるきっかけを作った方です。ISバランス論は不得手なのでしょうか。竹森俊平、竹中平蔵先生世代には、当たり前の考え方です)
ですから、「借金で火の車」という、一面的な見方しか提供しません。
正解は、「借金をして借金を返済する、しかも借金が雪だるま式に増えてゆく」の片方に、「貯蓄をして貯蓄を貸付する、しかも貯蓄が雪だるま式に増えてゆく」という家計があるのです。
三面等価の図を見ましょう。

ここから、S-I=(G-T)+(EX-IM)という関係がわかります。国民の貯蓄(S)が(G-T)に充てられています。ですから、「国債は政府の借金=国民の財産」です。
この借入金を買っているのは誰でしょう?それは我々1人1人の国民なのです。我々が預貯金をしたり、生命保険金を支払ったりしたお金が、国債の購入に当てられています。しかも、国債の金利は、銀行や郵貯、保険会社の利益(GDPに算入)です。
約668兆円の国債のうち、95.4%=約637兆円は、我々日本人が持っているのです(海外の4.6%を除く 2006年3月末現在)。簡単に言えば、約1500兆円に及ぶ、日本人の個人資産の約42%は国債なのです。


P134 家計の金融資産残高の推移
家計→金融機関→国債購入なのです。
山崎元『なぜ必ず儲かる話は儲からないのか』プレジデント2009.5.18号
…日本人が日本人から借りて、日本国内で支出している。一家に喩えると、夫が妻から借金をしてこどもに小遣いを上げているような状況です。
「国はいくら国債を発行しても倒産することはないと考えて良いのでしょうか。結論から言えばそのとおりです。現代の管理通貨制の下では自国通貨建ての国債をいくら発行してもそれが理由で国が倒産することはありえ (下線部筆者)」ないのです。
岩村充 『貨幣の経済学』集英社 2008 p153
同書では,「国債は政府の株式」に例えられています。また、国債は通貨制度のアンカー(昔の金本位制度における金)だと喝破しています。
さらに、日本政府は、世界で一番の金持ち政府なのです。国会や、裁判所の土地建物、国道など、売れない資産を除き、現金・預金,有価証券,未収金,貸付金,運用寄託金,出資金など,流動性の高い資産(現金化できる)だけで,523兆3890億円あります。
高橋洋一『日本は財政危機ではない!』講談社 2008 p29
柴山政行 『Google経済学』フォレスト出版 2008 p196
国際的にしばしば使われている指標は「純債務:289兆円」で,財務省が主張する「粗(あら)債務:980兆円」ではありません。日本ほど,政府が多額の資産を持っている国はないのです。その資産を「粗債務」から引くと,債務超過額は289兆円になります。その額は,単純計算ですが,日本の国家予算82兆円の3.5倍程度になります。
実は,日本が財政危機でない事を一番よく知っているのが財務省なのです(以下の内容は 高橋洋一『さらば財務省!-官僚すべてを敵にした男の告白』『日本は財政危機ではない!』講談社 2008)によります。
2002年,アメリカの格付け会社によって,日本国債の格付けが引き下げられました。それに反論した財務省の意見書です。
「日本は世界最大の貯蓄超過国(筆者注:S-Iが黒字)であり,国債はほとんど国内で消化されている。また世界最大の経常収支黒字国(筆者注:外国への資金貸し出しが最大の国)であり,外貨準備も世界最高である」
このように,「純債務でみると日本は財政危機ではない」という,常に「財政危機だ」と言っている日本国内向けの説明と,全く違う説明を海外にしたのです。
日本の消費Cは、約287兆円です。消費税を10%引き上げると、28兆7千億円増税です。税収不足分が補えることがわかります。国と地方が、現在発行しなければならない債務を、消費税を15%にすることで、「無借金経営」にすることが出来ます。
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