著名人(7) 金子勝 『月光仮面の経済学』 NHK出版 2001

金子勝『月光仮面の経済学』NHK出版2001 p44

最近では、日銀が銀行や企業が持っている土地や株やCP(コマーシャル・ペーパー、無担保で短期の約束手形)を買い取れという主張する者までが現れている。いかに困っているとはいえ…特定の企業から株やCPを買ってやる-そんな中央銀行は、発展途上国以外には見当たらない。この人たちは、中央銀行の公共性が何たるかを知らないのだ。
…そもそも中央銀行は特定の銀行や企業と結託して救ったり助けたりしないようにしてきたからこそ、「銀行の中の銀行」になってきたのだ。
こんな馬鹿なことをすれば、世界中の物笑いの種になるだろう。きっと日銀が買い支えている日本の国債の格付けは地に堕ちるに違いない



①日銀は、 2008年12月に、急速な円高や景気後退の深刻化に対応するため、政策金利を0.2%引 き下げ、年0.1%としました。
また、企業が資金調達のため発行するコマーシャルペーパー(CP)の買い取りなども決めました

 CPとは、コマーシャルペーパーのことで、企業が資金調達を行うために発行する短期の無担保の約束手形です。社債は長期、CPは短期(1年を目安)です。無担保ですから、信用力のある大企業でないと、実際には発行できません
 そのCP市場でさえ、「11月のCP残高(事業会社発行ベース)は13兆円弱。4月に比べて約3兆円も減った。一般事業債の月別発行額も同様で、4月の約1兆2000億円が11月には約3000億円にまで落ち込んでいる。機関投資家は、優良企業のCP、社債ですら買わなくなってしまった(週刊ダイヤモンド 2008年12月15日HP参照・グラフも)」のです。
CP.jpg
 大企業でさえ、こうなのですから、中小企業の資金繰りは大変悪化しています。そこで、日銀は、「貸し渋り」を防ぐため、CPや社債を、金融機関経由で購入することにしたのです。その「供給残高は、6月18日に7兆5000億円を突破(日経H21.6.17)」しています。

②日銀は、バブル崩壊後、平成14年11月から約2年間、銀行保有株の買い取りも行った経験があります。

 100年に1度といわれる、未曾有の経済危機なので、このような手段がとられたのですが、アメリカFRBも、CP購入に踏み切っています。日銀が金子さんの言う、「中央銀行の公共性」を捨ててでも、経済危機に対処しようとしているのですね。

 ムーディーズは2009年5月18日、日本国債:自国通貨建て債務(JGB)の格付けを従来のAa3からAa2に1ノッチ引き上げました。
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