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臨時投稿 頼むからやめてくれ~英語必修化 悲鳴!

<臨時投稿 頼むからやめてくれ~英語必修化 悲鳴!>

日経h26.12.2
英語


英語の小学校3年生からの必修なんて、愚の骨頂です。絶対に、英語ペラペラになんてなりません。

英会話のアルクの先生から伺いました。英語ペラペラになるには、7000時間で大丈夫と。

週に2時間、英語を勉強しても、年間70時間、2年で140時間です。

現行、小5~6年生で140時間、中学校で週に3時間として3年間で315時間、高校で週4時間として420時間、合計875時間です。7000時間など、どうやっても絶対に無理なのです。受験勉強で2倍にしても1600時間にしかならない・・・

 7000時間なら、留学して、睡眠時間を除いて1日12時間英語思考をして、100日で1200時間、1年で3600時間、2年で7000時間クリア・・・ここまでやってようやく、英語で夢を見るレベルです。

 だから、小学校3年生から英語やって何の意味が? 小学校で英語2時間増やせば、他の教科を勉強する2時間を削ることに。使えない英語を学ぶために、なぜ、他の教科を1年に70時間も削る必要?

 70時間あれば、漢語や和歌や俳句や童謡や、日本にしかない文化・考え方を学ぶ時間を取った方がずっとまし。藤原正彦いわく、今は意味が分からなくても、暗唱した方がずっとまし。


 故郷は遠きにありて思うもの・・遠き都に返へらばや・・犀星
 子曰く、われ十有五にして学を志す・・
 僕の前に道はない、僕の後ろに道はできる・・・高村光太郎
 祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり・・
 春はあけぼのようよう白くなりゆく・・
 兎追いし彼の山・・・夕焼け小焼けの赤とんぼ・・

五七五に、季語を入れる、やり方。
五七五七七で、何かになぞらえて、自分の感情を表す やり方。

日本人が大好きな、「美」「感情」「形」が、そっくりそのまま表れています。(日本人は、「真」「合理的精神」「自ら作り出す」が苦手です)

欧米人はノイズという虫の声に、季節を感じる日本人(藤原正彦本)。

あとで、その意味が分かる・・教育の醍醐味!神髄!教師の言い訳(笑い)!

本当に、止めてください、一億総白痴化。

大体、失敗しても、だれも責任を取らない無責任体制。ゆとり教育失敗しても、だれも責任を取らない。英語教育、絶対に失敗するのにだれも責任取らない。今始めたら、10年後20年後に影響。直すのにさらに10年、20年・・・

責任を取ら(れ)ない人が、計画しても失敗するシステムは、ソ連の共産主義で実証済み。

「リスクをとるから責任も取る」にしないと。政府は「ルール・環境整備」が仕事。

冗談抜きに、本当にやめてくれええ!《笑い事ではない》
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臨時投稿 英語小学校必修化の愚

<臨時投稿 英語小学校必修化の愚>

 規範とか、べき論とか、自分の考えではありません。単なる事実です。

「英語を小学校3年生からやっても、英語ペラペラにはならない」です。

何で、60年以上もやってきて、結果は出ていて未来も分かっているのに、英語必修なのか・・・さっぱり理解できません。

英語ペラペラ人、世界と伍して交渉ができる人を育てたいなら、その人たち向けの2年間英語付け環境(大学課程なみ)を日本国内に用意すれば十分です。

官僚内定者や企業の将来性を見込まれた人を、24時間英語付け環境・英語付け学習・卒業単位必修にすれば十分です。卒業できないと内定をもらったものの官僚になれない・・・人生で、一番勉強することでしょう。

武蔵大学だかが、その様な課程を作るとか作らないとか・・・

海外の有名大学日本分校を作れば、「国内で留学できる」と、殺到するでしょうに・・

なんで、先人が「子孫が楽をできるように」とカタカナを考え、翻訳語を作ってくれたのか・・・世界最先端の学習と文化環境があるのに・・・

読売H26.11.30
戸田奈津子
英語より読書で日本語力を

長年、映画字幕の仕事をしていると、「英語がお上手なんですね」と、みなさんから言われます。でも、実際、この仕事は英語力よりも日本語力なんです。4分の3は日本語力だと思います。字幕の場合、長いセリフを逐語訳していくと、スクリーンが文字だらけになってしまいます。だから、セリフの間に読み切れる日本語にする。
 
映画を見る楽しみを妨害しない文字数は、1秒間に3、4文字程度。例えばI love him more than she doesというセリフがあったとします。3秒程度だから8字、9字あたりでまとめます。「私は彼女より彼を愛している」では読み切れませんよ。ですから「私の思いが上よ」とか、「彼は私のものよ」とする。いつも日本語と格闘して、短く的確な言葉を探すことに専念しているというわけです。

 日本人はお題目のように唱えます。「英語やらなききゃ。英語勉強しなきゃ」って。1945年8月15日の終戦時、私は小学生でしたが、極端な話、翌日から日本は変わりました。アメリカやイギリスを「鬼畜米英」と呼んでいたのに、「英語を学ばなきゃ」になったのです。いまも相変わらず英語。小学校から英語です。悪くはありませんよ。でも、日本は「英語、英語」を言うが余り、日本語が貧困化していませんか。

 映画会社からも「字幕にあまり漢字を入れると、若いお客さんが読めないから、やさしくして」という注文が来ます。「蝶蝶」なんて「ちょうちょう」と平仮名にする。1文字でも惜しいのに。のみならず、表現力も貧しくなっていると思います。「戸惑う」を「迷う」にしてくれ、と言われることもあります。微妙なニュアンスの違いを表現していた言葉が切られていく。若い人は辞書を引かなきや。素晴らしい日本語を維持していく努力をしなければいけません。

  最近、電車やバスでも若い人はスマホばかりですよね。でも、日本語力をつけるには本を読むしかないのです。いい文学作品を読むこと。速度は遅いけど、読めば、日本語の美しさを頭が感じ取って少しずつ身につくんです。何冊も読んでやっと日本語力が蓄積されていく。この時代、コンピューターがいくらでも情報をくれます。でも、情報は教養ではない。人間の価値を決めるのは教養です。自分で本を読み、考えなければ、教養は身につきません。



藤原正彦 
「次は一年生から?」週刊新潮H26.12/4

文部科学省は先頃、公立小学校の五、六年生で必修となっていた「外国語活動」を正式の教科に格上げし、さらに小学校三年から英語を始める方針を固めた。「国際人育成のため」らしい。いつまで続く愚論愚策かと嘆息が出てしまう。かつて英語の小学校導入が決められた頃、私はこう書いた。「五年生から英語を週一、二時間教えても話せるようにはならないから次には三、四年からとなる。それでもだめだから一、二年からとなる。すると一、二時間では足りないのだ、二・三時間にしようとなる。それでも日本人は話せるようになれない」。その通りの進行だ。「二〇二〇年のオリンピックで若者達が日本を説明、案内できるように英語教育を強化する」と語る文科大臣政務官までいた。卑屈だ。日本で道を聞かれたら堂々と日本語で答えればよい。

 まず断言できることは、小学校の英語教育導入を主張する人達のほぼ全ては英語ができず国際人でもないということだ。英語ができないという劣等感を小学校から学ばなかったせいにしているに過ぎない。英語ができれば国際人になれる訳でもない。アメリカ人はみな英語がうまいが、三年暮らした私の見た所、国際人と呼べる者は1割もいない。小学校での英語強化に反対する者もいるが、「小学校教員ほとんどが英諸を話せないのに何をどう教えるのだ」「ネイティブが教えない限り反対」「中学の内容を小学校に下ろすのなら反対」など技術論が大半だ。誰が教えようとダメなものはダメなのだ。
理由は大きく二つある。

 一つ目は、日本人の大半は小学校一年から毎週三時間ずつ英諸を学習しても話せるようにはならないということだ。幻想を国民に抱かせるのは罪である。日本語と英語はあらゆる点でそれほどかけ離れている。英語を使う職業につく希望を持つ者だけが中学から全力で始めればよい。授業だけでは到底足りず独力で猛勉するしかない。中学時代の私は、記憶力の最もよい時期にと毎日家で英諸に集中した。従来の文法と解釈を柱に、大学受験に必要な単語八千語や基本的英文例を片端から暗記してしまった。高校以降はさほど英語をしなかったが、大学生の頃には聴き取りを除きかなり流暢に英語を読み書き話すことができた。外国語学習は、一気呵成の集中が最も効率的なのだ。小中高大とダラダラ続く日本の英語教育ではまったく効果が上がらない。物にならない英語に多大な時間と労力をかけるのは国民エネルギーの壮大な無駄だ。

 第二は近年の英語狂噪は日本の文化や幼い頃から英語を学び米英人に教えられるということは、単なる語学を超え、米英的発想、能-度、文化を無垢な心に刻印されることでもある。それは子供達が日本の文化、伝統、情緒、道徳の素晴らしさを認識することを妨げ、すでに国民病となりつつある米英へのコンプレックスを助長する結果となる。外国文化を忌避する必要はないが、幼いうちはまず自国文化をたっぷり身につけ、自国への自信と誇りを持つことが先決である。さらに困ることに小学校から長年英語にかまけていると、古今東西の名著を読む時間がとれず教養が身につかない。例外的に有能な者を除き、「教養と外国語並び立たず」なのだ。かつて英文学者の中野好夫氏は「語学ができるほどだんだん馬鹿になる人間の方がむしろ多い」と述べた。

 小学校での英語教育とは、我が国がグローバリズムという名のアメリカ主導の世界支配に加担することでもある。二十一世紀は効率、能率、規制なき自由競争ばかりを強調するグローバリズムを是正し、多少不便でも各国、各民族、各地方に美しく花咲いた文化、伝統、言語を取り戻す時代でなければならない。英語を尖兵とする米英文化の侵略から各国がいかにして自国文化を防衛するかは、世界各国の直面する現代の最重要課題なのだ。



フランスなど、反英語の法律を持ちほどです。

個性尊重と、反対にあるのが、画一化です。フランスにいったら、フランス料理が食べたいし、イタリアに行ったらイタリア料理、日本に着たら、本物のすしを食べてみたい・・

これが個性です。日本語は、世界で一番繊細な表現ができる言葉です。

なぜ、日本人は英語が使えないか

<なぜ、日本人は英語が使えないか>

 簡単です。日本人が優秀すぎたからです。

 明治以後、日本は「欧米の学問」を「日本語に翻訳」して、勉強するようになりました。

 その結果、社会だろうが、理科だろうが、高度な数学だろうが、大学院レベルの教科書まで、すべて「日本語」で、世界最先端レベルの学問が学べます。

 フィリピンや、インドネシアでは、母国語で「算数・数学・理科」を教えることができません。対応する「言葉」がないからです。「多角形・・・惑星・・・酸性・・・」この言葉すら、母語にはありません。だから、英語の「算数・数学・理科」教科書を使用するしかありません。

 日本で言えば、小学校から、理系科目は、「英語教科書」です。


 さて、「通訳という仕事は早く日本から消えるべき」とおっしゃる、通訳者の意見を、ちょっと、検証してみましょう。

 明治時代に「翻訳・・・つまり、欧米の学問を日本語化した部分」を拾ってみます。太字にします。



http://blogos.com/article/85541/

英語マスターするというのは“大きな図書館の鍵”を受け取ること-会議 通訳 者・高松珠子氏インタビュー後編

会議 通訳として活躍する高松珠子氏インタビュー前編に続いて後編では、日本の英語 教育や 英語 力上達させるコツについて語ってもらった。(取材・執筆:永田 正行【BLOGOS編集部】)


通訳という仕事は早く日本から消えるべき
-「グローバル化」が叫ばれて久しいですし、日本でも「英語 教育に力を入れよう」といった議論現在でもされています。

高松:私自身、現在、通訳 学校で「通訳になりたい」という方々に授業アドバイスをしているのですが、本当通訳という仕事は早く日本から消えるべきだと思っています。

多くの人が英語を使いこなせるようにならないと、日本はどんどん衰退していくんじゃないかと、非常不安に感じています。日本がここまで成長できたのは、優秀先輩 通訳たちが、努力して努力して努力してきたからだと思いますが、その反面、日本の多くの方たちが英語なしでやってこれてしまった面があると思います。今海外に行きますと、韓国や中国(中華・人民・共和・国)の方たちの方が英語はペラペラです。

国際 会議様々商談では、通訳がどんなに頑張っても0.数秒の遅れが発生してしまいます。それは話がに遅れているということなんですね。日本の方が内容消化してから話そうと思っても話が変わってしまっていることもあります。だから、やっぱり英語直接 コミュニケーションできるような人が増えてもらいたい。切実にそう思います。




 しゃれにもなりません。


 英語、必要としなくてもいいように、明治の先輩が、骨を折ったのです。当時、帝国大学の授業はすべて英語(ネイティブの先生)で、授業の中に、「翻訳科」がありました。優秀な学生が、欧米語の「翻訳」を授業として行っている時間です。記憶があやふやですが、全時間の1/4くらいが、「翻訳科」の時間だったようです。

平川祐弘「日本人に生まれてよかった」新潮新書

 日本人の少数トップの外国語能力は、岡倉天心、新渡戸稲造、内村鑑三、徳富蘇峰、森鴎外など1862年前後に生まれた世代がずば抜けて高かった。岡倉の如きはその主著をことごとく英語で書いています。ところが、日本の教育制度が整備されるに従って英語の力は次第に落ちました。それは明治初年の日本では、地理・歴史・数学・動植物、その他いかなる学科もみな外国語の教科書で学んだからで、その世代は完全な外国語漬けで育ったのです。「単に英語を何時間習うというよりも、英語ですべての学問を習うと言ったほうが事実に近い位であった」と夏目漱石は「語学養成法」で回顧しています。



ただし、エリートは、丁々発止の外国語能力を持たなければいけないというのが、彼の信念です。

 漢字、必要としなくてもいいように、「かたかな」「ひらがな」「音読み」「訓読み」を作ったのです。そのおかげで、「コカ・コーラ」と意味のない文字で、表記できるようになりました。「可口可楽、ベンツを奔馳」と表記しなくてよいのです。

平川祐弘「日本人に生まれてよかった」新潮新書

イタリア語とかフランス語には、「高い」という形容詞はあるが、「安い」という一語の形容詞はありません。安いと言いたときは、「高くない」とか「経済的な」と言わねばなりません。



ハングルは、表音文字です。英語も表音文字です。

漢字は、表意文字です。

貴社の記者は、汽車で帰社した。

ハングルだと、こんなイメージです。

キシャノキシャハキシャデキシャシタ
KISYANOKISYAHAKISYADEKISYASITA

としか、表記できません。

韓国では、歴史大学教授さえ、戦前の資料を読めなくなってしまっています。

日本語(人)は、世界の最先端レベルの学問を、「日本語」だけで、理解できるのです。こんな国、他にありません。

だから、明治以後、中国も朝鮮も、「学問」を学ぼうと、日本に留学したのです。

その人たちが、戦後の中国朝鮮を作ったのです。

「中華 人民 共和 国

「朝鮮 民主 主義 人民 共和 国

日本の翻訳がないと、国自体、名前が付けられません。

平川祐弘「日本人に生まれてよかった」新潮新書

明治期留学生というと、私たちはただちに明治時代に西洋へ留学してその知識を活用し、日本の国づくりに貢献した人たちを思い浮かべます。しかし、明治期のネーション・ビルディングに刺激されて中国や朝鮮やベトナムから日本に留学した東洋人がいたことはあまり思い浮かべない。
 日本の明治維新による近代国家建設の成功例が、孫文(そんぶん)や康有為(こうゆうい)や金玉均(きんぎょくきん)やエミリオ・アギナルドやファン・ボイチャウや、ネルーやチャンドラ・ボースに、それぞれの自国で欧米と対等の国を造りたいという夢を抱かせました。・・・そこから、中国人・朝鮮人・ベトナム人の明治後半以降の日本への留学も始まったのです。

 …実は西洋へ渡った日本人の明治期留学生より、中国・韓国・ベトナムなどから来日した明治期留学生の方が桁違いに数は多かったのです。

…日本の成功は、数少ない留学生をキー・ポジションにつけた結果なのです。



注)朝鮮は、「朝貢が鮮(すく)ない」という意味です。中国の皇帝に「朝貢外交」を、周りの国がしていたのですが、

中国からの土産(お返し)に比較(皇帝の威厳を保つため、そりゃ豪華なお土産)しても、あまりにも貧相な「朝貢」しか持ってこないため、中国に「朝鮮」と付けられたのです。



日本国内に住んでいる限り、英語は読むのも話すのも、必要ないのです。

言葉は、その民族の根幹をなすものとして、大変重要です。

たおやか、しめやか、英語に翻訳できません。

萌黄(もえぎ)色、英語に翻訳できません。

お湯、ぬるま湯、ひと肌、英語に翻訳できません。

合理的期待(予想)形成説

財政・金融政策


すべて、翻訳語でできています。

「お茶が入りましたよ」、これを欧米では、「おれが茶を入れた」としか、表現できません。

「○○することになりました」→自ずから然る(しかり) 自然の中で「生かされている」思想です。「自然⇔人」の図式の欧米では、これは表現できません。

つまり 「日本語表現>欧米語表現」なのです。

<ウソでしょう?>

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG28049_Q4A430C1MM0000/

文科省(文部・科学・省)、省内会議英語 導入 「まず自分達から」
2014/4/30 14:00 情報元 日本経済 新聞 電子版 記事保存

 英語 教育をめぐる議論活発化させる目的で、文部科学省が省内の幹部 会議一部英語で行う方針を決めたことが30日、分かった。民間 企業英語社内 公用語化に携わった人物を新たに採用して「英語 会議」を担当させる。中央省庁が省内会議英語導入するのは異例

 文科省は、英語教育民間視点を取り入れるため、海外での勤務 経験英語 能力テスト「TOEIC」800点以上などを条件に、任期約1年の非常勤 職員を公



嗚呼!

こんなことより、冗談ではなく、ドラえもんの世界にある、「同時翻訳機」の実用化を! せめて、「海外旅行」程度の外国語を、即時翻訳するシステムを!

人間、楽をしたいから、経済成長してきました。エレベーター、エスカレーター、鉄道、車、電話、どこでも使いたいから携帯電話・・・TVリモコン・・・

楽ができる・・・余計なことに時間とエネルギーを使わなくてすむ・・生産性向上=GDP増のことです。

自動瞬時翻訳機ができたら、生産性、また上昇します。でも、間違いなくできているでしょうね、未来には・・・

ウルトラセブンで登場した、腕時計型の映像電話、40年後に実用化されましたから・・・

英語なんて、全く勉強する必要がない世の中、早く実現してください。高校生の本音を代弁して(笑)

バイリンガル&エリート教育の勘違い- 木村盛世(厚生労働医系技官、医師)

親の希望は「日常会話ができる程度」

話を英語教育に戻しましょう。日本は多様性を認めない社会、と書きましたが、それは語学教育についても例外ではありません。文科省の推進する英語教育は、すべての子供たちが同じように目標を達成することにあります。しかし、いったいそれが必要なのでしょうか。

小学低学年の子供たちをもつ同僚たちに聞いてみると、おおむね、年少児からの英語教育導入は喜ばしいとの答えでした。それでは、彼らがどの程度の語学達成目標を考えているかといえば、「日常会話ができる程度」だということです。多くの親たちは「自分たちは英語を少しも話せないので、子供たちには、旅行して会話に困らない程度にはなってほしい」というのが、早期英語教育に賛成する理由のようです。

では、文科省の掲げる目標と、小学生の子をもつ親たちとのあいだに齟齬はないのでしょうか? ここには大きな開きがあるといわざるをえません。“グローバル化に対応できる”人材教育=日常会話ができるレベルが到達目標である、とはとうてい思えないからです。



小学校からの英語教育導入?それで、英会話がペラペラに?


経済学の犯罪 その2

経済学の犯罪 稀少性の経済から過剰性の経済へ (講談社現代新書)経済学の犯罪 稀少性の経済から過剰性の経済へ (講談社現代新書)
(2012/08/17)
佐伯 啓思

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(2)グローバル化時代に伸びた国

…国内の雇用や経済を安定させるものは政府以外にない。このこと一つをとっても「国家の役割は終わった」だの、「国家の退場」どころではない。その逆で、グローバリゼーションの進展によってますます「国家の役割」は重要になっているのだ。

とすれば、この20年ほどのグローバリゼーションにおける、さしあたっての勝者がアメリカ、中国、ロシア、インド、ブラジルなどである理由も明らかになってくるだろう。これらの国は「国家」が強力なのである。政治的指導者や指導層に集中された権力と政府の行政力が強力なのである。

…中国は安価で豊富な「労働」という生産要素にアドバンテッジを持っていた。ロシアは「資源」という生産要素にアドバンテッジを…アメリカはドル通貨の「資本」という生産要素に強力なアドバンテッジを持っていた。
それらの国は、そのアドバンテッジを最大限生かすべき戦略を実行した。ここには強力な「国家の意思」があった。これがグローバリゼーションの現実なのである。問題は透明で公正な市場経済を実現したかどうかではない。強力な国家を持ち得るかどうかなのである。

…では、日本はどうだったか。
方向が全く反対であった。1990年代以降の日本では、グローバル化のさなかにおける戦略性という発想はほとんど見られなかったといってよい。それどころか…規制緩和から行政改革に至る動きに示されているように、市場に対する国家の力の弱体化こそが経済を活性化するとみなされたのであった。

…かくて財政改革、行政改革、規制改革こそが経済再建の道だと唱えている間に、グローバル資本主義における、日本の地位はどこまでも低下していったのである。



 確かに、グローバル化時代の名のもとに、高度成長を達成した国として挙げられた国の中には、とうていグローバル化(国家の垣根をなくすこと)どころではない、逆に「国家の権力」が「民間」よりも圧倒的に強い国があります。

 「国際化」とは、国家を前提とした考え方です。一方、「グローバル化」とは、国家の垣根をなくす、国境をなくすことと言われています。例えば、関税をなくし、自由貿易を進めることによって、国境をなくすことと同じ効果がもたらされます。1990年代に、共産主義が崩壊し、世界全体が「全球化=中国語でグローバリゼーションのこと」したと言われました。
 ですが、著者は、逆に「強大な国家こそが、グローバル化時代に成長したのである」と、逆に「国家」の強大化こそがポイントだといいます。

名目GDP(USドル)の推移(1980~2012年) - 世界経済のネタ帳

 ロシアなんか、むちゃくちゃです。成功した民間エネルギー会社を没収して国有化し、経営者を刑務所に放り込みました。
 ちょっと意に沿わないことがあると、欧州向けガスを平気で止めます。エネルギー(資源)産業で経済成長していますが、エネルギー(資源)産業そのものが「国営」です。「国家資本主義」なのです。

 関税なども、日本の中古車を締め出すため(逆に国内で生産された新車を購入させる国策)なら、平気で4倍にします。どこにも、「自由市場」などなく、あるのは「国家強大化」の20年です。でもその間に目覚ましい経済成長を実現しました。

名目GDP(USドル)の推移(1980~2012年) - 世界経済のネタ帳

 中国、ここは言うまでもないでしょう。「自由」など、市場を含めて皆無です。ですが、「グローバル化」の恩恵を最大限に受けてGDPを発展させた国であることに異論をはさむ人はいないでしょう。


温家宝首相の一族、資産2千億円 副首相就任以降、巨額の財築く 米紙報道
2012.10.26 14:33
 【サンフランシスコ=黒沢潤】

 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は25日、中国の温家宝首相の一族の資産が少なくとも約27億ドル(約2200億円)に上ると報じた。一族は温氏が1998年に副首相に就任して以降、巨額の財を築いていったといい、友人やビジネス・パートナー名義で投資するケースが目立つと指摘している。

 同紙は温首相の母や妻、息子、弟、義弟などの資産を企業や当局の報告書をもとに集計。27億ドルのうち80%は、中国共産党の規則では公開対象外という。

 温首相が新型肺炎(SARS)の流行に伴い2003年、医療廃棄物処理の規制を強化した後、弟の企業が水質保持や医療廃棄物処理に関わる事業(約3千万ドル)を政府から受注。弟は、この企業を含め2億ドルの資産を保有している。

 また、母親は世界的に著名な保険・金融企業「平安保険」の株式を07時点で1億2千万ドル分保有していたが、株式の名義人は、温首相の郷里の企業だった。
 記事は、妻が宝石の品質管理担当の政府職員から中国の宝石市場で「女王」と称されるまでの軌跡や、一人息子が中国有数の投資ファンドを運営していることなども報じている。

 …中国政府は今回の報道を受けて、国内での同紙(電子版)の閲覧を阻止した。 中国の指導者一族の資産形成をめぐっては、米ブルームバーグが6月、習近平国家副主席の親族が数億ドルの資産を保有していると報じた際も、中国からの記事閲覧が阻止された。



 上記は事実のようですね。今トップに立った「習近平」一族も同じです。

日経H24.12.28
習体制の虚実3.jpg


日経H25.1.22『中国で増殖中、大卒薄給アリ族』

 「アリ」のような人生を生きるか、「ネズミ」のように暮らすか。中国の若者はたとえ高学歴でも、親が国営企業や共産党、軍などの特権階級に属さない限り、「ワーキングプア」に陥るリスクにさらされている。地方出身で都市部に戸籍も持たないも人はなおさらだ。  

 2012年に中国で大学を卒業した学生は過去最高の680万人。前年より20万人も増えた。…苦学して大学を卒業しても、勤労意欲や向上心を保てるような職場がなかなか見つからない。特権階級の子弟が受ける扱いとの格差は、日本で想像する以上に大きい。

…体制側に属する子弟が恵まれた条件を引き継ぎ、囲い込む伝統は今後も続くのか。


日経H25.1.4『夢失うねずみ族』

中国 格差


 もう、ルールがある日突然変わるのは日常茶飯事で、何しろ、国家(共産党)が一番強いので、例えば高速道路や鉄道建設でも「土地没収(まあ、もともと土地は国家のものですが)」と共産党が決めれば、問答無用に立ち退きです。ですが、これが経済発展には実は一番効率が良いです。
 ここに「ビル建てる」と決めれば建ちます。公共投資なんて好き勝手にやり放題です。でも「経済成長」は確実です。

 なんだか、経済成長するのは、共産党独裁や、国家至上主義が、一番効率が良いみたいですね。「市場メカニズム」「自由主義」と言いながら、そしてそれを最も利用させてもらって、経済成長するのは「共産主義」でした。あれ?マルクスの言っていることは正しいではないですか。資本主義は瓦解し、共産主義に移行するって。

 彼らは、いつシステムが変わって、自分たちの財産がなくなるか、全く予想できないので、国家を全く信用していません。

なぜ日本経済は世界最強と言われるのかなぜ日本経済は世界最強と言われるのか
(2012/09/14)
ぐっちーさん

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先頃行われた中国の大手民間調査機関による年収2000万以上の人たちへのアンケート調査は大変興味深く、何と80%もの人が中国以外に住むことを希望しているというのです。…また2011年、中国主要18都市で調査をしまして、中国個人財産管理白書という統計が発表されました。これはこの18都市に住む1000万元(1億2055万円)以上資産を持つ人、約1000人を対象にアンケートを取ったものです。

これによりますと、彼らのうち、すでに海外に移民申請中(すでに書類を提出した)という人が14%、現在移民申請準備中と言う人が何と46%。

この1000万元以上の資産家の数は96万人にも達し、その平均が何と6000万元にも出達しているというのですから、これ、なにを意味しているかというと…平均して6000万元つまり、7億5000万円近く持っている資産家96万人の60%が、その資産を持って国外に脱出しようとしている。

…なぜ彼らが、つまり金持ちが逃げよう逃げようとするのかといえば、それはいつなんどき共産党政権に自分の個人資産が差し押さえられるかもしれないという恐怖感を持っているからです。

カナダに行けばたった1億円と5年間で6000万円の州債権を購入することで永住権とパスポートがもらえ、個人財産が保障され、子供も高校まで教育、医療が全てタダ。

当たり前のように中国を見捨てるわけです。彼らは国のために働いている気は毛頭なく自分と自分の家族が一番大事だという典型的中国人なのです。

…いくら経済成長が著しいからといって、中国に資産を預けたいなんて思っている人は少なくとも世界の資産家には1人もいないわけです。



 人権などくそくらえ、環境問題など無問題、法律は朝三暮四・・・、こうでないと「共産党」を名乗ってはいけません。日本の共産党に、なぜ全く力がないのかがすっきり理解できます。

名目GDPの推移(1980~2012年) - 世界経済のネタ帳

 さて、アメリカです。どうでしょうか。アメリカの「国家=政府」は強いでしょうか?軍事力は圧倒的です。英語は何をするにしても世界共通語です。ドルは世界中の人が欲しがる基軸通貨で、貿易の6割は依然としてドルで行われます。アメリカ大統領は、「世界に最も影響的な人物」で、1位です・・・こうあげていくと、アメリカ陰謀論などの世界に入りそうですが。

 アメリカのGDPに対して、政府予算はどのようになっているのかを見てみます。政府支出が大きい=当然に影響力も発言力も大きいということです。

数字出典 ウイキペディア アメリカの経済と経済政策 世界経済のネタ帳
アメリカGDP 政府支出

 アメリカのGDPも伸びていますが、政府支出も伸びています。

アメリカ 政府支出 対GDP比

 アメリカは、「小さな政府(税を少なくする)」を志向する共和党支持者が国民の1/2います(ざっくり)。毎年、減税や政府債務を巡り、共和党と民主党がもめます。

 そんな小さな政府志向者が多いにもかかわらず、アメリカの政府支出は伸びています。
はっきりいいますが、「小さな政府」など、存在しないのです。アメリカでさえ、「政府は大きくなり続けている」のです。「小さな政府」など、神話です。

注)スウェーデンとアメリカを比べて、大きい小さいと、相対的「大きな政府・小さな政府」はあります。

 アメリカ政府の力が、大きい=「強力な国家」というのは、財政面からも明らかです。

それらの国は、そのアドバンテッジを最大限生かすべき戦略を実行した。ここには強力な「国家の意思」があった。これがグローバリゼーションの現実なのである。問題は透明で公正な市場経済を実現したかどうかではない。強力な国家を持ち得るかどうかなのである。



 どうでしょうか。強力な国家は、確かに勝ち組です。それに対して日本は・・・

…では、日本はどうだったか。
方向が全く反対であった。1990年代以降の日本では、グローバル化のさなかにおける戦略性という発想はほとんど見られなかったといってよい。それどころか…規制緩和から行政改革に至る動きに示されているように、市場に対する国家の力の弱体化こそが経済を活性化するとみなされたのであった。

…かくて財政改革、行政改革、規制改革こそが経済再建の道だと唱えている間に、グローバル資本主義における、日本の地位はどこまでも低下していったのである。



 1993年、それまで盤石の政治権力だった自民党が、小沢一郎の離党(新生党)によって、同年の選挙で政権を明け渡します。それからは、ご存じのように、連立政権の常態化、離合集散、政権交代、参院と衆院のねじれなど、「政府の弱体化」が進みました。強力な国家どころか、政治が右往左往、決められなくなります。

 あれ?1993年~失われた20年とすると、それを作ったのは「小沢一郎」?壊し屋?え?経済低迷の原因は「小沢一郎」?(もちろん、冗談です)

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genre : 政治・経済

経済学の犯罪 その1

<経済学の犯罪>

経済学の犯罪 稀少性の経済から過剰性の経済へ (講談社現代新書)経済学の犯罪 稀少性の経済から過剰性の経済へ (講談社現代新書)
(2012/08/17)
佐伯 啓思

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 経済学を知り尽くしている思想家の、経済学批判です。

おおかたの読者は、自由貿易の教義をまずはそのまま受け入れてしまうのではないだろうか。われわれはそれほどある「思い込み」に囚われている。「市場の自由競争は望ましい」という「観念」に従って思考しているのだ。

…1990年代の日本はかなり徹底した「構造改革」を遂行した…。人によっては、「いや、日本は構造改革を十分にやってはいない。だからまだ景気が良くならないのだ」という。「改革論者」は、いまだに日本の停滞の構造改革が進まないからだという。しかし、この議論にはそもそも説得力がない。

 というのも、1990年代を通じて、程度問題はあっても「構造改革」が進展したことは間違いなく、規制緩和、金融自由化、市場開放、労働市場の流動化などは相当程度に進展した。
 もし「構造改革」が日本経済を立て直すのだとすれば、少なくとも以前より良い状態になっているはずだ。にもかかわらず、1990年代以降、日本は低成長を続けている。…むしろ「構造改革」が経済をさらに混乱に陥れたほうが適切に思えてくる。

 さて、構造改革の重要な意味は、あらゆる財・サービスの原則的市場競争化を主張することで、従来は規制によって保護されてきた生産要素を自由な市場競争に委ねてしまった点にある。市場化困難な生産要素まで市場競争にさらしてしまったのだ。

…構造改革の中で「日本型経済システム」が徹底的に批判されたのもそのためである。
長期的な雇用や年功賃金体系を生み出した日本的経営は労働競争から保護するための、障壁だと見なされた。

…「日本型経済システム」といわれるものの特徴の核心は、実は、生産要素を過度な市場競争化から保護して、生産活動の安定性を確保にあったのだ。
…確かに労働は流動化した。能力主義もある程度は採用された。しかしその結果として雇用の不安定化が生じたのである。短期に雇用や解雇を繰り返す派遣労働が急増し、フリーターの一群が出現し、さらには所得格差が開いた。



(1)規制緩和
 
 どうでしょう。確かに、90年代以降、様々な改革が行われてきました。学校で言えば、ILOの基準通り、週休2日が、月に1回という形から導入されてきたのも、まさに91年からです。
 それまでの教科書では、日本と諸外国を比較して、日本の「労働時間が長い」というのが、定番でした。それが、今では、日本は労働時間の短い方の国になりました。
 
 そもそも、キリスト教において、労働が神から与えられた罰(苦痛:Labor)と考える欧米と、働くことは神事と考える日本では、労働観そのものが違います。
 労働は苦しいものだから、できるだけ働きたくないし、早期退職したいと考える欧米人と、労働はお祭りだから、できる人もできない人も、なんだかんだおみこし(会社)にぶら下がって、かえって「自分に仕事がない方がつらい(身の置き場所がない)」ことと考えてしまう日本人とでは、単純に1日8時間、週40時間労働が合っているかどうかさえ、違います。

 フランスでは、公務員が定年を早めろ!とストをしますし、ドイツでは産業によっては週35時間労働です。日本人は、体が元気なうちはまだまだ働きたいと考えます。

 年功序列より、能力主義・・・。職場がぎすぎすしました(研究としては、富士通がとても有名です。日本人は、年齢が、わずか一つでも上の上司だと安心します。同期・同年の下で働くには未だに抵抗があります。先輩には丁寧語を使います。

 これらは、「感情」的なもので、「理性」で解決できるものではありません。

 日本型の長期雇用、年功賃金は、「長期」視点のもので、「安定・安心」を産み出します。経済学では、「長期」「短期」の視点があり、どちらも適宜、適所で必要なことは自明です。「短期」では競争・値下げ・契約解除(某国では、だまされる方が悪いそうです)があっても、「長期」では、信用・正直がもっとも商売にとって必要なのは、古今東西変わりません。アダム・スミスも二宮尊徳も同じです。
 日本には、100年、200年の歴史を持つ老舗がごちゃごちゃあります。これは世界から見たら、奇跡的なことです。どうやったら、そんなに続くビジネス(ということは、何百人、何千人の人たちがそれで食べられてきたということです)になるのか?と羨望のまなざしを向けます。

 日本で一番働きたい会社に選ばれたある会社は、65歳になっても年収750万が保障され、有給休暇が40日取れます。社長いわく、社員が一番幸せでないとダメだそうです。

 能力・実力云々といいますが、働きアリは働いているのは8割、残りはぶらぶらしているそうです。その8割で「働く集団」を作っても、また2割は働かなくなるそうです。緊急時や、非常時用に、2割くらいの遊びがないと、種を維持できないそうです。
 
 経済=エコノミー=効率追求のことですが、これを絶対視して、効率追求だけをすると、機械ならともかく(機械だって2割は非常時用に余力残すでしょうが)、人間には絶対に無理です。個人でも組織でも、無理をして100%の力を常に発揮させるようにプログラムを組めば壊れます。短期ではともかく長期では無理です。結局短期視点だけで「効率」を追及しても、その組織や会社は長期では持ちません。

規制緩和、金融自由化、市場開放、労働市場の流動化などは相当程度に進展した。
もし「構造改革」が日本経済を立て直すのだとすれば、少なくとも以前より良い状態になっているはずだ。にもかかわらず、1990年代以降、日本は低成長を続けている。



太田弘子 政策研究大学 日経H25.2.27『規制改革どう進める 上 』
わが国で規制改革が本格的にスタートしたのは、1995年、行政改革委員会の下に規制緩和小委員会が置かれたときだ。それから20年近く、常に逆風の中にありながら、一連の規制改革会議が果たした役割は大きい。需給調整のための参入規制や価格規制、金融関連の規制など多くの分野で改革が進んだ。

規制改革.jpg

…第1に、規制改革は消費者のためである。
…第2に、規制改革はその業界の発展のためである。
…成長分野を作るとは、そこに労働力が移動することである。
…イノベーションの可能性を広げ、新たな雇用機会を生み出してゆく。



こんなに規制改革をしてきたのに、GDPは全く伸びず・・・

名目GDP 実質GDP


 まだ、足りないのでしょうか?それとも、構造改革そのものは、経済発展に寄与しないのでしょうか?

 規制改革をやったからこの成長率程度を維持したのでしょうか?やっていなければ、もっとマイナスだった?

 規制緩和で、バス事業参入が容易になりましたが、消費者は歓迎しているものの、供給者はアップアップです。規制緩和で成田・羽田が解放され、LCCが参入しました。消費者余剰の増加割合に比べて生産者余剰は・・・。

クリック

生産者余剰・消費者余剰 (3)参照

山本哲三(早大)『経済教室 規制改革どう進める 下』日経H25.3.1

・・・内閣府の「構造改革評価報告書」や「政策効果分析レポート」にもあるように、規制改革が経済成長に資することは明確に確認されている。

規制改革 消費者余剰.jpg



 消費者余剰は確かにすごい額になっていますが、で、経済成長はさっぱり・・・。どうしてなんでしょう。改革は着実に成功したはずですよね。


 規制緩和は、消費者は歓迎しますが、生産者にとっては、本当は望ましくない(既得権益者)ですよね。新規参入者も、ビジネスチャンスは拡大しますが、高利益は望むべくもなく、薄利多売です。緩和すると、どこも「価格」が下がります。

…むしろ「構造改革」が経済をさらに混乱に陥れたほうが適切に思えてくる。



 どうでしょう。経済効率を追求する立場の者にとってはすごく「耳が痛い」のではないでしょうか。
 そもそも、国境や、日本で言えば言語そのものが「規制」です。日本の賃金が高いのは、他国の労働者を排除しているからです。

クリック

世界経済を破綻させる23の嘘 参照

「自由市場」なんて存在しないのです。自分たちが「自由市場」だと思うものは、実は知らず知らずのうちに「規制」という網をかけているのです。その、本当は網のかかった眼鏡(それを使っている本人は気付かない)を通して、「自由市場」なるものを見ているにすぎません。

 続く

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