高橋洋一という、詐欺師4

<高橋洋一という、詐欺師4>

 さて、高橋洋一という「自称経済学者」が、いかにデタラメかを、3回にわたって扱いました。

 いずれも、「基礎基本」の部類なので、高橋は、要するに「土台から」狂っています。基礎がゆがみっぱなしなので、言っていることはほとんど「でたらめ」です。

 今回は、「政府が溜めている、外為(いわゆる、日本の「対外純資産」の中で、1/3をしめる、「政府の中の財務省(金庫は日銀)」が持つ、100兆円を超える対外資産を、取り崩して、政府予算に使え)あるいは、「政府が持つ必要はない、売却しろ」というアホ論です。

 で、これを説明するのに、「簡単に、サルでもわかるように説明する」と、ものすごく細かい点「基礎基本」点を、いちいち説明しなければなりません。例えば、「外為」とは何か、「対外資産とは何か」、ストック(金融資産)とは何か・・・・

 その上で、「高橋アホ論」を検証しなければなりません。

 で、今回は、特別大サービス、その一つ一つを扱い、おまけに、「外為」の最新事情も扱い、「高橋の言っていることはそもそもナンセンス」「できもしない(これはやればやれるという話ではなく、物理法則のように、原理的にできないということ)」ということを述べます。

 長いです(笑い)。

 なぜ、「米学者の書く教科書は、やたらと長いのか分かります。説明を丁寧にするのには、「長くなる」と言うのは、必然だからです。

 このブログは、「自分の勉強用ストック」ブログですので、基本的に「授業用教材研究」を電子版で保存しているものです。

 同業者の方に使われるのは、かまいませんが、基本的知識(土台)を共有しないレベルの方に、「説明」するためのものではありません。基本的に、そのような方は「自分で勉強してレベルを上げなさい」としか、言いようがありません。世の中には、「タダ」の物はないのです。

 芸術家も、舞台俳優も、バレエ家も、プロのバイオリニストも、ピアノ奏者も、イチローも、恐ろしいほどの「時間」というコストをかけて、そのレベルに到達しています。他のすべてを犠牲にして、成り立つのが「専門職」です。

 経済学者も、医者も、法曹者も、「他のすべてを犠牲にして」専門家になっているのです。

 これらの「専門家」の道は、「他の仕事をやりながら、合間にちょこっと習得できる」ものではありません。そのレベルは「趣味」と言います。

 ですから、用語についても、『経済学の用語』 を理解していない人と話をするのは無理です。

 それらの「経済学を知らない」、つまり、付け焼刃で「経済的知識」を学んだ人は、その付け焼刃の知識を振り回し、ウソ・デタラメを世間に広めます。

例えば


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中原圭介
2016年05月18日 09:04
日銀は日本人の価値観を理解していない


(以下、『経済はこう動く〔2016年版〕』より引用)

 私から言わせれば、とりわけ日本人に「インフレ期待」を求めるのは、そもそも大きな間違いであると思われます。米欧社会の価値観では、「インフレになるのであれば、預金していると目減りしてしまう。だから株式を買おう。お金を使ってしまおう」という考え方が、100歩譲ったとして、21世紀型のインフレ経済でまったく成り立つ可能性がないとはいいません。

 しかし、それはイソップ童話の「アリとキリギリス」でいうところの、キリギリス的な発想です。平均的な日本人の価値観では、決してそう考えることはありません。日本人は「インフレになるのであれば、今から節約して生活防衛を心掛けよう」と考えるからです。いわば、アリ型の国民なのです。「インフレ期待」どころか、「インフレ失望」が働きやすいお国柄なわけです。

 今では、アベノミクスの実質的な失敗により、インフレ期待がまがい物だったことが一般の人々にも理解できるようになってきています。おまけに、日本社会の高齢化が進み、貯蓄を取り崩す年金生活者が増えている中、穏やかなデフレのほうが暮らしやすいと考える人々が増え続けてきています。



このひとは、経済学用語の インフレ期待を、「期待」することとしています。

インフレ期待は、英語ではexpectation(s);=予想のことです。「何かを期待する」ではなく、「何かを予想する」ことです。「金融引き締めで、金利が上がることを予想する」、「企業不祥事で、株価が下がるだろうと予想する」ことであり、「期待」とか「失望」することではありません。

 (法律の現場では、「専門用語」が飛び交っています。それは、一般の人が口にする「用語」であっても、「意味する中身」がまったく違います。「悪意・善意」ということばひとつでも、専門家が使うそれは、「悪い意志・善い意志」という意味ではありません。「既知か無知かと言う意味です・・こんなことを、いちいち説明するくだらなさ=時間のムダ使いがわかりますか?)

 このような「レベル」の人の、経済学もどき解説は「土台がずれている」というのが、お分かりになりますか?「土台」が違うので、同じ土俵で「会話」が成り立ちません。

 「インフレ期待とかインフレ失望とか、そもそも『期待』ということばの意味が違います・・・」から説明しないといけないので、無理なのです。

 だから、申し訳ないですが、「経済」を語るのであれば、「経済学」のベストセラー教科書を読むしかないのです。ベストセラーと言うのは、それを教えている先生が選んだ「教科書」です。もちろん「期待(予想)」も、「限界」も、AD-AS(総供給と総需要)も扱われています。まず、それらの「基礎用語」を理解しないと、話ができません。

 これらの枠組みがないヒトと、何を語っても、ムダです。自動車修理の専門家は、オーナーの「トンでも原因予測」に、いちいち「説明」しないでしょう?説明するだけ、「時間のムダ」だからです。原因は、見当がついているのです。だから「作業」を進めた方が早いのです。修理後、オーナーさんに、丁寧に「原因」を説明します。

 中原とか、高橋とか、「経済学もどき」は、「経済学」の教科書すら、読んだことがない「でたらめ」なのです。

 では、これから、「授業用教材研究」の一部をお見せします。ただ、事情があり、資料(特に時事資料)をすべてお出しするわけにはいきませんが、原理(メカニズム)は同じです。

 高橋を「経済学者」とあがめる人たちも終わっています(その人たちも高橋がトンでも論者だということに気づいていないということです)。

 日本の、政府が持つ対外資産(外国為替特別会計)が、円安で増えた。それを予算に使え!財政刺激しろ!というアホ記事です。


財界さっぽろ 2015.10月号「高橋洋一の官僚にだまされるな」第42回

 これまでの円安によって、外為特会では、含み損を解消して、20兆円程度の含み益まである。それを活用すれば、即効性のある経済対策を打つことも可能だ。
 外為特会の含み益を活用して、補正予算を今国会中に組むことがベストだ。この場合、即効性があり有効需要をつくりやすい減税・給付金などの政策が望ましい。

財界さっぽろ 2015.7月号「高橋洋一の官僚にだまされるな」第39回

円安で一番利益を得ているのは、「外為特会」を持つ「国」で、差益は20兆円程度もある。必要なら、外為特会での差益を使って、円安でデメリットの人の救済も可能だ。



 過去の為替介入などで、外国資産(まあ、ほとんどが米国債)を、日本政府が持っています。アベノミクス導入以降、円安・ドル高で、20兆円もの「もうけ」が出たから、それを政府予算に使え!という、アホ論です。

 このアホ論をアホだと説明するには、少し高度な解説になります。

結論から言うと、

1.ストック(過去の貯蓄=誰かの負債)は2度と使えない。だから、貯蓄を下ろして使っても、GDPは「絶対に」増えない。

2.海外資産を円転し使っても、保有主体が「政府→民間」に移るだけで、本質的に意味はない。

3.すでに、「政府の対外資産」は、取り崩されて、政府の「予算」に使われてしまっている。


です。

1.

 「過去のストック=預貯金=資産=投資に使われた額」は、1度使われてしまったカネで、2度と使うことはできません。まず、下記を読んでください。

(1) 拙著 「図解使えるマクロ経済学 P○○参照」

(2)

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藻谷浩介『震災復興・全国民が貯金の1%を寄付しよう』

 ストック(預貯金という、貸した債権→銀行などの金融機関の負債→銀行の貸し出し(債券)→企業や家計の借り入れ)を、家計が「降ろして」、エアコン10万円を購入する→GDPが10万円増加するということは、ありません。

 これが可能なら、政府は100兆円の外為を全部使用して、100兆円のGDP増を刺激することが可能ですが、こんなことできません。

 預貯金を10万円降ろして使えるように見えるのは、どこかの主体(家計・企業・政府+外国)が、その分、せっせせっせと、「預貯金」しているからです。誰かが貯蓄を増加させているので、誰かが「降ろして」使えるようになるのです。「誰かの貯蓄=今年の所得からしている、今年の所得は今年のGDPの一部」ですから、カネがぐるぐる回っているだけで、今年のGDPが増えることはありません。

 ココが理解できないので、高橋は、「政府の預貯金のように見える外国為替を下ろして、政府予算に使え、それで景気刺激しろ!」とバカなことを言います。バカはどこまで行っても勉強しないので(5年前にも同じことをいっていた)、バカです。

2.政府は、外為特会を減らせ

 さて、外為特会とは何か。これは、過去に「政府日銀が、為替介入する際に買った『ドル(面倒くさいので、外貨を全部ドルと表記)』です。

 ただ、ドル札を持っていてもしょうがないので、「ドル債券=国債など」に投資します。だまっていても、「ドル資産」は、増えます。配当などの所得が積み上がっていくからです。さらに、円が10%円安になると、見かけ上「10%」もドル資産が増えます。

過去に、詳細に解説していました。

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米国債を売れ 外貨準備を復興財源に

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外貨準備を借金返済に使え


これをよくお読みください。外貨準備とは何か、 負債=資産とは何か、詳細にわかるようになっています。

3.対外純資産は、すでに「取り崩して一般会計に回っている」。

 一般会計に回っていることは、上記ブログ記事で、すでに指摘済みです。

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米国債を売れ 外貨準備を復興財源に

…累計は約52兆円で為替評価損を上回っており、全体としては利益を産んでいる。しかしその過半は一般会計への繰り入れですでに使われており(筆者注:31.5兆円が過去の一般会計予算に繰り入れずみ)、残る積立金は評価損を約15兆円も下回っている。



 これで、GDPが増えているわけではないことは、もう、十分理解できるでしょう。外貨準備を使うということは、その分、国債発行して(借金して)使うということなので、はっきりいって、「意味がない」のです。

財界さっぽろ 2015.10月号「高橋洋一の官僚にだまされるな」第42回

 これまでの円安によって、外為特会では、含み損を解消して、20兆円程度の含み益まである。それを活用すれば、即効性のある経済対策を打つことも可能だ。
 外為特会の含み益を活用して、補正予算を今国会中に組むことがベストだ。この場合、即効性があり有効需要をつくりやすい減税・給付金などの政策が望ましい。

財界さっぽろ 2015.7月号「高橋洋一の官僚にだまされるな」第39回

円安で一番利益を得ているのは、「外為特会」を持つ「国」で、差益は20兆円程度もある。必要なら、外為特会での差益を使って、円安でデメリットの人の救済も可能だ。



 だから、高橋の言っていることは「バカ」なのです。20兆円、新たな財源があって、20兆円分「需給ギャップ=GDPギャップ」=「潜在GDP-需要GDP」を埋められるわけではないのです。こんなもの、通常の「国債発行」と、何も変わりません。

 では、現在の「外為特会」について説明します。(データ・記事は、事情があり、古いものを使用します。本質は同じです)。

平成23年1月11日 財務省

 平成22年12月末における我が国の外貨準備高は、1,096,185百万ドルとなり、平成22年11月末と比べ、4,846百万ドル減少した。

外貨準備

 減少する場合もあります。円高・ドル安になれば、見掛け上、円建てでは減少しますし、保有する外債・金(ゴールド)が価格下落すると、外貨準備高は減少します。


 これが、日本の「対外純資産」の一部を構成します。日本の約260兆円の対外純資産のうち、外貨準備は約100兆円を占めます。

 政府が外貨を購入する際には、政府短期証券(FB)=短期国債を発行して、民間銀行からドルなどの外貨を購入します。「円負債→外国債券投資」という政府ファンドになります。

 で、これが、「債権運用(利息収入や配当)」ですから、黙っていても増えます。

 で、増えたドルをどうするか、これを売ると「円高・ドル安」になるので、財務省は、すべて「外貨資産」に再投資するしかありません。外為特会の運用益は、「外貨」を増やすだけなのです。

 つまり、外為特会は、「でかくなる一方」なのです。

外為特会→繰り入れ

 ところが、財務省は、この増えた運用益(収益)分、新たにFBを発行します。①過去のFB償還=借り換え費用、そして、②外為特別会計→一般会計への繰り入れです。近年は、毎年の繰入額が、2~3兆円になっています(高橋は、ここがわかっていない)。

 簿価ベースで計算するのも論外、増えた収益分、新たに外為(外国債)が増えるのも論外、2014年末残高は、114兆円、そのうち、約57兆円が収益金によるもので、再発行=再投資額です。

 ア)昔=外為特会→財政投融資特別会計
 
 イ)今=外為特会→一般会計繰り入れ


 昔は、「財政投融資」という、こないだ亡くなった「塩じい」が、小泉政権時代に「母屋でおかゆを食っている時に、離れ(特別会計)で、すき焼きを食っている」と言う状態でした。

 で、小泉改革で、この「財政投融資(全盛期100兆円以上の予算)」のカネの入り口を締めるべく、「郵政改革」が行われたのです。今、財政投融資など、ほとんどありません。

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政府資料

 つまり、政府が「親会社」だとすると、外為特会は子会社A、財投会計は子会社B、

外為特会の積立金は、子会社Bの、子会社Aからの、借金なわけです。

外為特会→繰り入れ 2

 子会社A(外為特会)が、それを回収する場合、子会社Bは、よそから資金を調達する必要があります。ようするに、「新たな借金(国債)」の発行であり、政府という親会社では、「借金が減る」わけではないのです。


 そこで、外為特会の運用に対し、暫定措置として2011年から、

①毎年の剰余金の30%以上を外為特会に留保する
②財投預託金の再預託をやめる
③法改正を行い、財投債ではなく、外為内で留保させる

と言うことが決まりました。

2014年、新法で「特別会計改正法」が施行され、

①外為特会として必要な金額を、ためておく(他機関で運用させない)。
②外為特会の現金に不足が生じた場合(ようするに、運用益がマイナスのような場合)、外為特会内の余裕金を繰りかえること
③資金運用のために、民間を加えること


とされたのです。

ただし、運用が、「財投」→「外為特会内」と変わっただけで、本質は何も変わっていないことはお分かりでしょう。

外為特会のB/Sは、拡大し続けます。

 ただし、外為特会は、実は、「債務超過」です。なぜかというと、時価会計ではなく、「簿価会計(買った時の値段)」だからです。2013年度末現在、約27.4兆円の債務超過です。

 毎年度(会計年度)収益は、一般会計に繰り入れてしまっているからです。

 政府は、外為特会の繰り入れ金が、貴重な歳入源になってしまっているので、政府には「増やしたい、減らしたくない」というインセンティブが働きます。外貨準備増=外為特会の運用増は、政府にとっては、望ましいのです。

 本来、償還すべき運用益を「積み上げる」ということは、政府が本来すべき「ドル売り円買い」をしていないという、隠れた「為替介入」なのです。

 結果として、「為替変動」による「外貨準備増大」は、「外貨債券運用・外貨預金利息」収益など、問題にならないほど「大きい」のです。

2012年(外国為替資金特別会計財務諸表)より

外貨運用収入1兆9450億円 
外貨為替損益13兆8730億円

 一般会計繰り入れだけではありません。公的部門に、「目的不明の資金」が増え続けると、必ず「民間活用を」という声が政治家から上がり、結局「国際協力銀行」を通じて民間企業に貸し付けられています(3兆5430億円 同)。

 本来これは、「国際協力銀行」が調達するはずの外貨です。それを外為特会が低利融資しているのです。昔の「財投」と同じ構図です。

 外為特会は正真正銘、「政府系ファンド」になってしまっているのです(2012年 資産103兆7220億円 同)。

 いかがですか?こういう「事実」「法改正」「外為特会の現在」を知ると、高橋の、

財界さっぽろ 2015.10月号「高橋洋一の官僚にだまされるな」第42回

 これまでの円安によって、外為特会では、含み損を解消して、20兆円程度の含み益まである。それを活用すれば、即効性のある経済対策を打つことも可能だ。
 外為特会の含み益を活用して、補正予算を今国会中に組むことがベストだ。この場合、即効性があり有効需要をつくりやすい減税・給付金などの政策が望ましい。

財界さっぽろ 2015.7月号「高橋洋一の官僚にだまされるな」第39回

円安で一番利益を得ているのは、「外為特会」を持つ「国」で、差益は20兆円程度もある。必要なら、外為特会での差益を使って、円安でデメリットの人の救済も可能だ。



が、いかに「アホなこと」を言っているか、わかるでしょう?

これが、「知っていること」「知っているヒト」と、高橋のような「シロウト」の差です。

高橋が、大学教授であれば、本来こういうことは、高橋が行い、調べ、高校教諭が参考にする話です。 本末転倒なのです。

いかに、高橋が、エセ教授か、なあんにも調べないで適当なことを書いているか、これで如実でしょう。

これが、「財政投融資」の減額ぶり(昔は、第3の会計と言われていた)について(もちろん、高校の教科書・資料集に掲載されているところ)の、教材研究です。



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高橋洋一という、詐欺師3

高橋洋一という、詐欺師3


この、高橋洋一というデマゴーグは、北海道民を馬鹿にしています。「財界さっぽろ」という月刊誌に、「官僚にだまされるな」という連載をし、ウソ・デタラメ・デマばかり書き、北海道民を愚弄しています。

北海道民は「北海道新聞」というクオリティーペーパーを愛読する、大変知性の高い人々です。それを愚弄するなど、許せません(笑い)。

まあ、これは冗談ですが、まあまあ、彼のやっていることのレベルの低さ・・・。本人、自分自身で何をやっているんだか、さっぱりわからないのでしょうねえ。

これを「経済学者」とあがめる人たちも終わっています(その人たちも高橋がトンでも論者だということに気づいていないということです)。

貿易に関する記事です。

財界さっぽろ 2015.7月号「高橋洋一の官僚にだまされるな」第39回

日本の対外純資産が大きいのは、日本の発展段階がそのような段階にいるだけだ。経常収支は、国の発展段階で異なるという「国際収支の発展段階説」がある。同説によれば、国の発展の初期段階では輸出するものがなく、資本も海外に頼るので経常収支は赤字となる。この段階では対外純資産はマイナスである(未成熟・成熟債務国段階)。

そのうち貿易収支が黒字化し、所得収支は赤字になり、経常収支が徐々に黒字になる。そうなると対外純資産はゼロからプラスになる(債務返済国)。

その次には所得収支も黒字になる。このときになると巨額の経常収支になる。対外純資産は大きなプラスである(未成熟債権国)。

その次の段階では、貿易収支が赤字になり、所得収支が黒字になり、経常収支の黒字は縮小する。対外純資産はプラスだが増加が鈍化する(成熟債権国)。

そのうち、貿易収支の赤字が多くなり、経常収支も赤字に転ずる。こうなると、対外純資産は縮小に転じる(債権取崩国)。

今の日本は成熟債権国の段階である。もうしばらくすると債権取崩国になるだろう。




国際収支の発展段階説・・・これ、高橋のようなバカが使う、典型的なアホ論です。

クリック

SYNODOS 経常収支黒字減少のなにが問題なのか? - 安達誠司

本当に、高橋は、「ウソつき、でたらめ、デマゴーグのオンパレード」です。「害」です。

対外純資産 負債
日本 対外資産 負債


この、「国際収支発展段階説?」なるものが、いかにアホか、すでに、結果は出ています。

尾 田 温 俊

クローザ国際収支発展段階説の検証

最近の25年間の先進国国際収支パターンを調査した結果、クローザが提唱するような国際収支発展段階説は、日米英を除く先進国では成立していなかった。その理由として考えられるのは、国際収支発展段階説が工業輸出立国として大成した同のみでしか成立しない論理構成ゆえである。

したがって、日米英の国際収支発展段階の説明が可能であるという限りでしかこの仮説の有用性はないことになる。



「国際経済学」のプロである大学教授は、こんなアホ論、切って捨てています。

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熊倉 駒大

1.簡単に言うと、「国際収支発展段階説」など、200か国もある国のなかで、英米にしか当てはまらない「説」とうことです。

この「説」に、日本だの、中国だの、無理やりあてはめて、「今の日本は○○の段階にあると考えられる」とか、「中国は○○の段階だ」とか、本当にアホ論です。

もしも「当てはまる」というなら、少なくとも先進国(OECD)30カ国程度は、きれいにこの「説」で説明できなければなりません。でも現実には、「英米」だけです。あほらしくて話になりません。

2.経常収支「外需」など、日本ではGNPの1%内外です。世界の国でも、多くて2%~3%内外です。このような数値は、翌年に1%成長、2%成長すれば、「内需」になってしまう、ごみのような数値です。その国の経済発展が、このような「ゴミ数値」に「あらわれてくる」というのが、「異常」です。

3.対外資産とは、日本が海外に持つ「株や債券」、具体的には「店舗・工場・土地・機械設備・・・」といった実物資産になります。M&Aで、買収したら、その会社ごと、従業員ごとすべて「対外資産」になります。

 逆に対外負債とは、外国が持つ、日本国内の「株や債券」、具体的には「店舗・工場・土地・機械設備・・・」といった実物資産です。

 マクドナルド、日産自動車、スズキ自動車、東洋水産・・・これらの企業は、すでに「外資系企業」です。

 この「対外資産」-「対外負債」=日本の持つ「対外純資産」です。

 発展段階説によると、発展段階の一番最後=経済発展を成し遂げた国は、「資産取り崩し国」になります。「英米」だというものです。

あの・・・英米は、いつ「対外資産」を取り崩したのですか?????

彼の国が、「海外債権」を取り崩して、「海外負債」という借金を返済した????とでもいうのですか????????

英米が「対外純資産マイナス=対外純負債国」になっているのは、英米が持つ

「対外資産」-「対外負債」=「対外純資産がマイナス」

になっているにすぎません。両国の資産も負債も増え続けています。

図解使えるマクロ経済学 p53 参照

つまり、「英米の海外投資額<英米の対内投資受入れ額」だから、「対外純資産がマイナス」なのです。

 世界中が、イギリスに投資(金融資産を英金融機関に預ける)し、世界中がアメリカに投資(同)です。これが両国が「対外純資産がマイナス」になっている理由です。

 こんな基礎中の基礎すらわかっていないのだから、いかに高橋が「ウソつき、でたらめ、デマゴーグのオンパレード」「害」か、わかろうというものです。

 この「発展段階説」を使う人がいれば、「国際経済」を何も理解していない人だと理解してください。「貿易黒字で外貨を稼ぎ・・・」並みのアホです。

高橋洋一という、詐欺師 2

高橋洋一という、詐欺師

この、高橋洋一というデマゴーグは、北海道民を馬鹿にしています。「財界さっぽろ」という月刊誌に、「官僚にだまされるな」という連載をし、ウソ・デタラメ・デマばかり書き、北海道民を愚弄しています。

北海道民は「北海道新聞」というクオリティーペーパーを愛読する、大変知性の高い人々です。それを愚弄するなど、許せません(笑い)。

まあ、これは冗談ですが、まあまあ、彼のやっていることのレベルの低さ・・・。本人、自分自身で何をやっているんだか、さっぱりわからないのでしょうねえ。

これを「経済学者」とあがめる人たちも終わっています(その人たちも高橋がトンでも論者だということに気づいていないということです)。

貿易に関する記事です。

財界さっぽろ 2015.7月号「高橋洋一の官僚にだまされるな」第39回

昨年末の対外純資産残高が、3年連続で過去最高を更新し、24年連続で世界一になったと報じられた。
世界一と聞くと何か誇らしげに感じるかもしれないが、経済学的な意味はそれほどない。

国際収支を復習すると、複式記帳になっているので、経常収支黒字(赤字)は、必ず外貨準備増減を含む広義の資本収支赤字(黒字)に等しくなる。資本収支赤字は、カネが出ていくことであり、資本供給、つまり対外資産を獲得するともいえる。



本当に、この人「ウソつき、でたらめ、デマゴーグのオンパレード」です。「害」です。

以前も、高橋が未だに紹介している、「怪しい経済学?」なるものを、扱ったことがあります。

高橋洋一(嘉悦大)@YoichiTakahashi 5月2日

バランスシート。簿記を小馬鹿にする官僚、経済学者等のエリートはこれがわかっていないので日本の財政状況も把握できていない。バランスシートの観点から経済問題を書いたこともある→バランスシートで考えれば、世界のしくみが分かる http://www.amazon.co.jp/dp/4334035973
posted at 11:21:34




これ、今年のツイートです!!!!!


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高橋洋一 嘉悦大


2011年2月の記事ですから、5年も前のものです。今になると、私と高橋のどちらが正しいかは、一目瞭然ですが・・・

 私、むかあし、むかし、この人「高橋洋一」は、「国際収支を全く理解していない」と、批判しました。そうすると、彼のお友達「○○さん(著名人)」から、たくさんの「高橋洋一擁護」メールをもらいました。

 私は、「高橋洋一は『国際収支は複式簿記(結果的にバランスシート)の要領だ』とまでは理解しているが、その中身や、つくられ方など、まったく勉強したことがないし、理解していない」と答えました。
そのお友達は、納得していないようでしたが・・私は回答をやめました。要するにそのお友達も「国際収支」を理解していないということなのですが・・・


 さて本題。高橋は、前回記事のように、「国際収支」だの、「輸出だの、輸入だの、GDP」だの、さも、「国際経済」を分かったかのように解説していますが、上記引用記事を読めば、でたらめであることがはっきり分かります。

記事は、2015年7月号ですから、6月発売、原稿は5月に脱稿したとしましょう。では、その時点で最新データであり、既に発表されていた、2015年2月の「国際収支」を、見てみましょう。

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平成27年4月8日 財務省 平成27年2月中 国際収支状況(速報)の概要

国際収支1
国際収支2


高橋の言う「外貨準備増減を含む広義の資本収支」という文言など、どこにもないですね。そりゃそうです。IMFマニュアルが、5版から6版に変わってから、この時点で、1年以上経過しているからです。私も、下記記事で扱いました。

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17年ぶりに、国際収支表の書き方が大・大・大変更!!!という話

 アジア通貨危機を経て、金融収支(フィナンシャル・アカウント)と、「外国から投資されている国か、外国へ投資している国か」というのが、一目でわかるように、マニュアルが変更されたのです。
 その際に、この「海外からの投資額」によって、ショックの度合いが、国ごとに大きく違っていたからです。

 ということは、高橋は、「国際収支」だの、「輸出だの、輸入だの、GDP」だのとほざいていますが、肝心の「国際収支表」すら、1年間:12回(1月ごとに発表)、まったく「見たことない」のです。いや、それ以前から、「変更された」ことすら、「知らない、調べていない、情報として入っていない」のです。
 
 この人、本当に終わっているでしょう?

 これで、学生に「国際経済」どうやって教えているんだか・・・

 むかあし、むかし、「法科大学院」というのができたときに、ありとあらゆる大学が乱立し、教える講師の数が足りなくなったことがありました。その時かき集めた「法曹家」は、まさに玉石混淆、ひどいのもいました。

 法律行為をする主体で、下記の人たちは、除外・制限されています。

ウイキペディア
制限行為能力者(せいげんこういのうりょくしゃ)とは、単独では完全に有効な法律行為をすることができない者(行為能力の制限された者)のことをいう。
具体的には、未成年者、成年被後見人、被保佐人、民法第17条第1項の審判(同意権付与の審判)を受けた被補助人[1]を指す(民法20条第1項参照)。



 このように民法が変わっている(かたかなからひらがな表記というだけでも大変更)のに、その「石」の方の講師は、「禁治産者」とか「準禁治産者」と、講義していたのです。

 高橋のレベルは、これなみです。

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高橋洋一 嘉悦大

 ついでに、上で紹介した2011年記事の中で、「外貨準備を崩して、国家予算に使え」と、原理的にできもしないことを、2015年現在、未だに高橋が話していますが、これも「アホ論」であることを、後日述べます。

 2011年当時より、外貨準備については、もっと複雑になっています。もちろん、高橋は、その内容など、まったく勉強していません。要するに、高橋は、「研究・勉強」など、まったくしていないのです。

高橋洋一(嘉悦大)@YoichiTakahashi 2016年4月27日

経済マクロモデル。エコノミストの実力を見るには経済マクロモデル(連立方程式)を作った経験を聞くといい。この経験がない人はまずダメ。経済変数相互間の関係がわからないから、特定部分の結論ありきの話になる。マクロモデルが分かる人はすべての経済変数にどう影響するかがわかるから話が整合的
posted at 10:24:32



何が変数だか・・・高橋の言う変数とは、例の、なんでもかんでも「エクセル」にぶちこんで、「関係があるだのないだの」というアホ論です。

財界さっぽろ 2015.7月号「高橋洋一の官僚にだまされるな」第39回
 
1980年から2012年までの世界各国の平均経常収支対GDP比と平均実質成長率について、国際通貨基金 IMF のデータで見て相関係数を計算すると、0.00となって経常収支対 GDP 比と実質経済成長率には何ら関係がないことがわかる。



高橋にかかると、そのうち、「太陽の黒点の増減」と「GDP伸び率」をくらべて、「両者には関係がない」と言い出しそうです(笑い)

繰り返しますが、「害」です。高橋のウソ・デタラメは、まだまだ続きます・・・

高橋洋一という、詐欺師

<高橋洋一という、詐欺師>

 この、高橋洋一というデマゴーグは、北海道民を馬鹿にしています。「財界さっぽろ」という月刊誌に、「官僚にだまされるな」という連載をし、ウソ・デタラメ・デマばかり書き、北海道民を愚弄しています。

北海道民は「北海道新聞」というクオリティーペーパーを愛読する、大変知性の高い人々です。それを愚弄するなど、許せません(笑い)。

まあ、これは冗談ですが、まあまあ、彼のやっていることのレベルの低さ・・・。本人、自分自身で何をやっているんだか、さっぱりわからないのでしょうねえ。

これを「経済学者」とあがめる人たちも終わっています(その人たちも高橋がトンでも論者だということに気づいていないということです)。

中国経済を分析するという記事です。

財界さっぽろ 2015.10月号

輸入の伸び率とGDPの伸び率との間には、かなり安定的な正の関係(GDPが伸びている時には、輸入が伸びている)がある。
 世界中の国のデータから、その安定関係を推計して、中国の輸入の伸び率から、GDPの伸び率を算出する…2014年は1%増、2015年は3%程度の減少になる。



そして、「先進国の輸入伸び率と、GDP伸び率に相関があり、相関係数は、0.7だ」というグラフを載せます。

高橋

この人、本当に終わっています。

1)

GDPというのは、「総供給AS」と、「総需要AD」の交点のことです。皆さんご存知の「需給曲線」のマクロ版です。

ad-as


総供給は、GDP=Yです。それに、外国が加わります。国産車に、メルセデスやアウディや、BMWが加わります。それらを「輸入」といい、総供給は「輸入」+「GDP」です。

総需要ADは、家計消費C+企業投資I+政府支出Gです。これに、外国が加わります。日本車を需要しているのは、「海外の人」もいます。ですから、「輸出」が加わります。
総需要ADは、「C+I+G+輸出」です。

総供給    総需要
輸入+GDP=「C+I+G+輸出」


  総供給 総需要 高橋

です。ここで、GDP=国内で生産されたものだけを出すために、輸入を右辺に移項します。

GDP=C+I+G+(輸出-輸入)

さて、ここで高橋は、「輸入が伸びるとGDPも伸びる」と、「両者は相関関係にある」といいます。

高橋の言う相関係数については、
http://www1.tcue.ac.jp/home1/abek/htdocs/stat/corre.html
参照。

 私は、高橋の「相関係数」の説明は、怪しいと思っています。エクセルでプロットすれば、相関係数は出ますが、そのうち、r2乗は「相関係数」ではなく「説得力」の話です。

 1が「完全」だとしたら、r2が0.7ということは、相関には70%の影響がある、70%程度の説得力を持つということです。

高橋がrを0.7としているか、r2を0.7としているか、そこも示していないので、もともと、でたらめグラフではあるんですけど・・・

大体、GDPが「名目か実質か」、輸入が「名目か実質か」も示さずにグラフで「さあどうだ!」ですから、最初から「終わっている」んですけどね。

「輸入が伸びれば、GDPも伸びる相関がある」

これ、「国産車の生産が伸びると、外国車の輸入が伸びる」と言っていることと同じです。

いかに「アホなこと」か、お分かりですか?

1)大体、なぜ、同じ「供給」サイドの構成要素を、グラフにしなければならないのか、意味不明です。

「供給サイドが伸びれば、供給サイドが伸びる」・・・バカです。

貿易黒字 赤字 高橋

「オレンジ輸入が伸びると、ミカン生産も伸びる」???????

だから、「オレンジ輸入の伸び率から、ミカン伸び率を推計すれば」・・・・アホです。

2)そこに見かけ上相関がありそうに見えるから、それを「意味がある」とするのも異常です。

「公園の木々の葉っぱが落ちる率が高くなると、灯油消費伸び率が高くなる」、「警察官の数が多い街は、犯罪件数が多くなる」、だから「両者は相関関係にある、相関係数は0.7だ(これ怪しいです)」・・・アホです。

 高橋にかかると、なんでも「右上がりになると相関だあああ!!!」ですからねえ。

「暖房用電気消費量が伸びると、(北海道では)車のスリップ事故が多くなる」両者は1:1.3の関係だ。だから、「電気消費量伸び率をみると、スリップ事故の伸び率が予測できる」って、バカでしょう?

3)しかも、「先進国のデータから見ると・・・」って、とにかく何でもいいから、先進国をエクセルにぶち込んで、「輸入が伸びればGDPも伸びている!!!!」って、本当にバカです。こんなもの、学生論文なら、即「不可」です。

 条件から何から、全く違うデータを、ただ「先進国=1人当たりGDPが多い国」だからとまとめて、「輸入が伸びるとGDPが伸びる」って、絶対にやってはいけない事でしょう。

 そういえば、「藻谷浩介」の「人口が減るからデフレ」論を否定するために、「人口減少国とインフレ率」をプロットして、「人口減=デフレ」ではないっ」てやってましたが、これもアホです。
 これ、「理論」でもなんでもありません。ただ、「そういう国もある」という、「実証」に過ぎません。「実証」がそうだから、「日本のインフレ率が人口にともなって減るわけではない」とは、全く言えません。

「実証」がなぜ「そうなるか」と言う「理論」を発見し、その「理論」をもとに、「説明」しないとだめなのです。

 「交通事故が今まで起こらなかった(実証)、だから、これからも起きない(理論)」って、こんな話を、だれが信用できますか?

 違うでしょう。「人口減でもデフレにならないのは、こうこう、こういう理由による」だから、日本も、人口減でデフレになるのではない」と、理論で説明しないとだめです。

http://diamond.jp/articles/-/10728

日本のデフレは人口減少が原因なのか
人口増減と「物価」は実は関係がない



何でもかんでも、エクセルに「数値」を打ち込んで、「相関があるだの、ないだの」この人のやっていることは、

「公園の木々の葉っぱが落ちる率が高くなると、灯油消費伸び率が高くなる」、「警察官の数が多い街は、犯罪件数が多くなる」

レベルのアホ論です。アホをアホと認識できないのだから、この人の話を信じている人もアホです。

高橋のウソ、アホ論は、まだまだ続きます。「財界さっぽろ」記事のウソは続きます。

はっきりいって、「ゴミ」「害」です。

高橋洋一 その2

<高橋洋一、その2>

高橋洋一の俗論を撃つ!

高橋

http://diamond.jp/articles/-/16266

日本の貿易収支が赤字転落で本当に国債は暴落するのか

重商主義の誤謬

 貿易収支(または経常収支)を「得」なこと、赤字を「損」なことと考えるのは経済学にとって初歩的な誤りで、それを「重商主義の誤謬」という。貿易収支の黒字は輸出のほうが輸入より多いことで、別に国にとって得でも損でもない。カナダのように経常収支が100年以上もほとんどの年において赤字でも、立派に発展してきた国もある。アイルランド、オーストラリア、デンマークなどの経常収支は第2次世界大戦以降、だいたい赤字であるが、それらの国が「損」をしてきたわけでない。

 経済学の教科書をひもとくと、経常収支は貯蓄投資バランスに等しいとなっている。国民所得=消費+投資+経常収支と定義されるが、(国民所得-消費)-投資=経常収支、つまり貯蓄(=国民所得-消費)-投資=経常収支となるからだ。

これを別の観点から見ると、経常収支(黒字)は対外債権を獲得することであり、言い換えれば対外投資になっているはずだ。であれば、国内貯蓄=国内投資+対外投資となるから、対外投資すなわち経常収支=国内貯蓄-国内投資とわかるだろう。ここまでわかると、今後高齢化社会になって国内貯蓄が少なくなっていくと、経常収支が減って赤字になっていくだろう、ということも理解できるはずだ。だからといって、それが特に問題になるわけでない

危機説を煽る人々の狙い

 ここまではいいが、ここから、財務省やそれをサポートする人による財政再建キャンペーン、つまり増税指向が入りこむと話がややこしくなる。

 あるエコノミストの勉強会で、今後日本の経常収支が赤字に転落して、赤字国債を国内貯蓄でまかなえなくなって、金利上昇が起こり国債が暴落するというシナリオが話題だった。前述の説明で分かるように、経常収支赤字は、国内貯蓄で国内投資が賄えない状態で、海外からの資金流入が必要になる。ここまでは正しいが、ここで財政赤字を海外にファイナンスしてもらうと、金利が上がったりして経済が大変になると、世の中のエコノミストたちは財政危機を煽ってくる。

こうした話を持ち出してくるのは、財務省からの天下りが幹部になっている金融機関系シンクタンクの人々だったりする。そういう人たちが中心になって、日本は経常収支が赤字になると、金利が高くなって国債が暴落するという。だから今のうちに消費税増税で財政再建しておくべきだという意見が、マスコミやテレビで氾濫して、一般人は洗脳されるわけだ。

経常収支赤字になると、経済成長しなくなったり、金利が上昇するのだろうか。あれこれと考えるより、データをみたほうが早い。最近20年間における経常収支対GDP比と金利の関係を調べると、以下のグラフとおりである。

経常収支と、実質金利 2

このグラフで分かるように、世界全体を見ても経常収支赤字国は多いが、それらの国で金利が高かったりということはない。経常収支赤字国といっても、金利は経常収支国黒字国とほとんど変わらない。要するに、経常収支が赤字になっても、まともな経済運営さえすれば問題ないわけだ。経常収支赤字になって日本経済が危ないという人には気をつけたほうがいい。



経常収支と、実質金利

 そもそも、グラフの意味が分かりません。「実質金利FF」は、短期金利のことです。例えば、中央銀行で設定する「政策金利」などです。しかも、名目ではなく、実質ですので、その国の、インフレを除いた数値です。

 しかし、国債は、「長期金利」です。目安は10年モノです。これが長期金利の目安になります。

 しかも、長期金利は、「実質金利」にはしません。10年もの間の実質金利など、測定するのが不可能だからです(インフレ率を参考にはしますが・・)。

 ですから、長期金利は、一般的に「名目金利」を使用します。

 で、簡単に言えば、下記の様になっています。

長期金利

 で、経常黒字・経常赤字国と、長期金利の関係は、次のようになっています。

長期金利 2

 で、日本は経常赤字になると、長期金利が高くなります・・・などと、こんな数か国の、数年のグラフでは全く言えません。

で、きちんとした、調査結果を見てみましょう。

 日本の場合は、経常収支赤字で、金利が高くなる可能性があるのです。これは、もうすでに、あらゆる研究(2000年代初期以降)で、出ている事実です。

クリック

日銀レポート 2003.10


財政のサステナビリティと長期金利の動向

(貯蓄投資バランスと長期金利)
国内民間部門の貯蓄超過は、内外の金利裁定が完全な場合は長期金利の低下要因にはならない。しかし、ホームカントリーバイアスが存在するもとでは、貯蓄超過はその分長期金利を低下させる要因となる。民間貯蓄投資差額と長期金利の関係をみると、日本とフランスについては両者の間に負の相関がみられるものの、他の国については明確な関係が窺われず、特に、海外からのファイナンスに頼ることのできる米国については、両者は無相関となっている。

ISバランスと長期金利


(経常収支(累積経常収支)と長期金利)

経常収支(累積経常収支)と長期金利の間にも貯蓄投資バランスの場合と同様に負の相関が観察される可能性がある。経常収支(累積経常収支)については貯蓄投資バランスの場合より明確に負の相関が観察され、その傾向は累積経常収支について顕著である。もっとも、米国、イギリス、カナダについては、累積経常収支と長期金利の間にむしろ正の相関がみられる。

経常収支と金利

(日本を対象にした推定結果の解釈)

日本を対象にした推定結果において特徴的なことは、経常収支の説明力が有意であるのに対して、財政収支や政府債務残高の説明力がないということである。長期金利の低位安定について、「日本は経済全体として資金余剰(貯蓄超過)の状況にあり、財政赤字を国内貯蓄でファイナンスすることができるため、財政赤字の拡大は長期金利の上昇につながらない」という指摘がなされることがあるが、本節の推定結果はひとまずこの説明と整合的である。



クリック

経常収支,財政収支の基本的な把握
─「 国民経済計算」1)的視点の意義と限界 ─
奥  田  宏  司


5)国債残高の累積と長期金利

これまでの論述より,財政赤字が発生しているなかで財政危機が防止されるためには,経常収支黒字が持続されること,金融諸機関が国債を保有し続けること(=民間部門収支黒字の政府部門への資金移転がスムースに進むこと)である。国債残高が巨額になっている状況での長期金利の上昇は財政負担を増大させ,財政破綻(=危機)につながり,国債を大量に保有している諸金融機関の経営状況を急激に悪化させるだろう。したがって長期金利の上昇は財政危機の第1 のシグナルとなる。

また,金利上昇は景気抑制的に働くだろう。金利上昇は種々の要因で発生しうる。式⑥の諸項目が独自に動く場合はもちろん,それらの諸項目に影響を与える派生的な要因が金利上昇をもたらす場合もある。独自的要因の第1 は,式⑥より経常収支の黒字幅の減少・赤字化によって民間部門収支の悪化する場合である。経常収支の悪化は民間部門の政府部門赤字のファイナンス余力を減じ金利上昇の要因となる。

次に,式⑥より経常収支が不変で財政収支(T-G)のマイナス(赤字)の額が大きくなれば,(S-I)は窮屈になり金利の上昇が生じるだろう。第3 に,経常収支が不変で投資(I)が増大すれば,財政収支(T-G)が好転していないと金利上昇が発生していく。

Ⅲ,まとめ

本文でみてきたように経常収支は一国の対外的な収支,財政収支は総国民可処分所得の国内諸部門別配分と均衡の問題である。経常収支が黒字または均衡している限り,また,国債への選好と国債市場が安定している限り,財政収支赤字は国内民間部門によってファイナンスされ,財政赤字が経済全般の危機を引き起こすことにはならない。これが,日本が巨額の財政赤字をもっているが危機にならなかった要因である。ギリシャなどとの違いである。

しかし,本文でみたように国債への信頼が揺らぎ国債市場が不安定になればこのファイナンスは順調に進まず,経常収支,民間部門収支,政府部門収支に変化が生まれ(式⑥は恒等式であったから),経常収支,民間部門収支,政府部門収支の間で新たな均衡が形成される。その新たな均衡化には財政問題の顕在化もありうる。

3)経常黒字をもっているが財政が赤字となっている諸国,日本,ドイツなどである。経常黒字が存在している以上,財政赤字が発生しても,その赤字は民間部門からファイナンス受けることが可能である。したがって,財政赤字が巨額にのぼっても民間部門の「貯蓄余剰」(=部門収支黒字)が国債等へ投資される環境が持続すればただちに危機的な状況にならない。

それ故,公債政策の中心が金融市場において他の証券へ向かうのではなく投資が国債へ向かうべく環境を整えることになる(公債政策)。

しかし,日本は2011 年から貿易収支が赤字となり経常黒字額が減少してきている。他方,財政赤字は改善される見通しがつかない。貿易収支の赤字が大きくなり経常赤字になった場合,債務危機に見舞われた途上国などのような経済危機に陥る危険性があるといわなければならない。経常収支黒字を維持するための構造的な経済政策のための視点と財政赤字改善の視点が必要になる。



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平成22年度白書

●財政赤字拡大は長期金利を上昇させる傾向

財政赤字の拡大は、債券市場における需給悪化を通じ、長期金利の上昇要因となり得る。
ここでは、実際にそうしたことが起きているか、OECD 諸国の財政状態と長期金利の関係をプロットして確認してみよう。

白書 長期金利

第一に、財政収支と長期金利には負の相関が観察される。OECD 諸国を対象に、80 年から2009 年における両指標の関係を見ると、財政赤字が大きい国あるいは時期ほど長期金利は高くなる傾向がある。したがって、財政状況の悪化は長期金利を上昇させるリスクがあると考えることができよう。

●潤沢な国内貯蓄は財政リスクプレミアムの抑制要因

財政赤字の拡大は長期金利の上昇圧力となっている。しかし、国内に潤沢な貯蓄があれば、財政赤字のファイナンスに対する懸念が生じないことも考えられる。この点を検討するため、前項の分析を貯蓄超過国(経常黒字国)と貯蓄不足国(経常赤字国)に分け、財政収支の長期金利に与える影響が変化するか見てみよう

白書 長期金利 2

第一に、日本を含む貯蓄超過国(経常黒字国)は、貯蓄不足国に比べ、財政収支が長期金利に与える影響度合いが小さくなる。長期金利に与える影響を推計された係数で比較すると、貯蓄超過国の財政収支の係数は、貯蓄不足国に比べて3 分の1 程度となっている。これによれば、例えば、貯蓄超過国と貯蓄不足国の財政赤字が同率程度で拡大したとしても、その長期金利に与えるインパクトは、貯蓄不足国の方が3 倍程度大きいことになる。潤沢な国内貯蓄が長期金利を抑制する要因になっていることがうかがわれる。

白書 長期金利 3



経常赤字・財政赤字と、長期金利に関する分析など、腐るほどあります(大学の図書館に行ってみてください)。

経常収支赤字になると、経済成長しなくなったり、金利が上昇するのだろうか。あれこれと考えるより、データをみたほうが早い。最近20年間における経常収支対GDP比と金利の関係を調べると、以下のグラフとおりである。

経常収支と、実質金利 2

このグラフで分かるように、世界全体を見ても経常収支赤字国は多いが、それらの国で金利が高かったりということはない。経常収支赤字国といっても、金利は経常収支国黒字国とほとんど変わらない。要するに、経常収支が赤字になっても、まともな経済運営さえすれば問題ないわけだ。経常収支赤字になって日本経済が危ないという人には気をつけたほうがいい。



 

https://plus.google.com/110009456807858503008/posts/TXQipH8G6az

広岡哲也

最後は、菅原 晃さんの著書「高校生からわかる マクロ・ミクロ経済学」です。
   この本が、経常・貿易赤字の疑問点に関する本です。
 
★特筆すべき点は、後書きで、「消費税増税を控えたり、日本銀行が、大胆な金融政策を採用すると、外国人投資家が日本国債に空売りを仕掛け、国債暴落・円安・ハイパーインフレになるのか?」という点に疑問点を持っている所です。★

外国人投資家は、国債の9.1%保有しています。約90兆円です。 しかし日本の国債の市場は、8738兆円あるのです。 年間営業日250日で単純に割ると、34兆円です たった3日分です。
しかし、1.5%の金利を求めて、日本国債を購入したいの日本国内の金融機関需要額は、300兆円どころではありません。

外国人が、日本売りを仕掛けても、実際にはびくともしません。日本は空売りする相手としては、巨大すぎるのです。 
日本政府の外貨準備高も、120兆円で最初から勝負がついています。暴落する危険は、まったく心配するに及ばないのです。



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