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全く使えない高橋洋一 経済学の本など読んだことがないから、ウソ・デタラメのオンパレード

<全く使えない高橋洋一 経済学の本など読んだこともない男>

 とにかく、経済学の勉強をせずに、何でもかんでも経済学風に語る詐欺師です。

下記の引用など、「ミクロ経済学」を知っていれば、絶対に出てこない話のオンパレードです。


http://toyokeizai.net/articles/-/185094

「給料が安い」と嘆く人は需給がわかってない モノの値段が決まる仕組みを知っていますか
高橋 洋一 : 政策工房会長/嘉悦大学教授

高橋:モノの値段が決まるしくみは知ってる?

高橋:同じ商品でも、みんな安く買いたいから、安くなればなるほど買いたい人は増える。売れる個数が増えるってことだね。だから、価格をタテ軸に、数量をヨコ軸に置くと、買いたい人の数は右肩下がりの線になる。

経子:この線が需要でしたっけ?

高橋:そう。需要曲線(Demand)だね。じゃあ、逆に学習机を売りたい人はどうだろうか。経子さんは売る側だから、できるだけ高く売りたいでしょ?

経子:そりゃ、そうですよ。

高橋:高く売ったほうが儲けが出るからね。ただ、なかには「1万円で売ってもいい」という店もあるかもしれない。2万円、3万円、とだんだん高くなるにつれ、売りたい店も増えていくはずだ。だから、売りたい人は右肩上がりの線になる。これが供給曲線(Supply)。

ところで、この需要曲線と供給曲線が交わる点はなんだか知ってる?

そう。交わるのが5万円なら、5万円で買いたい人と、5万円で売りたい人がいる地点(均衡点)が、より多くの消費者とより多くの生産者が納得できる価格になる。市場はモノの値段を1つに定める場所だから、こういうしくみでモノの値段が決まっていくんだ。ここまで、わかったかい?

経子:はい。需要と供給の図は、買うときは安く買いたい、でも売るときは高く売りたいっていう気持ちを表しているんですね。

じゃあ、次はモノの値段が変わるケースを考えてみよう。たとえば、ある定番の学習机がリニューアルして再発売されるとしようか。これまでになかったような新しい機能がついたとか、デザインがよくなったとかさ。

経子:最近は、大人になっても使えるデザインの机が人気ですね。子どもの成長に応じてレイアウトを変えたり、それに応じて電灯を付け替えられたり、棚を増やせたりするんですよ。

高橋:へぇ。人気があるの?

経子:新しく発売されたモデルは前より5万円ほど高いんですが、すごく売れています。

高橋:前より高くても売れるのは、欲しい人が増えたからだね。買いたい人が増えると、需要曲線は右に動く。そうすると、交差するポイントが上のほうに動くんだ。つまり、価格が高くなる。逆に、前のモデルは古くなるから、買いたい人が減る。需要曲線は左に動いて、交差ポイントが下になる。

高橋:需要曲線が動くのは、モデルチェンジのときだけじゃない。たとえば急にブームになる商品や、季節が変わって欲しい人が増える商品があるよね。そういうときは、需要曲線が右に動いて値段が上がる。逆に、ブームが廃れたり、生活スタイルに合わなくなる商品は欲しい人が減るから需要曲線が左に動いて値段が下がる。

経子:季節外れの商品が安くなるのは、そのためですね。

高橋:そう。ただ、値段が動くのは消費者の欲しい気持ちだけが原因じゃない。生産者側の作る量が増えたり、減ったりしても値段は変わる。もし、その人気モデルがたくさん作られたら……?

経子:値段が下がる?

高橋:そのとおり。生産量が増えると、供給曲線が右に動くから、交差ポイントが下のほうになるね。

経子:逆に、生産量が減ると、供給曲線が左に動いて、交差ポイントが上に上がるんですね。

このしくみを利用して、価格調整をしていることもあるよ。たとえば、そうだな……。

経子:作り過ぎたキャベツを潰して値段を保つとか?

高橋:ああ、農産物ではよく行われているね。似たようなことはほかの業界でも行っていて、人気を保つために、わざと供給量を抑えることはよくある。欲しい気持ちをわざとかき立てるんだね。あとは、人気アイドルのコンサートチケットも供給量が少なくて値段が上がるよな。

高橋:「転職市場」「労働市場」と言うように、人も労働力というサービスを提供している側だって言ったでしょ。市場は需要と供給が出合う場所、つまり買い手と売り手が出会って、価格が決まる場所。その市場で希少価値が上がれば、当然雇いたい人、つまり経子さんを買いたい人が増えて、給料は上がる。アーティストのチケットと同じだよ。



デタラメのオンパレードです。

1)供給曲線は、限界費用曲線


じゃあ、逆に学習机を売りたい人はどうだろうか。経子さんは売る側だから、できるだけ高く売りたいでしょ?

経子:そりゃ、そうですよ。

高橋:高く売ったほうが儲けが出るからね。ただ、なかには「1万円で売ってもいい」という店もあるかもしれない。2万円、3万円、とだんだん高くなるにつれ、売りたい店も増えていくはずだ。だから、売りたい人は右肩上がりの線になる。これが供給曲線(Supply)。



需給曲線


まず、需給曲線の世界は、「完全競争市場」といい、売り手も買い手も自分で価格を決めることができません。「売ってもいい」ではなく、「市場価格を受け入れざるを得ない」立場にあるのが、完全競争市場の売り手と買い手です。

この「完全競争市場」の供給曲線は、「できるだけ高く売りたい」などの意思が入る曲線ではなく、合理的に「利潤の最大化」を模索すると右上がりの供給曲線になるという合理的モデルです。

供給曲線の導出 限界費用曲線

利潤は「総収入-総費用」です。今の市場価格の場合、A点が一番利潤の大きい点です。総収入の傾きと総費用の傾きが一致している点です。

ここで市場価格が上がるとします。最大利潤点は、総収入の傾きと総費用の傾きが一致している点=B点になります。価格が上がると、企業は生産量を増やすのです。

このA点とB点を結んだものが供給曲線です。「供給曲線は、限界費用曲線」の傾きと一致するのです。供給曲線=利潤最大化の点を結んだものなのです。


高橋:高く売ったほうが儲けが出るからね。ただ、なかには「1万円で売ってもいい」という店もあるかもしれない。2万円、3万円、とだんだん高くなるにつれ、売りたい店も増えていくはずだ。だから、売りたい人は右肩上がりの線になる。

経子:はい。需要と供給の図は、買うときは安く買いたい、でも売るときは高く売りたいっていう気持ちを表しているんですね。



供給曲線は、こんないい加減な話で出てくるものではありません。

2)この世にあるのは、不完全競争市場。


たとえば、ある定番の学習机がリニューアルして再発売されるとしようか。

経子:最近は、大人になっても使えるデザインの机が人気ですね。

高橋:へぇ。人気があるの?

経子:新しく発売されたモデルは前より5万円ほど高いんですが、すごく売れています。

高橋:前より高くても売れるのは、欲しい人が増えたからだね。買いたい人が増えると、需要曲線は右に動く。そうすると、交差するポイントが上のほうに動くんだ。つまり、価格が高くなる。逆に、前のモデルは古くなるから、買いたい人が減る。需要曲線は左に動いて、交差ポイントが下になる。



 この世には、高橋が説明するような、需要と供給で動く「机」市場があるわけではありません。

需給曲線

では、この「需要と供給」で描かれる市場、完全競争市場は、この世にあるのか?答えは「ない」です。


数研出版 改訂版・政治経済 2018用 P118

財の同質性、情報の完全性、多数の経済主体の存在、参入・退出の自由の四つの条件を満たした市場のこと。売り手も買い手も自分で価格を決定できず、市場で決まった価格を目安に行動する。ただし、これは、理論的に想定されたもので、このような市場は現実にはほとんど存在しない。




清水書院 政治・経済資料 2017 P229
市場メカニズムによって資源が配分されるには、完全競争が成立していなければならない。それには①買い手と売り手が多数存在し、どちらも価格に影響力を持たないこと。②買い手と売り手が同一の商品を取引していること。③買い手と売り手が各各独立して行動していること。④買い手と売り手は商品価格に関して十分な情報を持っていること。⑤買い手も売り手も自由に市場へ参入、実行、撤退することができること、などの条件が必要である。しかし、こうした完全競争市場は理論的モデルであって、現実には存在しない。実際には独占・寡占が存在し、所得の不平等の是正や公共財の供給は市場メカニズムにまかせておいても実現しない(市場の失敗)。

にもかかわらず完全競争市場を理解しなければならないのはそれが市場機構を評価するベンチマークだからである。現実の企業が直面するほとんどの市場は完全競争市場の条件のいずれかを欠いている不完全競争市場なのである。



この世にあるのは、完全競争市場の要件を欠いた不完全競争市場のみです。

市場モデル 不完全  高橋


(1)財・サービス市場

①完全競争市場に近い形

財・サービス市場で、「プライス・テイカー」であり、売り手も買い手も自分の思った価格をつけられない市場、完全競争市場に近いのは、例えば野菜とか魚の卸売市場、金銀銅などの素材市場、半導体やねじなどの基本部品市場、バラ済み船の船賃などの市場があります。

財・サービス市場  完全競争市場


 これらは、毎日のように価格が変動し、売り手も買い手もその価格を受け入れます。

(2)不完全競争市場

①独占的競争市場

財市場 不完全競争市場


 実際にある市場です。鳥貴族やすき家は、自分で価格を決める「プライス・メイカー」です。買い手はその価格を受け入れざるを得ません。コンビニでもスーパーでも、マッサージ料金も宿泊料金も、床屋もネイルも、不動産価格も、衣料品も・・・・。

すべて「プライス・メイカー」の価格を、買い手は受け入れざるを得ません。このようなプライスが「需要と供給」で変化し、決まることはありません。

 ニトリやIKEAの机の価格が、需要と供給で変動することなどありません。すべてニトリが決めた価格を、消費者が受け入れているだけです。プライス・メイカーの世界です。

ニトリの机の需要が増えて、価格が上がることはありません。

供給曲線 水平 不完全競争市場


高橋:需要曲線が動くのはたとえば急にブームになる商品や、季節が変わって欲しい人が増える商品があるよね。そういうときは、需要曲線が右に動いて値段が上がる。逆に、ブームが廃れたり、生活スタイルに合わなくなる商品は欲しい人が減るから需要曲線が左に動いて値段が下がる



ノーベル賞を取った作家カズオ・イシグロの作品は、急に需要が増えます。しかし、増刷によって本の量は増えますが、本の価格が変わるわけではありません。


https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180116-00000087-it_nlab-bus_all

X JAPANのYOSHIKIさんが1月1日放送のテレビ朝日系番組「芸能人格付けチェック」で食べ続けて注目を集めたおかきを扱う「銀座あけぼの」(東京都中央区)が、注文殺到により1月9日から楽天市場ショップでの販売を一時休止しています。

ネットでは食べていたお菓子が銀座あけぼのの「チーズおかき」だと特定されるや注文が殺到、これを含む17種類のおかきの詰め合わせ「味の民藝」など関連商品も人気に。商品の手配や配送手続きが行き届かない状態になりつつあったため、唯一のオンライン注文口であった楽天市場での販売を、1月9日をもって全商品一時休止としました。「味の民藝」は店頭でも品薄状態となっているとのこと。YOSHIKI効果、すさまじい……。




この世に高橋の言う「需給で動く市場(完全競争市場)」など、無いのです。

3)労働市場も、需給で決まる市場ではない。


高橋:「転職市場」「労働市場」と言うように、人も労働力というサービスを提供している側だって言ったでしょ。市場は需要と供給が出合う場所、つまり買い手と売り手が出会って、価格が決まる場所。その市場で希少価値が上がれば、当然雇いたい人、つまり経子さんを買いたい人が増えて、給料は上がる。アーティストのチケットと同じだよ。



労働市場こそ、消費者(雇う方)も千差万別、供給者(労働者)も千差万別、完全競争市場の対極ともいえる市場です。

学歴も、資格も、経験も「差別化=差をつけるため」にあります。企業の提示する「価格=賃金」も、差をつけるためにあります。独占的競争市場です。

企業の提示する価格=賃金は、企業が決めます(プライス・メイカー)。だから、賃上げということばが使われます。企業の意思で上げたり下げたりできるのです。プライス・テイカ―(完全競争市場)であれば、賃上がりとか賃下がりという表現になります。


景気堅調、3%賃上げも意欲 地政学リスク警戒も 経済界、好循環へ攻めの姿勢
1/6(土) 7:55配信 産経新聞

経団連など経済3団体や業界団体は5日、相次いで新年祝賀会を開いた。経営トップからは北朝鮮情勢などをリスク要因として警戒する意見も聞かれたが、景気回復は続くとの強気の見通しが大勢を占めた。安倍晋三首相が改めて「3%」を要請した賃上げにも例年より前向きな声が目立つなど、経済の好循環に向け、経済界の攻めの姿勢が鮮明になった。



不完全競争市場を全く理解していない高杯洋一の説明は、1から10までウソ・デタラメになります。ミクロの教科書を1回も読んだことがないから、こうなります。ウソ・デタラメを学生に教えているのですから、単なる害です。

グリーンスパンFRB議長 1987年8月
「常にインフレを抑え、株価を上げ、ドルの安定や低金利、雇用増を実現できる人がいればありがたい」
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高橋洋一や田中秀臣には理解できない、DSGE(現代経済学)理論

<高橋洋一や田中秀臣には理解できない、DSGE(現代経済学)理論>

 今年、はじめての記事になります。ものすごく骨太な話で、説明が長くなります(ですが、これでも説明のほんの一部分であることをご了承願います。すべてを説明できない事情がありますので、忖度願います)。

http://blogos.com/outline/205039/
アベノミクスと雇用について

アベノミクスが期待外れな結果しか残せていないことについてはいまや多くの人々が同意する所となりつつあるが、その一方で今も「アベノミクスは成功したんだ!」と主張する人々が強調するのは雇用の改善である。しかしながらアベノミクス開始以降、雇用が改善しているのは事実であるが、失業率や求人倍率の推移をみるとアベノミクスの前後で明確なトレンドの違いは存在せず、リーマンショックからの自律回復が続いているだけとも取れる結果である。

これに対し、アベノミクス支持派の主張は、「失業率だけをみれば確かにアベノミクスの成果は見えないが、労働力人口や就業者数を見れば、アベノミクスが雇用を大きく改善したことは明らかであり、同じ失業率の改善でも民主党政権下とアベノミクス以降では中身が異なる」というものである。

次にもう一つの問題点について指摘しておくと、労働力人口や就業者数が増加に転じたのは本当にアベノミクス以降だったのか?という点についても疑問が残る。

例えば高橋洋一氏は以下のような図を示して、「金融政策の効果を見るには就業者数をみればいい」「このデータほど、安倍政権と民主党政権の金融政策の差を如実に示すものはない。はっきりいって、民主党の完敗である。」(参照)とやっている。

失業率

そこで、試しに2012年以降の就業者数、雇用者数をプロットすると以下の通りとなり、少なくとも高橋氏の示したような大きな変化がアベノミクスの開始と共に起こったようには見えない。

失業率2

[追記]
田中秀臣氏は雇用の改善の他に自殺者数の減少もアベノミクスの成果(或いは金融緩和の成果)だと主張しているようであるが、氏も認めているように自殺者数と失業率の間には強い相関がある訳で、自殺者数の減少がアベノミクスの成果というのは失業率の減少がアベノミクスの成果であるという事を前提としており、後者が自律回復で説明できるのであれば、前者もその結果とみることができるため、結局は雇用の改善がアベノミクスの成果かどうかという問題に帰着するだろう。

つまり雇用にしても世界経済にしても安倍政権は強い追い風を受けてスタートしていたという事であり、当初はアベノミクスが大きな成功を収めそうだという期待が高まったことは確かである。それが虚像であったとしても繰り返し喧伝されていた「景気は気から」という考えが正しかったのなら、この好ダッシュはアベノミクスの成功を自己実現的に後押ししたはずであるが、その後の推移を見るに残念ながら「気」だけでどうにかなるわけでもなかったという事だろう。



要するに、「失業率や、就業者数の増加は、リーマンショック以後の『自律的回復』であり、アベノミクスの成果ではない」というものです。

これに対して、反論しているのが、高橋洋一・田中秀臣という、バカ教授です。この馬鹿が踏み外しているのは、今の経済学の本 質など、まったく理解していないというところにあります。
 
失業率


 どうですか?この図を見て、「アベノミクスの成功で、失業率が低下した」と、言えますか?「自律的回復ではないか?」に、「高橋や田中など、反論になっていない」と突っ込まれて、それを否定できますか?

<現在の経済学とは?>

 今の経済学は、動学的一般均衡です。動学的というのは、「時間を考慮した」一般均衡です。

DSGE モデル.jpg

経済学史 とうほう 政治・経済資料2015 p207-2


①古典派経済学  スミスやリカード

②新古典派経済学(ミクロ) ワルラス(静学的)一般均衡や、マーシャル需給曲線

③ケインズ経済学(マクロ) 帰納法(厳密な理論ではなく、実証優先)

④ケインジアン経済学 ケインズの予想(期待)を捨象し、静学(現在)のみ考慮
 IS-LMも、フィリップスカーブも

⑤ルーカス批判 「ケインジアンは、動学(時間軸)を考慮していない!」
 フリードマン・マネタリズム 「フィリップスカーブ(実証)など無意味」

⑥現代経済学
 動学的一般均衡(未来の予想を加味)← ②ワルラスの静学的(今現在のみを考慮)とは違う、③④の静学とも違う。DSGE=動学的確率的一般均衡

これが、「マクロ経済学」の推移です。

世間一般では(ネット上でも)、⑤フリードマンに始まる「市場原理主義」や、「新自由主義」批判!!!(40年以上も前の経済学理解)で止まっています。

要するに、40年以上も前の経済学で止まっている話であり、本当は「批判」にすらなっていません。

なぜ、世間一般では、「最新経済学」が、理解されていないかというと、今の、「動学的確率的一般均衡=DSGE」は、微分積分を多用するので、「一般的経済学解説書」「新書」「経済学入門」では、扱いきれないからです。

だから、入門書の類、高校教科書も、飯田泰之先生など、若手の教授が執筆するもの以外、全部「40年以上前」の、「新自由主義」だの、「市場原理主義」だので、止まっています。

つまり、日本人の経済常識は、未だに前記④ケインジアンの「財政+金融=ポリシー・ミックス」や、⑤フリードマンの「市場重視」で、止まったままです。

もう、団塊世代以上が書く入門書(池上彰など)、すべて「止まったまま」でしょう?さらに、経済学など学んだことがない「エコノミスト(安達誠司とか)」も同じです。彼らの本に「微分積分方程式=動学」を使っているか所など皆無です。

今の大学院で必須の「動学的確率的一般均衡=DSGE」など、彼らには全く理解できていないのです。それは高橋洋一や、田中秀臣など、バカ教授も同じです。だから、「書けない」のです。新書や「経済入門」書に、「最新経済学」が一切ないのは、「①一般向けには、技術的・分量的にも説明できない」、「②バカエコノミストやバカ教授には理解できない」からです。

だから、日本は終わってしまったのです。最新理論を、大学で教えられなかった時代=70年代後半・80年代・90年代初頭→「(理論が)失われた20年」

これが、90年代後半から、「失われた20年(実証)」として、現実化してしまいました。40代・50代の現役世代(官僚の最前線)が、最新経済理論を共通項として理解していないので、「対処の仕様がなかった」のです。彼らの理論も、40年以上も前の、④ケインジアンの「財政+金融=ポリシー・ミックス」や、⑤フリードマンの「市場重視」で、止まったままなのです。

<最新理論=今の経済学常識の本質>

 今の経済学の本質は、「動学的」です。つまり、「現在」だけではなく、「未来」を考慮した一般均衡です。

 未来は、「予想(期待)=expectation」です。

だから、

 実質利子率=名目利子率-期待(予想)インフレ率

です。

GDPで重視するのは、名目ではなく、実質です。

 実質GDP=名目GDPからインフレ率を控除

経済は、「①現実(今現在)」と「②未来(予想)」で動くのです。「②未来(予想)」が大事、というか、絶対にはずせなくなっているのが、現在経済学の本質なのです。

 だから、「(不安定な)未来をできるだけ確定させる」のが、現代経済学の「合意事項・必須事項」なのです。


 ①インフレ・ターゲット
 ②●年●月に「オリンピック」
 ③●年●月に、都市圏「新線」「新駅」「新道」完成
 
 これらが、「未来を確定させる」政策だということが分かりますか?なぜ、90年代になって、①インフレ・ターゲットが導入されたか、分かりますか?これによって、中央銀行は、「政治介入」を避け、中央銀行の独立を達成したのです。

 それまでは、③ケインジアン フィリップス曲線でした。

フィリップス曲線清水書院 現代社会資料集2014 p175


「インフレだと、失業率が低い、だからインフレが望ましい」=裁量政策これ、60年代に終わった話です。

 70年代に襲ったのは、「スタグフレーション=インフレなのに、高失業率=不況」です。

だから、フリードマンは、「フィリップス曲線は垂直になる=あてにできないぞ」と「自然失業率」を唱えたのです。「インフレ目指す裁量などしてもだめだ、ルールに基づいて、金融政策をしろ」と言ったのです。ケインジアン=裁量です。フリードマン=ルールです。

 ところが、ルールに基づく「マネタリズム」を中銀が採用したものの、変動相場制になって、金融自由化が進んだ結果、フリードマンがとなえた「マネタリーベース増減(ルールに基づく)→マネーストックの増減」など、まったくあてにならなくなったのです。金融商品が増大しすぎて、マネーストックの範囲が拡大し過ぎ、もはやコントロール不能になったのです。だから、中銀は、「ルールの基づく政策=狭義のマネタリズム」を捨てたのです。

 その後、インフレ目標(ルール)を定め、その政策目標を実現するために「裁量」を使用する(マネタリーベースの増減、短期利率のコントロール・・・)を導入しているのです。今は、ルール+裁量なのです。

 フィリップス・カーブも、今は「昔」のモノではありません。「インフレだとよい」ではなく、大切なのは、「インフレ率=変化率」なのです。

フィリップス曲線清水書院 現代社会資料集2014 p175


 企業の儲けは、物価が安いときに仕入れ、物価が高くなるときに売るのが一番です。その「差」が、もうけになるからです。
 
人件費も同じです。人件費が安いときに仕入れ、人件費が上がった時(インフレ)にも以前の「安い人件費契約」で使えるときが一番です。

実質=名目-期待(予想)変化率

です。

0%=2%(名目成長)-2%(変化率)では、最大儲けにはなりません。インフレであればいいのではないのです。

他の主体が2%のインフレ率を予想している時に、自社だけが、3%の名目売り上げを達成する(安く仕入れて高く売る)・・・これが「もうけ」なのです。

1%=3%(名目価格)-2%(変化率)

 つまり、大切なのは、「乖離=ギャップ」なのです。だから「インフレという事実」が大切なのではなく、「インフレ率という変化=動学」が大切なのです。

0%=5%(名目成長)-5%(変化率)

これでは、いくら「インフレ」でも、まったく「もうけ=付加価値=GDP」は増えないのです。

1%=10%(名目成長)-9%(変化率)

 もうけは「インフレ率が高いから」ではなく、「ギャップ」にあるのです。だから、フィリップス曲線で大切なのは、「インフレ」ではなく「変化率」なのです。

「実質」が大切なのは、労働市場でも同じです。①実質賃金が高止まり=失業率高(デフレ)→②実質賃金低下→失業率低下(回復期)→③実質賃金上昇=完全雇用(限界費用増)になります。

参照
クリック

池田信夫を銃殺せよ(クルーグマン風に言うと)その3

それで、マンキューが単なる「実証」だったフィリップス曲線を「限界費用増=変化率増=失業率低」という「理論」で、再構築したものが、ニューケインジアン・フィリップス曲線=NKFCです。大切なのは、「インフレ」ではなく「変化率」なのです。

その変化率は、「現在」と「未来」の間で「生じる」のです。

経済は、「未来に依存する」というのが、現代の経済学の必須事項なのです。だから、最新の「動学的確率的一般均衡=DSGE」では、2つの変数の1つ(XとY)は必ず「変化率」なのです。(無理やりです・・ここに欠陥があります。詳しくは説明できません。予定稿で扱います。忖度願います)。

 経済は「未来に依存する・・・」

Y=C+Iです。消費Cは「現在」です。今日の食事、今日の幸せ(ローンでクルマを買うのも、高いソファを買うのもすべて「現在」)が目的です。

 だから、消費など、好不況にかかわらず、「一定」なのです。不況だからといって、電気・ガス・水道・家賃・食費・病院代・・・など、削るわけにはいかないのです。

ところが、「投資」は、未来に依存します。来年以降どうなるか・・・工場を増やすか、人員を増やすか、店舗を拡大するか・・・これはすべて「未来予測」に基づくのです。

だから、「未来が不安」だと、「投資減=不況」になるのです。「好不況は投資に依存する」というのが、ケインズが見つけた「実証」です。だから、投資を拡大するには、「民間に変わってでもいいから、政府が投資する公共投資+民間投資を活発化させる金利下げという金融政策=ポリシーミックス」を提唱したのです。

今に依存するのが、消費。将来に依存するのが、貯蓄Sです。

企業から見るY=C+Iは、家計から見るとY=C+Sです。貯蓄は「未来のため」に行います。未来が不安だと所得Yが増えても、Cを増やすのではなく、Sを増やします。それが、今行われている「消費が増えない」現象の理由です。今現在、家計は消費を増やすのではなく、貯蓄Sを増やしているのです。若い世代ほど顕著です。Yが増えるのに、Sだけが増える・・・だから、S>Iになる。そこで「不況」になるので、Iを増やす=政府支出+金融緩和なのです。

 このように、景気は「未来」に依存するのです。

未来

そうすると、アベノミクスが成功しているかどうかは、「未来に働きかける」ことに成功しているかどうかが基準になります。

アベノミクス

 目先の「求人倍率」や、「失業率」は「今現在」の話です。企業は「今必要」だから動きます。

 一方、大学生や高校生の求人は「半年後、1年後、5年後、10年後・・・」の未来予測に基づいて行われます。今ではなく「未来に依存」する「先行投資」なのです。

 ①投資が増えているかどうか・・・・

アベノミクス 投資

http://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_eco_seizougyo-setsubitoushi
日本政策投資銀行が4日発表した2016年度の設備投資計画調査によると、大企業・全産業の国内投資額は前年度実績比10.9%増の17兆5128億円で、5年連続のプラスとなった。将来の成長に向け、企業が製品開発などの前向きな投資を増加。東京五輪・パラリンピックをにらんだインフラ投資も続く。

未来に依存する民間投資は、アベノミクスで「確実に」変化しています。

②大学生・高校生の就職はどうなっているか・・・

アベノミクス 大卒

http://fp-user.com/%E5%B0%B1%E8%81%B7/%E5%A4%A7%E5%8D%92%E6%B1%82%E4%BA%BA%E5%80%8D%E7%8E%87%E3%81%AE%E6%8E%A8%E7%A7%BB%EF%BC%882017%E5%B9%B4%E5%8D%92%EF%BC%89/

アベノミクス kousotu

未来に依存する大学生・高校生の就職率はアベノミクスで「有意」に変化しています。

分かりますか?高橋洋一や、田中秀臣のように「失業率がとか、労働者数がとか、自殺率がとか・・」など「現在」の指標で、アベノミクスが成功しているだの失敗しているだの・・・。

こういう説明をして「シロウト」を納得させるとことなど「ムリ」なのです。理論的にも実証的にも無理なのです。だから、シロウトに突っ込まれて、反論になっていないのです。

彼らが「バカ」だというのは、こういう「現在経済学」の本質を理解していないからです。

<高橋洋一や田中秀臣には、説明できない話>

DSGE モデル.jpg

動学的一般均衡は、次のような過程を経て確立されました(ここは、ほんのさわりです)。

1)ワルラス一般均衡論(新古典派=ミクロ) = ニュートン物理学(どんぶり勘定)

ワルラス均衡理論は、財市場・貨幣市場・労働市場・・・と複数均衡を扱います。ところが、ニュートン物理学では、「2つの引力」を分析できるのみで、「3つ以上の引力=均衡」は、理論的に扱えないのです。しかし、太陽系の場合、太陽の引力があまりにも巨大で、太陽と金星、太陽と水星、太陽と地球・・・とそれぞれ「2個の引力=ニュートン物理学」を使って解析し、それを寄せ集めて、「太陽系」を説明したのです。

ですから、ワルラス均衡も、それぞれの市場を分析し、それを無理やり「すべての市場均衡=複数均衡」として扱っただけで、もともと、原理的(2個の均衡しか扱えないニュートン物理学に依存)に、「無理」があるのです。

「ミクロ的基礎付け=ある理論からすべてを説明する演繹法」を装ってはいますが、最初から「誤謬」が生じるような理論なのです。


2)ケインズマクロ=帰納法(理論ではなく、実証から作った帰納法)

 一方、ケインズの理論=マクロ経済学は、帰納法です。つまり、実証から導き出した、「ミクロ的基礎付け=ある理論からすべてを説明する演繹法」ではありません。「投資の増減が不況につながる」のを発見し、では、投資を回復させるには・・・という帰納法です。理論などありません。世界大恐慌=不況を克服できれば、それでよいという、ざっくり論です。

 ケインジアンは、とりあえず、ミクロ=ワルラス均衡と、ケインズマクロを結び付け「古典派総合」として活用しますが、これらは原理的に「水と油」でした。

 だから、ルーカスらが、「マクロ経済学のミクロ的基礎付け=ある原理理論の演繹法によってマクロ理論にする」ことを、要請したのです。そこから、現代経済学が始まります。


3)動学的一般均衡
 
これが、現代の「マクロ経済学のミクロ的基礎付け」、ルーカス以後の現代経済学理論です。「動学=今と未来」を考慮したモデルです。

動学的予算線


この、理論には、

 ①フェルマーの定理
 ↓
 ②解析力学
 ↓
 ③ラグランジュアン

動学 


という、「ミクロ的基礎付け=演繹」が導入されています。

「マクロ経済学のミクロ的基礎付け」、すべてを最小単位(ミクロ)に落とし込み、そこから、壮大なマクロを作り出す・・・。

この理論が実践されているのが、「コンピューター」です。最小単位「0と1」から出発→最大単位「マクロ」まで、一貫しています。

この理論を、高橋洋一や田中秀臣は、全く説明できません。「マクロ経済学のミクロ的基礎付け」に、なぜ微分積分が必要なのかも、まったく説明できません。だから、彼らは「終わっている」のです。

もう、高橋や、田中のような「バカ」など、「使い物にならない」のです。

<ただし・・・>

「未来のことは分からない(ケインズ)」時代から少しは進歩して、「未来のことが予測できる」時代にはなりましたが、ですが、やはり「未来の事」は神のみぞ知るです。自然災害や、「ミス」は、やはり正確に予測できません(これらは必ずGDPを下げ、売り上げを下げます)。

経済学は「今」を説明するもので、未来を予測する「水晶玉」は持っていません。

DSGEも「変化率が○○ならば、結果は●●になる」といえるのみで、その「変化率」がどうなるかは「分かりません」

そもそも、経済を決める変数は、無数にあり、XとYだけで決まる「物理学」とは雲泥の差があります。

経済学は「進歩」していますが、「経済全体を描写」するのは、永遠にできません。

高橋洋一という、詐欺師4

<高橋洋一という、詐欺師4>

 さて、高橋洋一という「自称経済学者」が、いかにデタラメかを、3回にわたって扱いました。

 いずれも、「基礎基本」の部類なので、高橋は、要するに「土台から」狂っています。基礎がゆがみっぱなしなので、言っていることはほとんど「でたらめ」です。

 今回は、「政府が溜めている、外為(いわゆる、日本の「対外純資産」の中で、1/3をしめる、「政府の中の財務省(金庫は日銀)」が持つ、100兆円を超える対外資産を、取り崩して、政府予算に使え)あるいは、「政府が持つ必要はない、売却しろ」というアホ論です。

 で、これを説明するのに、「簡単に、サルでもわかるように説明する」と、ものすごく細かい点「基礎基本」点を、いちいち説明しなければなりません。例えば、「外為」とは何か、「対外資産とは何か」、ストック(金融資産)とは何か・・・・

 その上で、「高橋アホ論」を検証しなければなりません。

 で、今回は、特別大サービス、その一つ一つを扱い、おまけに、「外為」の最新事情も扱い、「高橋の言っていることはそもそもナンセンス」「できもしない(これはやればやれるという話ではなく、物理法則のように、原理的にできないということ)」ということを述べます。

 長いです(笑い)。

 なぜ、「米学者の書く教科書は、やたらと長いのか分かります。説明を丁寧にするのには、「長くなる」と言うのは、必然だからです。

 このブログは、「自分の勉強用ストック」ブログですので、基本的に「授業用教材研究」を電子版で保存しているものです。

 同業者の方に使われるのは、かまいませんが、基本的知識(土台)を共有しないレベルの方に、「説明」するためのものではありません。基本的に、そのような方は「自分で勉強してレベルを上げなさい」としか、言いようがありません。世の中には、「タダ」の物はないのです。

 芸術家も、舞台俳優も、バレエ家も、プロのバイオリニストも、ピアノ奏者も、イチローも、恐ろしいほどの「時間」というコストをかけて、そのレベルに到達しています。他のすべてを犠牲にして、成り立つのが「専門職」です。

 経済学者も、医者も、法曹者も、「他のすべてを犠牲にして」専門家になっているのです。

 これらの「専門家」の道は、「他の仕事をやりながら、合間にちょこっと習得できる」ものではありません。そのレベルは「趣味」と言います。

 ですから、用語についても、『経済学の用語』 を理解していない人と話をするのは無理です。

 それらの「経済学を知らない」、つまり、付け焼刃で「経済的知識」を学んだ人は、その付け焼刃の知識を振り回し、ウソ・デタラメを世間に広めます。

例えば


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中原圭介
2016年05月18日 09:04
日銀は日本人の価値観を理解していない


(以下、『経済はこう動く〔2016年版〕』より引用)

 私から言わせれば、とりわけ日本人に「インフレ期待」を求めるのは、そもそも大きな間違いであると思われます。米欧社会の価値観では、「インフレになるのであれば、預金していると目減りしてしまう。だから株式を買おう。お金を使ってしまおう」という考え方が、100歩譲ったとして、21世紀型のインフレ経済でまったく成り立つ可能性がないとはいいません。

 しかし、それはイソップ童話の「アリとキリギリス」でいうところの、キリギリス的な発想です。平均的な日本人の価値観では、決してそう考えることはありません。日本人は「インフレになるのであれば、今から節約して生活防衛を心掛けよう」と考えるからです。いわば、アリ型の国民なのです。「インフレ期待」どころか、「インフレ失望」が働きやすいお国柄なわけです。

 今では、アベノミクスの実質的な失敗により、インフレ期待がまがい物だったことが一般の人々にも理解できるようになってきています。おまけに、日本社会の高齢化が進み、貯蓄を取り崩す年金生活者が増えている中、穏やかなデフレのほうが暮らしやすいと考える人々が増え続けてきています。



このひとは、経済学用語の インフレ期待を、「期待」することとしています。

インフレ期待は、英語ではexpectation(s);=予想のことです。「何かを期待する」ではなく、「何かを予想する」ことです。「金融引き締めで、金利が上がることを予想する」、「企業不祥事で、株価が下がるだろうと予想する」ことであり、「期待」とか「失望」することではありません。

 (法律の現場では、「専門用語」が飛び交っています。それは、一般の人が口にする「用語」であっても、「意味する中身」がまったく違います。「悪意・善意」ということばひとつでも、専門家が使うそれは、「悪い意志・善い意志」という意味ではありません。「既知か無知かと言う意味です・・こんなことを、いちいち説明するくだらなさ=時間のムダ使いがわかりますか?)

 このような「レベル」の人の、経済学もどき解説は「土台がずれている」というのが、お分かりになりますか?「土台」が違うので、同じ土俵で「会話」が成り立ちません。

 「インフレ期待とかインフレ失望とか、そもそも『期待』ということばの意味が違います・・・」から説明しないといけないので、無理なのです。

 だから、申し訳ないですが、「経済」を語るのであれば、「経済学」のベストセラー教科書を読むしかないのです。ベストセラーと言うのは、それを教えている先生が選んだ「教科書」です。もちろん「期待(予想)」も、「限界」も、AD-AS(総供給と総需要)も扱われています。まず、それらの「基礎用語」を理解しないと、話ができません。

 これらの枠組みがないヒトと、何を語っても、ムダです。自動車修理の専門家は、オーナーの「トンでも原因予測」に、いちいち「説明」しないでしょう?説明するだけ、「時間のムダ」だからです。原因は、見当がついているのです。だから「作業」を進めた方が早いのです。修理後、オーナーさんに、丁寧に「原因」を説明します。

 中原とか、高橋とか、「経済学もどき」は、「経済学」の教科書すら、読んだことがない「でたらめ」なのです。

 では、これから、「授業用教材研究」の一部をお見せします。ただ、事情があり、資料(特に時事資料)をすべてお出しするわけにはいきませんが、原理(メカニズム)は同じです。

 高橋を「経済学者」とあがめる人たちも終わっています(その人たちも高橋がトンでも論者だということに気づいていないということです)。

 日本の、政府が持つ対外資産(外国為替特別会計)が、円安で増えた。それを予算に使え!財政刺激しろ!というアホ記事です。


財界さっぽろ 2015.10月号「高橋洋一の官僚にだまされるな」第42回

 これまでの円安によって、外為特会では、含み損を解消して、20兆円程度の含み益まである。それを活用すれば、即効性のある経済対策を打つことも可能だ。
 外為特会の含み益を活用して、補正予算を今国会中に組むことがベストだ。この場合、即効性があり有効需要をつくりやすい減税・給付金などの政策が望ましい。

財界さっぽろ 2015.7月号「高橋洋一の官僚にだまされるな」第39回

円安で一番利益を得ているのは、「外為特会」を持つ「国」で、差益は20兆円程度もある。必要なら、外為特会での差益を使って、円安でデメリットの人の救済も可能だ。



 過去の為替介入などで、外国資産(まあ、ほとんどが米国債)を、日本政府が持っています。アベノミクス導入以降、円安・ドル高で、20兆円もの「もうけ」が出たから、それを政府予算に使え!という、アホ論です。

 このアホ論をアホだと説明するには、少し高度な解説になります。

結論から言うと、

1.ストック(過去の貯蓄=誰かの負債)は2度と使えない。だから、貯蓄を下ろして使っても、GDPは「絶対に」増えない。

2.海外資産を円転し使っても、保有主体が「政府→民間」に移るだけで、本質的に意味はない。

3.すでに、「政府の対外資産」は、取り崩されて、政府の「予算」に使われてしまっている。


です。

1.

 「過去のストック=預貯金=資産=投資に使われた額」は、1度使われてしまったカネで、2度と使うことはできません。まず、下記を読んでください。

(1) 拙著 「図解使えるマクロ経済学 P○○参照」

(2)

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藻谷浩介『震災復興・全国民が貯金の1%を寄付しよう』

 ストック(預貯金という、貸した債権→銀行などの金融機関の負債→銀行の貸し出し(債券)→企業や家計の借り入れ)を、家計が「降ろして」、エアコン10万円を購入する→GDPが10万円増加するということは、ありません。

 これが可能なら、政府は100兆円の外為を全部使用して、100兆円のGDP増を刺激することが可能ですが、こんなことできません。

 預貯金を10万円降ろして使えるように見えるのは、どこかの主体(家計・企業・政府+外国)が、その分、せっせせっせと、「預貯金」しているからです。誰かが貯蓄を増加させているので、誰かが「降ろして」使えるようになるのです。「誰かの貯蓄=今年の所得からしている、今年の所得は今年のGDPの一部」ですから、カネがぐるぐる回っているだけで、今年のGDPが増えることはありません。

 ココが理解できないので、高橋は、「政府の預貯金のように見える外国為替を下ろして、政府予算に使え、それで景気刺激しろ!」とバカなことを言います。バカはどこまで行っても勉強しないので(5年前にも同じことをいっていた)、バカです。

2.政府は、外為特会を減らせ

 さて、外為特会とは何か。これは、過去に「政府日銀が、為替介入する際に買った『ドル(面倒くさいので、外貨を全部ドルと表記)』です。

 ただ、ドル札を持っていてもしょうがないので、「ドル債券=国債など」に投資します。だまっていても、「ドル資産」は、増えます。配当などの所得が積み上がっていくからです。さらに、円が10%円安になると、見かけ上「10%」もドル資産が増えます。

過去に、詳細に解説していました。

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米国債を売れ 外貨準備を復興財源に

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外貨準備を借金返済に使え


これをよくお読みください。外貨準備とは何か、 負債=資産とは何か、詳細にわかるようになっています。

3.対外純資産は、すでに「取り崩して一般会計に回っている」。

 一般会計に回っていることは、上記ブログ記事で、すでに指摘済みです。

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米国債を売れ 外貨準備を復興財源に

…累計は約52兆円で為替評価損を上回っており、全体としては利益を産んでいる。しかしその過半は一般会計への繰り入れですでに使われており(筆者注:31.5兆円が過去の一般会計予算に繰り入れずみ)、残る積立金は評価損を約15兆円も下回っている。



 これで、GDPが増えているわけではないことは、もう、十分理解できるでしょう。外貨準備を使うということは、その分、国債発行して(借金して)使うということなので、はっきりいって、「意味がない」のです。

財界さっぽろ 2015.10月号「高橋洋一の官僚にだまされるな」第42回

 これまでの円安によって、外為特会では、含み損を解消して、20兆円程度の含み益まである。それを活用すれば、即効性のある経済対策を打つことも可能だ。
 外為特会の含み益を活用して、補正予算を今国会中に組むことがベストだ。この場合、即効性があり有効需要をつくりやすい減税・給付金などの政策が望ましい。

財界さっぽろ 2015.7月号「高橋洋一の官僚にだまされるな」第39回

円安で一番利益を得ているのは、「外為特会」を持つ「国」で、差益は20兆円程度もある。必要なら、外為特会での差益を使って、円安でデメリットの人の救済も可能だ。



 だから、高橋の言っていることは「バカ」なのです。20兆円、新たな財源があって、20兆円分「需給ギャップ=GDPギャップ」=「潜在GDP-需要GDP」を埋められるわけではないのです。こんなもの、通常の「国債発行」と、何も変わりません。

 では、現在の「外為特会」について説明します。(データ・記事は、事情があり、古いものを使用します。本質は同じです)。

平成23年1月11日 財務省

 平成22年12月末における我が国の外貨準備高は、1,096,185百万ドルとなり、平成22年11月末と比べ、4,846百万ドル減少した。

外貨準備

 減少する場合もあります。円高・ドル安になれば、見掛け上、円建てでは減少しますし、保有する外債・金(ゴールド)が価格下落すると、外貨準備高は減少します。


 これが、日本の「対外純資産」の一部を構成します。日本の約260兆円の対外純資産のうち、外貨準備は約100兆円を占めます。

 政府が外貨を購入する際には、政府短期証券(FB)=短期国債を発行して、民間銀行からドルなどの外貨を購入します。「円負債→外国債券投資」という政府ファンドになります。

 で、これが、「債権運用(利息収入や配当)」ですから、黙っていても増えます。

 で、増えたドルをどうするか、これを売ると「円高・ドル安」になるので、財務省は、すべて「外貨資産」に再投資するしかありません。外為特会の運用益は、「外貨」を増やすだけなのです。

 つまり、外為特会は、「でかくなる一方」なのです。

外為特会→繰り入れ

 ところが、財務省は、この増えた運用益(収益)分、新たにFBを発行します。①過去のFB償還=借り換え費用、そして、②外為特別会計→一般会計への繰り入れです。近年は、毎年の繰入額が、2~3兆円になっています(高橋は、ここがわかっていない)。

 簿価ベースで計算するのも論外、増えた収益分、新たに外為(外国債)が増えるのも論外、2014年末残高は、114兆円、そのうち、約57兆円が収益金によるもので、再発行=再投資額です。

 ア)昔=外為特会→財政投融資特別会計
 
 イ)今=外為特会→一般会計繰り入れ


 昔は、「財政投融資」という、こないだ亡くなった「塩じい」が、小泉政権時代に「母屋でおかゆを食っている時に、離れ(特別会計)で、すき焼きを食っている」と言う状態でした。

 で、小泉改革で、この「財政投融資(全盛期100兆円以上の予算)」のカネの入り口を締めるべく、「郵政改革」が行われたのです。今、財政投融資など、ほとんどありません。

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政府資料

 つまり、政府が「親会社」だとすると、外為特会は子会社A、財投会計は子会社B、

外為特会の積立金は、子会社Bの、子会社Aからの、借金なわけです。

外為特会→繰り入れ 2

 子会社A(外為特会)が、それを回収する場合、子会社Bは、よそから資金を調達する必要があります。ようするに、「新たな借金(国債)」の発行であり、政府という親会社では、「借金が減る」わけではないのです。


 そこで、外為特会の運用に対し、暫定措置として2011年から、

①毎年の剰余金の30%以上を外為特会に留保する
②財投預託金の再預託をやめる
③法改正を行い、財投債ではなく、外為内で留保させる

と言うことが決まりました。

2014年、新法で「特別会計改正法」が施行され、

①外為特会として必要な金額を、ためておく(他機関で運用させない)。
②外為特会の現金に不足が生じた場合(ようするに、運用益がマイナスのような場合)、外為特会内の余裕金を繰りかえること
③資金運用のために、民間を加えること


とされたのです。

ただし、運用が、「財投」→「外為特会内」と変わっただけで、本質は何も変わっていないことはお分かりでしょう。

外為特会のB/Sは、拡大し続けます。

 ただし、外為特会は、実は、「債務超過」です。なぜかというと、時価会計ではなく、「簿価会計(買った時の値段)」だからです。2013年度末現在、約27.4兆円の債務超過です。

 毎年度(会計年度)収益は、一般会計に繰り入れてしまっているからです。

 政府は、外為特会の繰り入れ金が、貴重な歳入源になってしまっているので、政府には「増やしたい、減らしたくない」というインセンティブが働きます。外貨準備増=外為特会の運用増は、政府にとっては、望ましいのです。

 本来、償還すべき運用益を「積み上げる」ということは、政府が本来すべき「ドル売り円買い」をしていないという、隠れた「為替介入」なのです。

 結果として、「為替変動」による「外貨準備増大」は、「外貨債券運用・外貨預金利息」収益など、問題にならないほど「大きい」のです。

2012年(外国為替資金特別会計財務諸表)より

外貨運用収入1兆9450億円 
外貨為替損益13兆8730億円

 一般会計繰り入れだけではありません。公的部門に、「目的不明の資金」が増え続けると、必ず「民間活用を」という声が政治家から上がり、結局「国際協力銀行」を通じて民間企業に貸し付けられています(3兆5430億円 同)。

 本来これは、「国際協力銀行」が調達するはずの外貨です。それを外為特会が低利融資しているのです。昔の「財投」と同じ構図です。

 外為特会は正真正銘、「政府系ファンド」になってしまっているのです(2012年 資産103兆7220億円 同)。

 いかがですか?こういう「事実」「法改正」「外為特会の現在」を知ると、高橋の、

財界さっぽろ 2015.10月号「高橋洋一の官僚にだまされるな」第42回

 これまでの円安によって、外為特会では、含み損を解消して、20兆円程度の含み益まである。それを活用すれば、即効性のある経済対策を打つことも可能だ。
 外為特会の含み益を活用して、補正予算を今国会中に組むことがベストだ。この場合、即効性があり有効需要をつくりやすい減税・給付金などの政策が望ましい。

財界さっぽろ 2015.7月号「高橋洋一の官僚にだまされるな」第39回

円安で一番利益を得ているのは、「外為特会」を持つ「国」で、差益は20兆円程度もある。必要なら、外為特会での差益を使って、円安でデメリットの人の救済も可能だ。



が、いかに「アホなこと」を言っているか、わかるでしょう?

これが、「知っていること」「知っているヒト」と、高橋のような「シロウト」の差です。

高橋が、大学教授であれば、本来こういうことは、高橋が行い、調べ、高校教諭が参考にする話です。 本末転倒なのです。

いかに、高橋が、エセ教授か、なあんにも調べないで適当なことを書いているか、これで如実でしょう。

これが、「財政投融資」の減額ぶり(昔は、第3の会計と言われていた)について(もちろん、高校の教科書・資料集に掲載されているところ)の、教材研究です。



高橋洋一という、詐欺師3

高橋洋一という、詐欺師3


この、高橋洋一というデマゴーグは、北海道民を馬鹿にしています。「財界さっぽろ」という月刊誌に、「官僚にだまされるな」という連載をし、ウソ・デタラメ・デマばかり書き、北海道民を愚弄しています。

北海道民は「北海道新聞」というクオリティーペーパーを愛読する、大変知性の高い人々です。それを愚弄するなど、許せません(笑い)。

まあ、これは冗談ですが、まあまあ、彼のやっていることのレベルの低さ・・・。本人、自分自身で何をやっているんだか、さっぱりわからないのでしょうねえ。

これを「経済学者」とあがめる人たちも終わっています(その人たちも高橋がトンでも論者だということに気づいていないということです)。

貿易に関する記事です。

財界さっぽろ 2015.7月号「高橋洋一の官僚にだまされるな」第39回

日本の対外純資産が大きいのは、日本の発展段階がそのような段階にいるだけだ。経常収支は、国の発展段階で異なるという「国際収支の発展段階説」がある。同説によれば、国の発展の初期段階では輸出するものがなく、資本も海外に頼るので経常収支は赤字となる。この段階では対外純資産はマイナスである(未成熟・成熟債務国段階)。

そのうち貿易収支が黒字化し、所得収支は赤字になり、経常収支が徐々に黒字になる。そうなると対外純資産はゼロからプラスになる(債務返済国)。

その次には所得収支も黒字になる。このときになると巨額の経常収支になる。対外純資産は大きなプラスである(未成熟債権国)。

その次の段階では、貿易収支が赤字になり、所得収支が黒字になり、経常収支の黒字は縮小する。対外純資産はプラスだが増加が鈍化する(成熟債権国)。

そのうち、貿易収支の赤字が多くなり、経常収支も赤字に転ずる。こうなると、対外純資産は縮小に転じる(債権取崩国)。

今の日本は成熟債権国の段階である。もうしばらくすると債権取崩国になるだろう。




国際収支の発展段階説・・・これ、高橋のようなバカが使う、典型的なアホ論です。

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SYNODOS 経常収支黒字減少のなにが問題なのか? - 安達誠司

本当に、高橋は、「ウソつき、でたらめ、デマゴーグのオンパレード」です。「害」です。

対外純資産 負債
日本 対外資産 負債


この、「国際収支発展段階説?」なるものが、いかにアホか、すでに、結果は出ています。

尾 田 温 俊

クローザ国際収支発展段階説の検証

最近の25年間の先進国国際収支パターンを調査した結果、クローザが提唱するような国際収支発展段階説は、日米英を除く先進国では成立していなかった。その理由として考えられるのは、国際収支発展段階説が工業輸出立国として大成した同のみでしか成立しない論理構成ゆえである。

したがって、日米英の国際収支発展段階の説明が可能であるという限りでしかこの仮説の有用性はないことになる。



「国際経済学」のプロである大学教授は、こんなアホ論、切って捨てています。

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熊倉 駒大

1.簡単に言うと、「国際収支発展段階説」など、200か国もある国のなかで、英米にしか当てはまらない「説」とうことです。

この「説」に、日本だの、中国だの、無理やりあてはめて、「今の日本は○○の段階にあると考えられる」とか、「中国は○○の段階だ」とか、本当にアホ論です。

もしも「当てはまる」というなら、少なくとも先進国(OECD)30カ国程度は、きれいにこの「説」で説明できなければなりません。でも現実には、「英米」だけです。あほらしくて話になりません。

2.経常収支「外需」など、日本ではGNPの1%内外です。世界の国でも、多くて2%~3%内外です。このような数値は、翌年に1%成長、2%成長すれば、「内需」になってしまう、ごみのような数値です。その国の経済発展が、このような「ゴミ数値」に「あらわれてくる」というのが、「異常」です。

3.対外資産とは、日本が海外に持つ「株や債券」、具体的には「店舗・工場・土地・機械設備・・・」といった実物資産になります。M&Aで、買収したら、その会社ごと、従業員ごとすべて「対外資産」になります。

 逆に対外負債とは、外国が持つ、日本国内の「株や債券」、具体的には「店舗・工場・土地・機械設備・・・」といった実物資産です。

 マクドナルド、日産自動車、スズキ自動車、東洋水産・・・これらの企業は、すでに「外資系企業」です。

 この「対外資産」-「対外負債」=日本の持つ「対外純資産」です。

 発展段階説によると、発展段階の一番最後=経済発展を成し遂げた国は、「資産取り崩し国」になります。「英米」だというものです。

あの・・・英米は、いつ「対外資産」を取り崩したのですか?????

彼の国が、「海外債権」を取り崩して、「海外負債」という借金を返済した????とでもいうのですか????????

英米が「対外純資産マイナス=対外純負債国」になっているのは、英米が持つ

「対外資産」-「対外負債」=「対外純資産がマイナス」

になっているにすぎません。両国の資産も負債も増え続けています。

図解使えるマクロ経済学 p53 参照

つまり、「英米の海外投資額<英米の対内投資受入れ額」だから、「対外純資産がマイナス」なのです。

 世界中が、イギリスに投資(金融資産を英金融機関に預ける)し、世界中がアメリカに投資(同)です。これが両国が「対外純資産がマイナス」になっている理由です。

 こんな基礎中の基礎すらわかっていないのだから、いかに高橋が「ウソつき、でたらめ、デマゴーグのオンパレード」「害」か、わかろうというものです。

 この「発展段階説」を使う人がいれば、「国際経済」を何も理解していない人だと理解してください。「貿易黒字で外貨を稼ぎ・・・」並みのアホです。

高橋洋一という、詐欺師 2

高橋洋一という、詐欺師

この、高橋洋一というデマゴーグは、北海道民を馬鹿にしています。「財界さっぽろ」という月刊誌に、「官僚にだまされるな」という連載をし、ウソ・デタラメ・デマばかり書き、北海道民を愚弄しています。

北海道民は「北海道新聞」というクオリティーペーパーを愛読する、大変知性の高い人々です。それを愚弄するなど、許せません(笑い)。

まあ、これは冗談ですが、まあまあ、彼のやっていることのレベルの低さ・・・。本人、自分自身で何をやっているんだか、さっぱりわからないのでしょうねえ。

これを「経済学者」とあがめる人たちも終わっています(その人たちも高橋がトンでも論者だということに気づいていないということです)。

貿易に関する記事です。

財界さっぽろ 2015.7月号「高橋洋一の官僚にだまされるな」第39回

昨年末の対外純資産残高が、3年連続で過去最高を更新し、24年連続で世界一になったと報じられた。
世界一と聞くと何か誇らしげに感じるかもしれないが、経済学的な意味はそれほどない。

国際収支を復習すると、複式記帳になっているので、経常収支黒字(赤字)は、必ず外貨準備増減を含む広義の資本収支赤字(黒字)に等しくなる。資本収支赤字は、カネが出ていくことであり、資本供給、つまり対外資産を獲得するともいえる。



本当に、この人「ウソつき、でたらめ、デマゴーグのオンパレード」です。「害」です。

以前も、高橋が未だに紹介している、「怪しい経済学?」なるものを、扱ったことがあります。

高橋洋一(嘉悦大)@YoichiTakahashi 5月2日

バランスシート。簿記を小馬鹿にする官僚、経済学者等のエリートはこれがわかっていないので日本の財政状況も把握できていない。バランスシートの観点から経済問題を書いたこともある→バランスシートで考えれば、世界のしくみが分かる http://www.amazon.co.jp/dp/4334035973
posted at 11:21:34




これ、今年のツイートです!!!!!


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高橋洋一 嘉悦大


2011年2月の記事ですから、5年も前のものです。今になると、私と高橋のどちらが正しいかは、一目瞭然ですが・・・

 私、むかあし、むかし、この人「高橋洋一」は、「国際収支を全く理解していない」と、批判しました。そうすると、彼のお友達「○○さん(著名人)」から、たくさんの「高橋洋一擁護」メールをもらいました。

 私は、「高橋洋一は『国際収支は複式簿記(結果的にバランスシート)の要領だ』とまでは理解しているが、その中身や、つくられ方など、まったく勉強したことがないし、理解していない」と答えました。
そのお友達は、納得していないようでしたが・・私は回答をやめました。要するにそのお友達も「国際収支」を理解していないということなのですが・・・


 さて本題。高橋は、前回記事のように、「国際収支」だの、「輸出だの、輸入だの、GDP」だの、さも、「国際経済」を分かったかのように解説していますが、上記引用記事を読めば、でたらめであることがはっきり分かります。

記事は、2015年7月号ですから、6月発売、原稿は5月に脱稿したとしましょう。では、その時点で最新データであり、既に発表されていた、2015年2月の「国際収支」を、見てみましょう。

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平成27年4月8日 財務省 平成27年2月中 国際収支状況(速報)の概要

国際収支1
国際収支2


高橋の言う「外貨準備増減を含む広義の資本収支」という文言など、どこにもないですね。そりゃそうです。IMFマニュアルが、5版から6版に変わってから、この時点で、1年以上経過しているからです。私も、下記記事で扱いました。

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17年ぶりに、国際収支表の書き方が大・大・大変更!!!という話

 アジア通貨危機を経て、金融収支(フィナンシャル・アカウント)と、「外国から投資されている国か、外国へ投資している国か」というのが、一目でわかるように、マニュアルが変更されたのです。
 その際に、この「海外からの投資額」によって、ショックの度合いが、国ごとに大きく違っていたからです。

 ということは、高橋は、「国際収支」だの、「輸出だの、輸入だの、GDP」だのとほざいていますが、肝心の「国際収支表」すら、1年間:12回(1月ごとに発表)、まったく「見たことない」のです。いや、それ以前から、「変更された」ことすら、「知らない、調べていない、情報として入っていない」のです。
 
 この人、本当に終わっているでしょう?

 これで、学生に「国際経済」どうやって教えているんだか・・・

 むかあし、むかし、「法科大学院」というのができたときに、ありとあらゆる大学が乱立し、教える講師の数が足りなくなったことがありました。その時かき集めた「法曹家」は、まさに玉石混淆、ひどいのもいました。

 法律行為をする主体で、下記の人たちは、除外・制限されています。

ウイキペディア
制限行為能力者(せいげんこういのうりょくしゃ)とは、単独では完全に有効な法律行為をすることができない者(行為能力の制限された者)のことをいう。
具体的には、未成年者、成年被後見人、被保佐人、民法第17条第1項の審判(同意権付与の審判)を受けた被補助人[1]を指す(民法20条第1項参照)。



 このように民法が変わっている(かたかなからひらがな表記というだけでも大変更)のに、その「石」の方の講師は、「禁治産者」とか「準禁治産者」と、講義していたのです。

 高橋のレベルは、これなみです。

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高橋洋一 嘉悦大

 ついでに、上で紹介した2011年記事の中で、「外貨準備を崩して、国家予算に使え」と、原理的にできもしないことを、2015年現在、未だに高橋が話していますが、これも「アホ論」であることを、後日述べます。

 2011年当時より、外貨準備については、もっと複雑になっています。もちろん、高橋は、その内容など、まったく勉強していません。要するに、高橋は、「研究・勉強」など、まったくしていないのです。

高橋洋一(嘉悦大)@YoichiTakahashi 2016年4月27日

経済マクロモデル。エコノミストの実力を見るには経済マクロモデル(連立方程式)を作った経験を聞くといい。この経験がない人はまずダメ。経済変数相互間の関係がわからないから、特定部分の結論ありきの話になる。マクロモデルが分かる人はすべての経済変数にどう影響するかがわかるから話が整合的
posted at 10:24:32



何が変数だか・・・高橋の言う変数とは、例の、なんでもかんでも「エクセル」にぶちこんで、「関係があるだのないだの」というアホ論です。

財界さっぽろ 2015.7月号「高橋洋一の官僚にだまされるな」第39回
 
1980年から2012年までの世界各国の平均経常収支対GDP比と平均実質成長率について、国際通貨基金 IMF のデータで見て相関係数を計算すると、0.00となって経常収支対 GDP 比と実質経済成長率には何ら関係がないことがわかる。



高橋にかかると、そのうち、「太陽の黒点の増減」と「GDP伸び率」をくらべて、「両者には関係がない」と言い出しそうです(笑い)

繰り返しますが、「害」です。高橋のウソ・デタラメは、まだまだ続きます・・・
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