全く使えない高橋洋一 経済学の本など読んだことがないから、ウソ・デタラメのオンパレード
とにかく、経済学の勉強をせずに、何でもかんでも経済学風に語る詐欺師です。
下記の引用など、「ミクロ経済学」を知っていれば、絶対に出てこない話のオンパレードです。
http://toyokeizai.net/articles/-/185094
「給料が安い」と嘆く人は需給がわかってない モノの値段が決まる仕組みを知っていますか
高橋 洋一 : 政策工房会長/嘉悦大学教授
高橋:モノの値段が決まるしくみは知ってる?
高橋:同じ商品でも、みんな安く買いたいから、安くなればなるほど買いたい人は増える。売れる個数が増えるってことだね。だから、価格をタテ軸に、数量をヨコ軸に置くと、買いたい人の数は右肩下がりの線になる。
経子:この線が需要でしたっけ?
高橋:そう。需要曲線(Demand)だね。じゃあ、逆に学習机を売りたい人はどうだろうか。経子さんは売る側だから、できるだけ高く売りたいでしょ?
経子:そりゃ、そうですよ。
高橋:高く売ったほうが儲けが出るからね。ただ、なかには「1万円で売ってもいい」という店もあるかもしれない。2万円、3万円、とだんだん高くなるにつれ、売りたい店も増えていくはずだ。だから、売りたい人は右肩上がりの線になる。これが供給曲線(Supply)。
ところで、この需要曲線と供給曲線が交わる点はなんだか知ってる?
そう。交わるのが5万円なら、5万円で買いたい人と、5万円で売りたい人がいる地点(均衡点)が、より多くの消費者とより多くの生産者が納得できる価格になる。市場はモノの値段を1つに定める場所だから、こういうしくみでモノの値段が決まっていくんだ。ここまで、わかったかい?
経子:はい。需要と供給の図は、買うときは安く買いたい、でも売るときは高く売りたいっていう気持ちを表しているんですね。
じゃあ、次はモノの値段が変わるケースを考えてみよう。たとえば、ある定番の学習机がリニューアルして再発売されるとしようか。これまでになかったような新しい機能がついたとか、デザインがよくなったとかさ。
経子:最近は、大人になっても使えるデザインの机が人気ですね。子どもの成長に応じてレイアウトを変えたり、それに応じて電灯を付け替えられたり、棚を増やせたりするんですよ。
高橋:へぇ。人気があるの?
経子:新しく発売されたモデルは前より5万円ほど高いんですが、すごく売れています。
高橋:前より高くても売れるのは、欲しい人が増えたからだね。買いたい人が増えると、需要曲線は右に動く。そうすると、交差するポイントが上のほうに動くんだ。つまり、価格が高くなる。逆に、前のモデルは古くなるから、買いたい人が減る。需要曲線は左に動いて、交差ポイントが下になる。
高橋:需要曲線が動くのは、モデルチェンジのときだけじゃない。たとえば急にブームになる商品や、季節が変わって欲しい人が増える商品があるよね。そういうときは、需要曲線が右に動いて値段が上がる。逆に、ブームが廃れたり、生活スタイルに合わなくなる商品は欲しい人が減るから需要曲線が左に動いて値段が下がる。
経子:季節外れの商品が安くなるのは、そのためですね。
高橋:そう。ただ、値段が動くのは消費者の欲しい気持ちだけが原因じゃない。生産者側の作る量が増えたり、減ったりしても値段は変わる。もし、その人気モデルがたくさん作られたら……?
経子:値段が下がる?
高橋:そのとおり。生産量が増えると、供給曲線が右に動くから、交差ポイントが下のほうになるね。
経子:逆に、生産量が減ると、供給曲線が左に動いて、交差ポイントが上に上がるんですね。
このしくみを利用して、価格調整をしていることもあるよ。たとえば、そうだな……。
経子:作り過ぎたキャベツを潰して値段を保つとか?
高橋:ああ、農産物ではよく行われているね。似たようなことはほかの業界でも行っていて、人気を保つために、わざと供給量を抑えることはよくある。欲しい気持ちをわざとかき立てるんだね。あとは、人気アイドルのコンサートチケットも供給量が少なくて値段が上がるよな。
高橋:「転職市場」「労働市場」と言うように、人も労働力というサービスを提供している側だって言ったでしょ。市場は需要と供給が出合う場所、つまり買い手と売り手が出会って、価格が決まる場所。その市場で希少価値が上がれば、当然雇いたい人、つまり経子さんを買いたい人が増えて、給料は上がる。アーティストのチケットと同じだよ。
デタラメのオンパレードです。
1)供給曲線は、限界費用曲線
じゃあ、逆に学習机を売りたい人はどうだろうか。経子さんは売る側だから、できるだけ高く売りたいでしょ?
経子:そりゃ、そうですよ。
高橋:高く売ったほうが儲けが出るからね。ただ、なかには「1万円で売ってもいい」という店もあるかもしれない。2万円、3万円、とだんだん高くなるにつれ、売りたい店も増えていくはずだ。だから、売りたい人は右肩上がりの線になる。これが供給曲線(Supply)。

まず、需給曲線の世界は、「完全競争市場」といい、売り手も買い手も自分で価格を決めることができません。「売ってもいい」ではなく、「市場価格を受け入れざるを得ない」立場にあるのが、完全競争市場の売り手と買い手です。
この「完全競争市場」の供給曲線は、「できるだけ高く売りたい」などの意思が入る曲線ではなく、合理的に「利潤の最大化」を模索すると右上がりの供給曲線になるという合理的モデルです。

利潤は「総収入-総費用」です。今の市場価格の場合、A点が一番利潤の大きい点です。総収入の傾きと総費用の傾きが一致している点です。
ここで市場価格が上がるとします。最大利潤点は、総収入の傾きと総費用の傾きが一致している点=B点になります。価格が上がると、企業は生産量を増やすのです。
このA点とB点を結んだものが供給曲線です。「供給曲線は、限界費用曲線」の傾きと一致するのです。供給曲線=利潤最大化の点を結んだものなのです。
高橋:高く売ったほうが儲けが出るからね。ただ、なかには「1万円で売ってもいい」という店もあるかもしれない。2万円、3万円、とだんだん高くなるにつれ、売りたい店も増えていくはずだ。だから、売りたい人は右肩上がりの線になる。
経子:はい。需要と供給の図は、買うときは安く買いたい、でも売るときは高く売りたいっていう気持ちを表しているんですね。
供給曲線は、こんないい加減な話で出てくるものではありません。
2)この世にあるのは、不完全競争市場。
たとえば、ある定番の学習机がリニューアルして再発売されるとしようか。
経子:最近は、大人になっても使えるデザインの机が人気ですね。
高橋:へぇ。人気があるの?
経子:新しく発売されたモデルは前より5万円ほど高いんですが、すごく売れています。
高橋:前より高くても売れるのは、欲しい人が増えたからだね。買いたい人が増えると、需要曲線は右に動く。そうすると、交差するポイントが上のほうに動くんだ。つまり、価格が高くなる。逆に、前のモデルは古くなるから、買いたい人が減る。需要曲線は左に動いて、交差ポイントが下になる。
この世には、高橋が説明するような、需要と供給で動く「机」市場があるわけではありません。

では、この「需要と供給」で描かれる市場、完全競争市場は、この世にあるのか?答えは「ない」です。
数研出版 改訂版・政治経済 2018用 P118
財の同質性、情報の完全性、多数の経済主体の存在、参入・退出の自由の四つの条件を満たした市場のこと。売り手も買い手も自分で価格を決定できず、市場で決まった価格を目安に行動する。ただし、これは、理論的に想定されたもので、このような市場は現実にはほとんど存在しない。
清水書院 政治・経済資料 2017 P229
市場メカニズムによって資源が配分されるには、完全競争が成立していなければならない。それには①買い手と売り手が多数存在し、どちらも価格に影響力を持たないこと。②買い手と売り手が同一の商品を取引していること。③買い手と売り手が各各独立して行動していること。④買い手と売り手は商品価格に関して十分な情報を持っていること。⑤買い手も売り手も自由に市場へ参入、実行、撤退することができること、などの条件が必要である。しかし、こうした完全競争市場は理論的モデルであって、現実には存在しない。実際には独占・寡占が存在し、所得の不平等の是正や公共財の供給は市場メカニズムにまかせておいても実現しない(市場の失敗)。
にもかかわらず完全競争市場を理解しなければならないのはそれが市場機構を評価するベンチマークだからである。現実の企業が直面するほとんどの市場は完全競争市場の条件のいずれかを欠いている不完全競争市場なのである。
この世にあるのは、完全競争市場の要件を欠いた不完全競争市場のみです。

(1)財・サービス市場
①完全競争市場に近い形
財・サービス市場で、「プライス・テイカー」であり、売り手も買い手も自分の思った価格をつけられない市場、完全競争市場に近いのは、例えば野菜とか魚の卸売市場、金銀銅などの素材市場、半導体やねじなどの基本部品市場、バラ済み船の船賃などの市場があります。

これらは、毎日のように価格が変動し、売り手も買い手もその価格を受け入れます。
(2)不完全競争市場
①独占的競争市場

実際にある市場です。鳥貴族やすき家は、自分で価格を決める「プライス・メイカー」です。買い手はその価格を受け入れざるを得ません。コンビニでもスーパーでも、マッサージ料金も宿泊料金も、床屋もネイルも、不動産価格も、衣料品も・・・・。
すべて「プライス・メイカー」の価格を、買い手は受け入れざるを得ません。このようなプライスが「需要と供給」で変化し、決まることはありません。
ニトリやIKEAの机の価格が、需要と供給で変動することなどありません。すべてニトリが決めた価格を、消費者が受け入れているだけです。プライス・メイカーの世界です。
ニトリの机の需要が増えて、価格が上がることはありません。

高橋:需要曲線が動くのはたとえば急にブームになる商品や、季節が変わって欲しい人が増える商品があるよね。そういうときは、需要曲線が右に動いて値段が上がる。逆に、ブームが廃れたり、生活スタイルに合わなくなる商品は欲しい人が減るから需要曲線が左に動いて値段が下がる。
ノーベル賞を取った作家カズオ・イシグロの作品は、急に需要が増えます。しかし、増刷によって本の量は増えますが、本の価格が変わるわけではありません。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180116-00000087-it_nlab-bus_all
X JAPANのYOSHIKIさんが1月1日放送のテレビ朝日系番組「芸能人格付けチェック」で食べ続けて注目を集めたおかきを扱う「銀座あけぼの」(東京都中央区)が、注文殺到により1月9日から楽天市場ショップでの販売を一時休止しています。
ネットでは食べていたお菓子が銀座あけぼのの「チーズおかき」だと特定されるや注文が殺到、これを含む17種類のおかきの詰め合わせ「味の民藝」など関連商品も人気に。商品の手配や配送手続きが行き届かない状態になりつつあったため、唯一のオンライン注文口であった楽天市場での販売を、1月9日をもって全商品一時休止としました。「味の民藝」は店頭でも品薄状態となっているとのこと。YOSHIKI効果、すさまじい……。
この世に高橋の言う「需給で動く市場(完全競争市場)」など、無いのです。
3)労働市場も、需給で決まる市場ではない。
高橋:「転職市場」「労働市場」と言うように、人も労働力というサービスを提供している側だって言ったでしょ。市場は需要と供給が出合う場所、つまり買い手と売り手が出会って、価格が決まる場所。その市場で希少価値が上がれば、当然雇いたい人、つまり経子さんを買いたい人が増えて、給料は上がる。アーティストのチケットと同じだよ。
労働市場こそ、消費者(雇う方)も千差万別、供給者(労働者)も千差万別、完全競争市場の対極ともいえる市場です。
学歴も、資格も、経験も「差別化=差をつけるため」にあります。企業の提示する「価格=賃金」も、差をつけるためにあります。独占的競争市場です。
企業の提示する価格=賃金は、企業が決めます(プライス・メイカー)。だから、賃上げということばが使われます。企業の意思で上げたり下げたりできるのです。プライス・テイカ―(完全競争市場)であれば、賃上がりとか賃下がりという表現になります。
景気堅調、3%賃上げも意欲 地政学リスク警戒も 経済界、好循環へ攻めの姿勢
1/6(土) 7:55配信 産経新聞
経団連など経済3団体や業界団体は5日、相次いで新年祝賀会を開いた。経営トップからは北朝鮮情勢などをリスク要因として警戒する意見も聞かれたが、景気回復は続くとの強気の見通しが大勢を占めた。安倍晋三首相が改めて「3%」を要請した賃上げにも例年より前向きな声が目立つなど、経済の好循環に向け、経済界の攻めの姿勢が鮮明になった。
不完全競争市場を全く理解していない高杯洋一の説明は、1から10までウソ・デタラメになります。ミクロの教科書を1回も読んだことがないから、こうなります。ウソ・デタラメを学生に教えているのですから、単なる害です。
グリーンスパンFRB議長 1987年8月
「常にインフレを抑え、株価を上げ、ドルの安定や低金利、雇用増を実現できる人がいればありがたい」