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遠交近攻、中国も英国も、すごすぎる

<遠交近攻、中国も、英国も、すごすぎる>

 外交とは「笑顔の下で、お互いの手をひもで結びながら、殴り合いをしている」と形容されることがあります。

 今回の中英セレモニーは、まあ、外交とはこういうものだと見せつけられたようで、特に英国は役者が一枚も二枚も上手、さすが「大英帝国」だなあと思います。植民地の分割統治、遠交近攻の中国に乗りながら、一線を画す・・・。すごすぎます。

 日経H27.10.25 要約掲載

・9月初め、キャメロン首相とオズボーン財務相がそろって、日立製作所の英東部ニュー・英クリフ(ロンドンから2時間半)鉄道車両工場開会式に出席

・3週間後オズボーン財務省は北京へ ロンドン起点の新高速鉄道参加を中国勢によびかけ
キャメロン氏は 中国国営中央テレビの単独インタビューで「両国関係は黄金の時代を迎えた」

・アジアインフラ銀行AIIBへのいち早く手を挙げ、独仏などの呼び水役、安倍首相が6月サミットでこの問題を提起したが、ぬかにクギ。

10月21日 習氏と、キャメロン氏、7兆数千億円の特大商談に署名。高速鉄道、シェールガス開発、原子炉、航空機エンジン・・・日立への賛辞はどこに・・・

・12年5月、キャメロン氏はダライラマ14世と会談、中国怒りは烈火のごとく・・こじれた関係修復に1年半費やす。

・今週メルケル独首相が、来週はオランド仏大統領が訪中。地政学上の脅威をさほど感じていない。



まさに中国の遠交近攻。

さて、英国はエリザベス女王が、最恵国のおもてなし、習氏は、バッキンガム宮殿に宿泊。

ところが、この晩餐会、肝心の人が出席していません。 チャールズ皇太子、次期国王です。

米中
Dominic Lipinski-REUTERS

つまり、女王は歓迎するが、チャールズ次期国王は、(わざと)出席しない。それは、(人権問題・民主政・言論の自由がない)中国を、完全に認めているわけではないという、強烈なメッセージだそうです(テレビ朝日、本日の昼の「TVスクランブル」より)。

役者が違いすぎる・・・。
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みんな忙しいから、社会的分業=間接民主制

<みんな忙しいから、社会的分業=間接民主制>

「民主主義を壊した、民意を無視した・・・」安保法案を巡って、このような枕詞が盛んに使われました。

http://blogos.com/article/136739/

直嶋正行 2015年09月30日 17:01

民意無視の政治を許すな

国会に目を向ければ、戦後最長の通常国会も幕を閉じ、最大の争点であった安保法制は、連日大勢の国民が国会周辺を取り囲み、反対の声を上げる中、与党は強行に採決に踏み切り、成立させました。

様々な問題点に加え、立法根拠もなくなったこの法案を、元最高裁判所長官や内閣法制局長官OBといった歴代の法の番人たちが採決すべきではないと声を揃え、さらには多くの憲法学者などの知識人や国民各層が反対する中、自分が全権者であるかのごとく無理矢理成立させる。こうした不条理をまかり通すわけにはいきません。

法律成立後に実施された各紙世論調査においても、約8割が国会での議論が尽くされていないと答えています。こうした安倍政権の傲慢な姿勢を質し、この国の立憲主義と民主主義を守るため、我々は今後も一丸となって闘います。



http://blogos.com/article/136499/

初鹿明博 2015年09月29日 16:23

史上最長の通常国会が閉会 違憲法案の強行採決は憲政に汚点を残す! - Banbi通信 VOL.286

数があれば何でも出来るという思い上がった安倍総理並びに自民党・公明党の議員は、権力者であっても憲法の範囲内でしか権力を振るうことが許されていないという立憲主義の基本中の基本を理解していない民主国家の政治家として失格であることが明らかになりました。このような議員に政治を任せ続けてはならないと強く感じます。

では、どうすれば良いのかと言えば、多数派が数の力で押し切るのではなく、少数者の意見に耳を傾け、そこに道理があるならば積極的に取り入れていくようにしていくことでしょう。

選挙の結果が全てのような国会ではなく、少数者の意見でも理が通っていることが多数の意見になっていくように、国会議員が何ものにも縛られない自由な良心をもって議案の賛否を決めるような国会にしていきたいとつくづく感じます。

今後も、国民の自由と人権、そして、民主主義を守るために不断の努力を続けて参りますので、引き続きの応援よろしくお願いします。



1.直接民主制など、できるわけがない。

国民の大多数が「説明不足」「理解していない」「内容が明らかになっていない」・・・法案を通すのか!と言います。

しかし、国民が、法案の中身を「理解する」のは無理なのです。

安全関連法案は、全文・要約版ともに、公開されています。

http://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/housei_seibi.html

内閣府

「平和安全法制等の整備について」



さて、関連法全文、これ、紙の厚さだけで6センチ以上になります。

これを、どうやって、国民が理解できると思いますか?

マスコミで解説する、コメンテーター、新聞論説委員、キャスター、だれがこの全文を読んでいると思いますか?

では、簡単な解説書は、国民必読?ですね。

読売新聞政治部 編

「安全保障関連法─変わる安保体制」

296ページ


目次



  『安全保障関連法 変わる安保体制』

  読売新聞政治部 編著

【目 次】

はしがき

◆第1章◆ 安全保障の現実
 1 中国の脅威
  ■ 不戦の誓い
  ■ 安保法制はなぜ必要なのか
  ■ 海の万里の長城
  ■ 海洋強国路線
 2 北朝鮮の脅威
  ■ 進む核開発
 3 日米同盟
  ■ ガイドラインの改定
  ■ グローバルな協力
  ■ 改定の背景
 4 拡充する自衛隊活動
  ■ 多角的な備えに期待
  ■ 浮かび上がる課題

◆第2章◆ こうなる 新たな安保法制
 1 条文解説
  ■ 集団的自衛権の限定行使の容認
  ■ 後方支援活動
  ■ 重要影響事態
  ■ PKO 類似活動
  ■ 武器等防護
  ■ 歯止め3原則
 2 ポイント解説
  ■ 集団的自衛権の限定的行使は合憲なのか?
  ■ 過去の政府答弁と矛盾しないのか?
  ■ なぜ集団的自衛権の行使容認が必要なのか?
  ■ どのような場合に集団的自衛権を限定行使するのか?
  ■ 機雷掃海 他に手段ない?
  ■「必要最小限度」の海外派兵とは?
  ■ 個別的自衛権と集団的自衛権の境界線は?
  ■「法的安定性」は確保されているのか?
  ■ 集団的自衛権の行使は専守防衛と合致するのか?
  ■ 安保関連法はなぜ必要なのか?
  ■ 複数の事態が重複することはあるのか?
  ■ 存立危機事態と武力攻撃切迫事態は併存するのか?
  ■ 重要影響事態と周辺事態との違いは?
  ■ グレーゾーン事態にはどう対応するのか?
  ■ 事前承認 派遣に歯止め
  ■ 海外派遣自衛官の武器使用
  ■ 自衛隊は米軍の核兵器も輸送するのか?
  ■ 恒久法を制定する意味合いは?
  ■ 平時における「武器等防護」の狙いは?
  ■ 駆けつけ警護 国に準ずる組織 不在が条件
  ■ 国民保護法は日本への武力攻撃切迫時に適用されるのか?
  ■ 米軍後方支援 安全確保に配慮
  ■ 武力行使との一体化 戦闘現場以外なら恐れなし
  ■ 邦人救出 相手国同意が条件
 3 シミュレーション
  1 中東危機-1(存立危機事態)
  2 中東危機-2(重要影響事態,対立危機事態)
  3 南シナ海での軍事衝突(重要影響事態)
  4 南シナ海での緊迫事態(武器等防護)
  5 朝鮮半島有事-1(存立危機事態)
  6 朝鮮半島有事-2(存立危機事態,重要影響事態,武力攻撃切迫事態)
 4 任務拡大に備える自衛隊
  1 連携して中国をけん制
  ■ 哨戒能力圧倒
  ■ 日本の装備に関心
  ■「重要影響」適用?
  2 新たな任務に対応
  ■ 法の枠内 銃撃くぐる
  3 機雷掃海 緊迫の訓練
  4 離島防衛の要を育てる
  ■ 米海兵隊をモデルに
  ■ 日米,連携を強化
  5 拡大する国際貢献
  ■ 武器使用 想定や訓練必要
  ■ 他国連携 制限あり未知数
  ■「議論不十分」の指摘

◆第3章◆ 安保法制 こう議論された
 1 憲法解釈見直しへ
  1 安保法制懇が報告書
  ■ 憲法解釈の見直しに着手
  ■ 異例の経過をたどった安保法制懇
  2 限定行使へ具体的事例
  ■ 解釈見直しへ機は熟した
  ■ ユートピア平和主義との争い
  ■ 近隣有事での自衛隊の後方支援
  ■「中東での機雷掃海」
  3 「解釈変更は可能だ」
  ■ 正当性のない「立憲主義違反論」
  ■ 全面容認 即座に否定
  ■ 6要件 厳格な歯止め
  4 グレーゾーンの法整備
  ■ 迅速な対応が可能な措置を
  ■ 海保では対応困難
  5 駆けつけ警護
  ■ 住民を守れない法制度
  ■ 集団安保は参加認めず
  6 一体化論 線引きどこで
  ■ 米軍との連携阻止する「理屈」
  ■ 邦人救出の法整備検討
  7 党派超えた賛成模索
  ■ 腰が定まらない民主党
  ■ 政争の具 苦い歴史
 2 首相の決意―限定行使閣議決定
  1 新たな政府見解を決定
  ■「次元の違う日米同盟に」
  ■「限定行使」訴えた高村氏
  ■ 自公パイプ 大島氏仲介
  2 北側副代表案 法制局と「合作」
  ■「幸福追求権を守る」
  ■ 首相「北側さんを信じる」
  3 「出来ない日本」の変化
  ■ クリントン大統領の要請
  ■ 北朝鮮,中国の脅威
  4 日米協力 自由度増す
  ■ 米軍と自衛隊の「統合」
  ■ 同盟強化の好機
  ■ 自衛隊は何が出来るか
  5 国際貢献の「常識」へ一歩
  ■ オランダ軍の怒り
  ■ 非戦闘地域の概念 撤廃
  ■ 海外派遣 恒久法へ
  6 グレーゾーン 危機頻発
  ■ 中国からの密航者
  ■ 自衛隊と警察 調整困難
  7 集団安全保障は棚上げ
  ■「地球の裏側での戦争」
  ■ 与党協議は「暫時休憩」
  8 豪州・ASEANは歓迎
  ■ オセアニアに進出する中国
  ■「日本の役割,死活的に重要」
  9 法整備 時間かけ準備
  ■ 世論は「集団的自衛権に慎重」
  ■「ヤマ場」を控えて
 3 法制合意―与党協議
  1 安保法制の全体像固まる
  ■「切れ目なし」対「歯止め」
  ■「建て増し」繰り返した法制度
  ■「国民への分かりやすさ」
  ■ どちらの法律を適用するのか
  2 集団的自衛権の行使容認へ
  ■「この先50年,発動する機会はない」
  ■ 超音速巡航ミサイルへの対応
  ■「応分の寄与」阻止する法制
  3 後方支援と武器使用の制約緩和
  ■「戦闘現場」以外に拡大
  ■ 武器使用で任務の妨害を排除
  4 平時の邦人救出と他国軍の防護
  ■「ランボー」にはなれない
  ■ 現地政府の同意が前提
  ■ 米軍以外も対象に
 4 混乱続きの不毛な国会審議
  1 衆議院で違憲論争に飛び火
  ■「1国のみでは安全守れない」
  ■ 与党の不手際相次ぐ衆議院審議
  2 「失策」止まらぬ参議院審議
  ■「法的安定性」発言
  ■ 相次ぐ情報の流出
  ■「場外」の戦い

◆第4章◆ 試練の安保審議 残した課題
 1 国連平和維持活動(PKO)協力法(1992年)
  ■「武力行使との一体化」論
  ■ 公明党の歴史的転換
  ■ 社会党の抵抗と衰退
  ■ PKO に国民の支持
 2 周辺事態法(1999年)
  ■ 朝鮮有事で「法の空白」
  ■「周辺」解釈,政府に難題
 3 テロ対策特別措置法(2001年)
  ■ 世論支持で短期成立
  ■「反対,未熟だった」
 4 イラク復興支援特別措置法(2003年)
  ■「国連中心」か「日米同盟」か
  ■「非戦闘地域」困難な線引き
 5 有事法制(2003年)
  ■ 自衛権行使の法の不備放置
  ■ 1年越し,粘りの修正合意
 6 新テロ対策特別措置法(2008年)
  ■ ねじれ国会で海自撤退

◆第5章◆ 語る 安全保障法制
 ◆ 細谷雄一〈従来の解釈 国民守れない〉
 ◆ 火箱芳文〈冷戦時より環境厳しい〉
 ◆ 阪田雅裕〈法案に苦心の跡見える〉
 ◆ 神保 謙〈空と海 将来は中国優位〉
 ◆ 五百旗頭真〈集団的自衛権 日本守る〉
 ◆ 三浦瑠麗〈「中国と衝突」想定し議論を〉
 ◆ 柳井俊二〈憲法 集団的自衛権禁じず〉
 ◆ 森  聡〈抑止力 国民理解へ説明を〉
 ◆ 柳原正治〈国際情勢に現実的対応〉
 ◆ 大石 眞〈憲法解釈 変更あり得る〉
 ◆ 市川雄一〈安保法制 自衛に不可欠〉
 ◆ 北岡伸一〈自衛最小限度 時代で変化〉
 ◆ 佐瀬昌盛〈リスクと向き合う覚悟を〉
 ◆ 高村正彦〈北の暴発 現実の脅威〉
 ◆ 細野豪志〈安保政策 野党と協議を〉
 ◆ 浅野善治〈主権と自由 力で守る〉



この程度で、296ページです。誰が買って読む、読む時間があると思いますか????

 各種世論調査で大多数の「国民に対する説明不足」・・・

 分かります?国民が理解するなど、「ムリ」なのです。結局、言っているのは、程度問題、安保関連法案について、詳しくわかる、大体わかる、なんとなくわかる、ちょびっとわかる、そもそも「漢字すら読めない、LD、認知症・・・」

 それに、今国会で成立した法案、

内閣提出75法案(成立66案)、議員立法72案(成立12案)です。

国民は、安保関連法案「だけ」詳しくなければいけないのですか?上記の法案の全文は「理解しなくていい」のですか??

結局、程度問題だと分かりますよね。

通常国会提出法案について、詳しくわかる、大体わかる、なんとなくわかる、ちょびっとわかる、そもそも「漢字すら読めない、LD、認知症・・・」

私たちは、比較優位、だれもが何らかの仕事に特化し、豊かさを築いています。

外科の医者、めちゃくちゃ多忙です。

手術、場合よっては12時間以上に及ぶ手術もあります。毎週毎週手術をし、外来を診、入院患者の巡回をし・・・何かあったら電話で緊急対応し・・・患者の元を離れる旅行などほとんどできません。

さて、このような人に、安全保障関連法案、理解しろ!と言うのですか?

忙しい仕事で「ヘロヘロ」、忙しくない仕事でも「8時間以上拘束」、肉体的に疲れる仕事、精神的に疲れる仕事・・・みんな、それぞれの仕事に、資源を使っているのです。

とてもじゃないが、国民は、法律案なんて、読むひまも、考える暇も、ないのです。

主婦だって?? 忙しいですよ、夕飯の買い物、友人とのランチ!(笑い)。

だから、社会的分業、法案について整備する人(内閣)、法案を審議して立法する人(国会)に任せているのです。それしか、方法がないのです。

2.間接民主制で、民意の反映など永遠にできない

 で、選挙で、民意を反映します。とりあえず、「任せる」人を、選択肢の中から選ばざるを得ません。自分と考えは違うけれど、とりあえず、「近い」ヒト、政党を選ぶしかありません。

 しかし、漢字を読めないLD(学羞障がい児)、認知症のヒトもいて、すべての人の民意を反映するのは、スタートから無理なのは、説明したとおりです。

http://abc60w.blog16.fc2.com/blog-entry-1031.html

嫌になるくらいの空理空論。真の民主主義だって????



 それでもとりあえず、選びます。投票率は5割超です。

で、選ばれた人たちは、

今国会で成立した法案、
内閣提出75法案(成立66案)、議員立法72案(成立12案)

全部、目を通せると思います?全部理解できると思います???

これも、無理ですよね。

だから、議員は、それぞれ、「委員会」に所属し、例えば「厚生労働委員会」「防衛委員会」「予算員会」・・・という委員会で、それぞれの法案について、専門的に「審議」するしかないのです。

まあ、程度問題ですが、国会議員「どこまで勉強すればいい」という際限など、ありません。国際問題、経済問題、安保問題、社会保障問題・・・本当に勉強しようと思ったら、人生のほとんどすべての時間を注ぎ込まないと「理解」するなど無理だし、そもそも、そんなに「勉強」などできないし、それだけ費やしても「詳しくなる」のが精いっぱいで、全部なんて理解できない・・・

医学者は医学を学ぶので精いっぱい、物理学者は物理で手一杯、法学者は法律学ぶので手一杯・・・これが社会的分業です。

まあ、余談ですけど、勉強しようと思ったら、「写真集」を撮影する暇などないはずですけどね(笑い)

小百合 単行本(ソフトカバー) – 2015/8/19

上西 小百合 (著)
•単行本(ソフトカバー): 128ページ
•出版社: 双葉社 (2015/8/19)

現役衆議院議員、上西小百合氏によるフォト自叙伝。安室奈美恵好きの青春時代、2度の恋愛、結婚観……。
プライベートな一面から、あの本会議欠席、〝維新の党〟除名騒動の真相、永田町の常識と非常識を初告白。
撮り下ろしプライベート・フォトも多数掲載!赤いドレス姿やプールでびしょ濡れになる姿は、色気が漂い圧巻だ。



つまり、完全理性、「完璧」は、「神のみぞ」の世界であり、人間社会では結局「程度問題」。

とりあえず「間接民主制」、国会議員という、法律案を勉強できる環境にいる、恵まれている人たちに託して、お任せするしかない・・・

間接民主制の国会を「数の横暴」「少数意見の無視」と非難する一方、世論調査でも「安保法案賛成」者は少数ながら確実にいるのに、「国民の大多数が今国会の成立に反対と言っている!!!」と、ここでは数の論理を持ち出す。

全然、論理性がないです。結局、「国民の、国民による、国民のための、(所詮完璧ではない、まあまあ妥協できる程度の制度による)政治」しか、実現できないのです。

TVに出ているコメンテーターで、「安保法案」を理解している、全文読んだ人など、誰一人いないのです。みんな限定合理性=自分の知っている範囲で、適当なことしゃべっているだけなのです。

限定合理性=理性理性と言っても、結局ヒトは、「錯覚」「錯視」「相対音感」・・・から逃れられないこと。

私?私は、「分からんのでおまかせする」、ただ、おかしいと思ったら、次の選挙で「変えるよ!」ということです。法案反対なら、とりあえず、選挙で廃案に持ち込むことも可能です。それが、「しょせん、不完全な民主主義」システムの本質です。

1億2000万人、考え方も、価値観も、専門性も、みんなバラバラ。どうやって「完璧な民主制」を作れるのですか?作っても、「程度問題」にすぎません。

<情報の非対称性>

そもそも、私たちが、何かを選択するとき、そこには、「情報の非対称性」が存在します。

生産者は、モノ・サービスの内容をよく知っていますが、消費者は「知らない」。その間は、絶対に100%完璧にうめることは、100%不可能。

有権者が立候補者を選ぶのも、情報の非対称性が内在。だから、「真の民主主義」など、チャンチャラおかしいのです。

選択するときに、完全情報を持ち、長所と短所を理性的に考察し、未来を含めてあらゆる可能性を考慮し、冷静に選択することなど、しょせん人間には「不可能」なのです。

嫌になるくらいの空理空論。真の民主主義だって????

<本当に、学者や、知識人?といわれる人の民主主義論など単なる空理空論>

はっきり言う! 彼らの言う民主主義など、空理空論

http://blogos.com/article/136121/

舛添要一
2015年09月27日 16:51
由利公正の現代的意味

私は、常に「万機公論に決すべし」と言っており、これが私の政治手法であることは周知の通りである。情報を公開し、皆で合意を形成していくことの重要性をいつも説いている。新国立競技場や五輪エンブレムの失策は、その主張の正しさを裏付けている。



http://blogos.com/article/136018/

藤井達夫
2015年09月26日 15:52

安全保障関連法が成立した夜に、日本の民主主義に起こったこと――冷たい怪物が再び蘇った日――

いずれにせよ、すでに法案が国会に上程された時点で予想されたこの事態が現実となった今だからこそ、それを冷静に直視し、その意味について考えてみることが必要だろう。そこで、ここでは、安全保障関連法の制定過程において明らかとなった、日本の民主主義の変質について検討したい。この変質とは、その日以来、日本の民主主義が民主主義という装いの下でその内実を骨抜きにされてしまったこと、ようするに、民主主義が倒錯してしまったことを表している。もちろん、それは、日本の社会の不吉な未来を予感させる。というのも、この倒錯した民主主義から、あらゆる冷たい怪物の中でもっとも冷たい怪物が頭をもたげつつあるからだ。国家というこの怪物は、グローバル化と民主主義の勝利によって息の根を止められたとさんざん吹聴さてきたはずだ。しかし、それが再び蘇りつつあるのだ。

今回の法律の制定によって、立憲主義的制約が放棄され、統治権力の自立化の道が切り開かれたとするなら、この事態によって現在の日本の民主主義は新たな状況を迎えつつあるといえるかもしれない。それは、民主主義の装いの下で、民主主義の理念が形骸化され無効化されていくような、歪で倒錯した民主主義の時代の到来である。この倒錯した民主主義が私たちの社会に根を下ろしつつあるのではないかと警戒することである。

倒錯した民主主義は、不健全であるだけでなく、危険であることは指摘するまでもない。また、見分けにくい分、性質も悪い。この変質が見過ごされ放置されるなら、倒錯した民主主義が定着し、常態となるだろう。その場合、私たちの社会の未来はきわめて暗い。この民主主義の変質に対して抗うには、何が必要なのか。




<本当に、学者や、知識人?といわれる人の民主主義論など単なる空理空論>

 この人たち、盛んに自分の考える「皆で合意形成」とか、「倒錯した民主主義」とか、言っていますが、単なる現実無視の空理空論です。

 底辺校と言われる高校には、漢字の書けない、分数の計算のできない、ADHD(注意欠陥性多動症候群)、LD:学習障害の子供たちはうようよいます。わたしも実際に経験しています。

http://altjp.net/classification/article/40
学習遅滞児(低学力児)
各種の原因によって低学力に陥っている子ども

いわゆる「低学力」が問題となっている子どもたちの中には、発達障害等を持つ子ども、不登校の子ども、外国籍の子ども、貧困等で家庭や学校外に十分な学習環境が得られない子ども、なども含まれますが、そちらは別の項で取り上げていますので、ここではそれ以外の子どもたちのことを扱うことにします。

上記の子どもたちを除けば、低学力に陥るのには以下の2つのケースが考えられるでしょうか。

1.境界知能による学習遅進
2.俗に落ちこぼれと言われる学業不振


1.の境界知能とは、精神遅滞(知的障害)の範囲と、正常知能と言われる範囲との境界領域(IQ 70~85ぐらい)の範囲の知能を指します。そうしたやや遅めの知能の発達ゆえに学習に遅れを来たす「学習遅進児」と言われる子どもは、ゆっくり学ぶタイプの子どもという意味でスローラーナーとも呼ばれています。

こうした子どもたちは、知的発達のレベルがやや低いだけで、特異な認知の偏りをあまりもっていないという点で、LD(学習障害)の子どもたちとは区別されます。「学習障害」が遺伝的な要因が主なのに対し、「学習遅進」はそれに環境的な要因が加わって生じたものなので、時間をかけて解消することが可能だとのことです。

2.の学業不振とは、簡単に言えば学校の授業についていけないでいる状態です。教育現場では皆が一緒に進んでいくという授業形態や、カリキュラムを消化するので手いっぱいだという事情などから、つまずいたところや分からない個所を個別に時間をかけてやり直すようなことが、できにくいのが現状なようです。日本の義務教育では、一定の成績を修めなければ進級・卒業できないという「修得主義」ではなく、出席日数に不足がなければ成績にかかわらず進級・卒業を認める「履修主義」をとっています。それは「留年」が子どもに与える心理的影響を考えて、なるべく避けようという配慮からなのですが、それが逆にあだとなり、学習につまずいた子どもが見過ごされ、落ちこぼれる原因の一つになってしまっています。

学習につまずく子どもの背景には、学校での友人関係や家庭環境に問題を抱え、落ち着いて勉強に取り組めないとか学習に興味を持てなくなってしまうなどの事情があることも多いので、そうした点への配慮も必要でしょう。

ただ、発達障害、不登校、外国籍、貧困、などの子どもたちの方がより大きな問題だと考えられているためか、それぞれに特化した支援活動の方が多いようです。学習遅進児はLD(学習障害)の子どもたちと一緒に支援の対象となることもよくありますが、学業不振児のみを対象に支援活動を行うところはあまりないようです。



 一方、特別養護老人ホームには、認知症の人が入ります。彼らは選挙するかしないか?します。認知症の人たちも投票します。どうやって??
字の書けない人もたくさんいますよ。どうやって彼らが投票すると思います????

特養のスタッフに取材してください。現場をきちんと調べてください。

彼らを排除した民主主義が、あなたたちのいう「真の民主主義」ですか?それとも、彼らを含めた民主主義が「真の民主主義」」ですか?????

1億人を超える有権者のただ1人さえ排除しないのがあなたたちのいう「真の民主主義」なのでは?

それとも、文字の読めない若者(生活保護の申請書類すら記入できない若者がウヨウヨ)、認知症のお年寄りは、あなたたちのいう、「民主主義」には、最初から「該当しない」「排除してもかまわない」とでもいうつもり??

であれば、

http://blogos.com/article/136018/
藤井達夫

「だから、このタイプの民主主義は、政治は政治家に任せ、静かにしていないさい、悪いようにはしないから、と人びとに語りかける。この語りかけに対して、民主的な正統性はそれだけでは不十分であると異議を唱える人たちが必要なのだ」




という、エリートによる民主主義を否定する、あなたの論は成り立たないのでは???

「真の民主主義」 などどこにあるのですか? 答えましょう。そんなものこの世にない。完璧なものなどないから、まあまあの範囲で、妥協できる範囲で行わざるを得ない。

「真の民主主義」など、「桃源郷(中国の古代の話)」と同じ。

この世には「ない」。空理空論。


3人や5人の話し合いで決まる範囲なら、民主主義は成り立つが(笑い)。

<平常時の論理と非常時の論理>

<古今東西の自然災害>

 山内昌之 『地球を読む』 読売H23.5.8
…ペリー来航の結果、日本が開国した安政元年(1854年)はM8.4の東海大地震と南海大地震、M7.4の、豊予大地震が起きた都市である。それらの津波は太平洋沿岸部に大被害をもたらした。安政2年10月には、M6.9の安政江戸大地震も起こっている。
…安政3年には伊豆半島から江戸北部を直撃した台風が、利根川や荒川に大洪水を引き起こし10万人の死者を出した。その上、安政4年のインフルエンザ流行に加えて5年の米艦経由のコレラ伝染で10万~30万人ほどの死者が出ている。安政6年(1859年)には「安政大麻疹」と呼ばれるはしかの流行が人々を苦しめた。
 

 これ、むちゃくちゃな、災害の連続です。この災害の中、「安政の大獄」事件が並行しておこり、安政7年(1860年)3月3日、桜田門外の変において井伊直弼が殺害されます。国内にあっては災害、外交にあっては通商条約をめぐる外国の圧力と、まさに「内憂外患」とはこのことです。この対策費が幕府の財政を危うくしました。

…徳川幕府は、復興のために不時の財政支出を余儀なくされ、政権の体力を弱めていく。薩摩藩や長州藩は自然災害の影響をほとんど受けなかったので、災害がなければ幕府もあれほどむざむざと薩長に屈しなかったかもしれない。

 その災害の際、幕府はどう対処したのでしょうか。

 …幕府閣老の阿部正弘や堀田正睦らは相当の覚悟と決断力で難局に処した。…江戸大地震…発生2日後にはすでに震災に対する老中として御救(おすくい)小屋を作り、炊き出しに加えて御救米も出したのだからスピード感が現在と比べても早い。 

 西では、ポルトガルも、大地震に襲われました。

 …1755年に起きたM8.7のリスボン大地震…。…世界の通商をリードした海洋国家であり、国内総生産で世界の2,3位だった経済大国でもある。…ポルトガルの首都リスボンでは津波の死者1万人を含めて6万人が死亡…。…リスボン港が機能不全に陥りGDPの半分ほどが失われた…。

 この非常事態に、リーダーシップが発揮されました。

 ポルトガルの宰相セバスティアン・デ・カルヴァーリョ(ポンバル侯爵)は…明白な指針をすぐ示し消防隊によって火を鎮め、疫病が陸地に広がる前に遺体を水葬した。これはカトリックの教えや慣習に反していたが、大胆な防疫措置を決断したおかげでリスボンは伝染病の拡大から救われた…。
…無秩序な略奪の蔓延を防ぐため軍に街を包囲させ…瓦礫を撤去する労働力確保にもつながる。こうして彼は1年以内に大きな広場と直線状の広い街路を持つ新リスボンの原型を作ることに成功した。


 魂が復活する(最後の審判)ため、絶対に土葬でなければならないキリスト教国で、「水葬」です。平常時には考えられない非常手段です。

 キリスト教では、魂も肉体も絶対復活できない最高刑が火葬です。中世に「火あぶり」が行われたのは、「おまえはキリスト教徒の外」であるという、明確なメッセージ(受刑者にとっては最大の受難)でした。このような常識の中で、「水葬」を断行したのですから、「火葬」の日本で、「鳥葬」させるぐらいの衝撃だったのではないでしょうか。

 余談ですが、ウサマ・ビィンラディンも「水葬」されました。イスラムでは、キリスト教以上に「天国と地獄」「最後の審判」が厳格に示されています。そこで、「水葬」です。ムスリムにとって、どれだけ屈辱的なことか想像できます。

<平常時の論理と非常時>

 このように、「非常時」と「平常時」は、その必要とされる「論理」が全く違います。その本質は「時間」にあります。

 高山岩男(注) 『教育哲学』 玉川大学出版部 S59年 p297~

 人生には、地震、台風、洪水、津波などの非常事態があり、火事、大怪我、急病など緊急事態が避けられない。
…問題となるのは、民主的国家がこのような非常緊急の事態に直面し、民主政体も国家の存立も危殆(きたい)にするというような場合、これをいかにして切抜けるかということである。平常通りの民主的法をもって切抜けうるものかどうか。すなわち議会を開いて対策も討議を尽くし、最後に多数決によって対策を決定する、というふうな悠長なやり方で非常緊急の事態は切り抜けうるものなのかどうか。


(注)http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E5%B1%B1%E5%B2%A9%E7%94%B7 参照

 高山が言うのは、「時間をかける」という、平常時のやり方(長期)で、緊急時(短期)を乗り切れるのかということです。

 …このような事態に対応して効果を発揮する政治的方法―これを工夫し実行した古典的模範例は政治的天才ローマ人が共和制時代に創案採用したDictatorの制度、すなわち「独裁官」の制度である。
 …ローマ人は平時には行政の最高長官(Consul)を二人おいて、権力が一人に集中することを防いだ。…行政の各部署には二人以上の同僚を置く制度を採用して、権力の独占化が生ずるの避けるよう工夫を凝らした。…内乱とか戦争とかいう急を要する非常事態に直面すると、この平時的な方法は役に立たず、むしろ無益有害と考え、Consulの中から、或いは外部から一人の「独裁官」を選出し、元老院で厳粛な任命式を行い…危機突破の手腕を存分に発揮させ、国民は一致協力してこの困難の克服に協力したのである。
 このローマの独裁官制度は、それ故、その本質において臨時的・一時的なもの…。…どこまでも臨時の手段に過ぎない。
 

 古代ローマでは、現代の国会に相当するのが「元老院」で、「執政官:最高長官(Consul)コンスル」はさしずめ首相というところでしょうか。平時には、「とにかく権力集中を避ける」というローマの哲学通り、コンスルは互いに対する「拒否権」まで持っていました。この二人の意見が合わなければ、政治が麻痺することもあります。

 余談ですが、「拒否権」は「史上最高の権力、権力の中の権力」です。何しろ「おまえを死刑にする」という判決がでても「拒否」できます。「戦争する」という意思決定に対しても「拒否」できます。
 国際連合の「米・露・英・仏・中」が持つのはこの「拒否権」です。なぜ中国が日本の常任理事国入りに反対するのか、その論理が垣間見えると思います。

 さらに余談ですが、わが日本国憲法96条の憲法改正条項「両院の総議員の3分の2以上の賛成で発議」は、残り1/3の少数に「拒否権」を持たせたシステムです。少数者が多数者より「強い」のですから、「最強」だという意味がお分かりではないでしょうか。

 この、一人のリーダーにすべてを託す独裁官というシステムですが、あくまで「緊急時」ですから、6か月限定でした(戦争時には延長もありました)。

 塩野七生『ローマから日本が見える』集英社 2005 p92~
…政体を変えること以外なら、あらゆることに決定権を与えられていたので、その決定には誰でも従わなければなりません。まさにオールマイティーの力を与えらていると言っても過言ではなかった。


 この独裁官に就く貴族がまた、「ノ-ブレス・オブリージュ(地位・権力あるものが持つべき高貴さ)」の典型みたいな人なのです。

 あるとき、この独裁官にキンキナートゥスという名の貴族が指名されたことがある。彼は普段は鍬を握って農地を耕すという生活を送っていたのですが、執政官からの指名とあれば断るわけにはいかない。
 そこで、鍬を捨て、戦場に赴いたのですが、彼の指揮よろしきを得てローマ軍はわずか十五日で敵を退けてしまった。
 …任期はあと五カ月と半分残っています。…任期いっぱい務めたところで誰も文句は言えない。ところが、この人物は与えられた任務を果たすや、ただちに独裁官の位を返上してしまい、ふたたび農作業に戻ってしまった…。


 西郷南州みたいですね。「命ちもいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、仕抹に困るもの也。此の仕抹に困る人ならでは、艱難を共にして国家の大業は成し得られぬなり。」
 
 地位も名誉もカネも、なにもいらない人物は始末に困るが、このような人物でなければ、大業は成しえないですから、「非常時(西郷の生きた時代は、短期的に見れば日本国家創立期という、非常時でしょう)の論理」とみなしていいようです。

 高山は「非常時」について、さらに言及します。

 …われわれはいかに行動すべきものだろうか。…実は人間は大昔からこのことを知っており、平素から訓練してきているのである。…究極特徴は「時を失っては万事休する」というところにある。地震、洪水、津波に関してぐずぐずしていては、しかるべき命もあたら失ってしまう。…数分数秒の遅速が助かるか死ぬかを決定する。…行動原則は唯だ一つ「時を失うなかれ」「一刻をも争え」である。 

 「独裁官」も、「時を失っては万事休する」も「非常時の論理」です。もちろん、現代では、「超法規措置」は許されません。ですが、どのようなシステム・論理が必要かの示唆を与えてくれます。

 自衛隊や、警察、消防は「非常時」のためにあります。平時の論理で訓練しているわけではありません。ですから、実際には、「上司も判断を間違う」そうです。ですが、「命令」には絶対です。判断が間違っていても、「時を失っては万事休する」のですから、スピードを価値判断の上位に置きます。

 …どうすればこの行動原則を最も合理的、かつ効果的に現実化することができるか。それが指揮・命令・服従という秩序にほかならない。指揮統率の秩序、命令服従の秩序、これが非常緊急の事態に対処する最も合理的な行動であり、これが異常緊急の事態に呼応するものとしての当然の行動秩序である。

 …ここに平時的な議会制民主政治の限界があらわれるのであって、平時には立派な、効果的な議会制民主政治も、非常緊急の重大な時期には逆転して無力となるのみならず、有害とさえなる。ここに賢明な民主国の国民なら、民主的な手続きをふんで、一時平時の民主的方法を停止する態度に出ることになるのである。


 今を平常時と考えれば、普段の政治で結構です。フィリピンでのゴルフも、内閣不信任案提出も、党内混乱もどうぞ行ってかまいません。「時間は十分に」あります。
 震災復興期の今は非常時(短期)か、平常時(長期)か。自ずから明らかです。

theme : 政治・経済・時事問題
genre : 政治・経済

三枝成章『大学を首都圏から一掃せよ』日経22年4月19日

三枝成章(作曲家)『大学を首都圏から一掃せよ』日経22年4月19日

-大学を首都圏から一掃すべきだとお考えとか。

 全国の大学、短大の約46%は関東平野に集中しているそうです。若い人はここへ来ないと大学を卒業できませんが、いちど東京という魔物に引かれると、地元へはなかなか戻りません。一方、地方経済は急激に悪化しています。工業生産の拠点はアジアヘ移り、農業も活路は高級品種を中国などへ輸出するくらいです。地方を救うには観光か教育しかおりません。そこで関東平野からすべての大学を閉め出し、強制的に地方に移転させるのです。神奈川県でもダメです。
…地方が東京で集めた税金の分配に頼らず、真の分権を実現するには、それくらいの過激な方法が必要です。
…一つの大学が移転してくれば、それだけで何千、何万の人が動くことになります。若い人□が増えれば、地方からの文化の発信にもつながります。…30年くらいかけて全面的に地方に移転させればいい。
大学が地方へ移り、各地の地価を徐々に上げつつ、東京を暮らしやすくする方が、はるかに日本全体の活性化につながります。
…大学立国に眼らず、今の日本は30年単位の大改革を必要としているのではないでしょうか。



森ビル社長 森稔 『再開発交渉 粘り強く』読売H22.4.19

…人が住んでいるところを造り替えるのが再開発…
<東京の地盤沈下が気がかりという>
…近年の経済成長のペースが続くと仮定すれば、東京都の経済規模が上海市に追い越されるまで4~5年しかありません。シンガポールにも10年ほどで追い越される。日本の人はのんきで、いまだに「一極集中はいけない」と言う人もいますが、だけど世界の中でみると東京は決して一極集中ではなく、今やアジアの地方都市化しつつある。「均衡ある国土の発展」という考え方はもう古い。
 世界中から人が集まってくる環境づくりに成功するかどうかが、これからの都市間競争の決め手です。国と国との競争ではなくて、都市間競争に勝った都市を持つ国が伸びるのだと思います。


<政治と経済の間>

 政治は、(権利や資源)を、どう配分するか。経済は資源(ヒト・モノ・資本)をどう効率的に使うかのことです。前者は、価値観(べき論=ゾレン)で語られ、後者は事実(である論=ザイン)で語られます。価値観は「哲学」であり、事実は「科学」です。前者は100人100様、正解がありませんが、後者は正解があります。

<サービス業>

 現在の日本は、サービス業で成り立っています。売買した後にモノが残らず、効用や満足などを提供する、形のない財のことである。第三次産業が取り扱う商品である。『ウィキペディア(Wikipedia)』
とうほう『政治・経済資料2009』p230
産業構造の変化 新

 これを、産業構造の高度化=ペティ・クラークの法則といいます。サービス業は、「電気・ガスなどのインフラ、教育産業・飲食業・通信産業・運送業・不動産業・医療介護・理美容・旅行業・娯楽産業・法務税務業・金融業・レンタル業・情報産業etc」があります。

 これら産業の特徴は、「移動(輸出)」出来ないことです(一部通信・情報などを除く)。つまり、「ヒトがいるところにしかサービス業は成り立たない」のです。

 コンビニを開業しようとします。あるいは、塾や、ラーメン店でも結構です。どこに店を開くでしょうか。答えは、「ヒトのいるところ=都会」です。

 北海道の場合、毎年数校の高等学校が閉校になります。小中学校はもっと多い数の学校が閉校になります。なぜか。「ヒトがいない」からです。

 これに対し、「モノ作り(集め)=第一次・二次産業」は、田舎でも成り立ちます。「移動(輸出)」できるからです。

 古代ローマの例を見るまでもなく、「都市」は、「サービス業」で成り立っている「人工物」です。そして、現代「都市人口率」は、世界各国で「増加の一途」です。

 北海道の場合も「札幌圏一極集中」です。北海道の高校生の数は、「札幌圏」と「地方」の数が同数です。今後間違いなく「札幌圏」の割合が高くなります。2030年、「札幌圏」の人口は223.3万人、北海道全体の人口が464万人ですから、約半分が、「札幌圏」に住むことになります。参考文献:日本経済新聞社編『北海道2030年の未来像』2006年

 このように推移する現状で、「大学をすべて地方に」というのは、「政治論」になります。

「…一つの大学が移転してくれば、それだけで何千、何万の人が動くことになります。若い人□が増えれば、地方からの文化の発信にもつながります。…30年くらいかけて全面的に地方に移転させればいい。
…大学が地方へ移り、各地の地価を徐々に上げつつ、東京を暮らしやすくする方が、はるかに日本全体の活性化につながります。」
というのは、経済学的には、成り立たない=政治的には成り立つのです。

飯田泰之 東洋大教授『経済成長って何で必要なんだろう?』光文社2009
P240
 少なからぬ経済学者・経済評論家が「世の中はこうあるべきだ」という主張をしますが、こういう価値論の部分は、経済学の専門的な論理から出てくることはほとんどありません。
P254
 そんなに田舎が住みよかったら、誰も東京へ来ないですよ。

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