未来が現在を決める 現代経済学の本質 その2 & 内部留保に課税など、無理

<未来が現在を決める 現代経済学の本質 その2>

 前回その1で、消費が、投資のように伸びていないことを示しました。

7 アベノミクス 投資


<答は明らか>


要約・縮約

吉川洋 生活高満足に潜む不安 読売2017.10.8

内閣府「国民生活に関する世論調査」、1957年度から行われ、今年で61回目。現在の生活に関する満足度。

最も低かったのは、74年11月の50.4%。
95年に72.7%と当時としては最高。

今年17年、73.9%と調査開始以来の最高水準。

耐久消費財の満足度は77%
食生活は89.3%、まさに飽食の時代。
住生活は83.3%。

どのようなことに悩みや不安を感じるか
一番多い回答は「老後の生活設計について」 53.5%


政府に対する要望
医療・年金等の社会保障の整備 65.1%

2番目が景気対策と高齢社会対策で、51.1%
この順位は、年齢別にみても同じ。

GDPの6割を占める消費。消費はなぜ弱いのだろう。所得が増えても人々が手にしたお金を貯蓄に回せば、消費は増えない。将来不安におびえ、必要以上に貯蓄を増やす…。

人々は、「社会保障の整備」を望んでいる。それは制度の持続可能性だ。もっとも重要なのは、社会保障を賄う財源の確保と制度を持続させるための改革に、国民的な合意を形成することだ。



 すでに、課題も答も明らかです。「社会保障制度の持続可能性」です。これが不安なので、所得が上がっても(GDPは増)、消費ではなく貯蓄を増やしているのです。

消費税増税反対は、気持ちはわかります。しかし、「増税」は不可避です。

予算 公債費

もしも、増税なしに、増える一方の社会保障費を賄えるのなら、無税国家にして「国債発行102兆円」で賄うことが可能になります。日本に「財政問題はない」など、バカなことを言っている人は、「国債100%で日本の財政を賄うことが可能」と証明しなければなりません。

EUの消費税率は、「最低15%」です。

各国消費税率

 「大学無償」「高等教育無償」は望ましいですが、それには税率は、最低でも20%が必要です。この世にうちでの小づちはないのです。

 増える一方の社会保障費を賄っているのは、例えば年金の場合、「現役世代が払う保険料」「会社が払う保険料」50%+「税金」50%(国債はそのうち1/3)です。税金も、現役世代には「所得税」がかかっています。会社も「法人税」を払っています。

2025年、団塊の世代が後期高齢者になる時には、社会保障費は、今より28.1兆円も増えます。このうち半分の14兆円に、税金投入です!

読売 2017.10.8
読売 2-17.10.8 社会保障費増大

 医療費も、現役世代が払う保険料(被雇用者と雇用主が負担)+税金投入(1/3は国債)です。

「人口一人当たり国民医療費をみると、65歳未満は15万8900円、65歳以上は67万3400円となっている(厚生労働省)」

朝日 2017.9.18 医療費

 消費税を上げるな!という人は、同時に「現役世代に負担を押し付けろ」と主張していることになります。
 
 高齢者(65歳以上)の割合は、いつの間にか27.3%、もちろん世界一です。「4人に1人」だったものが、いつの間にか「3人に1人」近づきつつあります。

読売 2017.10.8
読売 2017.10.8 国民負担率

この世代が、「税金を払いたくない」というのはわかります。「年金・医療・介護は手厚く、負担は軽く」というのは、当然の主張です。シルバー民主主義です。

ですが、現役世代は「薄く、広く」を主張しないと、このままでは、ますます「現役世代の負担が増える」ことが目に見えます。

なぜ、現役世代が「消費税増税」を主張しないのでしょうか?「消費増税は、財務省の陰謀」だの、そういう問題ではないでしょう。

消費税は、「一番平等な税」です。所得は、生涯を通じると、必ず「消費に回り」ます。

クリック

消費税は、不平等? いいえ、長期的には平等です

生涯単位では、2000万の収入がある人の消費税は200万円、200万の収入の人は20万円です。

社会保障を充実しろ、待機児童をなくせ、子供の貧困を手当てしろ、年金・介護・医療を保証しろ!・・・・


読売 2017.10.8
読売 2-17.10.8 子どもの貧困率

少子高齢化・人口減の日本で、それを成し遂げるには、「現役世代にだけ負担がのしかかる今の公的保険システム・今の税制」では、無理です。解決策も本当はわかっているのです。

①年金は70歳以上もしくは75歳以上から(もともと、保険は万一のためにあるはず)。
②かかった年金・医療・介護は、その夫婦世帯没後、資産から国庫に返還(全然足りないが)。
③医療は全員3割負担(今は後期高齢者は1割負担)。

②について補足します。「相続税率を上げろ」とは違います。

この世は「トレード・オフ」、あれをしたらこれができない、「ノーフリーランチ」、ただのものはないのです。

「新聞は、民主主義の根幹をなすから、消費税を免除しろ!」など、バカ言うなという話です。

 今の日本に求められている政治の課題は、「未来を決める」ことです。「社会保障の制度」を決めることです。「未来に対する不安が続く限り、消費は増えない」のです!

<内部留保に課税など、無理>

 内部留保とは、「資金調達」の方法です。

①株式を発行して資本金になります(純資産)。
②銀行から借り入れし、社債を発行し、資金を調達します(負債)。

それらのカネを使用して、工場や店舗、備品や機械を揃え、モノ・サービスを生産します。

その後、給与や仕入れ金、借入金利息、電気ガス水道などの可変費用を支払い、株主に配当を支払い、「利益」が残ります。この利益が「利益剰余金」、いわゆる「内部留保?」で、このカネを使って、新たな工場や店舗(設備投資)・・・会社を大きくするためのM&A(他社の株式取得)などに使われます。

内部留保 バランスシート 日経

この「利益剰余金(内部留保?)」は、2016年度までの4年間に「100兆円」増えました。

 で、この利益剰余金(マスコミの言う内部留保)は、何に使われたのか?圧倒的に多いのが、M&A(買収・合併=資産の株式276兆円)です。この5年で70兆円以上増えています。
自社の設備投資に回さず、他社の買収・合併に使用しているのです。カネを遊ばせていることなど、ありえません。

http://blogos.com/article/253074/
「内部留保はけしからん」との批判は正しい? 企業の現金貯め込みの実情

内部留保 バランスシート

 確かに現預金も増えました。しかし、5年で50兆円に満たない増額です。しかも、株式に比べると、圧倒的に増え幅が少ないことが分かります。
 
 その現預金を持っているのは、「大企業」ではなく、「中小企業」です。全体の6割弱を占めています。

内部留保 バランスシート 日経 現預金 

 しかも、総資産に占める現預金の割合は、微増にすぎません。

http://blogos.com/article/253074/
「内部留保はけしからん」との批判は正しい? 企業の現金貯め込みの実情

内部留保 バランスシート2

 日本企業が「現預金をため込み、けしからん」という構図ではないことが分かります。

 「内部留保に課税しろ」など、「企業の発行株式(自己資本)や、銀行からの借入金・社債に課税しろ」ということと同じです。ナンセンス極まりません。

 と、このように説明しても、全く理解しようともしない人が、世の中には一定数います(笑)。見ればわかるのに、絶対に見ようとしないのです(笑)。それで「●●経済研究所」だそうです(笑)。
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未来が現在を決める 現代経済学の本質 その1

<未来が現在を決める 現代経済学の本質 その1>


飯田泰之 経済学講義 ちくま新書 2017

要約・縮約引用
P152~
(1)
金利がゼロに限りなく近づいていくと、流動性の罠が生じます。流動性の罠の状況では金融政策は無効…。

流動性の罠のもとで金融政策を行うツールは「ゼロ金利政策の時間軸効果」です。銀行の貸出行動を左右するのは「いざ準備不足(菅原注:銀行は、金庫を空っぽにするのが仕事。銀行間の振込決済などで、ある程度のカネが必要。このカネが不足する場合、銀行間で、最低金利でカネを貸し借りする。このカネを日銀が貸し出す際の利率が、コールレート。コールレートは「困ったときにはこの金利で貸し出しますよ」という日銀の保証)が起きた時に、どのくらいのコールレートで穴埋めできるのか」です。

よく考えてみてください。準備不足が生じるのは現在ではなく、将来のこと。重要なのは、今現在のレートではなく、景気が良くなって活発化したときのコールレートなのです。

中銀としては、コールレートが「0」の状態が十分長い時間存在すると市場にアナウンスすることで、貸出を刺激することができます。今後5年間「0」金利であるならば、準備不足が生じても、金利負担ゼロで穴埋めができます。すると銀行は、5年以内は貸し出しリスクが低下したとして貸し出しを増やす・・・。

このように「将来にわたって長期にゼロ金利を続ける」というアナウンスが信頼されるなら、金融政策による経済刺激が可能になります。

アナウンスを民間に信用してもらうための仕組みが、量的緩和やインフレーション・ターゲットと呼ばれる、先進国の多くの活用する手法です。

量的緩和…必要準備以上の当座預金残高…これを「超過準備」と言います(菅原注:日銀が国債を購入して、当座預金を増やしている)。超過準備を大量に積ませることによって、金利を引き上げにくい状況をつくる。「ブタ積み」と呼ばれますが、必要以上であることが「長期にわたってゼロ金利を維持する」というアナウンスメント効果を強めるのです。

(2)
アナウンスを強める方法、もう一つはインフレーション・ターゲットです。中銀が「目標とするインフレ率」をアナウンスすることで、民間の金融政策の予想に働きかける政策です。銀行や民間企業はそのインフレ率になるまで、量的緩和の縮小やゼロ金利解除などの金融引き締めは行われないだろうとの予想が形成されるわけです。

p175~
(3)
不動産価格や株価は「将来得られるであろう賃貸収入・配当」で決まります。不動産は修礼の賃貸収入の予想、株価は将来の企業利益の予想によって現時点での価格が決まるのです。

(菅原注:インフレ・ターゲットにより)将来の物価が上昇していくという予想が高まると、2つの影響が生じます。

①将来物価が高い=将来の名目賃料や企業名目利益が上昇する。したがって現時点での資産価格が上昇する
②将来の物価が高いと予想されると、現在のうちに買っておこうという合理的選択になり、現時点での物価が上昇する。

このようにインフレ期待(予想)が強まると、資産価格の上昇と現時点でのインフレ率上昇が同時に発生するのです。

2000万円の不動産と1500万円のローンを抱えた家計の純資産は500万円。不動産価格が10%上昇したら、2200万円。ローンは変化しないので、純資産は200万円+500万円で700万円。40%も上昇するのです。10%の資産価格上昇→40%の純資産上昇

家計の場合は、経済的な余裕が生まれます。企業の場合、この純資産の影響は重大です。銀行からの融資の条件を左右するからです。純資産の増加による気持ちの余裕、融資条件の改善は消費・投資を刺激します。

このような純資産に注目した考え方を「フィナンシャルアクセレーター仮説」といいます。インフレ予想が現在のインフレ率と資産価格を上昇させる。資産価格の増加がその数倍の純資産の増加をもたらす。純資産の増加によって消費・投資が刺激され、その結果として失業率の低下になる-フィリップス曲線は、このような変化の「インフレ率の上昇」と「失業率の低下」を切り取ったものと解釈できるでしょう。

重要なのは、現在のインフレ率ではなく、将来のインフレ予想・期待インフレ率であることになります。現在の経済に影響を与えるためには、将来のインフレ率が重要という意味で、時間軸効果や、量的緩和、さらには各種のターゲット政策が必要とされる根拠と言ってもよいでしょう。



<未来を確定させる→現在の行動が変わる>

未来

 現代経済学は、このように、「今と未来」という時間軸を設定したうえでの「最適化行動」を考慮(マクロのミクロ的基礎付け)します。

動学的予算線

 古い経済学では、「財政政策」「金融政策」ともに、現在に働きかける政策でした。財政出動は今年度、金融政策(昔は公定歩合と言っていましたね、現在は政策金利=コールレート)も「今日」「明日」「今」に働きかける政策です。

 ですが、現代経済学による「金融政策」は、「未来」を確定させる政策です。

現代経済学 政策

貸出は増えます

マネーストック マネタリーベース 2

指標は改善します

アベノミクス 指標

http://blogos.com/article/251647/
アベノミクス 経済指標


フィリップス曲線が成立します

フィリップス曲線清水書院 現代社会資料集2014 p175
アベノミクス フィリップス曲線

投資は回復します

7 アベノミクス 投資



さて、ではなぜ、消費が投資のように伸びていないのでしょうか? その2に続く

<追記 現代経済学を理解しないと、どうなるか?>


http://blogos.com/outline/252472/

【言論NPO座談会】アベノミクス実績と、今回の衆院選で政治は何を説明すべきか

湯元健治(日本総研副理事長)
早川英男(富士通総研エグゼクティブ・フェロー)
加藤出(東短リサーチ社長、チーフエコノミスト)

まず、司会の言論NPO代表の工藤泰志が、「アベノミクスが始まってもう5年近く経っているが、これは成功しているのか」と、3氏に単刀直入に尋ねました。…これに対して3氏は厳しい見解を述べました。



<追記 過去記事から 資産価格の変化>

http://abc60w.blog16.fc2.com/blog-date-20100708.html

デフレ下の合理的行動

株や土地への投資を控え、現金・預金・国債(社債)をため込む

企業の場合

設備や技術への投資を抑え、現金をためる(あるいは資金を返済に回す)です。

 企業が上記の行動をとるのは当たり前です。

 カネを借りる金利<もうけなら、企業は投資します商品価格が低下(デフレ)すると、「もうけ」が少なくなります。投資に慎重になります。

 一方、カネの価値は上がります。現金をためる(あるいは資金を返済に回す)のは合理的行動です。

 デフレだと、実質金利が高くなり、企業の投資が抑えられます借金の額は目減りしません(名目)

さらに、バランスシート上、デフレになると、困ってしまいます。

 上場企業の資産と,負債を示した,貸借対照表(バランス・シート)です。
出典『日本経済新聞』H21.4.14 2008年9月末現在。金融機関を除く,1690社が対象。

上場企業 バランスシート.jpg


①が、社債や、銀行からの借り入れです。②が、資本金です。そのように調達したお金を,土地・工場・機械・店舗・車・広告などに投資し,財やサービスを産み出します。左側の資産です。

 ここで、デフレで土地や建物の額が下がるとします。単純に、土地建物代が358兆円として、10%デフレで値下がりすると、バランス・シートは次のようになります。

上場企業 バランスシート 変化.jpg

 一方、 ①借金の額は全く変化しません。資産における自己資本(②純資産)比率が悪化します。デフレは、企業のバランス・シートを悪化させるのです。

 ですからデフレ下では、資産として、「現金・預金・国債・社債」などを購入するのです。左の資産部分が「目減り」しないからです。

企業が、 「現金積立>設備投資額」にしているのは、このような理由からです。

消費税は、不平等? いいえ、長期的には平等です

<消費税は、不平等? いいえ、長期的には平等です>

 今回の衆院選は、消費税10%、是か非かも争点になっているようです。

旧聞になりますが、消費税は「長期的には平等」という説明をしました。

クリック

税 その3 「税金の無駄を削れ、国会議員を減らせでは対応できない」

クリック

大竹文雄 阪大教授 『経済教室:消費税と所得税 どう違う』日経

 消費税が不平等というのは、「所得の少ない層は、消費額/所得額の割合が高く、所得の高い層はその割合が低い」というものです。

消費税   2

消費の年収に占める割合

 年収が300万円未満、低ければ低いほど、所得に対する消費割合は大きく、貯蓄の割合は少なくなります。生活保護の場合は、ほとんどが「消費」に回り、「貯蓄」に回る割合は極端に少なくなります。

 確かに高所得者の場合は、その所得のうち、貯蓄に回す割合が高くなるのですが、「貯蓄」は何のためにするかと言えば、「将来に消費する」ためです。

貯蓄=将来消費

佐藤主光(一橋大) 日経H24,10,29『第1章 税の仕組みと本質』 
…生涯の所得と費やす消費はおおむね等しくなります。今日の貯蓄も将来の消費に備えたものです。消費税は生涯ベースの課税とも言えます。



大竹文雄 阪大教授 『経済教室:消費税と所得税 どう違う』日経H22.9.6

 …消費税には「低所得者の方が税負担が重くなるという逆進性がある」との批判が根強い。…①一方、消費税の逆進性については、最近の経済学ではかなり懐疑的な意見が多い。

…生涯所得の大きさ別に消費税の負担率を分析した大阪大学の小原美紀准教授と筆者との共同研究では、生涯所得に対する消費税の負担率には逆進性がほとんど確認されなかった。



 その人の一生というスパンで見ると、結局、過去の貯蓄は、老後に使用されます。ですから、消費税は、一生という「長期」で考えると、税率通り、すべての所得階層のひとが「平等」に支払う「税」ということになるのです。

 また、消費税は、グローバル化時代に適した税でもあります。その国の「消費(企業投資も同じ)」にあまねく課税され、本社を「法人税率の低い国に移して、課税を逃れる」ことなど、できないからです。

読売h29.10.4
「アマゾン330億円追徴課税 欧州委ルクセンブルクに命令」

欧州委員会は4日、ルクセンブルク政府が米アマゾン・ドット・コムに適用していた法人税の優遇措置について、「違法な国家補助」に当たると認定した。

アマゾンはルクセンブルクに子会社2社を設立し、そのうち1社に欧州での事業を通じて利益を集めた。この子会社はルクセンブルク政府の課税対象だったが、アマゾンは課税対象ではない別の子会社に利益を移し、法人税の支払額を減少させていたという。

欧州委は…米国を中心とした多国籍企業の税逃れ対策を強化している。


 
 法人税率は、日本の場合、もう上げることができません。


2017/9/28 5:48 日経

米大統領「歴史的な減税」 法人税下げ20%案を発表

トランプ米大統領は27日、連邦法人税率を35%から20%に下げる税制改革案を正式に発表した。中西部インディアナ州で演説して「歴史的な減税で、米国に企業と雇用を取り戻す」と主張。賃上げなどで中間所得層に恩恵が及ぶとした。ただ、野党・民主党は個人所得税の最高税率引き下げなどを「富裕層優遇だ」と批判しており、議会審議は難航も予想される。



 世界中で、「自国に投資してもらおう、進出してもらおう」と「法人税率引き下げ競争」が起きています。

世界経済のネタ帳
米  38.91
仏  34.43
独  30.18
日  29.97
北欧3国 22
英  19
ハンガリー 9
 
露骨と言えば露骨ですが・・・(笑)

ユリノミクス? ウーン、まったく理解できない(笑)

<ウーン、よくわからない(笑)>


http://news.livedoor.com/article/detail/13711204/

10代有権者は「よく分からない」日本共産党が目指す資本主義を乗り越えた社会とは?

AbemaTV『AbemaPrime』に出演した共産党副委員長の田村智子・参議院議員は「民主主義対共産主義という構図で描かれることが多いが、そうではなく経済で考えてみるべき。資本主義の世の中では、誰かや何かを犠牲にして経済成長するのが当たり前という社会になっているということ。ワーキングプアやブラック企業、あるいは原発の問題もそう。そういうことではなくて、未然に犠牲を防ぎながら経済を成長させていく理性と知性を人類は持っているはずだと。民主主義が全面的に開花して、資本主義を乗り越えた経済のあり方を共産主義と呼んでいる。日本共産党は将来、そうなるよう目指している」と話す。



 生産者は「できるだけ高く売りたい・・・」、消費者は「できるだけ安く買いたい・・・」(労働市場だと、生産者と消費者は逆転します)。根本的に、こういう矛盾が、経済には内在しています。

望んだものを、すべて手に入れられない・・・(希少性と言います)

 みな、何かを我慢するしかないんですけどね(トレード・オフ)。


ロイター
http://blogos.com/article/250589/
 
 金融・財政出動に依存せずユリノミクスを断行=希望の党公約

希望の党(代表:小池百合子東京都知事)は、22日投開票の衆院選公約で、金融緩和と財政出動に過度に依存せず、民間の活力を引き出す「ユリノミクス」の断行を掲げた。同党が6日、発表した。

安倍政権のアベノミクス政策に対抗し、消費増税を凍結することも公約に明記した。



 ウーン、中身がさっぱりわからない(笑)。


時事通信 10/6(金) 4:08配信

9条改正「議論」=増税凍結で「ユリノミクス」―希望公約【17衆院選】

自民党が実施を目指す2019年10月の消費税率10%への引き上げに関しては「前回の増税が消費に与えた影響を考えると、一度立ち止まって考えるべきだ」として「凍結」を主張。代替財源として国有資産売却や、大企業の内部留保への課税を盛り込んだ。また、消費税増税の前に国会議員の定数・議員報酬削減や公共事業などの歳出削減を徹底すると訴えた。



内部留保 新

 内部留保は、すでに使われてしまった「カネ」のこと(資本金と同じ)で、こんなものに課税などできません。すでに投資された「カネ」=だから実物資産になっているものです。「現金」ではなく、すでに「形」になっているものです。

 「これから」、設備投資をしても、新規採用をしても、利益剰余金(内部留保)の額は1円も変わりません!

マスコミに登場する「内部留保」というのは、本当の意味するところは、「資本金」と同じものです。設備投資・新規採用をして、資本金が減りますか!!!!!!

 万が一、万万が一、課税するとすれば、BSの左側、「現・預金」にということになります。マスコミや希望の党が言う「内部留保」は、この「現・預金」を、取り違えたものです。つまり、「資産と負債」「バランス・シート」が、全くわかっていない、トンデモ論です!!!!

企業は「活動」するのに、キャッシュが必要です。中小企業がこの「キャッシュ」が無くて、いかに苦しんでいるか、希望の党は全く理解していません。「キャッシュがない」から、BSの右側、銀行から借りるのです。「借入金」のない企業なんて、この世にない!

 では、増えた増えたと言われる「内部留保?」は何に使われたのか。左側の資産を見ると、一番増えたのは「株式」です。つまり、M&Aによる「他社の買収」や「海外投資」「資本参加」です。海外の会社を買収する、経営に参加する(これらは、海外企業の土地や建物や機械や従業員を購入することと同義)・・・これに、2004年以降、130兆円以上も「投資」され、一番多く使われています。倍増しているのです。

国際収支表にある、対外直接投資は、15年度に16.8兆円と過去最高になりました。これは「全額」バランス・シートの左側「株式」純増になります。そして同額で、右の利益剰余金(内部留保?)も16.8兆円増です。

バランス・シートは、左増=右増なのです! 

    右増=利益剰余金増
          ↕
左増=海外(国内)企業への投資増

なのです。

 利益剰余金(内部留保?)は、このように、実物投資されている額が一番多いのです!

企業が「利益の最大化」「生き残り」をかけて、投資する原資(しかも税引き後)に課税????

これで、


ロイター
民間の活力を引き出す「ユリノミクス」

日経 2017/10/6 10:00
希望の小池代表、内部留保課税「お金が設備投資や配当に回る」

希望の党の小池百合子代表(東京都知事)は6日午前、同党が発表した衆院選の選挙公約の1つに掲げた企業の内部留保課税について、会見で「ためられてきたお金が設備投資や配当に回る」と述べ、高い経済効果が期待できるとの考えを示した。



希望の党・小池代表「内部留保の課税は米国もやっている」
10/6(金) 23:45配信 THE PAGE

同党は2019年秋の消費増税を凍結することと、その代替財源の一つとして企業の内部留保課税を訴えた。政策集には「300兆円もの大企業の内部留保に課税することにより、配当機会を通じた株式市場の活性化、雇用創出、設備投資増加をもたらす」と記されている。

 同日午前に開かれた公約発表会見で、小池代表は「内部留保課税が実施された後に、課税を避けるためにそれを取り崩し、設備投資に回すとか、企業内保育園をつくるとか、そういったことにより有効に活用されるというのはまさしく内部留保課税の効果」と説明していた。



ですって?何を言っているのか、さっぱりわかりません。

では、内部留保?に課税するとどうなるか。断言します。設備投資や賃上げには回りません。留保課税を避けるめに、株式配当を増やすだけです。


http://blog.livedoor.jp/sharescafe/archives/30345738.html
中嶋よしふみ シェアーズカフェ・オンライン編集長 ファイナンシャルプランナー

現金と内部留保を混同しているわけだ。・・・ここを間違っている人間のいうことは一切信用しない方が良い。頭の良い小学生が理解できる程度のことを間違っているならば、それ以外の言説も全て間違っていると考えるのが安全だ(自分の感覚では九九を間違うレベル)。内部留保も現金もどうせ似たようなモノだろう、と思っている人はこちらの記事で利益とキャッシュフローの違いを勉強して欲しい。今時そんな事を言ったら恥をかきますよ、とだけアドバイスはしておく(会計上の数字である利益と実際の現金の動きは全く異なる)。



 民進党のマクロ経済認識も「デタラメ」でしたが、それをそっくり受け継いだ「希望の党」のマクロ認識も「絶望的」です。

<追記>


https://kanjokamoku.k-solution.info/2005/09/_1_536.html

内部留保の性格・性質 貸方の概念

内部留保は貸借対照表上貸方に位置づけられる概念であり、借方に位置づけられる現金や預金とはまったく異なる概念である。
したがって、現金預金のように、内部留保という名称のお金が現実に企業等に留まっているということを意味していない。





内部留保に関する批判・批評・評価など 
内部留保課税の適否

内部留保が多いことは、お金が使われていない=お金が回らないことを意味するので、これに課税すべきという意見がある。

しかし、前述したように、現金や預金(借方)のように、内部留保(貸方)という名称の具体的なお金が企業等に留まっているというわけではない。

たとえば、貸方上は内部留保が多くても、借方上は現金や預金の構成割合が小さく固定資産が大きいというバランスシートもありうる。

この場合は、内部留保が多くても固定資産の取得・購入というかたちでお金がきちんと使用されていることになる。

したがって、批判の対象とされるべきものは現金や預金(借方。資金運用、つまり資金の使い方)であって、内部留保(貸方)ではない。

<玉石混淆の経済学者>

<玉石混淆の経済学者>

さて、アベノミクスが始まって(政権就任2012年末、金融政策開始2013年4月)から4年半~5年になります。

 始まった当初に「ああでもない、こうでもない」と論争していた時期に比べれば、十分に「長期」と言える水準です。

 経済学教授でも、「ダメ」なヒト、「まとも」なヒトがはっきりしつつあります。「時間の判定を受ける」、大げさに言うと「歴史的判断を受ける」とはこういうことです。

 アベノミクス導入期に、その政策を批判したヒトです。


日経 経済教室 2013.4.16

齋藤誠 一橋大学教授

『資金、実体経済に回らず』
 
日本経済は…1997年以降、15年以上の長きにわたってデフレ状態に陥ったといわれている。
 
…物価下落は「物価安定」といった方がふさわしいほど軽微だったにもかかわらず、「深刻な物価下落」にすり替えられた。
 
…金融緩和で、どのような資金循環がもたらされるのであろうか。

…資金が経済全体に行き渡り、経済活動を刺激するわけではない。もちろん物価水準への波及効果も期待できない。

…仮に昨今の急激な円安や株高が本当に「インフレ期待」の高まりを反映したものであるとすれば…「期待」に反して実際には物価上昇がおきなければ、物価安定と整合的なように為替や株価が円高・株安に向けて再び修正される…。

…大規模な金融緩和は物価波及効果がないばかりか、副作用も甚大である。…国債のイールド(利回り)カーブは満期の短い方から40年債までゼロ%近辺でフラットになる。…そのような超低金利水準は均衡とはいえないので、いずれは何かのきっかけから国債利回りの急騰(価格の暴落)で、暴力的な均衡回復が起きる…。

例えば…企業の資金回復などで民間銀行がより有利な資金運用先を求めて日銀当座預金から資金を引き出してしまえば…。そうなれば国債価格の下落に一層拍車がかかる

…無節操な金融緩和に安易な課題解決を求めた代償はとてつもなく大きい。





齋藤誠 『経済学は無力か』 2013.2.27 朝日新聞 オピニオン

株高の要因となった円安は政策効果とはいいがたい。すでに昨夏から全通貨ベースの円安は進んでいました。理由は、欧州債務危機が最悪期を脱し、米経済に復調の兆しが見えてきたこと。投資家が円に逃げる必要がなくなったためです。政権も自らの政策効果などと言わず自然体で臨めばいい」

…エネルギー、食料の価格が上昇しているところに円安が進めば、ガソリンや灯油、野菜の値段はさらに上がる。給与明細の額が増えても必需品価格がもっと上がれば、暮らし向きは悪くなります。株高や輸出回復で勝ち組が出ても、一方で負け組も出る。小泉構造改革で問題になった『格差』がもっと顕著になる可能性があります。円安一辺倒でやっていいのかどうか」

…2008年のリーマン・ショックまで数年間のデフレの要因は、日本経済の国際競争力が弱くなったからです」

(取材を終えて)
 斉藤さんは現実経済にも真摯に取り組む学者だ。…その人が経済学、経済政策にはできること、できないことがあると自重する。政策を魔法の杖のように吹聴する学者が脚光を浴びがちだが、原点を忘れぬ学者の言葉をよくかみしめておきたい。
(編集委員・原真人)



アベノミクス金融緩和で、国債は暴落するそうです。しかも「暴力的」におこるそうです。デフレは軽微だから、問題はなかったそうです。

国債のイールド(利回り)カーブは満期の短い方から40年債までゼロ%近辺でフラットになる。…そのような超低金利水準は均衡とはいえないので、いずれは何かのきっかけから国債利回りの急騰(価格の暴落)で、暴力的な均衡回復が起きる

イールド・カーブ(全期間の国債金利を結んだカーブ)など、もう4年以上0%近辺~マイナスに張り付きっぱなしです。

今の様子

https://jp.investing.com/rates-bonds/japan-government-bonds
1 イールドカーブ

これが高金利(国債価格下落)に、暴力的に回復するって、いつのことを示しているのでしょうね。

 しかも、景気が回復し、民間の資金需要が活発になれば、国債価格はより一層下落(高金利)するそうです。

…例えば…企業の資金回復などで民間銀行がより有利な資金運用先を求めて日銀当座預金から資金を引き出してしまえば…。そうなれば国債価格の下落に一層拍車がかかる。

マネーストック マネタリーベース 2
マネーストック マネタリーベース 3
マネーストック マネタリーベース 1

民間の資金需要、マネーストックは、アベノミクス導入後、順調に増えています。

 これだけ、現在の結果とは違う「理論的予測」らしきものをした大学教授。終わっています。こういう人は、教科書だけ書いていればいいのです。教科書は「過去の出来事」だけ書くからです。

 この人の書いたものは、経済学に基づいた「理論的予測」ではなく、単なる「個人的願望」だったことが明らかになりました。
 
玉石混淆・・・もちろん、この人は石です。


新井明

ネットワークメンバーの北海道の菅原晃先生が、新著『中高の教科書でわかる 経済学ミクロ編』河出書房新社、を出版されました。菅原先生の『高校生から わかるマクロ・ミクロ経済学』はベストセラーになりましたが、新著では、その精神を 受け継いで、ビジネスパーソンに役立ち、かつ「中高の先生の虎の巻」を目指してい るとのことです。ミクロは過剰、マクロはスカスカという教科書の問題点指摘などもしっ かり書かれています。 それにしても、現場の人間がこれだけの著作を刊行してゆく、その研 鑽ぶりに頭が 下がります。マクロ編も続けて刊行されるとのこと。注目したいと思います。 (新井)

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