M&A増加

<M&A増加>


読売H30.4.13
日本企業M&A過去最多


日本企業が関係するM&Aが増えている。…海外企業に対するM&Aも5.7%増の672件となり、4年連続で最多を更新した。

海外投資




<内部留保とは>

内部留保?と呼ばれる利益剰余金、これを何に使っているのか? 答えは株式購入です。もちろんM&A・直接投資も含まれます(直接投資は株式の10%以上を取得することを言います)。


 内部留保とは、「資金調達」の方法です。

①株式を発行して資本金になります(純資産)。
②銀行から借り入れし、社債を発行し、資金を調達します(負債)。

それらのカネを使用して、工場や店舗、備品や機械を揃え、モノ・サービスを生産します。

その後、給与や仕入れ金、借入金利息、電気ガス水道などの可変費用を支払い、株主に配当を支払い、「利益」が残ります。この利益が「利益剰余金」、いわゆる「内部留保?」で、このカネを使って、新たな工場や店舗(設備投資)・・・会社を大きくするためのM&A(他社の株式取得)などに使われます。

内部留保 バランスシート 日経

この「利益剰余金(内部留保?)」は、2016年度までの4年間に「100兆円」増えました。

 で、この利益剰余金(マスコミの言う内部留保)は、何に使われたのか?圧倒的に多いのが、M&A(買収・合併=資産の株式276兆円)です。この5年で70兆円以上増えています。
自社の設備投資に回さず、他社の買収・合併に使用しているのです。カネを遊ばせていることなど、ありえません。

http://blogos.com/article/253074/
「内部留保はけしからん」との批判は正しい? 企業の現金貯め込みの実情

内部留保 バランスシート

 確かに現預金も増えました。しかし、5年で50兆円に満たない増額です。しかも、株式に比べると、圧倒的に増え幅が少ないことが分かります。
 
 その現預金を持っているのは、「大企業」ではなく、「中小企業」です。全体の6割弱を占めています。

内部留保 バランスシート 日経 現預金 

 しかも、総資産に占める現預金の割合は、微増にすぎません。

http://blogos.com/article/253074/
「内部留保はけしからん」との批判は正しい? 企業の現金貯め込みの実情

内部留保 バランスシート2

 日本企業が「現預金をため込み、けしからん」という構図ではないことが分かります。

 「内部留保に課税しろ」など、「企業の発行株式(自己資本)や、銀行からの借入金・社債に課税しろ」ということと同じです。ナンセンス極まりません。

<海外投資すると、産業の空洞化が進む?>

 この「産業空洞化」ということばは、すでに、昭和48年の「通商白書」に登場しています。もう40年以上たっているのに、何を意味しているのか、いまだに不明ということばの代表です。

 代表的な定義は、「企業が生産・研究拠点を海外に移すことで、国内の雇用・研究の基盤が失われる」というものです。この場合、世界経済が、マージャンゲームのように、限られた点棒を奪い合う、ゼロサムゲームであれば、理解できます。「あちらが増えればこちらが減る」というものだからです。

 しかし、世界のGDPも、貿易も、雇用も拡大の一途なのに、日本の雇用が奪われる・・・としたら、日本のGDPだけ、減り続けているはずです。実際にはそんなことはありません。

 この「産業空洞化」論は、スーパーのカップめんの棚で、A社のスペースが奪われて、B社のスペースが広くなる・・・このミクロ感覚をマクロ経済に適用させるという典型的なトンデモ論です。

 専門書は、産業空洞化について、次のように否定しています。


清田耕造『拡大する直接投資と日本企業』NTT出版2015

結論から言うと、「企業が生産・研究拠点を海外に移すことで、国内の雇用・研究の基盤が失われる」という証拠など、見つかっていないということです。

Q1雇用は奪われているのか? A奪われていない
 有意な関係は見られない。非熟練労働者の雇用が奪われている現象もない。非製造業でも、海外雇用比率の伸びと、国内雇用の伸びは相関関係にある。国内の雇用と関係しているのは、資本である。つまり、コンピューターなどの投資財価格が下がり、労働から資本への代替が進んでいる(例:パソコン導入で、事務員減少)。

Q2生産・技術基盤が奪われているか? A奪われていない
 製造業全体では、「資源獲得・市場獲得のための投資効果」が、「輸出→現地生産に代替、逆輸入する効果」を上回っている。直接投資の拡大で、生産や雇用の減少につながっているとする証拠がない。

Q3直接投資すると、貿易(輸出入)は減るのか A減らない
 直接投資増=輸出増という相関関係にある。

Q4円安で、国内回帰が進んでいるのか? A?
 研究がない。データによって把握することが困難である。メディアで紹介される事例はあるものの、それらは必ずしも、国外工場閉鎖→国内工場回帰ではなく、新製品や、新規設備投資の事例も含まれている。



 産業空洞化など、この世にありません。

直接投資は増え続けています。

1 直接投資

円高になると、産業空洞化(海外投資増・対内投資減)になるなど、ありません。
相関係数 0.12、全く関係ありません。

1 為替 直接投資


産業空洞化(海外投資増)が進み、不況になるなど、ありえません。
逆に、GDP増かつ海外投資増になっています。
相関は0.77、関係があります。
好況=海外投資増です。

1 gdp 直接投資


産業空洞化で、国内雇用が減る?もちろんあり得ません。

1 産業空洞化 失業?

円高で不況になり、失業が増える? もちろんあり得ません。

1 円高不況? 失業増?



海外投資額=輸出の別名です(三面等価図参照)。基礎基本を理解しましょう。
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アベノミクスは、理論的に100点満点。 

<アベノミクスは、100点満点>

 経済学の理論を応用し、見事に効果をあげました。整理します。

(1)不況とは? 完全雇用を達成していない状態

リーマン後 失業率

リーマンショック後、失業率は跳ね上がりました。不況です

(2)不況の原因

 不況の原因は、投資Iの減少です。ケインズが見つけました。

不況=投資減

GDP 三面等価図 不況

(3)不況を解決するために

投資Iを回復させることです。

①民間投資Iに代わって、政府が公共投資増→財政政策
②民間投資Iを回復させるために、金利を引き下げる→金融政策


総需要管理


消費Cを回復させることなど目的としていませんし、そんな方法もありませんし、それが目標だとしても、二の次、三の次の話です。「アベノミクスで、消費が回復していないから失敗だ」など、単なる無知・バカです。

消費回復のために減税

①期間限定で消費税を3%にする
②ずっと消費税率を3%にする

①は短期効果で、税率を戻した途端にどうなるかは、想像できるでしょう。すでに駆け込み需要は実証済みです。
②です。さて、消費税率を3%にする・・・これを続けると、消費が増えつづけますか?なぜ? 消費が増え続ける・・・など、高校生でも否定します。日本人はバカではありません。


(4)財政政策の効果

固定相場制(~1970年代初頭まで)

 この時代は、財政政策は効果がありました。

①乗数効果(1/1-C)

 まだまだ、社会的に貧しかった時代です。公共投資→業者が買い付ける資材増→資材メーカー売り上げ増→業者の所得増→業者労働者の所得増→商品購買増→商品メーカーの売り上げ増→商品メーカーの労働者の所得増・・・・

 ただし、豊かになった現在は、所得(C+T+S)が増えても、社会保険+税金T増、貯蓄S増であり、消費C増にはなりません。豊かになると(国レベルでも、個人レベルでも)、消費Cを増やすのではなく、S貯蓄を増やすのです。

日本の公共投資の乗数効果(旧経済企画庁)
67年2.17
70年2.02
74年2.27
76年1.85

途上国でも同様です。しかし、経済が成熟してくると、増えた所得を消費Cに回すよりも、貯蓄Sに回す割合が増え、乗数効果は低下していきます。

(内閣府)
87年1.16
08年1.00
11年1.07

分析するシンクタンクによって幅はありますが、日本の場合、2010年代は、1.0台前後になっています。これらは、先進国に共通して見られる現象です(政府支出、保健医療費などの乗数効果については、別な研究があります)。


②固定相場制

A 固定相場制時代は、財政政策の効果は大でした。

財政政策(公共投資)拡大

企業や関連企業の業績が上昇

取引が活発化・資金需要増

金利上昇。金利上昇

円での資産運用が有利

円の需要増(貿易黒字→円での支払い増→円需要増と同じ)

円高

ただし、固定相場制なので、日銀は円売りドル買いで円を市場に供給します(結果的に金融緩和)。

財政政策は同時に金融緩和政策をともなう、いわばWの効果があるのです。

一方、変動相場制の場合、日銀の市場介入はなく、円高・ドル安傾向はそのままです。円
高になると輸出額が減り、株価が下がります。財政政策の効果は薄れるのです。

B 逆に金融緩和の効果は大きくなります。

金融緩和

円安

①輸出額増(輸出額=海外投資額の別名
②日本の場合、株高効果が期待できます。さらに、

①金融緩和→円安(インフレ)

②実質金利低下

③投資増

④実質賃金低下

雇用増が期待できます。

失業

また、資産効果も見逃せません。

インフレ→負債実質減、土地・建物価格・株価上昇

資産効果


東京書籍 H30 政治・経済
消費はまた、家計が保有する株や土地などの価格が上がると、増える傾向がある。これを資産効果といい、株や地価が急上昇したバブル経済期には資産効果が働いて消費が大幅に増え、バブル崩壊後には逆の効果(逆資産効果)が働いて消費が減退した。



変動相場制への移行後、財政政策と金融政策の効果は180度逆転し、「マクロ政策は金融」となったのです。実際、各国の成長と財政出動に、関係はありません。

GDP伸び 財政収支

※財政出動は需要です。需要を伸ばせば供給(GDP)が伸びることなど、ありません。

<ゼロ金利の下、どうやって金融政策を行うのか>

(1)伝統的政策

東京書籍 新しい社会公民 H28 P145

 各国は、リーマンショック後「ゼロ金利」政策を行っています。

× 各国0金利 東学 資料政・経2018 p381


 金利を下げ、投資を刺激するという金融政策はその手段を失います。では、もう金融政策はできないのでしょうか?違います。ゼロ金利下でも、金融政策の手段はあるのです。

デフレ

 デフレで、企業が投資を抑え、貯蓄を増やす(返済を優先する)のは、当たり前です。だから、インフレでなければならないのです。

もう一度確認しますが、金融政策の目的は、「投資I」の回復です。

(2)非伝統的政策

アベノミクス 非伝統的金融政策

①インフレ・ターゲット

フィッシャー方程式


名目金利は、ゼロ以上に下げられません。しかし、インフレにさえなれば、実質金利は下げることができるのです。


実質-2=名目0-インフレ率2%

だから、インフレ率は、たった0.1%でも全くかまわないのです。

実質-0.1=名目0-インフレ率0.1%

だから、「2%を達成していないから、アベノミクスは失敗だ」など、バカかという話なのです。

インフレ率は、たったの0.1%で構わないのです。アベノミクス後、名目GDPと実質GDPの差=GDPデフレーターは、明らかに変化しています。大成功なのです。

gdpデフレーター

物価を見る水準は3つです
a GDPデフレーター
b 消費者物価
c 卸売物価

インフレ度

bの消費者物価だけを見て、「2%達成しているだの、していない」だの、これもバカか?という話です。GDPは「国内」総生産ですから、輸出入物価は入りません。これが上がっているのです。

②コミットメント

インフレ ターゲット

 すでに、EUも、米国も導入済みです。

「○○年後の物価を、2%になるまで、金融緩和します」

これがコミットメント・約束です。中銀が約束するので、民間はそれを信じて、投資(借り入れ)するのです。

 ただし、口約束だけではだめで、強力な「保障」が必要です。それが量的緩和です。

②量的緩和

量的緩和


A 長期金利低下

日銀は、国債・株ほか、資産を大量に購入しますと宣言し、それを実行してきました。

 国債を日銀が買うので、国債価格上昇(長期金利低下)になります。

日銀 BS
長期金利低

 長期金利は低下します。企業は、「長く借りても金利は低い」ことを「保障」されます。

発効する社債も、民間の長期貸出金利も低下します。

住宅ローンと国債

 住宅建設は、「消費」ではなく「投資」です。金利の低下で投資を刺激するのです。

EU・米国も同じです。

各国 長期金利 東学 資料政・経2018 p289

B マネタリーベース拡大


 日銀は、マネタリーベースを拡大し続けます。その結果、現金+当座預金が増えます。

日銀 BS

 この結果(因果関係)マネーストック(民間の貸し出し金)は増加します。

アベノミクス mb ms

 圧倒的な相関係数です。これを「マネタリーベース拡大→マネーストック拡大」の乗数(伸び率が伸びていない)というのも、バカか?という話です。

a 結果的に100兆円以上も伸びている
b それは、日銀の「保障」に基づいているから、伸びている

マネタリーベース拡大の意図は、「保障」です。もう一度、金融緩和の方法を見ます。

東京書籍 新しい社会公民 H28 P145

 資金量が増える=マネタリーベース拡大のことです。

日銀 量的緩和

 この「ブタ積み」に意味があるのです。政策金利(短期金利)の調整は、当座預金量の増減によってなされますね。いまはゼロ金利=資金がジャブジャブなのです。

 企業にとって大切なのは、「今季(今)」の金利ではなく、「来期(未来)」の金利です。今は金利が低いのは十分承知しているのです。問題は、来年も再来年も、この「低い金利で借りられるのか?」ということなのです。

 それを保証しているのが、日銀当座預金の「ブタ積み」なのです。仮に「出口政策=金融の縮小」を行ったところで、このブタ積みを、直ちに元に戻すことは「不可能」です。そうるすと、来年も再来年も「政策金利は(急には)上がらない」ことが保障されていることになるのです。

 つまり、非伝統的政策は、

a 長期金利の低下
b 低い政策金利の長期保証

このWの効果をねらって、実際に保証しているのです。


これで、企業は安心して投資ができます。

アベノミクス 投資増

もう一度確認します。不況の原因は、投資減です。だから、ケインズ以来、その回復がマクロ経済政策とされたのです。

不況=投資減


投資を回復させることによって、GDPを、潜在GDP水準に持っていく(完全雇用状態=失業者を減らす)のが、最大の目的でしたね。

総需要管理

アベノミクス後 変化


 皆さんご存知の通り、輸出は海外投資額の別名でしたね。

失業率は回復しました。

労働者数増 失業低

しかも、労働者数が増えた上での失業率低下です。

「非正規雇用が増えただけだ!」も屁理屈です。

正規雇用増

 正規雇用が増えているのです。

フィリップス曲線どおりです。

日 長期フィリップス

日 短期フィリップス

 フィリップス曲線どおりです。

しかも失業率は現在の指標、中高生の内定は「未来」の指標、アベノミクスは「未来」に働きかける政策でしたね。アベノミクスの成否判定は、未来を改善させているかどうかでした。

高校大学変化

アベノミクス 成否

 これが、現在の最新経済学

ニューケインジアン IS-MPモデルおよび、IS-MP-PC曲線(フィリップス曲線)+テイラールールに基づいた、金融政策です。

 アベノミクスは理論的には100点満点なのです。

おまけ

アベノミクス 成果 所得

賃金も増えています。ただし、税+社会保険、貯蓄に回っています。

賃金増1に対し、税+社会保険0.6の割合、0.4しか給与増には回っていません。しかも、企業も同様に社会保険を0.6増やしていることになります(社会保険は労使折半)。

賃金は、増えているのです。ただし、あなたの隠れ税「社会保険料」も、恐ろしい額になっています。源泉徴収票を確認しましょう。消費税に換算したら、何%になっていますか(笑い)?

アベノミクスの恩恵は、高齢者に回っています。
参照

http://abc60w.blog16.fc2.com/blog-entry-1139.html
http://abc60w.blog16.fc2.com/blog-entry-1140.html
http://abc60w.blog16.fc2.com/blog-entry-1141.html

これでも理解できない人は、質問してください(笑い)。

久留米大学商学部教授 塚崎 公義 デタラメ 0点 解説 アベノミクス

<アベノミクスは、100点満点>

 経済学の理論を応用し、見事に効果をあげました。整理します。

(1)不況とは? 完全雇用を達成していない状態

リーマン後 失業率

リーマンショック後、失業率は跳ね上がりました。不況です

(2)不況の原因

 不況の原因は、投資Iの減少です。ケインズが見つけました。

不況=投資減

GDP 三面等価図 不況

(3)不況を解決するために

投資Iを回復させることです。

①民間投資Iに代わって、政府が公共投資増→財政政策
②民間投資Iを回復させるために、金利を引き下げる→金融政策


総需要管理


消費Cを回復させることなど目的としていませんし、そんな方法もありませんし、それが目標だとしても、二の次、三の次の話です。「アベノミクスで、消費が回復していないから失敗だ」など、単なる無知・バカです。

消費回復のために減税

①期間限定で消費税を3%にする
②ずっと消費税率を3%にする

①は短期効果で、税率を戻した途端にどうなるかは、想像できるでしょう。すでに駆け込み需要は実証済みです。
②です。さて、消費税率を3%にする・・・これを続けると、消費が増えつづけますか?なぜ? 消費が増え続ける・・・など、高校生でも否定します。日本人はバカではありません。


(4)財政政策の効果

固定相場制(~1970年代初頭まで)

 この時代は、財政政策は効果がありました。

①乗数効果(1/1-C)

 まだまだ、社会的に貧しかった時代です。公共投資→業者が買い付ける資材増→資材メーカー売り上げ増→業者の所得増→業者労働者の所得増→商品購買増→商品メーカーの売り上げ増→商品メーカーの労働者の所得増・・・・

 ただし、豊かになった現在は、所得(C+T+S)が増えても、社会保険+税金T増、貯蓄S増であり、消費C増にはなりません。豊かになると(国レベルでも、個人レベルでも)、消費Cを増やすのではなく、S貯蓄を増やすのです。

日本の公共投資の乗数効果(旧経済企画庁)
67年2.17
70年2.02
74年2.27
76年1.85

途上国でも同様です。しかし、経済が成熟してくると、増えた所得を消費Cに回すよりも、貯蓄Sに回す割合が増え、乗数効果は低下していきます。

(内閣府)
87年1.16
08年1.00
11年1.07

分析するシンクタンクによって幅はありますが、日本の場合、2010年代は、1.0台前後になっています。これらは、先進国に共通して見られる現象です(政府支出、保健医療費などの乗数効果については、別な研究があります)。


②固定相場制

A 固定相場制時代は、財政政策の効果は大でした。

財政政策(公共投資)拡大

企業や関連企業の業績が上昇

取引が活発化・資金需要増

金利上昇。金利上昇

円での資産運用が有利

円の需要増(貿易黒字→円での支払い増→円需要増と同じ)

円高

ただし、固定相場制なので、日銀は円売りドル買いで円を市場に供給します(結果的に金融緩和)。

財政政策は同時に金融緩和政策をともなう、いわばWの効果があるのです。

一方、変動相場制の場合、日銀の市場介入はなく、円高・ドル安傾向はそのままです。円
高になると輸出額が減り、株価が下がります。財政政策の効果は薄れるのです。

B 逆に金融緩和の効果は大きくなります。

金融緩和

円安

①輸出額増(輸出額=海外投資額の別名
②日本の場合、株高効果が期待できます。さらに、

①金融緩和→円安(インフレ)

②実質金利低下

③投資増

④実質賃金低下

雇用増が期待できます。

失業

また、資産効果も見逃せません。

インフレ→負債実質減、土地・建物価格・株価上昇

資産効果


東京書籍 H30 政治・経済
消費はまた、家計が保有する株や土地などの価格が上がると、増える傾向がある。これを資産効果といい、株や地価が急上昇したバブル経済期には資産効果が働いて消費が大幅に増え、バブル崩壊後には逆の効果(逆資産効果)が働いて消費が減退した。



変動相場制への移行後、財政政策と金融政策の効果は180度逆転し、「マクロ政策は金融」となったのです。実際、各国の成長と財政出動に、関係はありません。

GDP伸び 財政収支

※財政出動は需要です。需要を伸ばせば供給(GDP)が伸びることなど、ありません。

<ゼロ金利の下、どうやって金融政策を行うのか>

(1)伝統的政策

東京書籍 新しい社会公民 H28 P145

 各国は、リーマンショック後「ゼロ金利」政策を行っています。

× 各国0金利 東学 資料政・経2018 p381


 金利を下げ、投資を刺激するという金融政策はその手段を失います。では、もう金融政策はできないのでしょうか?違います。ゼロ金利下でも、金融政策の手段はあるのです。

デフレ

 デフレで、企業が投資を抑え、貯蓄を増やす(返済を優先する)のは、当たり前です。だから、インフレでなければならないのです。

もう一度確認しますが、金融政策の目的は、「投資I」の回復です。

(2)非伝統的政策

アベノミクス 非伝統的金融政策

①インフレ・ターゲット

フィッシャー方程式


名目金利は、ゼロ以上に下げられません。しかし、インフレにさえなれば、実質金利は下げることができるのです。


実質-2=名目0-インフレ率2%

だから、インフレ率は、たった0.1%でも全くかまわないのです。

実質-0.1=名目0-インフレ率0.1%

だから、「2%を達成していないから、アベノミクスは失敗だ」など、バカかという話なのです。

インフレ率は、たったの0.1%で構わないのです。アベノミクス後、名目GDPと実質GDPの差=GDPデフレーターは、明らかに変化しています。大成功なのです。

gdpデフレーター

物価を見る水準は3つです
a GDPデフレーター
b 消費者物価
c 卸売物価

インフレ度

bの消費者物価だけを見て、「2%達成しているだの、していない」だの、これもバカか?という話です。GDPは「国内」総生産ですから、輸出入物価は入りません。これが上がっているのです。

②コミットメント

インフレ ターゲット

 すでに、EUも、米国も導入済みです。

「○○年後の物価を、2%になるまで、金融緩和します」

これがコミットメント・約束です。中銀が約束するので、民間はそれを信じて、投資(借り入れ)するのです。

 ただし、口約束だけではだめで、強力な「保障」が必要です。それが量的緩和です。

②量的緩和

量的緩和


A 長期金利低下

日銀は、国債・株ほか、資産を大量に購入しますと宣言し、それを実行してきました。

 国債を日銀が買うので、国債価格上昇(長期金利低下)になります。

日銀 BS
長期金利低

 長期金利は低下します。企業は、「長く借りても金利は低い」ことを「保障」されます。

発効する社債も、民間の長期貸出金利も低下します。

住宅ローンと国債

 住宅建設は、「消費」ではなく「投資」です。金利の低下で投資を刺激するのです。

EU・米国も同じです。

各国 長期金利 東学 資料政・経2018 p289

B マネタリーベース拡大


 日銀は、マネタリーベースを拡大し続けます。その結果、現金+当座預金が増えます。

日銀 BS

 この結果(因果関係)マネーストック(民間の貸し出し金)は増加します。

アベノミクス mb ms

 圧倒的な相関係数です。これを「マネタリーベース拡大→マネーストック拡大」の乗数(伸び率が伸びていない)というのも、バカか?という話です。

a 結果的に100兆円以上も伸びている
b それは、日銀の「保障」に基づいているから、伸びている

マネタリーベース拡大の意図は、「保障」です。もう一度、金融緩和の方法を見ます。

東京書籍 新しい社会公民 H28 P145

 資金量が増える=マネタリーベース拡大のことです。

日銀 量的緩和

 この「ブタ積み」に意味があるのです。政策金利(短期金利)の調整は、当座預金量の増減によってなされますね。いまはゼロ金利=資金がジャブジャブなのです。

 企業にとって大切なのは、「今季(今)」の金利ではなく、「来期(未来)」の金利です。今は金利が低いのは十分承知しているのです。問題は、来年も再来年も、この「低い金利で借りられるのか?」ということなのです。

 それを保証しているのが、日銀当座預金の「ブタ積み」なのです。仮に「出口政策=金融の縮小」を行ったところで、このブタ積みを、直ちに元に戻すことは「不可能」です。そうるすと、来年も再来年も「政策金利は(急には)上がらない」ことが保障されていることになるのです。

 つまり、非伝統的政策は、

a 長期金利の低下
b 低い政策金利の長期保証

このWの効果をねらって、実際に保証しているのです。


これで、企業は安心して投資ができます。

アベノミクス 投資増

もう一度確認します。不況の原因は、投資減です。だから、ケインズ以来、その回復がマクロ経済政策とされたのです。

不況=投資減


投資を回復させることによって、GDPを、潜在GDP水準に持っていく(完全雇用状態=失業者を減らす)のが、最大の目的でしたね。

総需要管理

アベノミクス後 変化


 皆さんご存知の通り、輸出は海外投資額の別名でしたね。

失業率は回復しました。

労働者数増 失業低

しかも、労働者数が増えた上での失業率低下です。

「非正規雇用が増えただけだ!」も屁理屈です。

正規雇用増

 正規雇用が増えているのです。

フィリップス曲線どおりです。

日 長期フィリップス

日 短期フィリップス

 フィリップス曲線どおりです。

しかも失業率は現在の指標、中高生の内定は「未来」の指標、アベノミクスは「未来」に働きかける政策でしたね。アベノミクスの成否判定は、未来を改善させているかどうかでした。

高校大学変化

アベノミクス 成否

 これが、現在の最新経済学

ニューケインジアン IS-MPモデルおよび、IS-MP-PC曲線(フィリップス曲線)+テイラールールに基づいた、金融政策です。

 アベノミクスは理論的には100点満点なのです。

おまけ

アベノミクス 成果 所得

賃金も増えています。ただし、税+社会保険、貯蓄に回っています。

賃金増1に対し、税+社会保険0.6の割合、0.4しか給与増には回っていません。しかも、企業も同様に社会保険を0.6増やしていることになります(社会保険は労使折半)。

賃金は、増えているのです。ただし、あなたの隠れ税「社会保険料」も、恐ろしい額になっています。源泉徴収票を確認しましょう。消費税に換算したら、何%になっていますか(笑い)?

アベノミクスの恩恵は、高齢者に回っています。
参照

http://abc60w.blog16.fc2.com/blog-entry-1139.html
http://abc60w.blog16.fc2.com/blog-entry-1140.html
http://abc60w.blog16.fc2.com/blog-entry-1141.html

これでも理解できない人は、質問してください(笑い)。

 

シルバー民主主義

<シルバー民主主義>

 代表制民主主義システム、間接民主制についてです。日本で、年間に提出される法律案は、100本を超えます。これを直接民主制にすると、3日に1回の割合で、採決をしなければなりません。地方議会も加えると、さらに膨大な法案・条例数になります。これを、忙しい現役世代が1つ1つの中身を精査して決定を下すのは、不可能です。だから、分業し、選ばれた代表者に政治をゆだねているのです。

シルバー民主主義


 現在は、65歳以上の高齢者が、投票の4割近くを占めます。価値観はさらに多様化し、投票はさらに高齢者にかたよる・・・。
現代の民主主義など、とても脆弱です。そういえば、地方議会の議員、なり手がどんどん少なくなっているそうな・・・。


地方議員の兼業緩和を提案、総務省 有識者研究会が報告書
TBSニュース 3/27(火) 1:57配信
規模の小さい町や村の議会で議員のなり手が不足している問題で、総務省の有識者研究会は今の地方議会制度に加え、地方議員の兼業を緩和するなど新たに2つの仕組みを選べるなどとした報告書をまとめました。

 総務省の「町村議会のあり方に関する研究会」は26日、規模の小さい町や村の議会で議員のなり手が不足している問題で、野田総務大臣に報告書を提出しました。報告書では、議員のなり手不足を解消する仕組みとして、今の地方議会制度に加えて2つの仕組みを提案していて、具体的には議員の兼業・兼職制限を緩和する「多数参画型」と、少数の専業的議員で構成し、重要な議案は住民も参加する「集中専門型」の2種類を挙げました。

 政府は対象の自治体などを総理の諮問機関である地方制度調査会で検討し、早ければ来年の通常国会で法改正を目指します。ただ、全国町村議会議長会などは一方的な提案だとして、「地方分権改革に逆行する」、「市町村議会からの意見聴取を後回しにしている」などと反発していて、議論は難航しそうです。(26日22:04)

比較優位を全く理解できない、つまり経済学のリトマス試験紙では、不可判定の塚崎公義 久留米大

<苦笑 比較優位>

本当に、比較優位は、シロウトさん・クロウトさん問わず、理解するのが難しいのですね。


http://yasuyuki-iida.hatenablog.com/entry/20091027/p2
飯田泰之

僕としてはエコノミストの格付けはいくつかの段階に分けて行わなければならないと思っています.

経済学・経済統計に関する知識に関して,

第一関門:教科書の経済学を理解しているか否か
第二関門・・・・

・・・第一関門をクリアしていないエコノミストはかなり多い…….そういう人はホントいくら叩いてもいいと思う.ってか教科書の経済学分かってないのになんでエコノミストとか経済学者って言ってられるのか謎.教科書レベルの知識無しに経済学を批判する人までいて噴飯ものです.ちなみに第一関門を見分けるコツは,

比較優位説理解してる?
国際収支統計わかってる?
IS-LMとフィリップス曲線わかってる?
中立命題や恒常所得仮説に関する一連の議論わかってる?

あたりがよいリトマス試験紙かと.




川越敏司「現代経済学のエッセンス」 番号は筆者挿入
比較生産費説は…①貿易の発生や市場での②交換の発生を説明するだけではなく…生産活動において③分業が発生する理由も説明できます。…常にどこででも成立する自明ではない偉大な法則なのです。



自明ではない=「太陽は東から上り、西に沈む」は自明だが、本当は地動説の「地球が東へ回転している・・・勉強しないとわかりませんよ」という意味


Pクルーグマン 「クルーグマンの国際経済学(上)」
サミュエルソンもこう述べている。「比較優位は経済原則とし否定しようのない事実であるにもかかわらず、賢明なる諸氏でさえ完全に納得しているわけではないものとして、自分が承知しているなかで最も典型的な例である」



いいですか?比較優位は、理論でも何でもなく

比較優位は経済原則とし否定しようのない事実

単なる事実です。

だから、自給自足(70億人の誰1人いませんから!)をしていないヒトであれば、その人は、せっせせっせと、毎日毎日、比較優位を行っているということになります。

呼吸を無意識でやっているように、比較優位を無意識に行っている。比較優位はそういうレベルの話です。呼吸をやめたら生きられないように、比較優位をやめたら、生きられません。

だいたい、比較優位を否定する人、あなたがオギャーと生れた瞬間に、比較優位のお世話になったでしょう。看護師、医者、産婆さんでもいいや病院スタッフ、数々の病院施設、医療機器、それらを支える電気・ガス・水道、建物・・・これ全部「比較優位」のたまものですから。

医者が機器を手作りしていたら、出産の医学を学ぶ時間などない。看護師が針を手作りしていたら、まず鉄鉱石を掘り出すところからやらないといけない。その前にショベルを手作りしないといけない・・・安全帽も、ライトも全部手作りから・・。

比較優位が成り立たないという人は、自分が大きくなれたのは、今の職業に就くことができたのは、世の中すべてが比較優位で出来ているからだということを、忘れていい気になっているだけです。

そんなに否定するなら、自分が死んだ後に、自分で葬式やって、自分で自分を火葬しろ。何一つできんくせに!!!(笑い)

<比較優位を全く理解できない、つまり経済学のリトマス試験紙では、不可判定の塚崎公義 久留米大>

相変わらず、デタラメ解説をしています。


http://sharescafe.net/53030349-20180302.html
経済学の初心者に「貿易のメリット」を教えてみた(塚崎公義 大学教授)
2018年03月02日 05:00
塚崎公義 大学教授

アダムスミスが説いた分業のメリットは、国際分業(貿易)にも当てはまります。貿易に関しては、比較優位に立つ商品を互いに輸出することで両国にメリットがある、というリカードの「比較生産費説」が有名です。

では、何を作っても日本より苦手な国とは貿易しないのでしょうか。そんな事はありません。そこで出てくるのが「比較優位」という言葉です。これは、「まだマシな」という意味です。

社長が経営もタイプも得意だとして、秘書は何もせずに社長が両方やるかというと、そうではなく、秘書がまだマシなタイプを担当する事によって社長が経営に集中できる、といったイメージですね。

さて、日本と中国では、だいぶ技術力の差が縮まっているので自信はありませんが、本稿では、何を作っても日本の方が得意である、という事にしておきましょう。そうなると、日本が本当に得意な自動車等を輸出して、中国が「まだマシな」洋服を日本に輸出する事になります。

自動車生産には高い技術力が必要で、日本が圧倒的に有利ですが、洋服の生産はそれほど技術を必要とするわけではないので、労働力を大量に集めてくれば作れます。そこで、労働力の豊富な中国で洋服を作って日本に輸出することにしたのです。



ここまではOKです。


さて、日本の方が中国より洋服づくりも得意なら、なぜ日本は中国から洋服を買うのでしょうか。それは、現在の為替レートで換算すると、中国の洋服の方が日本の洋服よりも安いからです。

料理と皿洗いは、分業のメリットの分配方法を交渉しなければならないのですが、国際分業の場合には、為替レートが変動することで、自動的に日本が自動車を輸出し、中国が洋服を輸入するように神の見えざる手が導いているのです。



このあたりから、例によって、説明がぐちゃぐちゃになります。


さて、日本の方が中国より洋服づくりも得意なら、なぜ日本は中国から洋服を買うのでしょうか。それは、現在の為替レートで換算すると、中国の洋服の方が日本の洋服よりも安いからです。



安いから?

そうすると、中国が日本車を輸入するのは「安いから」????


中国の洋服の方が日本の洋服よりも安いから



日本の自動車の方が、中国の自動車よりも安いから????

2017年 自動車生産台数
1位 中国  29,015,434
2位 米国  11,189,985
3位 日本   9,693,746

日本の自動車の方が安いから???


それと同様なことは、途上国の幼稚産業の保護に関しても言えるはずです。たとえば途上国が日本から自動車を輸入して日本に農産物を輸出するとすれば、その国は未来永劫自動車を作る事が出来なくなってしまうでしょう。農産物のように技術進歩の余地が少ない産業に自国が特化して、自動車やコンピューターなどの技術進歩の余地が大きな産業を将来にわたって放棄してしまう事には抵抗を感じる途上国の政府も多いでしょう。



最後はやはり、経済学を全く理解していないことを露呈しています。

比較優位はつねに動きます。生産性の高いこと=機会費用(コスト)の安い方へと変化するからです。

①高卒で社会に出た人が、改めて大卒の資格を取ったり、社会人が何かの資格を取得するために勉強したり・・・

②デジカメは激減し、スマホにとってかわられました

③CDは激減し、音楽データにとってかわられました。

④富士フィルムは、フィルムは作っていません。ソニーは金融とゲームの会社です。トヨタは、織機を作っていません。

⑤ソフトバンクも楽天も、20年前には存在すらありませんでした(規模という意味)

⑥レンタル店ツタヤは店舗を縮小し続けています。

⑦中国の車の生産台数は世界一になりました。

⑧医療はバンクラディシュ、ベトナムに移っています。


途上国が日本から自動車を輸入して日本に農産物を輸出するとすれば、その国は未来永劫自動車を作る事が出来なくなってしまうでしょう。



比較優位を、全く理解していないことがわかる文章です。これで学生に「経済学の初心者に『貿易のメリット』を教えてみた」と指導しているのですから、「害」をまき散らしていると言っても過言ではありません。最悪です。

<では、まともな説明を>

比較優位は、誰も否定できない、「なぜ、交換が行われるのか」を説明した理論(比較優位を実践していることを整理して明確化ということ)です。
交換=経済活動のことです。時給自足なら、交換自体成り立たない、経済活動がないのです。そんなもの、この世にありません。

つまり、比較優位は、「経済活動(交換)が行われるのはなぜなのか」を説明した理論ですから、これを理解しないと「経済そのものが語れない」ということです。比較優位が理解できない、比較優位を否定するヒトは、「経済の何たるか」が全く理解できないヒトということになります。

 経済学は、「現実が先、理論は後」です。なぜそうなっているか・・・を説明するために、理論があります。まあ、科学は皆そうして発展してきましたが。

 ①時給自足からスタートして、②特化させると、労働者を移動させることになる・・・だの、スムースに移動などできない・・・だの、失業が生じる・・・だの。全部、「バカ」です。

 この世はすでに比較優位を行っている状態です。スタートは②「分業(特化)・交換」状態なのです。

 いいですか?この世に①「自給自足」など、ないのです。どこからないかって、古今東西「自給自足」など、存在したことがありません。アダムとイブの時代からです。

神は罰として、アダムに労働の罪を、イヴに出産の苦しみを与えたのです!!!! 分業です!!!

アメリカ人の1/4は福音派、これを絶対信じている人たちです。トランプ大統領の支持層と重なります。重なるどころか、全員トランプ支持者です。

イスラエルの山にイエスが復活すると聖書に書いてあることを、額面通り信じています。彼らにとってイスラエルは神の場所です。イスラエルを首都だと認めるのは、トランプ大統領にとっても、福音派にとっても、「あたりまえ」のことなのです。繰り返しますが、1/4です。アメリカで一番大きい宗派です。

脱線脱線、閑話休題(笑い)

原始時代も、分業と交換ですね。狩りをする人、その間に洞窟を守る人、料理をする人・・・獲物をさばく間に、お湯を作る人・・・。みな分業です。狩りをしている最中に、料理はできません。授乳の最中に狩りはできません。みな作業を分担し、「交換」しているのです。

人類が、文字で歴史を記録し始めてからは、「分業」の歴史しかありませんね。ヘロドトスのカルタゴ記述・・・、エジプトや中国殷文明・・・。全部「分業」の歴史です。

まず、「分業がスタート」、これを否定する人がいたら、この時点で「『脱落』です!自給自足の例を1つでも挙げてごらんなさい。

山上憶良に登場する奈良時代・・・貧しい貧しい貧民の記述であふれています。ですが、その時代でも、ボロボロの服や、ボロボロのわら服を着ていても、煮炊きに使う道具は、その人たちが作ったものではなく、交換で手に入れたものです。

江戸時代の貧乏百姓の使う、鎌や鍬も、時給自足ではなく交換で手に入れたものです。娘のかんざしも、貧乏百姓が作った物ではありません。

この世に①「自給自足」など、ないのです。

この世はすでに比較優位を行っている状態です。スタートは②「分業(特化)・交換」状態なのです。

だから、比較優位論表を見るときは、①「自給自足から労働者を移動させて・・・」ではなく、すでに②「分業(特化)・交換」状態から、時給自足状態に近づけると・・・と見なければならないのです。いいですか!現実が先!ですよ。


そうすると、今は自習貿易が行われているけれども、トランプ大統領のように、鉄鋼輸入に25%の関税、アルミに5%の関税をかけて、アメリカが「貿易から自給(国内生産状態)」にするとどうなるか・・・

自明です。比較優位論が示したように、必ずアメリカの利益が損なわれます。消費量が落ちるか、価格として跳ね返るか・・・いずれにしても、三角形が小さくなる=実質所得が減ります。

比較優位 貿易をやめると

だから、アメリカ国内でも、鉄鋼業界以外、製造業はみな「反対」なのです。ろくなことにならないのが、目に見えているからです。それを説明しているのが比較優位です。

「分業(特化)・交換」状態から、時給自足状態に近づけると、三角形面積が必ず減る!!!

となります。

比較優位は経済原則として否定しようのない事実
比較優位は経済原則として否定しようのない事実
比較優位は経済原則として否定しようのない事実
 

<比較優位は経済原則>

比較優位は、経済学最強理論、というか、なぜ経済行為というものがこの世に存在(しかも人間だけしかしない)するのかという現実を説明した理論です。史上最強、誰一人崩せません。これを理解できない人は、経済行為そのものを理解していないという人です。

まず①分業(特化)についてです。スミスがピン工場で、職人が最初から最後まで1人でピンをつくるより、分業した方が240倍も多く作ることを説明。分業(特化)が一番効率的(生産性が高い=機会費用が低い)。これは理解できますね?

次に②交換です。スミスは仕立て屋、靴屋、農家の例で、だれもが自分で作るより、買った方が安い場合は、そうする。仕立て屋は靴を靴屋に頼み、農家は服を仕立て屋に頼む。これも理解できますね。②交換は①分業(特化)があるからできる、これもいいですね。


買う方が安くつくものは自分の家で作らないようにするのが当然である。仕立て屋は靴を自分で作ろうとせず、靴屋で買う。靴屋は服を自分で作ろうとせず、仕立て屋に注文する。農民は靴も靴も服も自分では作らず、それぞれの職人に注文する。

みな、近隣の人たちより多少とも優位に立っている仕事に専念し、生産物の一部かその対価で、必要とするものを買うのが自分の利益になることをしっている。・・・自国で生産するより安い価格で外国から買える商品があれば、自国の労働は多少とも優位にある産業に投じ、自国の生産物の一部でその商品を外国から買う方がいい。



多少とも優位、これは絶対劣位・絶対優位の話ですね。比較優位は「自身の中の優位」の話ですから。

①分業(特化)が②交換を成り立たせる。いいですね

?では、②交換は、トヨタのような巨大企業(絶対優位)と、ねじを生産する零細企業(絶対劣位)での間でも利益が生じるのか?障碍者と健常者、大卒と中卒、これらの間でも、交換の利益が生じるのか?

鉄・石油・石炭からアイフォン・ボーイング・ハイテク兵器まで自前で産出するアメリカ(絶対優位)と、ブルンジ(絶対劣位)のような途上国は交換利益は無いのでは?リカードは、

③比較優位論で、「絶対優位」と「絶対劣位」の間でも、必ず利益が生じることを説明。

それが「比較優位」。自分の中で生産性の高い=機会費用の低い分野で
①分業、
そして②交換。

そうすれば、必ず絶対優位者と絶対劣位者との間でも②交換の利益が生じている。だから人類は①分業(特化)と②交換をしてきた。これが経済活動とよばれるもの

人類の交換活動=経済活動そのものを、なぜしているか?を説明できた理論。普遍。現実社会は、①分業(特化)②交換で成り立ってる。これが経済活動。

それを、関税をかけたり物品税100%にしたり(米の鉄鋼25%アルミ10%)、自前(自国で自給自足に近づける)でやろうとすると、絶対に利益が減少しますよと証明した。

①現実、経済(交換)活動(交換)が先、自給自足は理論上の想定(現実にはない)

比較優位は、
①自給自足を、②特化(分業)して交換すると、利益が増えるではなく
②特化(分業)状態=現実をこわして①自給自足・自前主義に近づけると、利益が必ず減少するという理論。

現実が先、理論はあと。


①現実、経済(交換)活動(交換)が先、自給自足は理論上の想定(現実にはない)

比較優位は、
①自給自足を、②特化(分業)して交換すると、利益が増えるではなく
②特化(分業)状態=現実をこわして①自給自足・自前主義に近づけると、利益が必ず減少するという理論。現実が先、理論はあと。


再掲します。

http://abc60w.blog16.fc2.com/blog-category-74.html
定理

1 日常生活が貿易(トレード:交換の事)
2 日常生活が比較生産
3 貿易はすべての人(国)を豊かにする



http://abc60w.blog16.fc2.com/blog-category-204.html
ミクロだろうが、マクロだろうが、経済活動全てを貫く根本原理です。逆に「比較優位」に基づかない「交換=トレード」があれば、挙げてみましょう。

全員が「比較優位」を実践しているのが経済活動です。例外は1つもありません。

交換(トレード) が活発になればなるほど、経済拡大

交換の原理は、すべて比較優位



『世界の名著 アダム・スミス(国富論)』中央公論社 S62 p388
 それゆえ、各個人は、彼の資本を自国内の勤労活動の維持に用い、かつその勤労活動をば、生産物が最大の価値を持つような方向にもってゆこうと、できるだけ努力するから、だれもが必然的に、社会の年々の収入をできるだけ大きくしようと骨を折ることになるわけである。

 もちろん、かれはふつう、社会公共の利益を増進しようなどと意図しているわけではないし、また自分が社会の利益をどれだけ増進しているのかも知らない。…生産物が最大の価値を持つように産業を運営するのは、自分自身の利得のためなのである。

 だが、こうすることによって、かれは、他の多くの場合と同じく、この場合にも、見えざる手に導かれて、みずからは意図してもいなかった一目的を促進することになる。…自分の利益を追求することによって、社会の利益を増進せんと思い込んでいる場合よりも、もっと有効に社会の利益を増進することがしばしばあるのである。




これは、「比較優位」そのものを語っていますね。

 この比較優位は、経済(交換)学の、希少性・選択・トレードオフ・機会費用(コスト)というエッセンスをすべて含んだ理論です。人類史とともに始まった、経済(交換)活動が、なぜ行われているのかを説明する理論です。経済(交換)学の背骨そのものです。

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