世の中の経済入門書やネットの経済解説がすべてデタラメのわけ

<世の中の経済入門書やネットの経済解説がすべてデタラメのわけ>

 前回、高橋洋一や、田中秀臣、浜矩子、池田信夫などの自称「経済学者」や、池田彰や上念司ほか「自称経済解説者」など、まったく「経済学」としては使えない、はっきり言えば、「でたらめ」であることを説明しました。

 日本のマスコミレベルの「経済論」など、使い物になりません。ましてや、ネットにはびこるシロウト経済論など、論外です。教科書を学んでいないからです。現代経済学は、その「教科書」以外には載っていないからです。

 とにかく、マスコミ上・ネット上にはびこるシロウト論は徹底しています。「教科書読まない」「読んだことがない」「読むつもりがない」です。

 自動車の運転免許を取るにも、教習所に行って「教則本」を学びます。ユーキャンの資格取得にしても、「テキスト」で学びます。ところが、シロウト経済論は、そのテキストを「読まない・読めない」のです。

 それで、「自分の運転は大丈夫だ、うまいだろう」と言っているのですから、お話になりません。危なくてそんな車には近づけないのに、乗っている本人だけが気づかない・・そういうことです。


 デタラメというのは、彼らには「現代経済学」が全く理解できないというところにあります。現代経済学=DSGE=動学的一般均衡です。動学=時間軸を考慮した一般均衡(ミクロの需給均衡の概念)ですから、いわゆるミクロの「一般均衡」とは別物です。

 この40年間で、経済学は、一変しました。コペルニクス的転換=180度違ったものになったといってもよいでしょう。それが、彼らには全く理解できていません。

 その本質は「未来が現在を決める」ということです。これが現代経済学のエッセンスです。

未来が確定すると、現在の行動が変わるのです。

①インフレ・ターゲット
②●年●月に「オリンピック」
③●年●月に、都市圏「新線」「新駅」「新道」完成

 これらのようなことがあると、今の我々の行動が変わります。

 学生が試験勉強をするのは、「未来時点」のテストでいい点数がとりたいからです。「未来時点でこうなりたい=定期考査でいい点数を取る、いい大学に入る、競争倍率の高い企業に入社する」・・・

 未来が現在の「試験勉強をする・・」につながります。

 プロ野球選手・サッカー選手は「今シーズンに良い成績を収める、チームとしても優勝を狙う」という「未来」を実現するために今「練習」をします。

 会社の「投資」は、「未来予測」に基づいて行われます。学生募集(5年後10年後の戦力を育てる)も、工場建設も店舗拡張も、すべて「未来予測」です。将来の「見通し=売上見込み」のために、「今」投資をするのです。「今」投資をすれば、「未来が変わる」から・・・という考えに基づくものではありません。

 勉強・練習をするのは、「今勉強・練習すれば、将来はこうなるだろう(不確定)」ではなく、「将来にこうなりたい(資格試験・大学偏差値:目標クリア)ので、今勉強・練習する」のです。客観的な数値(未来段階でクリアする目標)に基づいて、今「勉強・練習」するのです。

 納期に合わせて今日生産する、プレゼンに合わせて今日資料を作る、1年後の出荷に合わせて、今日しいたけの菌をつける、コンテストに合わせて今日練習する、運動会に合わせて今日練習する・・・。

「未来」の目的を実現するために「今」の生活をする・「今」の生活を変えるのです。これが現代経済学の本質です。

 オールド・ケインジアンや、市場原理主義?なるものに、この「未来」は考慮されていません。静学均衡なのです。

 ところが、この現代経済学(動学)は、解析力学・ラグランジュ論や、微分積分を使用するため、「経済学の教科書」で解説するしか、その全容を伝えきれません。一般的な「新書」や、「経済入門本」で解説するのは、「無理」なのです。

DSGE モデル.jpg

1)ワルラス一般均衡論(新古典派=ミクロ) = ニュートン物理学(どんぶり勘定)

ワルラス均衡理論は、財市場・貨幣市場・労働市場・・・と複数均衡を扱います。ところが、ニュートン物理学では、「2つの引力」を分析できるのみで、「3つ以上の引力=均衡」は、理論的に扱えないのです。しかし、太陽系の場合、太陽の引力があまりにも巨大で、太陽と金星、太陽と水星、太陽と地球・・・とそれぞれ「2個の引力=ニュートン物理学」を使って解析し、それを寄せ集めて、「太陽系」を説明したのです。

ですから、ワルラス均衡も、それぞれの市場を分析し、それを無理やり「すべての市場均衡=複数均衡」として扱っただけで、もともと、原理的(2個の均衡しか扱えないニュートン物理学に依存)に、「無理」があるのです。

「ミクロ的基礎付け=ある理論からすべてを説明する演繹法」を装ってはいますが、最初から「誤謬」が生じるような理論なのです。


2)ケインズマクロ=帰納法(理論ではなく、実証から作った帰納法)

 一方、ケインズの理論=マクロ経済学は、帰納法です。つまり、実証から導き出した、「ミクロ的基礎付け=ある理論からすべてを説明する演繹法」ではありません。「投資の増減が不況につながる」のを発見し、では、投資を回復させるには・・・という帰納法です。理論などありません。世界大恐慌=不況を克服できれば、それでよいという、ざっくり論です。

 ケインジアンは、とりあえず、ミクロ=ワルラス均衡と、ケインズマクロを結び付け「古典派総合」として活用しますが、これらは原理的に「水と油」でした。

 だから、ルーカスらが、「マクロ経済学のミクロ的基礎付け=ある原理理論の演繹法によってマクロ理論にする」ことを、要請したのです。そこから、現代経済学が始まります。


3)動学的一般均衡
 
これが、現代の「マクロ経済学のミクロ的基礎付け」、ルーカス以後の現代経済学理論です。「動学=今と未来」を考慮したモデルです。

動学的予算線


この、理論には、

 ①フェルマーの定理
 ↓
 ②解析力学
 ↓
 ③ラグランジュアン


という、「ミクロ的基礎付け=演繹」が導入されています。


フェルマー

「フェルマーの原理=光は最少の時間で通過する=光の入射角と反射角は必ず同じになる=均衡は1つになる」という「たった1つの統一理論」で、ミクロ経済学の「最適化」論理を構成できるのです。原理を1つだけ要請すれば、そこから先は、光やものごとがたどる曲線が絵筆で描いたかのように簡単に導き出され、反射や屈折の法則は、ミクロ的原理から導けるということになるのです。

そこから、さらに解析力学は進化します。通過「時間T」に相当する部分が、のちの「解析力学」における「ラグランジュアン=L=量」になります。たとえばロケットの燃料消費「量」を最小にしたいとき…というように「量」を「最小化すべき量」として設定し、最適な「量」を数値化・グラフ化できます。つまり、ラグランジュアンを応用することで、「神から与えられた法則=T」ではなく、人間が「量=L」を自由に決められることになります。企業がコストを最小限にしたいときは、それを人間が自由に設定することができます。このように、「フェルマーの原理」が、解析力学へと発展したのです。

動学 

 それが、現在のラグランシュを使用した「マクロ経済学のミクロ的基礎付け」になるのです。

 新しい古典派の時代に登場する、動学的確率的一般均衡論(DSGE)は、新しい古典派も、ニュー・ケインジアンも同様に使います。「動学=時系列的な動きがある=現在と将来を見据えて考える理論」は、オールド・ケインジアンが使った「今現在」しか考えていない理論とは別物です。

 ところが、DSGE理論は、「数学=微積分」をふんだんに使う理論ですから、新書や一般的な経済解説本で扱うのは不可能です。「本質だけを紹介するという簡易化」が不可能ですから、世の中にある「簡単解説」経済本は、すべて「ケインズ→フリードマン(マネタリズム・市場経済重視)」までの枠組みで止まっています。はっきり言えば、「70年代」の「常識」で止まったままです。

 ですから、経済学を勉強したことのない一般人の枠組みは、それら本・雑誌に掲載される「古い経済学的常識」に基づいています。そのため、雑誌やネット上にはびこる論調は、市場原理をやみくもに批判したり、ケインズが「不況期」にしか使えない理論であることを無視して、とにかく「公共投資が重要だ」など、「経済学」を踏み外した議論が大手を振って論じられています。「古い話で使えない」のですが、「古い枠組み」しか理解できていないので、自分達の話がとんちんかんであることに気づいていないのです。

「市場原理主義」についてです。ここで述べられている「市場」は、実証的・現実的には「無い」、あくまでも理論上の話でした。

帝国書院『アクセス現代社会2015』
完全競争市場が成立するための条件

①市場に多数の売り手と買い手がおり、すべての売り手がプライス・テイカーである。
②財・サービス(商品)が同質である。
③売り手も買い手もすべての商品の品質や価格に関する情報をすべてもっている(完全情報)
④取引費用(情報収集など、商品の購入にかかったお金以外の費用)がほぼゼロである。
⑤市場への新規参入や撤退が自由である。



清水書院『政治経済資料集2015』p227 

 …こうした完全競争市場は、理論的モデルであって現実には存在しない。…にもかかわらず、完全競争市場を理解しなければならないのは、それが市場構造を評価するベンチマークだからである。現実の企業が直面するほとんどの市場は、完全競争市場の条件のいずれかを欠いている不完全競争市場なのである。


 
 現実にある市場は、ほとんどが「不完全競争市場(独占的競争市場や、寡占市場)」です。つまり、「不完全競争市場」こそが、経済学が研究の対象としている「市場」なのです。市場原理主義?なる「市場」など、実際には、どこにもないのです。ないものを相手に「市場原理主義批判?」なのですから、現代のドン・キホーテのような話です。

 世間では、「失われた20年」について、「市場原理主義、小さな政府を志向し続ける経済学、経済学者が悪い」「経済学など使い物にならない」「経済学など宗教のようなものだ」と批判されますが、実際には、「最新経済学を使えなかったので、日本だけが停滞してしまった」というのが、本当の所です。

<現代経済学>

では、「現代経済学=DSGE」とは何か、解説していきましょう。

クリック

DSGEモデル入門セミナー 平成27年12月18日 内閣府経済社会総合研究所

のページにある、講師:藤原一平(慶應義塾大学・オーストラリア国立大学教授)のPDFファイルを開いてください。

その4「ニューケインジアンモデル」を見ましょう。P50~です。そのP63に、現代の各国中央銀行が使用している理論の3本柱が載っています。

1)動学IS曲線=ニューIS-LMモデル(IS-MPのこと)

2)ニューケインジアン フィリップス曲線 NKPC

3)テイラールール


です。

 この理論については、拙著「図解使えるマクロ経済学KADOKAWA」のp218~223を参照してください。

2) ニューケインジアン フィリップス曲線 NKPC

フィリップス曲線 新

 フィリップス・カーブも、今は「昔」のモノではありません。「インフレだとよい」ではなく、大切なのは、「インフレ率=変化率」なのです。

実質=名目-期待(予想)変化率

インフレでありさえすればよい(実証にすぎないフィリップス・カーブ)では、70年代の「インフレなのに不況=高失業率」を、説明できませんでした。

1%=3%(名目価格)-2%(変化率)

大切なのは、「乖離=ギャップ」なのです。だから「インフレという事実」が大切なのではなく、「インフレ率という変化=動学」が大切なのです。

「実質」が大切なのは、労働市場でも同じです。①実質賃金が高止まり=失業率高(デフレ)→②実質賃金低下→失業率低下(回復期)→③実質賃金上昇=完全雇用(限界費用増)になります。

参照
クリック

池田信夫を銃殺せよ(クルーグマン風に言うと)その3

それで、マンキューが単なる「実証」だったフィリップス曲線を「限界費用増=変化率増=失業率低」という「理論」で、再構築したものが、ニューケインジアン・フィリップス曲線=NKFCです。大切なのは、「インフレ」ではなく「変化率」なのです。

その変化率は、「現在」と「未来」の間で「生じる」のです。

経済は、「未来に依存する」というのが、現代の経済学の必須事項なのです。だから、最新の「動学的確率的一般均衡=DSGE」では、2つの変数の1つ(XとY)は必ず「変化率」なのです。

この「本質=未来が現在を決める」について、解説します。

1)動学IS曲線=ニューIS-LMモデル(IS-MPのこと)

2)ニューケインジアン フィリップス曲線 NKPC

3)テイラールール


ニューケインジアン IS-LM

 この古いIS-LMモデルの式は、次の通りです。

1) Yt+1 = a1Yt - a2(it - E[πt+1]) + ϵt+1
2) πt+1 = b1πt + b2Yt + νt+1
3)  it = q1Yt + q2πt + ηt
4) ηt +1 = ϕt + εt+1

 しかし、この古いIS-LM拡張モデルでは、ルーカス批判(動学を無視している)に耐えられません。

 そこで、動学を取り入れた、ニューIS-LMモデルになります。この式は次の通りです。

5) Yt = E[Yt+1] -σ(it - E[πt+1]) + ϵt
6) πt = E[πt+1] + αYt + νt
7) it = q1Yt + q2πt + ηt
8) ηt +1 = ϕηt + εt+1

 このうち、最も大事なのは、6)です。不完全競争市場における「価格の粘着性」に「ミクロ的基礎」を与えました。この新しい「貨幣実体説」は、先進国中銀の金融政策「インフレ・ターゲット」「量的緩和」策の理論的根拠となっています。

 この「オールドIS-LM」と「ニューIS-LM」の決定的な違いは、因果関係の逆転にあります。IS-LM モデルでは現在tが未来t + 1 を決定しますが,ニュー IS-LM モデルでは未来t + 1 が現在t を決定しています。
 
これが、「40年も前の古い経済学」と「現代経済学」を分ける、決定的な違いです。残念ながら、この部分が、「新書」や「経済学入門本」や、「マスコミ論談」や「ネット上の経済井戸端会議」には、決定的に「欠けている」のです。

新 現代経済学

株価、先物取引、投資をどうするか、貯蓄すべきか、それとも消費するか・・・このように、経済活動はすべて「現在と未来予想」で動きます。そして、「未来予想(この予想を経済学では期待=expectationと表現します)」が、現在の私たちの行動を決定します。

「年金制度が不安だから、消費せずに貯蓄しておこう」、「消費増税があるので、今のうちに買いだめしておこう」「2020年の東京オリンピックに向けて、日本の投資は活発になるだろうから、わが社の今季投資計画・採用計画を決定しよう」・・・。このように、「未来が私たちの現在の行動を確実に変化させている」のです。この「未来」を「一般均衡=最適化行動」に組み入れたのが、現在の「動学的一般均衡=未来と現在を見据えた最適化行動」モデルなのです。

この理論を具体化(実践化)したものが、1990年代初頭に各国中央銀行が採用した「インフレ・ターゲット」です。現在は、アメリカの中央銀行FRB、EUの中央銀行ECBもとっくに採用し、日本も遅ればせながらようやく2013年に採用しました(タイムラグが20年あります。これが「失われた20年」です)。

インフレ・ターゲット

 このインフレ・ターゲットの本質は「不確定な未来を確定させる」ことにあります。未来の確定によって、現在の私たちの行動が変わるのです。このインフレ・ターゲット理論が「なぜ」採用されたのか、ちまたにある新自由主義・市場原理主義」批判者、ケインジアン主義者の解説では、一切登場しません。これらの古い経済学では、「動学的一般均衡」が、理論的に説明できないのです。

 このように、世の中にある「一般的経済学解説書」「新書」「経済学入門」は、すべて古い経済学の段階で止まっています。経済学者の書くぶあつい「教科書」や「解説書」以外では、現代経済学は扱われていないのです。これらは、一般の読者が読む代物ではありません。

 経済は、「②未来(予想)」が「①現実(今現在)」に作用して動くのです。ですから、「②未来(予想)」を絶対にはずせなくなっているのが、現在経済学の本質なのです。「フォワード・ルッキング」「フォワード・ガイダンス」と呼ばれています。

 この「動学的一般均衡=未来を加味した理論」=現代経済学では必須事項なのに、なぜ、世間一般では、「現代経済学」が、理解されていないのでしょうか。それは、今の、「動学的一般均衡」は、微分積分を多用するので、「一般的経済学解説書」「新書」「経済学入門」レベルでは、扱いきれないからです。

 では、この新しい(といってももう30年以上もたっていますが)現代経済学=ニューIS-LMで、インフレターゲット・量的緩和という政策論が、どのように導き出されるのか、下記を見ましょう。

クリック

インフレ予想とデフレ脱却〜レジーム・チェンジの経済学〜 矢野浩一(駒澤大学経済学部) 国民経済計算研究会 2015年3月14日


P29~になります。

ネットなど、こんなアホ論ばかりです。

http://blogos.com/article/208465/

近藤駿介

トランプ大統領の標的となった日銀緩和 ~ 止めるは恥だが役に立つ




高橋洋一や、田中秀臣、浜矩子、野口悠紀雄・・・などの自称「経済学者」や、池田信夫、池田彰、上念司、大前研一、久保田博之・・・「自称経済解説者」など、「でたらめ」であることが、理解できましたか?

<直接民主制など、大馬鹿>

イギリスのEU離脱の国民投票

イタリアの首相が憲法改正案を提示し、否決されれば辞任を明言。

はっきり言います。直接民主制は、やってはだめです。

理由は、「情報の非対称性」です。

私たちは、普段、ほかの仕事についているので、政治課題について、じっくり検討する時間がありません。

だから、私たちは、「代表民主制」「民主主義」というシステムを採用しているのです。

選ばれた人たちに「信託(ロック)」し、私たちの「自然権」を守るのです。

選ばれた人たち(選民)は、私たちよりはるかに「政治課題」について、勉強する時間があります。情報の集約が、われわれ一般人とは、雲泥の差があります(あの、まともな政治家なら・・・の話です。中にはひどい人もいるでしょうが、それでも一般人よりははるかに時間があります)。

 そもそも、その「国会議員」であっても、1国会期間中に出される200本近い法律案をすべて理解するのは、無理です。だから 法務委員会・厚生労働委員会・・・などの委員会でそれぞれの法案を「勉強した」議員が、専門的に審議します。それが本会議に出て、「よく知らない議員」が、「専門議員」にゆだねた法律案を決済します。

 議員でさえ、「情報の非対称性」に埋もれているのですから、マスコミの「評論家」など、法律案をすべて知っているものなど、皆無です。いい加減な知識で、意見を述べているだけです。

 国会議員でも、「勉強」をしている議員であれば、忙しくて「ツイッター」で相手を非難する時間ももったいないですし、ましてや「会議中」にツイッターなど、できるわけがありません。

それでも、法律案を勉強する時間は、私たち一般人より、はるかに恵まれています。その人たちに「議論」してもらうのが、「民主主義」「代表民主制」です。

民主主義など、「よくわからない者の、よく分かっていない者による、よくわかっていない者のための政治」にしか過ぎないのです。完全情報など、「神」しか持っていません。

要するに、政治のプロ(課題を解決するための方策を考えるプロ)に、ゆだねるしかないのです。

病気は、医者にゆだねる、法律は法曹にゆだねる、自動車修理はプロにゆだねる・・・

私たちは、専門業に特化している(1日8時間、その仕事に時間を費やす)ので、「政治課題」について、すべての人々が「選民」よりも情報を持つのは、物理的に「無理」なのです。

住民投票、国民投票にゆだねるなど、民主主義(間接民主制)の原則を無視した、自殺行為です。
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高橋洋一や田中秀臣には理解できない、DSGE(現代経済学)理論

<高橋洋一や田中秀臣には理解できない、DSGE(現代経済学)理論>

 今年、はじめての記事になります。ものすごく骨太な話で、説明が長くなります(ですが、これでも説明のほんの一部分であることをご了承願います。すべてを説明できない事情がありますので、忖度願います)。

http://blogos.com/outline/205039/
アベノミクスと雇用について

アベノミクスが期待外れな結果しか残せていないことについてはいまや多くの人々が同意する所となりつつあるが、その一方で今も「アベノミクスは成功したんだ!」と主張する人々が強調するのは雇用の改善である。しかしながらアベノミクス開始以降、雇用が改善しているのは事実であるが、失業率や求人倍率の推移をみるとアベノミクスの前後で明確なトレンドの違いは存在せず、リーマンショックからの自律回復が続いているだけとも取れる結果である。

これに対し、アベノミクス支持派の主張は、「失業率だけをみれば確かにアベノミクスの成果は見えないが、労働力人口や就業者数を見れば、アベノミクスが雇用を大きく改善したことは明らかであり、同じ失業率の改善でも民主党政権下とアベノミクス以降では中身が異なる」というものである。

次にもう一つの問題点について指摘しておくと、労働力人口や就業者数が増加に転じたのは本当にアベノミクス以降だったのか?という点についても疑問が残る。

例えば高橋洋一氏は以下のような図を示して、「金融政策の効果を見るには就業者数をみればいい」「このデータほど、安倍政権と民主党政権の金融政策の差を如実に示すものはない。はっきりいって、民主党の完敗である。」(参照)とやっている。

失業率

そこで、試しに2012年以降の就業者数、雇用者数をプロットすると以下の通りとなり、少なくとも高橋氏の示したような大きな変化がアベノミクスの開始と共に起こったようには見えない。

失業率2

[追記]
田中秀臣氏は雇用の改善の他に自殺者数の減少もアベノミクスの成果(或いは金融緩和の成果)だと主張しているようであるが、氏も認めているように自殺者数と失業率の間には強い相関がある訳で、自殺者数の減少がアベノミクスの成果というのは失業率の減少がアベノミクスの成果であるという事を前提としており、後者が自律回復で説明できるのであれば、前者もその結果とみることができるため、結局は雇用の改善がアベノミクスの成果かどうかという問題に帰着するだろう。

つまり雇用にしても世界経済にしても安倍政権は強い追い風を受けてスタートしていたという事であり、当初はアベノミクスが大きな成功を収めそうだという期待が高まったことは確かである。それが虚像であったとしても繰り返し喧伝されていた「景気は気から」という考えが正しかったのなら、この好ダッシュはアベノミクスの成功を自己実現的に後押ししたはずであるが、その後の推移を見るに残念ながら「気」だけでどうにかなるわけでもなかったという事だろう。



要するに、「失業率や、就業者数の増加は、リーマンショック以後の『自律的回復』であり、アベノミクスの成果ではない」というものです。

これに対して、反論しているのが、高橋洋一・田中秀臣という、バカ教授です。この馬鹿が踏み外しているのは、今の経済学の本 質など、まったく理解していないというところにあります。
 
失業率


 どうですか?この図を見て、「アベノミクスの成功で、失業率が低下した」と、言えますか?「自律的回復ではないか?」に、「高橋や田中など、反論になっていない」と突っ込まれて、それを否定できますか?

<現在の経済学とは?>

 今の経済学は、動学的一般均衡です。動学的というのは、「時間を考慮した」一般均衡です。

DSGE モデル.jpg

経済学史 とうほう 政治・経済資料2015 p207-2


①古典派経済学  スミスやリカード

②新古典派経済学(ミクロ) ワルラス(静学的)一般均衡や、マーシャル需給曲線

③ケインズ経済学(マクロ) 帰納法(厳密な理論ではなく、実証優先)

④ケインジアン経済学 ケインズの予想(期待)を捨象し、静学(現在)のみ考慮
 IS-LMも、フィリップスカーブも

⑤ルーカス批判 「ケインジアンは、動学(時間軸)を考慮していない!」
 フリードマン・マネタリズム 「フィリップスカーブ(実証)など無意味」

⑥現代経済学
 動学的一般均衡(未来の予想を加味)← ②ワルラスの静学的(今現在のみを考慮)とは違う、③④の静学とも違う。DSGE=動学的確率的一般均衡

これが、「マクロ経済学」の推移です。

世間一般では(ネット上でも)、⑤フリードマンに始まる「市場原理主義」や、「新自由主義」批判!!!(40年以上も前の経済学理解)で止まっています。

要するに、40年以上も前の経済学で止まっている話であり、本当は「批判」にすらなっていません。

なぜ、世間一般では、「最新経済学」が、理解されていないかというと、今の、「動学的確率的一般均衡=DSGE」は、微分積分を多用するので、「一般的経済学解説書」「新書」「経済学入門」では、扱いきれないからです。

だから、入門書の類、高校教科書も、飯田泰之先生など、若手の教授が執筆するもの以外、全部「40年以上前」の、「新自由主義」だの、「市場原理主義」だので、止まっています。

つまり、日本人の経済常識は、未だに前記④ケインジアンの「財政+金融=ポリシー・ミックス」や、⑤フリードマンの「市場重視」で、止まったままです。

もう、団塊世代以上が書く入門書(池上彰など)、すべて「止まったまま」でしょう?さらに、経済学など学んだことがない「エコノミスト(安達誠司とか)」も同じです。彼らの本に「微分積分方程式=動学」を使っているか所など皆無です。

今の大学院で必須の「動学的確率的一般均衡=DSGE」など、彼らには全く理解できていないのです。それは高橋洋一や、田中秀臣など、バカ教授も同じです。だから、「書けない」のです。新書や「経済入門」書に、「最新経済学」が一切ないのは、「①一般向けには、技術的・分量的にも説明できない」、「②バカエコノミストやバカ教授には理解できない」からです。

だから、日本は終わってしまったのです。最新理論を、大学で教えられなかった時代=70年代後半・80年代・90年代初頭→「(理論が)失われた20年」

これが、90年代後半から、「失われた20年(実証)」として、現実化してしまいました。40代・50代の現役世代(官僚の最前線)が、最新経済理論を共通項として理解していないので、「対処の仕様がなかった」のです。彼らの理論も、40年以上も前の、④ケインジアンの「財政+金融=ポリシー・ミックス」や、⑤フリードマンの「市場重視」で、止まったままなのです。

<最新理論=今の経済学常識の本質>

 今の経済学の本質は、「動学的」です。つまり、「現在」だけではなく、「未来」を考慮した一般均衡です。

 未来は、「予想(期待)=expectation」です。

だから、

 実質利子率=名目利子率-期待(予想)インフレ率

です。

GDPで重視するのは、名目ではなく、実質です。

 実質GDP=名目GDPからインフレ率を控除

経済は、「①現実(今現在)」と「②未来(予想)」で動くのです。「②未来(予想)」が大事、というか、絶対にはずせなくなっているのが、現在経済学の本質なのです。

 だから、「(不安定な)未来をできるだけ確定させる」のが、現代経済学の「合意事項・必須事項」なのです。


 ①インフレ・ターゲット
 ②●年●月に「オリンピック」
 ③●年●月に、都市圏「新線」「新駅」「新道」完成
 
 これらが、「未来を確定させる」政策だということが分かりますか?なぜ、90年代になって、①インフレ・ターゲットが導入されたか、分かりますか?これによって、中央銀行は、「政治介入」を避け、中央銀行の独立を達成したのです。

 それまでは、③ケインジアン フィリップス曲線でした。

フィリップス曲線清水書院 現代社会資料集2014 p175


「インフレだと、失業率が低い、だからインフレが望ましい」=裁量政策これ、60年代に終わった話です。

 70年代に襲ったのは、「スタグフレーション=インフレなのに、高失業率=不況」です。

だから、フリードマンは、「フィリップス曲線は垂直になる=あてにできないぞ」と「自然失業率」を唱えたのです。「インフレ目指す裁量などしてもだめだ、ルールに基づいて、金融政策をしろ」と言ったのです。ケインジアン=裁量です。フリードマン=ルールです。

 ところが、ルールに基づく「マネタリズム」を中銀が採用したものの、変動相場制になって、金融自由化が進んだ結果、フリードマンがとなえた「マネタリーベース増減(ルールに基づく)→マネーストックの増減」など、まったくあてにならなくなったのです。金融商品が増大しすぎて、マネーストックの範囲が拡大し過ぎ、もはやコントロール不能になったのです。だから、中銀は、「ルールの基づく政策=狭義のマネタリズム」を捨てたのです。

 その後、インフレ目標(ルール)を定め、その政策目標を実現するために「裁量」を使用する(マネタリーベースの増減、短期利率のコントロール・・・)を導入しているのです。今は、ルール+裁量なのです。

 フィリップス・カーブも、今は「昔」のモノではありません。「インフレだとよい」ではなく、大切なのは、「インフレ率=変化率」なのです。

フィリップス曲線清水書院 現代社会資料集2014 p175


 企業の儲けは、物価が安いときに仕入れ、物価が高くなるときに売るのが一番です。その「差」が、もうけになるからです。
 
人件費も同じです。人件費が安いときに仕入れ、人件費が上がった時(インフレ)にも以前の「安い人件費契約」で使えるときが一番です。

実質=名目-期待(予想)変化率

です。

0%=2%(名目成長)-2%(変化率)では、最大儲けにはなりません。インフレであればいいのではないのです。

他の主体が2%のインフレ率を予想している時に、自社だけが、3%の名目売り上げを達成する(安く仕入れて高く売る)・・・これが「もうけ」なのです。

1%=3%(名目価格)-2%(変化率)

 つまり、大切なのは、「乖離=ギャップ」なのです。だから「インフレという事実」が大切なのではなく、「インフレ率という変化=動学」が大切なのです。

0%=5%(名目成長)-5%(変化率)

これでは、いくら「インフレ」でも、まったく「もうけ=付加価値=GDP」は増えないのです。

1%=10%(名目成長)-9%(変化率)

 もうけは「インフレ率が高いから」ではなく、「ギャップ」にあるのです。だから、フィリップス曲線で大切なのは、「インフレ」ではなく「変化率」なのです。

「実質」が大切なのは、労働市場でも同じです。①実質賃金が高止まり=失業率高(デフレ)→②実質賃金低下→失業率低下(回復期)→③実質賃金上昇=完全雇用(限界費用増)になります。

参照
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池田信夫を銃殺せよ(クルーグマン風に言うと)その3

それで、マンキューが単なる「実証」だったフィリップス曲線を「限界費用増=変化率増=失業率低」という「理論」で、再構築したものが、ニューケインジアン・フィリップス曲線=NKFCです。大切なのは、「インフレ」ではなく「変化率」なのです。

その変化率は、「現在」と「未来」の間で「生じる」のです。

経済は、「未来に依存する」というのが、現代の経済学の必須事項なのです。だから、最新の「動学的確率的一般均衡=DSGE」では、2つの変数の1つ(XとY)は必ず「変化率」なのです。(無理やりです・・ここに欠陥があります。詳しくは説明できません。予定稿で扱います。忖度願います)。

 経済は「未来に依存する・・・」

Y=C+Iです。消費Cは「現在」です。今日の食事、今日の幸せ(ローンでクルマを買うのも、高いソファを買うのもすべて「現在」)が目的です。

 だから、消費など、好不況にかかわらず、「一定」なのです。不況だからといって、電気・ガス・水道・家賃・食費・病院代・・・など、削るわけにはいかないのです。

ところが、「投資」は、未来に依存します。来年以降どうなるか・・・工場を増やすか、人員を増やすか、店舗を拡大するか・・・これはすべて「未来予測」に基づくのです。

だから、「未来が不安」だと、「投資減=不況」になるのです。「好不況は投資に依存する」というのが、ケインズが見つけた「実証」です。だから、投資を拡大するには、「民間に変わってでもいいから、政府が投資する公共投資+民間投資を活発化させる金利下げという金融政策=ポリシーミックス」を提唱したのです。

今に依存するのが、消費。将来に依存するのが、貯蓄Sです。

企業から見るY=C+Iは、家計から見るとY=C+Sです。貯蓄は「未来のため」に行います。未来が不安だと所得Yが増えても、Cを増やすのではなく、Sを増やします。それが、今行われている「消費が増えない」現象の理由です。今現在、家計は消費を増やすのではなく、貯蓄Sを増やしているのです。若い世代ほど顕著です。Yが増えるのに、Sだけが増える・・・だから、S>Iになる。そこで「不況」になるので、Iを増やす=政府支出+金融緩和なのです。

 このように、景気は「未来」に依存するのです。

未来

そうすると、アベノミクスが成功しているかどうかは、「未来に働きかける」ことに成功しているかどうかが基準になります。

アベノミクス

 目先の「求人倍率」や、「失業率」は「今現在」の話です。企業は「今必要」だから動きます。

 一方、大学生や高校生の求人は「半年後、1年後、5年後、10年後・・・」の未来予測に基づいて行われます。今ではなく「未来に依存」する「先行投資」なのです。

 ①投資が増えているかどうか・・・・

アベノミクス 投資

http://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_eco_seizougyo-setsubitoushi
日本政策投資銀行が4日発表した2016年度の設備投資計画調査によると、大企業・全産業の国内投資額は前年度実績比10.9%増の17兆5128億円で、5年連続のプラスとなった。将来の成長に向け、企業が製品開発などの前向きな投資を増加。東京五輪・パラリンピックをにらんだインフラ投資も続く。

未来に依存する民間投資は、アベノミクスで「確実に」変化しています。

②大学生・高校生の就職はどうなっているか・・・

アベノミクス 大卒

http://fp-user.com/%E5%B0%B1%E8%81%B7/%E5%A4%A7%E5%8D%92%E6%B1%82%E4%BA%BA%E5%80%8D%E7%8E%87%E3%81%AE%E6%8E%A8%E7%A7%BB%EF%BC%882017%E5%B9%B4%E5%8D%92%EF%BC%89/

アベノミクス kousotu

未来に依存する大学生・高校生の就職率はアベノミクスで「有意」に変化しています。

分かりますか?高橋洋一や、田中秀臣のように「失業率がとか、労働者数がとか、自殺率がとか・・」など「現在」の指標で、アベノミクスが成功しているだの失敗しているだの・・・。

こういう説明をして「シロウト」を納得させるとことなど「ムリ」なのです。理論的にも実証的にも無理なのです。だから、シロウトに突っ込まれて、反論になっていないのです。

彼らが「バカ」だというのは、こういう「現在経済学」の本質を理解していないからです。

<高橋洋一や田中秀臣には、説明できない話>

DSGE モデル.jpg

動学的一般均衡は、次のような過程を経て確立されました(ここは、ほんのさわりです)。

1)ワルラス一般均衡論(新古典派=ミクロ) = ニュートン物理学(どんぶり勘定)

ワルラス均衡理論は、財市場・貨幣市場・労働市場・・・と複数均衡を扱います。ところが、ニュートン物理学では、「2つの引力」を分析できるのみで、「3つ以上の引力=均衡」は、理論的に扱えないのです。しかし、太陽系の場合、太陽の引力があまりにも巨大で、太陽と金星、太陽と水星、太陽と地球・・・とそれぞれ「2個の引力=ニュートン物理学」を使って解析し、それを寄せ集めて、「太陽系」を説明したのです。

ですから、ワルラス均衡も、それぞれの市場を分析し、それを無理やり「すべての市場均衡=複数均衡」として扱っただけで、もともと、原理的(2個の均衡しか扱えないニュートン物理学に依存)に、「無理」があるのです。

「ミクロ的基礎付け=ある理論からすべてを説明する演繹法」を装ってはいますが、最初から「誤謬」が生じるような理論なのです。


2)ケインズマクロ=帰納法(理論ではなく、実証から作った帰納法)

 一方、ケインズの理論=マクロ経済学は、帰納法です。つまり、実証から導き出した、「ミクロ的基礎付け=ある理論からすべてを説明する演繹法」ではありません。「投資の増減が不況につながる」のを発見し、では、投資を回復させるには・・・という帰納法です。理論などありません。世界大恐慌=不況を克服できれば、それでよいという、ざっくり論です。

 ケインジアンは、とりあえず、ミクロ=ワルラス均衡と、ケインズマクロを結び付け「古典派総合」として活用しますが、これらは原理的に「水と油」でした。

 だから、ルーカスらが、「マクロ経済学のミクロ的基礎付け=ある原理理論の演繹法によってマクロ理論にする」ことを、要請したのです。そこから、現代経済学が始まります。


3)動学的一般均衡
 
これが、現代の「マクロ経済学のミクロ的基礎付け」、ルーカス以後の現代経済学理論です。「動学=今と未来」を考慮したモデルです。

動学的予算線


この、理論には、

 ①フェルマーの定理
 ↓
 ②解析力学
 ↓
 ③ラグランジュアン

動学 


という、「ミクロ的基礎付け=演繹」が導入されています。

「マクロ経済学のミクロ的基礎付け」、すべてを最小単位(ミクロ)に落とし込み、そこから、壮大なマクロを作り出す・・・。

この理論が実践されているのが、「コンピューター」です。最小単位「0と1」から出発→最大単位「マクロ」まで、一貫しています。

この理論を、高橋洋一や田中秀臣は、全く説明できません。「マクロ経済学のミクロ的基礎付け」に、なぜ微分積分が必要なのかも、まったく説明できません。だから、彼らは「終わっている」のです。

もう、高橋や、田中のような「バカ」など、「使い物にならない」のです。

<ただし・・・>

「未来のことは分からない(ケインズ)」時代から少しは進歩して、「未来のことが予測できる」時代にはなりましたが、ですが、やはり「未来の事」は神のみぞ知るです。自然災害や、「ミス」は、やはり正確に予測できません(これらは必ずGDPを下げ、売り上げを下げます)。

経済学は「今」を説明するもので、未来を予測する「水晶玉」は持っていません。

DSGEも「変化率が○○ならば、結果は●●になる」といえるのみで、その「変化率」がどうなるかは「分かりません」

そもそも、経済を決める変数は、無数にあり、XとYだけで決まる「物理学」とは雲泥の差があります。

経済学は「進歩」していますが、「経済全体を描写」するのは、永遠にできません。

イタリア、韓国・・・要するに経済不満

<イタリア、要するに経済不満>



http://blogos.com/outline/200790/

失業率でいえば、イタリアの現状はオーストリアやドイツの比ではない。今年8月の失業率が11.4パーセントで、同月のオーストリアの失業率が6.2パーセント、ドイツの失業率にいたっては4.2パーセント。その差は歴然だ。汚職の蔓延や若者がまともに働けない社会など、長年にわたって放置されてきた問題は多く、野放しの責任が中央政府に存在すると考える市民は少なくない。

 イタリアでは若者の就職難が長年にわたって大きな社会問題となっている。欧州委員会内で様々な統計を担当する部局「ユーロスタット」が2012年秋に発表したデータでは、若年層(15歳から24歳まで)の失業率でイタリアが約35パーセントに達していたことが判明した。EU加盟国の中で、若年層の失業率が高かったのはギリシャとスペインのみで、ドイツにいたっては10パーセントを下回る結果となった。若者が仕事を見つけられない理由は各国によって異なるが、イタリアの場合は景気後退に加えて、ネポティズモ(縁故主義)が壁となって、高等教育を受けた若者でもコネなしでは希望する仕事に就くことが非常に困難な社会事情がある。英ガーディアン紙は2011年7月、母国に見切りをつけて、職を求めて国外に出たイタリアの若年成人が30万人程度と推定されると報じている。

「数年の政治経験しかない人物が、ローマという町をうまくコントロールできるかは分かりません。ただ、汚職や縁故主義に対してはっきりと戦う姿勢を見せてくれたことに、有権者はわずかな希望を抱いたのだと思います。汚職や縁故主義はイタリア社会の隅々にまで蔓延しているので」



経済に対する不満が、首相に「NO!」

経済指標を見たら、イタリア、ボロボロです。

世界経済のネタ帳 

イタリア 1

イタリア 2

これで、不満が出ないわけがない。

ドイツは、「財政赤字、絶対反対」、イタリアは、「財政出動封印」・・・・・。

ドイツ、原理原則にこだわり過ぎでは?

http://abc60w.blog16.fc2.com/blog-entry-1017.html

原理原則にこだわって、反EU者を増やして・・・。目的に対し、手段が・・・・。

<韓国>

http://www.news-postseven.com/archives/20161116_465886.html

韓国社会では、実力よりも権力者との距離や縁故が優先される現実がある。それは社会の至るところにみられる。この体質は官民を問わず社会に浸透している。

■LG、現代など大企業の3分の1に「世襲採用」協約がある
 韓国の雇用労働部が労働組合のある企業のなかで売上高トップ30社を調べたところ、2016年4月現在で11社が組合員の子女らを優先的に雇用する「世襲採用」条項を労働協約のなかに設けていた。該当する企業には現代重工業、LG化学、GSカルテックスなど財閥系が目立った。韓国問題に詳しいジャーナリストの前川惠司氏はこう解説する。

「韓国では労組が強い企業ほど、世襲採用条項を設けています。組合員の縁故採用を続けていれば、管理職の子供をコネで入社させても文句が出にくいという理屈からです」

■「求職者の6割は縁故採用される」という衝撃調査結果
 韓国のシンクタンクが2011年に発表したレポートでは、求職者6165人のうち56.4%が友人や親戚、家族の紹介を通じて就職していた。従業員1000人以上の大企業に限っても、縁故採用(47.3%)が公募採用(32.9%)を上回った。



既得権益を守り続ける、「勝ち組」。親がその企業に勤めているだけで、採用試験で、点数に下駄をはかせる・・・。これで、まともな「労働市場」になるわけがありません。

学歴社会とは言いつつ、強烈な「コネ社会」。学歴をつけても、さらに「コネ」という障壁が立ちはだかる・・・・。

韓国、若者の失業率は・・・

http://www.huffingtonpost.jp/touko-shirakawa/korea-disemployment-young_b_12595728.html

「若者層の失業率は2カ月ぶりに2桁台になり10.3%、6月基準では、アジア通貨危機の影響が色濃かった99年6月の11.3%に次ぐ高さとなった。若者の失業者数は前年同月から1万8000人増加、失業率は0.1ポイント上昇した。




日本は、「学歴・学校歴重視」といっても、はるかにましな社会です。

再掲 アベノミクス失敗とギャンブル

<再掲 アベノミクス失敗とギャンブル>

民主党 枝野幹事長11月14日記者会見

「アベノミクスによって国民が痛めつけられている。経済失政」


民主党政権時よりも就職率アップしたが、それは失政!!!・・・ということらしい・・・

北海道新聞H26.11.15
就職内定率


なにをどうすれば、経済政策成功となるのか?所得倍増のことなのか?成長率5%のことなのか?

一度は失敗したが、今度は達成してくれるのか?民主党に賭けろ!ということか。
それを、世間では、ギャンブルと言うのではないか?

<世界一のギャンブル大国日本>

全体参考・引用資料

http://blogos.com/article/98799/forum/
日本の現実を踏まえないカジノ論争のむなしさ

 パチンコは、ギャンブルではない。

宝くじ(ロト7など)    2013年度 9,445億円
競艇は、         2013年度 9475億円
競輪・オートレースが 2013年度 6,063億円
競馬はJRA地方競馬合わせて、2兆7671億円
パチンコ売上(貸玉料)2013年 18兆8180億円

日本 ギャンブル 売上 割合



パチンコは、ギャンブルではない by 警察庁

ウイキペディア

日本において賭博は刑法で賭博罪として禁じられており、特別法で認められた公営ギャンブル等を除けば金銭を賭けた賭け事を実施することはできない。

パチンコについては特に風俗営業法第23条(1984年8月の風俗営業法改正で制定)により遊技場営業者に以下のことを禁止させている。

1.現金又は有価証券を賞品として提供すること
そのためパチンコでは出玉(4円以下[2])を現金ではなく景品(1万円以下[2])と交換している。しかし、実際は特殊景品と呼ばれる景品を介在させることで、出玉を金銭と交換することが事実上可能になっており、この特殊景品を用いた営業形態を「三店方式」という。



http://nikkan-spa.jp/716664

日本オリジナルの大衆娯楽・パチンコに換金行為はあるのか、ないのか。
そんな議論が今、政治の世界で熱く交わされている。

 「パチンコで換金が行われているなど、まったく存じあげないことでございまして」と警察庁の担当官。
「建前論はやめましょう」。うんざり顔の議員ら。

 高村正彦・副総裁、野田聖子・総務会長、野田毅・税調会長ら大物議員が発起人に
名を連ねる自民党の「時代に適した風営法を求める会」で、そんな堂々巡りが続いている。



日本のギャンブルでの売上は、パチンコがもっとも大きく、全体をあわせると24兆円規模にまで達しているのが現実です。世界でも類を見ない賭博王国ではないかと感じます。

ちなみに今ではマカオに抜かれてしまったようですが、カジノの盛んなアメリカでの、カジノ市場規模は4兆6000億円程度ということなので、日本のパチンコ産業は、その4倍の規模です。あるいはそれ以上かもしれません。お隣の韓国はカジノの売上は、300億円程度といわれています。

質が悪いと感じるのはパチンコやスロットです。ふつうの国なら生活圏から離れたカジノにしかないスロットマシーンが、堂々と生活圏のなかに溶け込んでいるのですから。

およそ19兆円、もしかするとそれ以上がパチンコやスロットにつぎ込まれ、グレーであるために、警察OBなどの利権が生まれ、生活圏に賭博場が広がってしまったのです。

海外から見れば、カジノにしかないはずのスロットが町のあちこちにあるという光景はきっとアンビリーバブルに映るのではないでしょうか。



外国に行くと、日本が「異常」だとわかる。

アメリカ 人口 ギャンブル.jpg

パチンコはギャンブル by 厚労省

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-08-25/2014082513_01_1.html

 「日本のギャンブル依存症患者は536万人」―依存症の実態調査をした厚生労働省研究班が20日公表した最新の調査結果が衝撃を広げています。日本がすでに世界最悪のギャンブル依存症大国

研究班は、ほぼ同様の手法で行われた諸外国での調査結果の数値も合わせて公表しました(表参照)。ほとんどの国が1%前後なのにたいして、日本の数値は“異常”ともいえる高さです。

 競馬、競輪など6種目の公営賭博に加え、「遊技」という欺瞞(ぎまん)的な扱いで、パチンコ・パチスロという実質的な賭博行為が日本中どこでも、いつでも行われているギャンブル状況が、こうした結果を招いていることは明白です。


ギャンブル.jpg

ギャンブル依存症が増えるから、サンダル・ジャージで行けない、近所には存在しない、カジノリゾート禁止!

経済ジャーナリストは、経済学を知らない

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<経済ジャーナリストは、経済学を知らない>

http://news.livedoor.com/article/detail/12331304/

裏返せば、アベノミクスにデフレ完全脱却に向けた切り札もなくなり、“手垢”が付いた官製賃上げに頼らざるを得ない内情が透けてくる。今年の民間の賃金交渉への政治介入は先手、先手が際立つ。過去3年にならえば、連合が10月にまとめる基本方針を受けて動き出すのが常だった。

ところが、今年は1カ月も前倒しして先制攻撃を仕掛けた。それも、大企業と格差のある中小企業の賃上げに照準を据えた点が大きな特徴だ。全国の中小企業を束ねる日本商工会議所が9月15日開催した通常通会員総会で、来賓あいさつした安倍首相は「中小企業の下請け取引の条件改善に全力で取り組む」と語気を強めた。

これと歩調を合わせ、世耕弘成経済産業相は同日、自動車メーカーの業界団体である日本自動車工業会に対し、下請け取引の改善を要請した。一連の動きは、大企業が一律に下請け企業にコストダウンを強いる慣習を是正し、中小企業を賃上げに導く試金石と受け取れる。10月には最低賃金を引き上げており、出遅れる中小企業の賃金水準を引き上げ、民間企業全体の賃金を底上げし、デフレ脱却を実現しようとの腹積もりだ。

■デフレ脱却遠のき、アベノミクスは末期症状

しかし、日商の三村明夫会頭は最低賃金について「近年は景気や経営状況と乖離した引き上げが行われている」と、中小企業の経営環境を無視した官製圧力に反発を強める。ただ、消費税率10%への増税を19年10月に延期してまでデフレ脱却実現をコミットメントした安倍首相は背に腹は代えられない。なにしろ、リセットを繰り返しつつもアベノミクスは4年10カ月を超えてほぼ末期症状に陥っており、デフレ脱却は遠のくばかりだからだ。さらに、ドナルド・トランプ次期米大統領はアベノミクスが一丁目一番地に掲げる環太平洋経済連携協定(TPP)を反故にする可能性も濃厚であり、成長戦略として賃上げに頼るよりない。

実際、日本銀行の黒田東彦総裁は11月1日の金融政策決定会合後の記者会見で、「デフレマインドは相当強く、払拭に相当な時間を要している」とし、2%の物価上昇目標達成を「17年度中」から「18年ごろ」に先送りした。物価目標の先送りは昨春以降5度目で、黒田総裁による異次元の金融政策頼みのデフレ脱却は限界となりつつあることを物語る。

そのうえで、日銀は同日発表した経済・物価情勢の展望(展望レポート)で、「来春の賃金改定交渉に向けた動きが注目される」と記し、安倍政権同様にデフレ脱却への道筋を付けるには民間に賃上げが避けられないとの認識で歩調を合わせた。安倍首相が盛んに強調する「アベノミクスの果実」も、足踏みする景気を前に萎む一方だ。

財務省が同日発表した16年度上半期(4~9月期)の税収実績(一般会計ベース)は前年同期実績を7.8%割り込み、上半期としては7年ぶりの減収に追い込まれた。企業収益の悪化で今後は法人税収の伸びも期待できず、デフレ脱却に向けて政府・日銀の期待は勢い来春闘での賃上げに傾く。

連合は10月20日、来春闘で基本給を一律に上げるベースアップ(ベア)の要求を今年と同じ「2%程度」とする方針を決め、政府・日銀と足並みをそろえる。半面、大企業が中心の経団連にはトランプ大統領就任で不確実性が強まる経済情勢を反映し、賃上げに対する過度な期待を牽制する意見も多い。その意味で、賃上げがデフレ脱却への切り札になり得ず、4度目の官製賃上げは完全に行き詰まりかねない危うさが漂う。

(経済ジャーナリスト 水月仁史=文)




何を言っているんだか・・・

1)給与やボーナスは上がっている

夏のボーナス2.3%増 9月、実質賃金も0.9%増
日経新聞web 2016/11/7 10:11

厚生労働省が7日発表した9月の毎月勤労統計調査(速報値、従業員5人以上)によると、今夏の1人あたりのボーナスは前年より2.3%多い36万5008円だった。…9月の…実質賃金も前年同月比0.9%増えた。前年同月を上回るのは8カ月連続。…特にフルタイムで働く一般労働者は0.5%増と小幅だが着実に伸びている。



時事通信11月17日(木)17時41分

 厚生労働省が17日発表した賃金構造基本統計調査によると、2016年の大卒初任給は前年比0.7%増の20万3400円となった。3年連続の増加で、過去最高を更新した。…調査は7月、10人以上を雇用する民間企業を対象に実施。1万5308事業所の回答を集計した。 



求人倍率1・40倍、25年2か月ぶり高水準
読売新聞11月29日(火)10時42分

 厚生労働省が29日午前に発表した10月の有効求人倍率(季節調整値)は1・40倍で、25年2か月ぶりの高水準となった。

 有効求人倍率の上昇か横ばいは49か月連続。正社員の有効求人倍率は0・89倍で、正社員を区分して統計をとるようになった2004年11月以降で最高となった。

 有効求人倍率は、求人票を受理したハローワークごとの受理地別、実際に仕事をする就業地別ともに、2か月ぶりに全都道府県で1倍を超えた。受理地別では最高が東京都の2・07倍、最低が沖縄の1・00倍だった。

 新規求人(原数値)は前年同月比1・1%減だった。産業別では教育、学習支援業(10・0%増)、宿泊、飲食サービス業(3・5%増)は伸びた一方、学術研究、専門・技術サービス業(6・6%減)、情報通信業(6・5%減)などが全体を引き下げた。


2) インフレ目標は手段、目的は、「雇用改善」

インフレ目標は、「手段」であり、実際にインフレ目標を掲げている国で、その数値を達成できている国はありません。目的ではないのです。「目的を実現するための手段」です。

手段を達成できないから、「アベノミクス失敗」など、ジャーナリズムは、本質を全く理解していません。


http://president.jp/articles/-/20634

結局、アベノミクスはあなたの給料を上げたのか?
ジャーナリスト 鷲尾香一=文


給与が上がっているのに、消費しない・・・ 答えは、「「貯蓄を増やしている」です。
給与が上がってるのに、消費しない・・・答えは、給与増とともに、社会保険が増えているからです。

消費が伸びない・・・高齢者は26.7%、彼らの「年金」は増えません。

大体、消費が伸びない=将来不安で貯蓄する・・・これのどこがまずいのか、さっぱりわかりません。貯蓄=投資ですから、貯蓄された分は、企業、政府、外国が消費しています。

金融緩和の目的(インフレ目指す)は、雇用の改善です。失業率・求人倍率の改善が「金融政策」が成功したことを示します。

インフレ=失業減 デフレ=失業増 というフィリップス曲線は、すでに「マンキュー」が、単なる「事実=実践」ではなく「理論」として再構築しました。

経済評論家は、「経済学」を勉強したことが無いのです。
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